752 名前:1/1[sage] 投稿日:2009/11/28(土) 22:20:04 ID:QCaP8wjh


京「(昨日の雑用の疲れがまだ残ってるけど、銭湯代のためだ。京も雑用がんばるぞ)」
透「お待ちしてましたわ///」

透「次はあれをお願いしますわ///」
京「は、はい」
透「次はあれを///」
京「は、はい~」
透「///…………ちょっと外しますわ」


透「(昨日から、どうも意識してしまって///。はぁ、わたくし、なんでこんな男のことを好きになってしまったのかしら……///)」
久「あら、意外ね」
透「!!…………なんで竹井さんがここに」
久「なんでって、今日は元々、麻雀の情報交換で約束していた日じゃない」
透「ああ、そういえばそうでしたわね……ところで、『意外ね』とは?」
久「龍門渕さんって、恋愛とかにはあまり興味なさそうに見えたから」
透「な、なんのことですの?」
久「『こんな男』っていうのは須賀くんのこと?」
透「(き、聞こえてましたの!?)」
久「ふうん……龍門渕さんが、須賀くんを」
透「///ち、違いますわ」
久「そうよねぇ、まさか、あの龍門渕家のお嬢様が、須賀くんなんかを、ねぇ」
透「/////そ、そうですわ、ありえませんわ///」
久「……プッ、クスクス……はははは!」
透「だ、だから違うと/////」
久「龍門渕さん、鏡見てきたほうがいいわ」

久「別に気にすることないわ。私は人の恋愛にとやかく言う気はないから」
透「///……人をからかうのも、大概にしてほしいですわ」
久「このことに、須賀くんは気づいてるの?」
透「たぶん、気づいてませんわ///」
久「そう、じゃあきっと、龍門渕さんから告白しないとダメね。(須賀くんは胸の大きい子しか見てないし)」
透「こ、告白!?わたくしから!?」


透「作業を続けながらでいいから、聞いてください///」
京「あ、はい」
透「(こ、告白って何を言ったらいいのかしら!?)」
――わたくし、あなたのことが、好きですわ。
透(こ、こんなストレートなセリフは、恥ずかしくて、とても言えませんわ///)
――わたくしの彼氏にして差し上げますわ!!
透(……うん、これなら恥ずかしくないし、雑用に向けて言うセリフっぽいですわ)

――まさか、あの龍門渕家のお嬢様が、須賀くんなんかを、ねぇ。

ズキッ
透「!!(ダメですわ、わたくし///……須賀京太郎に告白なんて、恥ずかしくて、出来ませんわ///)」
京「(ずっと黙ってるけど、どうしたんだろ?)」

久(ん?……告白するって言ってたのに、龍門渕さん、どうしたのかしら?)


764 名前:1/4[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 14:44:24 ID:gggpQurp


数日後

ドンッ
通行人「痛てっ」
モ「痛いっす」
ドンッ
通行人「痛てっ」
モ「痛いっす」
京「東横さん、大丈夫?」
モ「ひ、人混みは苦手っす」
京「危ないから、手をつなごう」
モ「は、はいっす///」
一「……」
京「なにやってんですか。国広さんも、ほら」
一「……えっ」
京「国広さん小さいから、はぐれないように」
一「…………う、うん///」

ドンッ
京「痛っ。ご、ごめんなさい。よそ見してて」
透「痛いですわね!ちゃんと前を見て………………あっ///」
京「あ、龍門渕さんじゃないですか」
一「と、透華!」
透「一!…………はっ!(な、なんで須賀京太郎と手をつないでますの!?し、しかも、反対側にもう一人……いったいなんなんですの!?わけがわかりませんわ)」
一「透華、説明するからこっちに…………須賀くんモモちゃん、ちょっと待ってて」
京「あ、ああ」


モ「ん?あれは、加治木先輩…………。須賀くん、ちょっと私も外すっす!」
京「ちょ、モモちゃんまで!」

765 名前:2/4[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 14:47:28 ID:gggpQurp

透「一!今までどこへ行ってたんですの!」
一「龍門渕を出てから、今までずっと、須賀くんの家でお世話になってたんだ」
透「え、わたくしが訪ねたとき、須賀京太郎は、一のことは知らないって……」
一「あのときは、ボクが須賀くんに頼んで、ごまかしてもらったんだ」
透「(え、なんで一がわたくしを避けるようなことを?…………あ、わたくしのせいですわ……)」
透「一、ごめんなさい。わたくしが悪かったですわ。あのときは言い過ぎました。本当はわたくし、あんなこと……」
一「うん、わかってるよ透華。透華に悪気はなかったんだよね」
透「一!!…………じゃあ、一緒に龍門渕に帰りましょう!!」
一「……ごめん、透華。ボクは帰らない」
透「え!?なんでですの?」
一「うん、透華にだけは、ちゃんと理由を言っておくね。ボクは…………須賀京太郎のことが、好きなんだ」
透「!!」



一(モモちゃんには勝てない。でも須賀くんはボクのことも見てくれてる。なら、ボクはそれだけでいいから)

透(そんな、一も須賀京太郎のことを好きだなんて……。わたくしだって須賀京太郎のことを……。わたくしは、どうしたら……)



モ「先輩、聞きたいことがあるっす。この前二人で、どこ行ってたっすか」
ゆ「な、なんのことだ、モモ」
モ「しらばっくれてもダメっす。夜、たまに須賀くんが出かけるっす。私にはわかるっす」
ゆ「……すまない、モモ。須賀くんには助けてもらったお礼に、ご馳走をしようとしたんだが、いつも上手くいかなくて」
モ「いくらなんでも多すぎっす!何回お礼してるっすか!」
ゆ「すまない……。モモの気持ちは薄々気づいていたんだが、…………私もいつの間にか、彼を、好きになってしまったんだ」
モ「!!」


モ(せ、先輩もっすか。そんな……須賀くんは、私を見失わない人なのに……)

ゆ(だが、モモの思い人を、横取りなんてできない。わたしは、どうすれば……)


766 名前:3/4[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 14:50:12 ID:gggpQurp

最終話


透「お父様と喧嘩をしてしまって、行くところがありませんの///」
ゆ「わ、私もなんだ///」
京「えっ!?今度は龍門渕さんと加治木さんですか?」

京(話の流れで二人を泊めることになってしまったが……)




モ「二人とも、親と喧嘩したなんて、嘘に決まってるっす!」
透「そ、そんなことないですわ」
ゆ「あ、ああ。私達も行くところがないんだ」
モ「そんなの信じられないっす。そもそも鎖さんだって、龍門渕に帰れるのに、ズルいっす!」
一「あれ?モモちゃんはステルスが解除できなくなったから、ここに来たんだよね?」
モ「……うっ」
一「解除できないキミの姿、なんでボクたちに見えてるのかな?」
透「(東横さん、最初っからズルしてたんですわね……)」
ゆ「(モモ……)」

ガチャ
京「おまたせ、家族にはバレてないみたいだった。さあ5人で寝よう!川の字になって寝よう!」
ゆ「///(す、須賀くんといっしょに)」
透「///(寝るんですの!?)」
一「そ、そうだね。寝ようか。ボクはここに来たとき、何でもするって言っちゃったし///」
ゆ「///(私も居候の身だし、文句は言えないな)」
透「///(し、仕方ありませんわね)」
京「よし、5人で川の字だ!」
モ「///ダ、ダメっす!……男女一緒に寝るなんて、そんなのあり得ないっす///」
ゆ「(モモ……)」
モ「いくら3人が5人になったからって、ダメっすよ///」
一「(モモちゃん……)」
京「え~、一緒に寝ましょうよ~」


京太郎(こんな夜中に俺の部屋に女の子が4人も、それも、たいして広くもない俺の部屋に……。
俺がこんなぶっ飛んだ状況で寝ることになるなんて、最初に公園で東横さんに声をかけた時には思ってもみなかった。
「4人の女の子と川の字になって寝る」という俺が抱いたささやかな願い。
この余りにささやかな願いが、儚く崩れ去った今、言えることはひとつ……。
ベランダは、寒い。
はぁ、家族にバレずに俺一人が寝られる空き部屋が一つもない事が、本当に恨めしくて仕方ない。
いや、ネガティブはいけないな。何事も楽しむべきだ。前向きに考えよう。
女の子が4人も寝てる部屋のベランダで夜を明かす。これは普通は体験できない、貴重なことじゃないか。
感じるんだ!!固い床を、冷たい夜風を、自室のベランダの感覚を……この体全体で!
……はぁ、でも寒いな。ベランダデビュー初日の俺には、さすがにこの状況は応える。

ん、昨日までの俺はどこで寝ていたか?それは、中で寝てる二人に聞いてくれ)

おわり



767 名前:4/4[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 14:53:59 ID:gggpQurp

エピローグ


京太郎(いや、まて……あまりの寒さにうっかりこの理不尽を受け入れようとしてしまったが、龍門渕さんと加治木さんが来るまで、俺はベランダに閉め出されることもなく3人で川の字になっていたんだ!
何故だ!?何故俺ははじき出された!……そうだ、5人で川の字になる空気だったのに、東横さんが余計なことを言ったからだ!
なんで東横さんは、いきなりあんな事を!!
そうか……さては、みんなグルだったんだな!始めから、俺の部屋を、4人の愛の巣にするつもりだったんだな!
くそ~、灯りを消してカーテンまで閉めやがって!中で何をやっているんだ!?見えん!全く見えん!!)



?「須賀くん」
京「!?」
?「なにをおどろいてるっすか、わたしっす」
京「えっ、東横さん!?、どうしてベランダに……」
モ「こんなところで、ひとりで……風邪引くっすよ」
京「……『風邪引くっすよ』って、そもそも俺が閉め出されたのは東横さんのせいじゃ」
モ「悪かったっす」
京「じゃあ、俺を部屋に入れてくれるんですか!?……ありがとう、俺は、俺は……う、うう……」
モ「なに泣いてるっすか、別に、部屋には入れてあげないっすよ」
京「そんな、こんなに寒いのに…………俺、風邪引いちゃいますよ!!」
モ「だからっす」
京「?」
モ「だから私が出てきたっす。こうして……」
ガバ
京「!?」
モ「……二人でくるまれば、暖かいっす」
京「東横さん!?」
モ「これで……風邪引かないっす」

ドクンッ
京(なぜか、このとき、全てがつながった気がした。いままで確かにそこにあったのに、俺が気づかなかった感情が、向けられていた想いが、全て、見えた気がした。)

京「(東横さん、もしかして、いままで、ずっと……///)」
モ「///」
京「もしかして、わざと俺を閉め出し…」
ギュ
モ「須賀くん……こんなに冷えるまで、外でほったらかして、悪かったっす……」
京「と、東横さん///」


モ「朝まで、長いっすね」
京「モモちゃん、おっぱい揉まして~」
モ「と、突然なに言ってるっすか!?ダメっす///」
京「ええ~、いいじゃん、むにゃむにゃ……zzZ」
モ(寝言っすか……。)
京「zzZ」
モ(びっくりしたっす……///)
京「あ、部屋の3人が起きちゃう……むにゃむにゃ」
モ「心配しなくても、大丈夫っすよ」
京「でも、モモちゃんがここにいるのがバレちゃう……むにゃむにゃ……zzZ」
モ(もう、あの3人には、私のことは見えないっす)
京「zzZ」
モ(ステルスモモの、独壇場っす)

おわり




768 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 15:01:31 ID:GGVTgftX
おーこれはGJですな

769 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 16:28:40 ID:GMz84BMF
一に見えていたことにもちゃん裏があったとは……

GJですb

770 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 16:30:40 ID:csPIz4ub
乙!

771 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 16:33:23 ID:VKhuUDaq
GJ!!
いいハーレムを見せてもらった
おいしすぎるぞ京太郎!

772 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 16:49:07 ID:iLKrAvbu
GJです!!
やはり決め手は胸の差だったのでしょうか?

773 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/11/29(日) 17:32:19 ID:B9TkuhGJ
GJ!!
モモかわいいなあ

お疲れさまです

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最終更新:2020年07月04日 08:44