一年の秋、俺は今日も今日とて走って屋上へと向かう。

屋上が解放されてるってことを知ってる生徒も少ないからか、そこには俺を待っていた一人しかいなかった。

息を切らしながらその人のもとへ向かって、俺はベンチに座ってるその人の隣に座る。

京太郎「お、お待たせっ……しましたっ!」

まこ「京太郎、昼は長いんじゃからもう少し落ち着きんさい」

京太郎「せっかくの先輩との昼なんっすから、そうはいきませんよ」ハハッ

まこ「お、お前はまたっ……」フイッ

顔をそむけられて、俺はまずいこと言っちゃったかななんて思う。

性格にはカッコつけすぎたというか、まぁそれで俺を引くような人ではないとは思うんだけど。

まこ「そ、そんなことよりほれ!」スッ

京太郎「毎日ありがとうございます、先輩!」

まこ「別に構わん、いつも学食とか弁当ばっか言うから作る言うたんじゃしな」

そう、先輩が俺に作ってくれるって言ってくれた時はすげぇ勢いで頼み込んじゃったんだよな。

京太郎「いただきます!」

俺はそう言ってから持ってきてもらった箸を使って弁当を食べる。

京太郎「ん、今日もいつも通りうまいっす!」

まこ「そりゃよかった」ニコッ

先輩が笑って、自分の弁当を開ける。

京太郎「それにしてもすみません、手間でしょうに」

まこ「ん、まぁうちの手伝いとかしてもらっとるしの、全然じゃ」

でも一応バイト代とかももらってるしなぁ。

京太郎「やっぱ先輩が先輩で良かったっす」モグモグ

まこ「……お前、よくそんなことを恥ずかしげもなく言えるの」カァッ

京太郎「ん、そうっすね」ハハッ

まこ「でも、いつも残さずおいしそうに食ってくれるのは見てて気持ちがええの」ニッ

京太郎「先輩の料理なら一生食べ続けられますよ!」グッ

まこ「なな、なにを言っとるんじゃ京太郎は!」カァァッ

京太郎「え?」

俺なんか変なこと言ったか?

そんなことを思ってたら、屋上の扉が珍しく開く。

久「あら、屋上に誰かいるのかと思ったら二人とはねー」

京太郎「ん、部長」

久「元よ、今はまこでしょ」

まこ「な、どうしてここに!?」

久「来ちゃまずかったかしら?」ニコニコ

まこ「べ、別に」フイッ

どうしたんだろ?

久「最近早弁しないと思ったら、そういうことねー」

まこ「うるさいわっ!」

早弁、そういえば染谷先輩は早弁してたのに最近はしてないな……。

部長は笑って染谷先輩の怒りを軽くかわす。

久「さて、馬に蹴られない内に帰らないとねー」

俺が染谷先輩を好きってことをいつバラすんじゃないかって正直ビクビクする。

久「それじゃあねー」

それだけ言うと部長が屋上から出て行った。

まこ「まったくあいつは」モグモグ

京太郎「その、最近早弁しないのって俺に気使ってます?」

申し訳なさもあって、俺がそう聞く。

まこ「……馬鹿もん」

京太郎「へ?」

まこ「わしはお前と昼を一緒に食べたいからこうしとるんじゃ」コツッ

俺の額を軽く小突くと、先輩は自分の弁当を片付けて立ち上がる。

まこ「……この唐変木」タッタッタッ

京太郎「」

え?


カン!