とある病院の病室にて(2人とも高校卒業して数年後の設定)

怜「………」ボーッ

京太郎「怜さ~ん?起きてますか?」カチャ

怜「ん?お~、京ちゃん!起きとるで~。ってか、まださん付けしよるんんかいな」

京太郎「俺にとって怜さんはずっと”怜さん”ですから。それにしても、タイミング良かったかな。怜さん、今回の検査結果はどうだったんですか?」

怜「小康状態が続いとる感じやな。まだこの先良くなんのか、それとも前以上に悪化してまうんかは分からんらしいわ」

京太郎「そうですか……」

怜「なぁ、京ちゃん。ウチの卒業式の日のこと、覚えてる?」

京太郎「はい。未だに鮮明に覚えていますよ。はは、カッコ悪かったですよね、俺」

怜「そんなことないで?前にも言った思うけど、めっちゃ嬉しかったんやから…」

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数年前、部室
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京太郎「怜さん、ご卒業おめでとうございます」

怜「ん、ありがとうございます、やな。んで?ウチを誰もおらん部室なんかに呼んで、一体どんなエロいことする気なん?」

京太郎「ちょっ!?何でエロいことするの確定してんすか?!」

怜「冗談や、冗談。男は狼言うても京ちゃんは羊やもんね」

京太郎「あれ?俺なんかバカにされてる?」

怜「んな事ないで?典型的草食系男子は安心出来るわ~ってことやんか」

京太郎「やっぱりバカに……いや、もうそれでいいです。怜さん、今日は貴女に言いたいことがあるんです」

怜「言いたいこと?竜華になんか伝えて欲しいとか?」

京太郎「いえ、違います。正真正銘、怜さんに対してです」

怜「ウチに?何なん?」

京太郎「スゥ……今まで言い出せませんでしたけど、最後の機会かもしれないので言わせてもらいます。

怜さん!ずっと好きでした!俺と付き合ってください!!」

怜「……え?ええぇぇ!?何で!?京ちゃんは竜華好きやったんちゃうん?!」

京太郎「竜華さんのことは確かに尊敬してますよ。ですが、俺が好きなのは怜さんだけです」

怜「でも……ウチ、病弱やし…」

京太郎「そんなこと関係無いです!必要あらば俺が支えます!ですから……」

怜「……ホンマに?」

京太郎「え?」

怜「ホンマに、ウチでええん?」

京太郎「はい……いえ、違いますね。怜さん”で”じゃないです。怜さん”が”、いや怜さん”じゃないと”!ダメなんです!」

怜「…………京ちゃん」

京太郎「な、何でしょう?」

怜「ウチな?今めっちゃ嬉しいわ…」

京太郎「!!そ、それじゃあ…!」

怜「うん。ウチも京ちゃんのこと好きやったんやで?やから、ウチも、京ちゃんと付き合いたい。ええんやんな?」

京太郎「は、はい!勿論!あ、あはは。良かった…良かったぁ…」ポロッ

京太郎「あ、あれ?涙が……」

怜「はは、京ちゃんはいつも締まらんなぁ」ポロッ

京太郎「あはは。カッコ悪ぃな、俺…ちなみにそういう怜さんも、泣いていますよ?」

怜「ウチはええねん。女の子やねんから」

京太郎「まあ、そうですね。あ、怜さん。これからもよろしくお願いします」

怜「うん!」




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現在、病室
―――――

怜「あれからウチは麻雀も辞めて病気治すことに専念するようになったんやけどな…」

京太郎「……今は小康状態じゃないですか」

怜「完治してへんねんやったら、あんま意味ないわ。ウチは京ちゃんと……いや、やめとこか。なぁ、京ちゃん」

京太郎「何です?」

怜「あれから数年、ウチも頑張ってきたけど、やっぱこの病気は治らんもんなんかも知れん。

やからな?京ちゃん、今日でウチら別れた方がええんかも知れん」

京太郎「な!?何を言ってるんですか、怜さん!!」

怜「京ちゃん、静かに。ここ病院やで?」

京太郎「あ…す、すいません」

怜「ウチな、ずっと考えててんよ。ウチの病気が治らんのやったら、ウチはずっと京ちゃんを縛ってまうことになる。

ウチはそんなつまらんことはしたくないんよ。やから、ウチらの関係は今日でオシマイにしようかな、って」

京太郎「……今日が何の日か、分かっててそれを言ってるんですか?」

怜「分かっとるで?むしろ、今日やからこそ、ってとこやな。折角の誕生日やのに、2人きりでささやかに祝うこともでけへん。

やっぱウチには、普通は無理なんやろなぁ」

京太郎「……怜さん。今度は俺から聞き返します。怜さんはあの卒業式の日のこと、詳細に覚えていますか?」

怜「詳細に?どゆことや?」

京太郎「俺の言葉を全部覚えているのか、ってことです」

怜「そら覚えとるで。でもそれがどうしたん?」

京太郎「なら分かるでしょう?俺はあの時確かにこう言いました。『俺が貴女を支える』と。それは今までも、そしてこれからも決して変わりません」

怜「確かにこの数年、ずっとウチを支えてくれた京ちゃんは凄いと思う。でもな、京ちゃん。もしかしたら、ウチの病気はこれから10年、20年て続くかも知れん。

そんなまでずっとその気持ちが続くっちゅう保証はないやん。やから、もしそん時が来て、悲しい思いする位やったら…」

京太郎「なら!!これは保証にはなりませんか?!」

怜「箱?これは?」

京太郎「今日の為に作った、怜さんの誕生日プレゼントです。開けてみてください」

怜「ん、分かったわ」カサカサカサ

怜「なんや、綺麗な箱やな。何を入れて……っ!?」⊃指輪⊂

京太郎「それが俺の正直な気持ちです。もう一度聞きます。それが保証にはなりませんか?」

怜「そんな……こんなん、嘘…やろ?」

京太郎「いえ、嘘じゃないです。もう一つ、箱の底にある紙を見てもらえば分かります」

怜「紙って……ちょ…これ……」つ婚姻届(京太郎記入、捺印済)

京太郎「はい。ずっと言う機会を待っていたんです。そして、今日がいいと、そう感じました。それを見てもらえば何を言いたいか分かると思いますけど…

怜さん。貴女への想いは決して変わりません。ですから……結婚しましょう」

怜「うん……うん……!京ちゃんの想い、伝わってきてるわ……ウチがアホやった……やっぱりウチには、京ちゃんしか考えられへんわ…」ポロポロ

京太郎「怜さん……」

怜「ちょっと待ってな、京ちゃん……えっと、ペン、ペン…」カキカキキュッ

怜「はい、これがウチの気持ちです」つ婚姻届(京太郎、怜記入、捺印済)

京太郎「では…」

怜「うん、京ちゃんのプロポーズ、受けさせてもらうわ。

……これからも迷惑掛けると思うけど…」

京太郎「全て承知の上です。”夫婦”仲良く、乗り越えていきましょう」

怜「京ちゃん……うん!せやな!!」



その数年後、怜の病気はめでたく完治、2人の間には至って元気で健康な女の子が生まれましたとさ

カン!