最近金髪の男子高校生をよく見る
見るかぎり此処の患者さんやないみたいやけど
少し気になる
ちょっと格好いいからなんて
竜華に明かしたら呆れるやろな

がらがら

憩「園城寺さーん」ひょこ

憩「おはようございますー」

怜「おはようございます、荒川さん」

怜「あの、ちょっとお尋ねしてもええですか?」

憩「?ええですよー」

怜「最近、金髪の男の子をちょくちょく見かけるんですけど、荒川さんともよく話してるの見かけるんですけど……あの子は一体?」

憩「──……」

憩「どこから見とったんです?」

怜「?窓から外でうろうろしてんのよく見るし、ロビーを通るときたまに荒川さんと話してる……のを見たりするんで」

憩「……へぇー……」ぼそっ

怜「……?」

憩「何でもないですよ」にこ

憩「──なに、一目惚れでもしたん?」くすっ

怜「そ、そんなんやないですよっ……」あせあせ

憩「あはは、でも、関わらんほーがええですよー?」

怜「え、何でです?」

憩「うーん……女癖悪いですからねー、あの人」

怜「そうは見えんけどなぁ……」

怜「それに、そういう割に荒川さんもよく話してますやん」

憩「……えへへー」にこにこ

怜「──……」ぞく

憩「面白い男の子やからね……うちはうちなりに、節度を保って関わってるけど……」

憩「多分、園城寺さんが京太郎くん……あの子と出会って、話したら……」

憩「どういう未来になるか、視るまでもないコトになると思いますよー……?」にこ

怜「は、はぁ……」

怜「ま、まあええですわ。訊いてみただけです。ありがとうございます、荒川さん」

憩「いえいえー。では診察に入らせていただきますね……」


──


怜「病院のお菓子にも飽きてきたなぁ……」とてとて

「──……」

怜「?」ひょこ


京太郎「一度でいいから、あの子に会って話してみたいんだよなー」

憩「あかんあかん。京太郎くんみたいなんは会わせたくないわ。それにうちから個人情報を晒すのはシャレになっとらんしー」じと

京太郎「えー?俺と憩先輩の仲じゃないですかー、教えて下さいよ、何処に行けば会え易いかくらい!」にっ

憩「知らんわ。大体一人の患者の情報なんかそんな把握しとらんしー」じと

京太郎「お願いします!」

憩「何度言われてもダメなもんはダメや~」ひらひら


怜「あの人、キョウタロウっていうんや……」


京太郎「ちぇー……ま、仕方ないっすよね……」

京太郎「はあ。忘れられないんだよなあ……夕陽に照らされてた、あの子の宝石みたいな姿を」

京太郎「引き寄せられるように、この病院に来ちまう。思うんすよ。あの子に会ったら、俺のこの気持ちも取り合えるだろうか……とかね」

憩「ヤメテー、聞きたないわー、キモイ話せんといてー……」みみふさぎー


怜「あー、実物があんな近くに……」


京太郎「──……」ぺらぺら


怜「やっぱりカッコいい……」うっとり

怜「おっと。女癖が悪いって話やったな。アカンアカン」くるっ

怜「未練がましくなる前に退散や……さよなら、キョウタロウくん」すたすた


京太郎「ああー!!」びしぃっ


怜「っ!?」びくっ

だだだだだだ

京太郎「き、きみは……」きらきら

怜(わわわわ、目の前にキョウタロウくんが……)

京太郎「あ、いきなり現れてすいません。なんか、君を見た瞬間、ビビっときて」

京太郎「つい、抑えられなくなっちゃって。どうすか、ちょっとあそこに座って話しません?」

憩「病院やで、わかっとんのか、京太郎くーん」

京太郎「憩先輩!邪魔しないでクダサーイ」

憩「は、は、はぁー!?」かあっ


──

あれから、京太郎くんとだいぶ親しくなった
うちと京太郎くんの話が盛り上がると、荒川さんがどことなくムスッとしてた理由も解った
自分の気持ちに気付けた時に

怜「え、京太郎くん、転校するん……!?」

京太郎『そうですね。もう明日には……長野に行っちゃいますね』

怜「そ、そんな、知り合ったばっかやん!!そんなんナイで!」

京太郎『仕方ないですよ……言う機会もありませんでしたから』

怜「いやいや……いやいや……そんなん、辛いわ……」

京太郎『……俺も』

怜「?」

京太郎『俺も辛いですよ』

京太郎『怜さんが、───』

怜「!?な、なんて!?聞こえへんかった!」

京太郎『へへ。もう切りますね。短かったけど怜さんと居る時間はいい時間でした』

京太郎『さよなら』


ぷつっ


怜「ま、待って……待って!京太郎くん……!!」

怜「まだ、まだ……うちのことを……京太郎くんのことを……解り合いたいのに……!!」

怜「京太郎、くん……」ぐっ

ぐっ


怜「行くしかない……!」だっ

君の隣に居たい
もしもう一度会えたら
うちを抱き締めて欲しい

怜「ごふっ……」どぱっ

怜「はぁー……はぁー……」ずる…

足の感覚は無い
霧がかかってるみたいな
視界も意識をダメにしていく
君のイメージだけが明晰なまま

怜「あと、少しや……!」

怜「京太郎くん……──」


会いたい


会いたい会いたい会いたい絶対に会いたい
誰かにこんなに会いたいと思ったのは初めてなんや
京太郎くんに会って京太郎くんをモノにして
うちの全てを証明したい
京太郎くん自身に


怜「きょうた、ろ……」どさっ



──

京太郎「怜さんっ!!」がらっ

憩「京太郎くん……」あせ

京太郎「憩先輩、怜さんは……」

憩「心配は要らへん。だから会う必要も無いよ?」だら

京太郎「倒れたと聞きました。一度、顔を見たい」

憩「……だ、だめや……あかん……」だらだら

憩「京太郎くんは明日にはもう、大阪を発つんやから……」だらだらだらだら

京太郎「顔を見たいんだ。それじゃいけませんか?」

憩「……」ぎりっ

憩「はは……」むく

憩「──わかった……」すっ

京太郎「憩先輩、ありがとうございます」だっ

憩「……」

憩「……」どさ

憩「っ……く……」すとん

──

すたすたすとん

京太郎「驚きました。怜さん……心配しましたよ」

怜「来てくれたんや……倒れたかいあったなあ……」にこ

京太郎「やめてくださいよ、シャレになってない……」

怜「なあ。本当に行ってまうん?」

京太郎「──はい」

怜「そっか……」


怜「また会いたいな……」

京太郎「会えますよ。なんならネットで毎日繋がれますし」

怜「そやな。悲観的になるのもシマイにしよか。京太郎くん、ありがとな」

怜「なあなあ」ひょいひょい

京太郎「?」

京太郎「何ですか──んむっ!?」


怜「んー………………ぷはっ」

京太郎「なななななななな」かああああ


怜「ふふっ、京太郎くんの大事なもん、貰ったで♪」にこっ

京太郎「あ~!と、怜さん……!!!」ぷしゅーーー

心が満たされていく
これから遠いとこに行ってしまうのに
唇の感触のことばかり
これなら今度は君に会いに行ける

怜「ふふふ♪」

京太郎「全く、怜さんは……」にこ


うちの能力が現れたのは
それから少しあとのこと



カンッ