京咲和久

和「あの…前から須賀君に聞きたいことがあったんですが…」

京太郎「ん?」

和「須賀君ってこめかみ辺りに傷がありますよね?」

京太郎「ああこれか?これは中学でハンドボールやってた頃にちょっと3針くらい縫ったんだ」

和「『ちょっと』って……3針縫う怪我は充分大怪我ですよ。何があったんですか?」

京太郎「試合で出っ歯の人と思いっきり接触してな…前歯がちょうどここに刺さったんだよ」

和「……接触プレーが多い競技とは聞いてましたが…」

京太郎「半ば格闘技みたいなものだよ、アレ

ちなみに体中に痣とか引っ掻き傷の痕とかあるぞ」

和「い、痛々しいです……」

京太郎「名誉の負傷ってやつだな。そのおかげかなんとか県大会の良いところまで進めたぜ」ヘヘッ

久「良いところって…あなたちゃっかり決勝までいってる上に得点王じゃない」

和「あ、部長。お疲れ様です」

京太郎「お疲れ様です。と言うかなんで知っているですか」

久「ネットに動画とか投稿されてるわよ?」

京太郎「え」


PC<ワーワー!

久「ほら、これこれ」

和「あ、この赤いユニフォームを着た金髪の人が須賀君ですね」

京太郎「え?ナンデ?Y○utubeナンデ?」

久「投稿者はヨメスケって人ね」

京太郎「あいつかあああああああああああああああああ!!!」

久「咲は掃除当番で遅れるみたいだし後半戦くらい観ましょうか」

和「あ、私も興味あります。本格的な試合は観たことないので」

京太郎「な、なんか恥ずかしいな…」



久「いやー惜しかったわね」

和「最後の方で須賀君が退場した間に逆転されましたね」

京太郎「ああ…あの時の俺なんで無理矢理止めようとしたんだろ…」ズーン

久「でも須賀くん途中まで無双してたじゃない」

和「キーパー以外のポジションを全部こなしてましたね。とても恰好よかったです」

京太郎「なんで俺はキーパーを信じなかったんだ…仮に点取られても速攻すれば…」ブツブツ

久(折角和が褒めてるのに聞いてないわね…)


ガチャ

咲「すみません遅れましたー…ってみんな何してたの?」

京太郎「いやそもそもマンツーマンで…って咲か。お疲れさん」

和「お疲れ様です咲さん。今ちょうど須賀君がハンドボールやってたころの映像があったから見てたところです」

咲「ハンド……ボール………?」ピクッ

京太郎「あ」

久「そう言えば咲って中学時代に須賀くんの応援とか行ったりしてたの?」

咲「………うぅ」ジワァ

久「え!?」

和「さ、咲さん!?」

京太郎「ああー…」

咲「前歯…血…いやぁ……」グスグス

久「ちょ、ちょっと咲?大丈夫?」

和「須賀君!一体咲さんに何をしたんですか!」クワッ

京太郎「い、いやー…実は咲の出不精の解消も兼ねて一度だけ試合の応援に誘ったことがあるんだけど…

その時にこのこめかみの傷の事故があってな…それが咲のなかでトラウマになってるみたいなんだよ…」

和久「「あー……」」

和「……確かに咲さんには刺激が強いかもしれませんね…」

京太郎「結構血が出たからな…っておーい咲?いつまで泣いてるんだよお前は」

咲「京ちゃぁん……」ヒシッ

京太郎「はいはい」ナデナデ

和「ぐぬぬ…」

久「あら?どっちに嫉妬してるのかしら?」

和「どっちもです!」

久(乙女心は複雑ね)クスクス

久(…ってあら?)

久「ねぇ、須賀くんって県大会とはいえあれだけ活躍したなら強豪校とかに声かけられたんじゃない?

どうしてハンドボール部のない清澄に来たの?」

京太郎「……高校まで続ける気がなかっただけですよ。もう怪我するのは懲り懲りだったんで」

久「本当にそう?」ニヤニヤ

京太郎「ほ、本当ですよ」

京太郎(まぁ実際は…)

――――――――

咲「京ちゃんって進路どうするの?」

京太郎「ん?実は九州の高校にスカウトされてな…」

咲「………………え?」

京太郎「ちょ、咲さん?目のハイライトが無くなってるんですが…」アセッ

咲「京ちゃん……どこか行っちゃうの……?」ツー

京太郎「おいおいおいおい!その状態で涙流すのはやめろって!

ただスカウトされたってだけだから!別に行くつもりはないからな!」アワワ

咲「そっ、そうなんだ!実はこの清澄ってところの制服がね!」パァァ

京太郎「アーソコイイカモナー」

――――――――

京太郎(ほんとはこいつに泣き落とされたなんて言えないな…)ハァ

咲「どうしたの京ちゃん?」

京太郎「何でもねーよ」ナデナデ

久「ふふふ…」ニヤニヤ

京太郎(うわぁ…絶対この人気づいてるよ…)


この後無茶苦茶からかわれた

カンッ!