淡「はじめてにきょうたろーのことあった時はね、「なにこいつ」って思ったよ」

淡「テルーが連れてきてね、いきなり自分の専属マネージャーにするってさ」

淡「スミレがいくらもとの場所に返してこいって言っても全然聞かないしさ」

淡「スミレが頭抱えてたし、タカミーも亦野先輩も呆然としてたんだ」

淡「えっと…『ナシクズシ』っていうんだっけ?そんな感じで入部したんだけどさ」

淡「めっちゃ弱かったんだよねー。もうびっくりするぐらい」

淡「焼鳥ばっかでさーみんなきょうたろーの事バカにしてたんだ」

淡「色んなやつが陰口叩いてたんだ。「なんであんなやつがテルーと一緒にいるんだ」って」

淡「…私もね、そのひとりだったんだ。うー、今はちゃんと反省してるよ。ちゃんとみんなで、ごめんなさいしたもん」

淡「きょうたろーはさ、こっちが拍子抜けするぐらい簡単に笑いながら許してくれたけどさ。
 「そう思われてもしかたない」とかいってさ」

淡「むしろブチキレたのはテルーのほうだね。この事聞いてさ、ギュルギュルギギギッて感じで怒ってたんだ」

淡「きょうたろーが止めてなきゃ…うぅ、怖かったよー」

淡「…でも、あの時のきょうたろーはかっこよかったなー」

淡「あ、脱線しちゃった…あのねきょうたろーはね、楽しそうに麻雀を打つんだ」

淡「ボロボロにトバされても、マグレ当たりでアガれた時も全部楽しんでんの」

淡「はじめはさ、みんなでもきょうたろーの事笑ってたんだ。初心者丸出しで、白糸台で続くわけないって」




淡「それでも、きょうたろーは笑ってたよ」

淡「その笑顔は、日に日に大きくなってった」

淡「バカにして笑っていたやつも、陰口たたいていたやつも、私も、きょうたろーの笑顔に引き込まれていったんだ」

淡「そしてね、きょうたろーの事をバカにするやつなんていなくなってたんだ」

淡「それに気づいたとき、淡ちゃんは確信したんだ」

淡「イケてるやつだ、ってね」

淡「そっからは、まぁいろいろあったけどさ。みんな仲良くやれてたんじゃないかな」

淡「え?はしょりすぎだって?にひー、まぁいいでしょ。きっとずっと覚えてると思うからさ」

淡「そんじゃね、これで終わりにしたいと思いまーす」

淡「それじゃね」



「…なっつかしーなー、これ」

「あぁ、お前がタイムカプセルに入れたのって、それか」

「うん。未来の私にーって書いた手紙」

「びっくりだよ。ホントに全部覚えてる」

「…そっか」

「うん」

「…なぁ、淡」

「なーに?」

「お前は、昔の自分に誇れる自分に、なれたか?」

「…」キョトン

「…もっちろん!!」

「女子麻雀プロ兼きょうたろーのお嫁さんだよ私は!そんな私が誇れない自分じゃないはずないでしょ!?」

「…そっか」

「うん!!…それにね」

「この子にえへんって胸を張っていられるお母さんになりたいし、ね」

「あぁ、そうだな。おれも、誇れる父親でありたいと思う」

「よろしい!!」


ーーねぇ、昔の私。私はあなたにエールを贈るよーー

ーー幸せは歩いてこない。だから手を伸ばさなきゃーー

ーー私の隣を歩いている、彼の手を握れるようにーー

ーー未来が、大金星の輝きで満ちるようにーー


淡「あわ?」

京太郎「どした?」

淡「んー…」

淡「なんでもない!!」

京太郎「なんじゃそりゃ…」

淡「…」

淡「がんばるよ」

カンッ