どうして……どうしてですか? 京太郎くん……

 貴方は、私のたった一人の良人なのに……

 どうして……私以外の女性にあんな顔を見せるのですか……

 楽しそうな顔、嬉しそうな顔、恥ずかしそうな顔、真剣な顔

 どれも等しく私だけが、得られるはずのもの――

 でも、実際はそうじゃない

 霞ちゃんと麻雀のことで笑いあったり

 はっちゃんと楽しそうに巫山戯合っていたり

 巴ちゃんと今日の献立を楽しそうに相談していたり

 春から黒糖を分けて貰って嬉しそうにしていたり

 京太郎くんは、口を開けばみんなとの事ばかり

 みんなみんな、口を開けば京太郎くんの事ばかり

 おかしいです

 どうしてなんですか

 こんなの、あんまりです

 私は貴方のものなのに……

 どうして、貴方は私のものではないのですか……?

 貴方はただ役目を全うするだけだった

 私の世界に色をくれた、たった一人の人なのに……

 でも――

 ふふふ……

 でも、こうして京太郎くんが

 無防備な姿を見せてくれるのは

 私の前でだけ……

 そう、私だけ……

 うふふ……

 今はまだ、貴方の全てがここになくてもいいんです

 いつかはその時が来ますが、それまでの間

 少なくともこうしている間は

 貴方は私だけのものなのですから

 秋の稲穂のような髪も

 長く艶のある睫毛も

 がっしりとして男らしい胸板も

 みんな、みんな、私だけの

 私だけのもの――


 カンッ