京「誕生日おめでとう、和」

和「覚えていてくれたんですね、ありがとうございます」

惚れた女の生まれた日だ、そりゃ覚えてるよ。……なんて言える日がいつかは訪れるんだろうか。
言ってみたいけど言った後を思うと恐すぎる。冷たい目を向けられるとか罵られるなら凹むで済むけどもし完全無反応とか
だったら……!
あ、想像だけで死にたくなってきた。心弱すぎるでしょ俺……。

京「で、誕生日プレゼントなんだけd」
和「それなんですけど」

遮られた。なんだろ?
……まさか、俺からの贈り物なんて結構ですとかそういうアレじゃないですよね?
流石に和から好かれてると思うほど自惚れてはいないつもりだけど……き、嫌われてもいないよね?
いませんよね!??
あれ、視界が滲んできた……熱帯雨林かな?

和「自分からプレゼントの催促なんて、はしたないとは自覚しているのですが……戴きたいモノがあるんです」

京「あ……ああ! 俺に用意できる物ならなんでも言ってくれ!」

よ、良かった~とりあえず嫌われてるわけじゃなさそうだ!うっかり帰りに練炭買うトコだったわ~。
まあ発想の貧困な俺にはめっちゃバイトして彼女の持ってなさそうなエトペングッズ買い集めるぐらいしか思い付かなかったし、渡りに舟ではあるな。
でも和が自分からねだるものか、何だろう。ちょっと想像つかないな。……『和のおねだり』、なんと甘美な響きだろうか。

京「それで何が欲しいんだ?」

ご、五桁で買える物だろうか……いや、和の為ならオーバーしてもいいんだけど恋人でもないのに十万単位のプレゼントとか
どう考えても重いよな? 必死と言うか……回りに知られたら多分死ぬな。

和「その……須賀くんの……」

京「俺の?」

和「須賀くんの……子種を戴けたら、と」



……、……。…………? ……ハッ!?
9秒の時点で承太郎に時を止められたDIO様の気分ってこんな感じだったのだろうか。

まずいな、今和が何を言ったのか聞こえたはずなのにさっぱり理解できない。今の俺、多分全国二回戦で染谷先輩に
変な鳴きされたりして混乱してる時のエイスリンさんみたいな顔してるぞ。

和「あの……須賀くん?」

いけね現実逃避してた、落ち着け落ち着け。逃避するのはハゲモブさんの毛髪だけで充分だっつーの。そう、頭皮からね!
……うん、全ッ然落ち着いてねーな。動悸が止まらん。

京「えっと……和? スマンがもう一回言ってくれないか?」

そうだよ聞き間違いに決まってるよな。

和「分かりました。須賀くんの子種を私に戴けませんか?」

聞き間違いじゃない……だと……?
あのお堅い和が……子種って…………困惑すると共に正直、興奮しました。……じゃなくて!
どどどどういう事だ、あああ新手のスタンド使いの攻撃を受けているとでも言うのか。
何を言ってるんだ須賀京太郎。清澄が全国優勝出来たのも部長の夢が叶ったのも和が引っ越さずに済んだのも
全部照さんのおかげじゃないか。て言うか俺自身が宮永照だったんだよ。
いやホントに何言ってるんだ俺、大体この3つ全部同じ事じゃないか。

和「あ、あの……須賀くん? それで子種は……」

おいおいそんなに子種子種連呼しないでくれよ、どうにかなっちまいそうだぜ。俺の頭をフットーさせてどうするつもりだい? 全く和は困った子猫ちゃんだな。
はっはっは。いやいやいや。うんうんうん。
……うん、無理。ボクの情報処理能力が限界を迎えようとしています。……もう、ゴールしてもいいよね?

京「和はッ!! そんな事言わないッッッ!!!!!」

和「す、須賀くんっ!?」


~~~~~~~~~~


優希「おー、すげーな京太郎……40ヤード走4秒2ぐらいのスピードで駆け出してったじょ……あ、残像って初めて見たじぇ」

久「~~~ッ! ッ!!」

まこ「あんたぁ笑い過ぎじゃ……京太郎の奴血涙流しとったぞ」

咲「や、やっぱりやり過ぎだったんじゃ……あそこまで取り乱した京ちゃん初めて見たよ」

久「あ~笑った笑った。お腹いたい……和ったら本当に言うんだもの、そりゃ須賀くんも一人百面相するわよ」

優希「鬼だ、鬼がいるじぇ。でもてっきりのどちゃん判っててボケに乗ったと思ってたんだが」

まこ「天然……なんじゃろうな……流石に保健体育マトモに受けてないって事もなかろうし」

咲「そう言う呼称を知らなかった……って事ですね」

久「いやー……あのコから恋愛相談受けてそう言えば誕生日がもうすぐねって事で一発かましてやれって感じで嗾けたけど、
  ここまで面白い結果になるとはね。須賀くんも和も楽しませてくれるわ」

まこ「お前さんの愉悦のせいで一組の後輩カップルが成立前に破局を迎えようとしとるんじゃが……」

久「分かってるわよ、和のトコ行って説明しましょ」

優希「それもそうだじぇ、お~いのどちゃーん!」

和「ゆーき!? 皆さん!?」

咲「あのね、和ちゃん。とっても言いにくいんだけど……」

~子種セミナー開催~

和「」

優希「うおー真っ赤……のどちゃん大炎上! のどちゃんは死ぬ!」

和「ハッ!? な、ななな……何て事を! これでは私須賀くんに頭おかしいって思われただけじゃないですか!」

久「ご、ごめんってば! 悪かったわよ、ちゃんと須賀くんには私から説明するから!」

和「絶対ですよぅ……せっかく東京に行かずに済んで一緒にいられるのに、これで終わりなんてあんまりです……」

咲(うわ~和ちゃんマジ泣きだよ、カワイイ……これで迫れば京ちゃんイチコロなのに)


この後、咲さんの誕生日ぐらいまで凄いギクシャクする男女がいたけど無事交際が始まったようです。