◇部室
京太郎「と、いうわけで……7日は実家に帰ります」
菫「ああ、分かった」
誠子(どういうわけだろう……?)
淡「えー……京太郎、七夕の日いないの……?」グスン
京太郎「ゴメンな、淡」
照「咲によろしくね……?」
京太郎「了解っす」
淡「むぅ……京太郎と一緒に天の川見たかったー!」ジタバタ
尭深「東京で見られるのかなぁ……?」
京太郎「……淡も来るか?俺の家」
淡「えっ!?い、いいの!?」ガタッ
京太郎「長野の星は綺麗だぞー」
淡「行くっ!いいよね菫先輩!?やったー!!」バンザーイ
菫「……あまり良くないんだが」
京太郎「両親にも会わせたいし」
淡「ふぎっ……ま、マジ?///」カァァッ
京太郎(……咲には会わせないでおこう)
◇高速バス
淡「新幹線で行こうよー……」
京太郎「文句言うなって、こっちの方が安いだろ?」
淡「ちぇっ、京太郎のケチー」
京太郎「……というか、なんで制服?」
淡「だ、だって!……彼氏の両親に会うのにスーツとか買ってないし……///」ボソボソ
京太郎「固いなー、そんなの気にしなくていいのに」
淡「きっ、今日は晴れるかなー!?///」
京太郎「ん?あー……台風が近づいてるな」
淡「星、見える?」
京太郎「どうだろう……」
淡「正直……星より実家の方にドキドキしてるような……///」カァァ
京太郎「苗字が大星なのに……」
淡「家から見るのー?」
京太郎「一応見えるけどなー、せっかくだから山の展望台から見ようぜ?」
淡「え゙……く、暗くない?」
京太郎「?」
◇展望台
淡「ほっ……外灯があってよかった……」
京太郎「もうすぐ8時だなー、手を離すなよ?」
淡「へ?う、うんっ」ギュッ
京太郎「子供の頃は穴場だったんだが……カップルじゃなさそうだけど、何人かいるなぁ」
――――――
優希「のどちゃんの趣味が天体観測とは知らなかったじぇ!」
和「写真はまだ撮りませんけど……って咲さん?何を撮ってるんですか?」
咲(京ちゃん……京ちゃん……)パシャパシャ
――――――
淡「な、なんかこっちにフラッシュ焚いてない?あの人達」
京太郎「お、そろそろだな」
淡「え?な、なにが……」
――――――
和「ここは8時になると、外灯が一斉に消えるんですよ」
優希「停電は怖がっていたのに……のどちゃんは変だじょ」
咲「ふぅ……これだけ撮れば証拠充分」
優希「咲ちゃんはもっと変だ!」
◇暗闇
外灯「消します」フッ
淡「あわわっ!!?」ビクゥッ
京太郎「痛でぇっ!おい淡、手ぇ握り潰す気か!」
淡「くっ、くく暗いぃっ!?な、なんでなんでぇ……!?」グスン
京太郎「七夕の日だけ、暗くなるんだよー……って」
淡「京太郎っ……離れないでよ……!う、うぅぅ~……っ」ギュウッ
京太郎「お前……暗いのダメなのか?」
淡「う、うん……ぐすっ、絶対、絶対離れないで!」
京太郎「お……淡、見ろよ」
淡「あぅ……なっ、なに?」ビクビク
京太郎「空、見てみろって」
淡「へ?……うわっ、わぁ……!」パァッ
京太郎「綺麗だなー……天の川」
淡「すっ、すごい!めちゃくちゃ綺麗だよっ京太郎!うわぁー……!」
京太郎「ふぅ……喜んでもらえてよかったよ!」
淡「京太郎っ!あそこから見よう!こっちこっちー!」グイグイ
京太郎「あーハイハイ、暗闇苦手じゃなかったのかよー?」
結局……2時間も星を見続けていた。
実家では淡はガチガチに緊張していたが、ペットのカピバラのおかげで、いつもの淡に戻っていた。
途中、なぜか怖い顔の咲が訪問してきたが、なんやかんやで淡と仲良くなっていた。
東京には台風が直撃していた。
カンッ!
最終更新:2014年07月12日 11:26