京太郎「さて、海の日も迎えたことだし」

京太郎「毎年恒例のプールだ!」

咲「おー!」


京太郎「市内プールももう何回来たんだろうな……。百は優に超えている気がする」

咲「京ちゃんはそうかもしれないけど私は京ちゃんと一緒にしか来てないから数えるほどしか来てないよ」

京太郎「咲はずっと本ばかり読んでいたからなー」

咲「京ちゃんが無理やり連れてこなかったら一度もこなかったかもね」

京太郎「そんなんじゃだめだぞ、うりうり~」

咲「判ってるよ~」

京太郎「しかし今のお前は本当に明るくなったよ」

咲「そんなに変わったのかな?自分のことだから良くわからないや」

京太郎「中学校までは一緒に居ないときはいつも本を読んでいたイメージがあるからなー。去年はプールに入ったけど、それまではプールサイドで本を読んでたよな」

咲「確かに他にやることがなくてよく本読んでたっけ」

京太郎「でも今は和や優希と親友になったし、全国大会という一つの目標に夢中になれてるし……」

咲「……それはやっぱ京ちゃんのおかげだよ」

京太郎「俺の?」

咲「そうだよ。京ちゃんは中学校でもずっと私を引っ張ってきてくれたし、そのおかげで今麻雀部に居るんだもん」

京太郎「そういえばお前を誘ったのは俺だったか」

咲「今も雑用を引き受けてくれて私たちのサポートしてくれてるし。そのおかげで大会に集中できているんだよ」

京太郎「……私めごときにもったいなきお言葉でございます、姫」

咲「プールサイドでかしずかれても……」

京太郎「ま、そういってもらえて何よりだ。しかし、今年はまた皆で行けばよかったんじゃないか?」

咲「あれは京ちゃんと一緒にあまり遊べなかったし。……それに今度は皆と一緒に泳げるようになりたいから……」

京太郎「ああ、そういうことか。だから今回は咲から声をかけたのか。偉いぞ」ワシャワシャ

咲「もう。準備運動もすんだし早く入ろうよ!」

京太郎「おっと、そうだな。よし、今日はたくさん泳ぐぞ!」

京太郎「……泳ぐとは言ったが、やっぱお前本当に全然泳げないのなー」

咲「だから京ちゃんに教えてもらいんだよ……、ごめんね迷惑かけて」

京太郎「いいっていいって。毎年お節介でやろうとしていたことだったんだから、むしろ頼られて嬉しいぞ」

咲「ありがとうね」

京太郎「よし!今日中に浮き輪なしを超えてクロール平泳ぎまで習得させてやる!」

咲「えっ」

京太郎「気合入れていくぞ!ついてこい!」

咲「お、おー?」

咲「」

京太郎「……大丈夫じゃなさそうだな」

咲「……そりゃあ午前中泳ぎ倒したら……」

京太郎「咲は体力ないしな」

咲「わかっているなら手加減してよ……」

京太郎「いや、十分に一回は休憩していたからそもそも泳ぎ倒すというほどじゃないだろ……」

咲「……」

京太郎「まあいいけど、とりあえずそろそろ昼食考えないとな」

咲「」ガバッ

京太郎「ど、どうした咲」

咲「フフフ、この時のために」

京太郎「まさか……」

咲「そのとおり。お弁当二人分用意してきたよ!」

京太郎「おお!さすがは咲!ありがたやありがたや」

咲「京ちゃんが前回頼んだしねー。張り切って作りました」

京太郎「作ってくれば財布忘れても困らないからな」

咲「うぅ……あの時はごめんね」

京太郎「謝らなくていいって。友達なんだから後で返してくれさえすればいいさ」

京太郎「そんなことより早く場所見つけて食べようぜ!」

咲「うん、期待してていいよー。私が時間をかけて作ったんだから!」

京太郎「おお~!」

咲「どうかな?量は足りそう?」

京太郎「十分十分。お、これも入ってるのか」

咲「今日はお礼も兼ねて京ちゃんが好きなものを詰めたからね」

京太郎「よし、早速食おうじゃないか」

咲「ちょっと、ちゃんといただきますしてからだよ」

京太郎「わかってるって。せーの」

『いただきます!』

京太郎「くぅ~うまい!さすがは咲だな!」

咲「そういってもらえると作った甲斐があるよ」

京太郎「咲の料理久しぶりでさらに美味しく感じる」

咲「久しぶりだっけ?」

京太郎「最後に食べたのは先々月に遊びに行った時だな。でも中学生時代から考えると久しぶりだと」

咲「あのころは私も料理修行時代だったからね。お父さんだけじゃ美味しいという感想しか言わないから食べてもらったんだっけ」

京太郎「そうそう。最初のときなんか作っているの見てると危なっかしくて困ったぜ」

咲「むしろ京ちゃんのほうが料理できたんだよね……」

京太郎「今もちょくちょく作ってるけどな。最近はきちんと教えてもらってタコスとかも作れるようになったし」

咲「むぅ……また抜かれないように気をつけないと」

京太郎「うむ、良きにはからえ」

咲「フフ、京ちゃんやっぱ殿様役は似合わないね」

京太郎「ふぅ、食った食った。ごちそうさま」

咲「ごちそうさまでした」

京太郎「作ってきてくれて本当にありがとうな、咲」

咲「どういたしまして。今食べてて思ったんだけど」

京太郎「ん?」

咲「久しぶりに京ちゃんの料理も食べたくなっちゃった。今度また泊まりに行っていい?」

京太郎「いいぜ。何ならそこで料理勝負してみるのか?」

咲「へえー、私の料理に勝てる自信あるんだ?」

京太郎「いや、そのときはまたお前の料理食べたいなと思って。……じゃあ帰ったらまた料理の勉強でもしてみるさ」

咲「楽しみだなー。ついでに麻雀見てあげるよ」

京太郎「お、そうしてもらえるとありがたい。俺もがんばってるんだぞ。ネト麻のレート1650ぐらいで安定したし」

咲「へぇ~、そっちも楽しみになってきたよ」

京太郎「あ、あまり期待はしないでくれ……。……よし、食べ終わったことだしまた泳ぐぞ」

咲「ちょ、ちょっと休ませてよ。ほら、食べた後すぐ動くのも体に悪いし」

京太郎「まあそうしたほうがいいか。じゃああと三十分くらいしたら再開な」