【白糸台麻雀部】



淡「ロンー!跳満12000点!!」

モブ「アイター、と、跳んだ……」

淡「アハハ!今回も私が一番ー!」

モブ「半荘五回連続トップとか……」

モブ「今日も絶好調ですね、大星さん」

淡「うん!なんか今日は流れが来てるね。テルーにだって負けないよ」

照「ふーん……じゃあ、やってみる?」

淡「いいよ、打とうか!えっと、それじゃあ残り二人は……」

モブ「もうやめて、私達のライフはゼロですよ!?」

モブ「いやぁー……宮永先輩と大星さんが同卓じゃ東場すら耐えられる自信がないぃぃ……!」

淡「跳んだっていいじゃない、麻雀だもの」(キリッ


照「確かに」

モブ「な、なにか話を反らさないと……」

モブ「そ、そうだ、コレよ!」

モブ「それは……!」

モブ「そ、そーいえば宮永先輩、大星さん、二人とももうこれは読みました?」

照「ウィークリー麻雀TODAY?」

淡「うん、読んだけど?」

モブ「じゃ、じゃあじゃあココ読みました?ココ!?」

モブ「長野の県予選で優勝した男の子の記事、なんかこーいうのって気になりますよねー」

照「…………」

淡「あー見た見た、その記事。面白いことしてるよね!」

モブ「ですよね、ですよね!麻雀強くなって女の子に振り向いてもらおう、って必死なとこ、何だかカワイイですよね」

モブ「こんな風に一途に思われてみたいなー、私も」

モブ「宮永先輩と大星さんはこの人、どう思います?」

照「(長野に住んでるのは、少し気になるけど)特に何も……」

淡「一途なのはいいけどー、会ったことない人にこんなこと言われても困るよねー。正直、ストーカーみたいじゃない?」

モブ「いやいや、そういう考え方もあるかもしれませんけど、女の子ならこういう一途な人に好きになってもらうのは一種のステータス、乙女の嗜みって奴ですよ!」

モブ「そうですよ。特に照先輩や大星さんは雑誌とかテレビで出たこともあるし、やっぱりこの人――須賀京太郎君の想い人の可能性は高いですって!」

照「…………そんなこと急に言われても、困る」

淡「わ、照ーもしかして照れてる~?」

照「照れてない、なんとも思ってないし」

淡「そーかそーかー!」


菫「――――あいつらは何の話をしているんだ?」

誠子「さあ……」

尭深「あそこだけ、世界が華やか」(ズズッ

菫「いやいや、私達も華やかだから」

誠子「女子高生っ……圧倒的女子高生の真っ只中だから……!」

尭深「…………女子高生らしさって、何だったっけ」(ズズッ

菫「ま、麻雀?」(目ソラシ

誠子「つ、釣り?」(目ソラシ

尭深「…………」(ズズッ





淡「じゃあねー、テルー!また明日~!」(フリフリッ

照「ん」(フリフリ…


――――そんでもって大星家

淡「ただいまー!」

大星母「おかーえりー。お弁当箱、洗うからさっさと出しちゃってー」

淡「ハーイ……あー、今日も楽しかった!テルーとは打てなかったけど……まあ、明日対局すればいいよね」(鞄ゴソゴソ

淡「あ、麻雀TODAY持って帰ってきちゃった……。まあいいか、部で買ってるやつだし、明日返せば問題ないよね」(ポイーッ

淡「お母さーん、私、部屋でネット麻雀してるからゴハンになったら呼んでねー」

大星母「はいはーい。呼ばれたらすぐ来れるように、東風戦にしとくのよー」

淡「え~……しょうがないなー、了解ー」(トタトタ

大星母「ホントに麻雀バカなんだから、あの子は……。アラ?なにこれ、ウィークリー麻雀TODAY……ああ、あの子とか、先輩の……是永ちゃん?だったかが載ったりしてる雑誌か」(×是永→○宮永

大星母「――――ふーん、よく分からないけど将棋とか囲碁みたいに定石があるのね、麻雀って」(パラパラ

大星母「あ、ここからはいろんな学校の生徒さんの特集記事か。フフ、澄まし顔で写ってるわね、あの子――――――――アラ?」



『心に秘めた熱き夢!届くか、少年雀士の想い!?長野県男子個人戦一位の心を射止めた少女はこの中にいる――――!!』



大星母「長野……須賀京太郎――――――――アラアラまあまあ♪」

大星母「淡ー、ちょっと淡~!」(オイデオイデ

淡「なーにー?私、いま忙しいんですけどー!」

大星母「今やってる対局終わったらでいいからこっちに来なさいー。オヤツにシュークリーム用意してたの、お母さん忘れてたのよー」

淡「シュークリームと聞いてっ」(シュパッ

大星母「現金な子ね、少し心配になるぐらい。ちょっとお茶も用意してくるから待っててねー」

淡「ハ~イ♪」(チョコン


大星母「はい、お待たせ」

淡「わーい、いただきまーす!」(モフモフ

大星母「……食べながらでいいんだけど淡、この子の記事ってもう読んだのかしら?」

淡「ウマウマ……んー?長野の男子個人戦優勝した人でしょ。なんか、好きな人に振り向いてもらいたいからガンバッター、っていうの」(マフマフ

大星母「そうそう、その子。お母さん、麻雀はよく分からないけど大会で一番になるのって、とっても大変なんでしょう?」(淡母がプロだとか元プロだか設定出たら終わるね、イッチ

淡「ん~、わっかんない。長野がどのくらいのレベルか知らないもん」(モキュモキュ

大星母「薄情な子ね~……まあしょうがないか、あなたアホの子だものね」

淡「アホじゃないよ!?ちょっと物忘れが激しかったりするだけだもん!!」

大星母「じゃあ鳥頭ね~」(ウフフ

淡「ぶー……なんでそんな意地悪なこと言うのよー」

大星母「だって、かわいそうじゃないこの子」(記事指差し

淡「………どーして?」

大星母「アラアラ、やっぱり完全に忘れ去ってるわね、この子ったら」

淡「もきゅ?」(二個目

大星母「ほら、あなたが小さかった時、長野に旅行にいったことがあるじゃない?」

淡「長野に旅行…………ん~、あったような、なかったような」(ンムム

大星母「まあ、小学校に入るか入らないかって頃だから、忘れてても仕方ないのかしらねー」

淡「あー…………そう言われると、なんか思い出してきたよーな。けっこー長い間、お泊まりしたっけ?」

大星母「そうそう、それよそれ。観光なんて一日で一通りやっちゃって、やることなくて暇だったから地元の散策するようになったじゃない。そこであなた、地元の子達の遊びに混ぜてもらったの、覚えてない?」

淡「――――それって、公園……?」(モグモグ

大星母「それよー。なんだ、あなたちゃんと昔のこと思い出せるんじゃない、お母さんビックリしちゃったわ」

淡「長野で……公園…………地元の子――――あれ?」



――――おまえー、なにやってんのー?

――――みんな、わたしがしらない子だからまぜてあげないー、って……

――――フーン……ちょっとこっちこいよ!

――――うきゃ……てーひっぱんないでよ……!

――――いいからいいから。オーイ、この子もまぜてイロオニやろーぜー!

――あー、すが君だー

――えー、その子しらない子じゃん。しらない子とあそんだらいけないんだよ

――――そんなの気にするヤツは「ちっちぇえな」って、このあいだ王様がいってたぜー

――王様がいってるならしょうがないね

――そーだね、王様のいうことはぜったいだもんね

――――ホラッ、みんないいってさ!

――――わ、わたしもいっしょにあそんでいいの?

――――だいじょーぶだって、ホラ、オニきめるからジャンケンするぞー!

――オー

――――お、おー

――――そういやおまえー、なまえなんつーの?

――――あ、あわい……おーほしあわい

――――フーン、オレはきょーたろうな、すがきょーたろう。よろしくなー



淡「――――――――アアァァァァァァァッ!?」

大星母「あら、ちゃーんと全部思い出したのかしら。この子のお陰であなた、遊びに混ぜてもらったのよねー。それから帰郷するまで毎日、公園に行ってついて回ってたんだから」(京太郎が関東から引っ越してても死ねるな、コレ

淡「え、ウソ……なに、ホントにこいつがアレなの、あのきょーたろう君!?」

大星母「長野で須賀って苗字は珍しかったはずだし、同じ子だと思うわよお母さんは」

淡「え、ええぇぇ~……」

大星母「それでホラ、明日東京に帰るからってみんなにバイバイしに行った時、あなた急に帰りたくないーって大泣きしだして~」(ニマニマ

淡「ちょっと、やめて思い出させないで……」(カァッ


――――ヤダヤダ、かえりたくないー!ムリならきょーたろうくんもつれてかえる~!

――――おまえどこのジャイアンだよ……

――――だってー……

――――ん~、しょーがねえなー。だったらおおきくなったら会いにいってやるよ、おれが

――――ホント……?とーきょーって、ここからずーっとずっととおくにあるんだよ?

――――まあ、なんとかなんだろー、タブンネ

――――それに、オウチがどこにあるかもしらないと迷子になっちゃうよ……

――――ん~、そしたらさ、なんかゆーめいになっとけばいいんじゃないの?

――――わたしが……?

――――そうそう、それならどこにいてもわかりそうじゃん!

――――な、なにでゆーめいになったらいいのかな……

――――そんなのしらねー、なんかかんがえてくれ。オレ、バカだからよくわかんねーもん

――――え、えぇ~……んっと、んーーーっと……そ、それじゃあ、マージャンは?

――――マージャンって、あのドンジャラのニセモノ?

――――ドンジャラがニセモノだよー……あれがつよいと、テレビにいっぱいうつれるし。わたし、じつはマージャンとくいなんだよ!

――――フーン、ドンジャラってマージャンのニセモノだったのか……

――――ダ、ダメかな?

――――んー、まあいいんじゃねーの?

――――それじゃあ、やくそくしたからね!ウソついたら点棒100ぽん、のますからね!

――――おー、いいぜー。テンボーがなんなのかしらんけど


淡「……………………え、あれ?いろいろ思い出したのはいいんだけど、この流れでなんできょーたろう君が麻雀やってるわけ?」

大星母「ホントーにアホの子ねえ、あなた。ここにちゃんと書いてるじゃない……漫画ばかり読んでちゃダメよー?」

淡「ここって……」



だから、今言えるのは……自分もあんな風に真剣に、楽しそうに麻雀を打てるようになりたい……それだけです――――



大星母「あなた、麻雀だけは一人前だもんねー。スゴイじゃない、自分の得意なことで男の子を必死にさせられるなんて♪」

淡「一人前どころか百人前だよ!」(フンゾリ

大星母「麻雀しか取り柄がないっていうのは、お母さんとしては心配なんだけど……まあ、しょーがないのかしら」

淡「アハハ、そっかー、きょーたろう君は私に会った時に恥ずかしくないよう麻雀強くなってるのか~!フッツーに会いに来てくれればいいのに、回りくどいことしてるな~、もう!」(ニヤニヤ

大星母「ついさっきまで、思い出を忘却の彼方に追いやってた子の言っていいことじゃないわねー」(ヤレヤレ

淡「よーし、なんかやる気出てきちゃったから私、もっ回ネット麻雀してくるね!さっき対局した【トーカ】っていうのが、ケッコー手強くてさ。最後まで振り込まないし、捲りにくるしで生意気だったの!」(プンスカ

大星母「ちゃんとご飯は食べにくるのよー」

淡「ハーイ!!」(ダダダッ




京太郎「――――ふえっくし!」

一「あれ、須賀くん風邪でもひいたの?」

純「っかしーな、ナントカは風邪ひかねーんじゃなかったっけ?」(ケラケラ

京太郎「酷いですねー……これはアレです、誰かが噂してるんですよ、噂」

衣「きっと、いつか相まみえる兵に違いないな!」

京太郎「だったら……望むところっ……」(ざわ…

衣「ククッ、その意気だぞ京たろー!」(ざわ…ざわ…

純「だからおめーら、そのざわ…ざわ…はやめろって」

透華「くーーーー、ムカツク、なんかムカツキますわ、さっきの相手!」

智紀「透華、どうかしたの?」

透華「どうもこうも!ネット麻雀で【あわあわ】とかいうのと対局したのですけど、最後他家を跳ばして私の四暗刻聴牌を台無しにしてくれましたのよ!?」

京太郎「あちゃあ、それは痛いですね」

透華「今度会ったらギャフンと言わせてやりますわ、ギャフンと!!」(ジタバタ

京太郎「ハハ、が、頑張ってください透華さん」

透華「ええ、もちろんですとも!だ、だからその時は応援よろしくですわ、京太郎!!」

京太郎「えー……俺が応援してもたいして変わりませんって」

一「須賀くん、そこは素直に任せてくださいって言うところだよ」

智紀「わかってない、乙女心」

衣「ダメダメだな、京たろーは!!」

純「おお、ダメダメだな。なんのことかよくわかんねーけど」

京太郎「皆ひどいっすね……」

ハギヨシ「――――皆さま、お食事の用意ができました」

京太郎「あ、もうそんな時間ですか?じゃあ、俺はそろそろお暇――」

ハギヨシ「もちろん、須賀様の分も用意してあります。どうか皆様と食事していってください」

透華「グッジョブですわ、ハギヨシ!!」

ハギヨシ「私、透華お嬢様の執事ですから」


そんでもって食事の時間――――

一「そういえばさ、僕たちは小さい時から麻雀やってるわけだけど」(カチャカチャ

純「おー、なんだかんだで結構長いことやってるよな」(ガツガツ

智紀「私は……透華に外へ引っ張り出されてから」(チビチビ

一「ともきーはまあ、あれとして。須賀くんって高校になってから麻雀始めたんだよね、確か」

京太郎「ええ、そですね。周りで流行ってるのは知ってましたけど」(モグモグ

一「今時珍しいよねー。なんか切っ掛けでもあったの?こう、麻雀やってみようかなーって切っ掛け」

京太郎「んー……どうでしたかね」

京太郎(まさか、和が麻雀部に入るって優希と話してるの聞いて、同じ部なら近くでオモチを見れる――――なんて思った、とは言えねーな、言えねーよ)

京太郎「…………なんとなく、ですかね。麻雀でこう、新しい世界が開けるかも――みたいな?」

純「なんだよそりゃー」

一「男の子って、たまに変な理由で新しい趣味を見つけたりするよね~」

智紀「青春……?」

京太郎「そ、そこまで青臭いもんじゃないですけど……。そういえば俺、昔は麻雀ってドンジャラのパチモンだって思ってたんですよね」

衣「おお、絵合わせのゲームだな、知ってるぞ!」

透華「そ、それはさすがにどーかと思いますわ……」

京太郎「いや、まあ今思えばとんでもない勘違いなんですけど……そういや、誰だったっけ、ドンジャラが麻雀のニセモノだって教えてくれたの……?」

一「案外、将来の約束したかわいー女の子だったりして」(ケラケラ

透華「んな!ホントですの、京太郎!?」

京太郎「ハ、ハハ、そんな都合のいい思い出なんて……思い出…………ん?」

透一智純衣ハギ「――――――――え?」

京太郎「――――ナイデスヨ、タブン」

透一智純衣ハギ「そ、その間は何?」