十半荘目……


和「ロン。2000」

京太郎「はい」

和「ツモ。2000オール」

京太郎「はい」

玄「は、はい」

宥「はい……」

和「ポン…………ツモ――――チー……ロン――――ロン――――ツモ!」

宥「の、和ちゃんの勢いが止まらないよぅ……」

玄「こ、この高速和了……憧ちゃんみたい……ううん、それ以上かも」

和(大きな打点での和了りを得意とする須賀君や玄さん、宥さんを同時に相手取って勝つには―――!)

京太郎「走ってるなー。でも、そんな風に細かく刻んだところで……役満一回和了られたらひっくり返るぜ?」

和「……この最後の対局、オーラスまで誰にも和了らせるつもりはありません」(ドン!

京太郎「フフ……それこそ、そんなオカルトあり得ません、だ」

和「…………いきますよ、須賀君」

京太郎「――――」(ざわ…



和(オーラス……ありえないことですが、須賀君はまた役満聴牌の気配。これで三度目……三度目の正直、ということですか)

京太郎「…………」

和(確かに役満が出れば私をまくれます。ですが、国士、大三元、緑一色、清老頭、そして九蓮に必要な牌は全て河に出ていて……)

玄「……カン!」

宥「わわ、ド、ドラ4がドラ8になっちゃった……」

玄「フフフ、王牌の声を聞いたからこそのカンだよっ!」

和(非常にオカルトなことを言っていますが、それはさておき、これで四槓子もなし。となると、残るは……四暗刻)

京太郎「リーチ」

打:北

和(ここで一枚切れの北……。恐らく単騎待ちを張り替えてのリーチ……!)

和「……!」

ツモ:7萬

和(これは……暗刻になっていた七萬の四枚目を引くなんて、偶然にしてはよく出来ていますね。とりあえず四巡、これで凌いで……)

打:7萬

京太郎「……うん、そいつだ」

和「――――え……?」

京太郎「ロン」

6666888萬222筒777索7萬

リーチ一発断ヤオ三暗刻……


和「六萬をカンせずに七萬の穴待ち……!?で、でも、これでは満貫8000止まり……!役満でないと私をまくれないのに、どうして……」

京太郎「……まだ、まだわからないさ。この――――裏ドラを捲るまでは」

和「な……まさか裏を八枚乗せる気ですか!?そんなオカルトあり得ません……!」

京太郎「オカルトかどうかは……!」

玄「う、裏ドラ表示牌が五萬……裏ドラが4枚……!」

宥「く、玄ちゃんがいるのに……どうして」

京太郎「当然じゃないですか……裏ドラは、リーチをかけた人にしか微笑まないんだから……!」

和「も、もしもう一枚の裏ドラ表示牌が五萬だったら……!」

京太郎「文句なしの数え役満……トータルポイントで逆転だ……!」

和「…………!!」



穏乃「そ、それでそれで、結果はどーなったの!?」

玄「裏は乗るには乗ったけど、表示牌が六索で裏ドラ七枚止まりの三倍満。惜しくも和ちゃんのトータルポイントには届かずだったよー」

憧「まず裏ドラ七枚乗せてる時点で訳わっかんないんだけど……」

灼「もう二つ名は自重しない火力でいいんじゃ……」

穏乃「そっかー、惜しかったなー京太郎」

憧「んで?負けたら何でも言うこと聞くって話になったんでしょ。和、なにを命令したの?」

玄「うふふ、えっとねー」



和「そ、それじゃあ……い、いきますよ……!」

京太郎「おー……」

和「須賀く……じゃなかった、きょ、きょ……きょー…………くん」

京太郎「え、なに、聞こえないです原村さん」

和「ぅく……きょ、きょぅ…………くんっ」

京太郎「……なあ和ー、無理すんなって」

和「い、いいえ、イヤです。須賀か……きょ、きょ…………ぅくんもいいって言ったじゃないですか!」

京太郎「名前呼びにするだけでどーしてそんなに苦難するんだよ……」

和「わ、私にも心の準備というのが必要なんです。長野に帰って、みんなの前で名前を呼ぶための覚悟といいますか……」

京太郎「……ま、気長に待たせてもらうよ、和」

和「と、当然です。須が……きょ、京太郎、君……」

京太郎「ノンノン、もっと!愛を込めて!」(パピ★ヨン

和「ふぁっ!?」





穏乃「まだまだ当分、時間かかりそうだねー」

憧「京太郎の奴、何気にわかってて楽しんでるっぽいわね……。鬼畜なのは麻雀だけじゃなくなったのか、あのバカ」

灼「もっと力業でズドンしちゃえばいいのに……」

玄「灼ちゃん、それは和ちゃんであって和ちゃんじゃない人の特技だと思うよ……」