エイスリン「……」じっ

─鏡─

エイスリン「ウ……」もじもじ


──二日前──


塞「なに? 京太郎と付き合いたいって? ふーん」

塞「へぇ~」にやにや

塞「いや、いいんじゃない? 折角カミングアウトしてくれたんだし、協力するから安心しなよ。っていうか」

塞「京太郎なんて、簡単にオとせると思うけどね」にやり

塞「そうだなぁ……まずは、街に出よっか」


──


エイスリン「ナンテ言ウカラ、信ジテ塞ノ言ウ通リニシテミレバ……」

エイスリン「……」ばっ←露出狂の絵

エイスリン「本当ニ、コンナ服デ迫レバ京太郎ト恋人ニナレルノッ……!?」

塞「いや~大胆~♪ ってくらいが京太郎には丁度良いのよ」

塞「見た目でまず、ガツンとかまして、引くくらいボディータッチして、私はこんなに京太郎が好きなの! ってアピールすれば」

塞「京太郎はコロッといっちゃうって♪」

エイスリン「……」

エイスリン「塞……」うつむき

エイスリン「デモ、ソレッテツマリ、塞デモ同ジッテコトナノカナ」

塞「???」

エイスリン「モウ! 京太郎ハ迫レバ塞デモシロデモ誰トデモ仲良クナレチャウッテコトナノカナッテ訊イテルノ!」じとー

ばっ←にやにやしてる京太郎の絵

塞「ああ……」

塞「それを訊いてどうするの?」じっ

エイスリン「?」

塞「ふふっ」

塞「私が似たように京太郎に迫って、その結果がどうなるか試してみようか?」

エイスリン「ヤ、ヤダ! ダメ!」あせあせ

塞「怖いでしょ? じゃ、エイスリン自身がそれを試す価値ありってコトだよね」

エイスリン「……!」

塞「未だ迷いが有る?」

エイスリン「ウウン、全ク!」きっ

エイスリン「アリガトウ、塞。行ッテクル!」だっ


塞「行っちゃった、か……」

塞「……」


──


エイスリン「京太郎!」だだっ

京太郎「エイスリンさん」

エイスリン「オハヨウ! 待チ合ワセ、来テクレタンダネ」にこ

京太郎「当然っすよ!」

京太郎(っていうかエイスリンさんからデートの誘いがあって、断れる奴なんてなかなかいねえだろうな)

京太郎「さて……何処行きますか?」

エイスリン「映画館!」ばっ

京太郎「お、チケットあるんですね」

京太郎「えっと……聞いたことない映画ですね。逆に楽しみ~」

エイスリン「……」どきどき


──

塞「映画は雰囲気の出るものを選べば何でもいいの。けど多少濡れ場があるほうが後々のコト考えるといいかもね」

エイスリン「ヌレバ??」What?

塞「こんなのっ」かきかき

エイスリン「!!?」ぼっ

エイスリン「ムリ!!」ぶんぶん

塞「……そんな怖気付くんなら京太郎、私がもらっちゃおっかなぁ」

エイスリン「ムウ……解ッタ。ソレニ決メル!」

──


エイスリン(京太郎、フツーニ観テル……凄イナ……)

京太郎(こんなシーン……普段なら喜んで観たいけど、エイスリンさんの手前、下手に動揺できないぜ……)ごくり


──上映後


京太郎「あー、本当面白かったですね。俺的には、ボブがクイーンに耐えられず会いに行って告白したシーンが最高でした」

京太郎「エイスリンさんはどうすか、気に入りました? やっぱり外国人のクイーンの別れのシーンが……」

エイスリン「ウーン、ボブトクイーンガ部屋デ話シタリゲームシタリシテ過ゴシテタ何気ナイトコロ」ばっ←そのシーンの絵

エイスリン「アアイウ時間、キット幸セ!」にこ

京太郎「へえ」

京太郎「エイスリンさんっぽい答えで安心しました」

エイスリン「……何ダト思ッテタノ?」じとーっ

京太郎「いや、だって……」ちらっ


エイスリン「……?」←服


京太郎「まあ、何でもないですよ」ぽりぽり

エイスリン「……ッ!?」わっ

エイスリン「今日ノ服、ヤッパリ変カナ!?」あせあせ

京太郎「え!? い、いや、ちょっと出しすぎかなとは思いますけど……」あせあせ

エイスリン「!!?」

エイスリン(出シスギテル変態ッテ思ワレテタ! 露出狂ミタイナ格好デキモイッテ思ワレテター!!)わあーっ

エイスリン「チ、違ウカラ! 京太郎、コレハ違ウノ! コレハワタシガ変態ダカラ着テル訳ジャナクテ……!」ぐるぐる

エイスリン「コレハ、コレハ、塞ガ嘘ツキダカラ……」あせあせ

京太郎(な、なんかエイスリンさんすげえ焦ってるぞ……)

京太郎(これは一発、場を和ませたほうがいいな……)

京太郎「いや、勘違いするもなにも……」

京太郎「凄い似合ってて、抱いてやりたいとか思いました」はは

エイスリン「エッ!!?」ボッ

京太郎「あ、違いますからね! 別に奸なコト考えてたわけじゃなくて、そんくらい似合ってて可愛いって言いたかっただけですからね!?」あせあせ

エイスリン「……ッ」

京太郎「……っ」


「「あははは!!」」どっ


京太郎「なんか、笑っちゃった。エイスリンさんのそんなトコ、初めてみた気がします」

エイスリン「京太郎モ凄イ可愛イカッタ♪」にや

京太郎「や、やめてくださいよ~」あせあせ


エイスリン「コレカラ行キタイトコロ……アル?」

京太郎「うーん。飯でも食いに行きますか?」

エイスリン「……ジャア、ワタシノ家、行コッカ」にぎっ

エイスリン「料理、自信アルカラ……」ちら

京太郎「そ、それじゃあ、お邪魔します……」どきどき


──


エイスリン(サ、誘ッチャッタ……)

京太郎「わ、わぁ~……綺麗な部屋ですね~……さすがエイスリンさん……」どきどき

エイスリン(ワタシタチ以外誰モ居ナイ部屋ニ連レ込ンジャッタ……!)どきどき

エイスリン(ド、ドウシヨウ……塞……サエェ~……)あせあせ


──

塞「いい? 部屋に招待出来たらあとはこっちのもの。好きなようにアプローチして、一気に決めちゃえ!」

エイスリン「頑張ル!」ぐっ

──


エイスリン(ム、無理! 絶対出来ナイ……)ぶんぶん

京太郎「エイスリンさーん」とんとん

エイスリン「ヒアッ!?」びくんっ

エイスリン「ド、ドシタノ京太郎!?」どきどき

京太郎「いや、エイスリンさん動かないからどうしたのかなって」

エイスリン「ウ……ゴメン。ソノ……テキトウニ座ッテテ。オ料理作ッテクル」とてとて

京太郎(……エイスリンさんの部屋)

京太郎(この部屋でエイスリンさんは生活してるんだな。この匂いも、あまり家具の無いレイアウトも、新鮮な感じだ)

エイスリン「~♪」とんとん

京太郎(台所でエイスリンさんが調理する姿と音。もし、エイスリンさんが俺と付き合ってたら)

京太郎(こんな景色も俺のものになるんだろうか。時折二人で台所に立って同じ料理を作ったりして)

京太郎(そのエイスリンさんの笑顔と言葉も、俺だけのものになるんだろうか)

エイスリン「京太郎♪ ハイ、出来タヨ。食ベヨ♪」こと

京太郎「おっ。すげえ美味そうなカレー♪ いただきまーす」がつがつ

京太郎「美味え。最高っす、エイスリンさん」ぐっ

京太郎(けど、解ってる。エイスリンさんは遠すぎる)

エイスリン「アリガトウ!」にこっ

京太郎(卒業したら国に帰り、自分の人生を歩んでいく)

京太郎(その道を逸らして、エイスリンさんの運命を預かるコトが──)

京太郎「……エイスリンさん」

エイスリン「?」

京太郎「……いや、何でもないです」

京太郎「今日、めちゃくちゃ楽しかったです。誘ってくれてありがとうございました」

京太郎(果たして俺に出来るだろうか──)

エイスリン「……」

エイスリン「私モ楽シカッタ!」にこ

ばっ←京太郎とエイスリンの笑う絵

京太郎「ははっ」にこ

エイスリン「!」どきっ


エイスリン「ア、アノネ……京太郎……」ぽつ


京太郎「?」

エイスリン「スキ……」ぽつ

エイスリン「~ッ」くるっ ぼす

京太郎「え? 何だって?」

エイスリン「……」ちら どきどき


──

塞「エイスリンが、怖気付かなければね」

──


エイスリン「~ッ!!」くるっ

エイスリン「好キ! 京太郎ノコトガ好キ!!」かあ~っ

京太郎「!!」どくん

エイスリン「突然デゴメン……デモ、抑エラレナカッタ……」

エイスリン「京太郎、私ト付キ合ッテ欲シイ!」かあっ

京太郎「お、俺は……」

京太郎「その、胸が、いっぱいだよ。嬉しい、って思ってる」

京太郎「でも、エイスリンさんはすぐにニュージーランドに帰らなきゃなんなくて……」

京太郎「俺、俺は……」


エイスリン「京太郎、夢ハ有ル?」


京太郎「え? な、無い、ですけど……って、見つかってないだけですけどね」

エイスリン「私ハ、有ルンダ」

エイスリン「宮守デ学ンダコトヲ活カセル夢ガ有ル……」

ぎゅっ

エイスリン「私ノ夢ヲ京太郎ノ夢ニシテ欲シイ」

エイスリン「ソウシタラ国境モ他ノコトモ、関係ナイヨネ」

エイスリン「ダカラ変ナコト、気ニシナクテイイシ、私ト京太郎ニハ、ドウデモイイコト!」

エイスリン「想ウ力ハ何ヨリ強イ、アハッ、映画ノ引用ダケド」

エイスリン「ソレトモ京太郎ハ私ガ好キジャナイカラ、恋人ニハ……ナレナイ?」じっ


京太郎(……ああ)

京太郎(そんな真っ直ぐに心をぶつけられたら、気持ちのこと以外なんて、どうでもいいな)


京太郎「エイスリンさん……」

京太郎「俺もエイスリンさんが、好きです……」


エイスリン「──ッ」にこっ



──翌日

がらっ

塞「あ、おはよエイスリン。どうだった……って訊く迄も無いか」

ばっ←二人が手を繋ぐ絵

塞「なーんだもー。私も京太郎、狙ってたのにな」

ぽかっ

塞「はは、ふざけるなってこと? 京太郎は、渡さないって? そうだね」

塞「安心しなって。私が二人の間に割って入れる訳ないじゃん……」

ぎゅっ

エイスリン「全部塞ノオカゲ……」

エイスリン「アリガトウ、塞」

塞「……ふふっ」

塞「私からも、ありがと。京太郎と付き合えたのが、エイスリンで良かった」

塞「大丈夫。エイスリンの心配事は解ってる。エイスリンはそう言わないだろうけど、解ってるよ」

塞「見張っててあげる。エイスリンが帰って、京太郎が卒業する迄の二年間、変な猫が寄り付かないか……私、見張っててあげるからね」

塞「安心して、大丈夫だからね」

エイスリン「……ウン、塞ナラ、任セラレル」

塞「……じゃあ、お裾分けは」

ぽかぽか

塞「ご、ごめんごめん! 冗談だから! エイスリン怒らないで!」

エイスリン「モウ! 塞ノコト信ジテルンダカラ、シッカリシテ! チャント言ッテオイテネッ」



エイスリン「京太郎ハ、私ノ恋人ダッテコト!!」にこっ



カンッ