【清澄麻雀部】

まこ「うーん、どうしたもんかのう」

京太郎「どうしたんですか、難しい顔して」

久「んー、須賀君がイカサマでもした?」

京太郎「できませんよ、やっと手が治ったかなってとこなのに!」

まこ「治ってたらできるみたいな言い方はやめんさい」

和「須賀君……」

京太郎「け、軽蔑の目で見るのはやめてくれないか、和!?」

和「フフ、冗談です。須賀君
そんなことしないですよね」

京太郎「ホ……冗談きついぜー」

優希「向こうは和気藹々と打ってるじぇー、咲ちゃん……」

咲「う、うん…………むー……こ、これ!」

【トーカ】さんの発言:「ロンですわ!」

咲「あうぅぅぅっ……!?」

優希「咲ちゃん、これで七回目の跳びだじぇ……」

咲「うう、牌が全然見えないよぅ……これじゃ私、少し前の京ちゃんと同じになっちゃう……」

京太郎「オイコラ、咲……俺と同じにってどーいう意味だよ?」

咲「あ、ゴ、ゴメン……。ちょっと失礼すぎたよね、さっきの言い方は……」

京太郎「たかが七連続跳んだ程度で、俺と並んだと思うなよ?連続跳び回数は二桁に入ってからがスタートだぜ」(キリッ

咲「そっち!?」

優希「二桁跳んでスタートって……狂気の世界だじぇ、ネット麻雀……」

和「違います、一緒にしないでください。須賀君がやってるのはネット麻雀の皮を被ったプロと名人の魔窟ですから……」

京太郎「魔窟っつーか、神域の庭だと思うけどな」

久「なんかそれだけで一生分の運気を使い果たしそうよね」

和「運気がどうのなんて、そんなオカルトありえません」

京太郎「ハハハ、和のオカルト嫌いは筋金入りだなー」

久「アッハッハッ」

和「ウフフフ」

まこ「……んで、そろそら話戻しても構わんかの?」

京和久「はい、どーぞ」

まこ「からかわれとるんじゃろーか、わし……。まあええ、実はじゃのカクカクシカジカ」

京太郎「マルマルウマウマ」

久「ふーん、こないだの県大会優勝でお客様増えたのはいいけど、手が足りなくて困ってると」

まこ「頼める子にはもう頼んでしもうての……」

和「メイド雀荘でしたよね、染谷先輩のお家」

まこ「ハイカラじゃろ?」(ニヤ

京太郎「ハイカラですね」(ニヤ

咲「なになに、なんの話してるの京ちゃん?」

優希「結局、咲ちゃん八回連続でラス引いたじょ……」

京太郎「だーから、んなのフツーだって、フツー」

咲「京ちゃん、いつもあんなところで戦ってるんだ……。強くなった当然だよ……」(感心

和(そんなわけないでしょう、ってツッコミを入れたくて仕方がありませんね……)(ウズ

京太郎「んでな、こないだの県大会でウチが優勝しただろ?それの影響で、染谷先輩の家がやってる雀荘が嬉しい悲鳴なんだってさ」

咲「へー、そーなんだ」

まこ「そうなんじゃ、そうなんじゃよ。そんでな、ものは相談なんじゃが…………お前さんら、こんどの日曜、ウチでちいっとばかしバイトしてみんか?手当ては弾むから、の!」

咲「え?」

和「またメイド服を着たいとは思うんですけど……すみません、家の用事で」

優希「私はモーマンタイだじぇ!」

久「アハハ、私はほら、年だから」

京太郎「よく言いますよ……。まあ、頑張れよ咲」

咲「う、うーん、京ちゃんがそー言うなら……」

優希「おい、私はどーした?」

京太郎「皿は割るなよ、お客様には丁寧に対応すんだぞ、あああと……」

優希「そーいう言葉がほしくて言ってないじぇ!?」

京太郎「ハハハハハ」

まこ「……乾いた笑い声あげとるとこ、悪いが。京太郎、わしはお前さんにも頼んだつもりなんじゃが?」

京太郎「ハハハ…………は?俺も?」

まこ「……よろしくのっ」

京太郎「ええぇぇっ!?」




休日【roof―top】店内

京太郎「どうしてこうなった……」

咲「アハハ……が、ガンバロ、京ちゃん!」

優希「そうだじぇ!しっかり働いていい汗流すぞ、京太郎!」

京太郎「つってもなー……」

まこ「そう腐るな。よー似合うとるよ、その制服!」

京太郎「なんでメイド雀荘なのにこんな服(男性用メイド服黒)用意してるんすか……」




京太郎「………………」(ゴゴゴゴ…

咲「よ……プっ、フフ……よく、似合って、ふよ……?」(プルプル

京太郎「咲、無理すんなー」(ナデナデ

咲「ゴメンね……京ちゃん、ゴメンね……!」(ブルブル

優希「アハハハハハハハハハハハハハッ、よ、よく似合ってるじぇー、京太郎!」

京太郎「よーし、表へ出ろ!俺の本気って奴を体に叩き込んでやるぜ?」

優希「じぇー!?咲ちゃんと対応が違いすぎないか!」

京太郎「フッ、テメエの胸に手を当ててよく考えるこった」

優希「きょ、京太郎が言うと別の意味でしか考えられないじょ……」

咲「え?オ、オモチの大きさじゃなかったの?」

まこ「ほうじゃの、わしもそれしか考えとらんかったわ、理由」

京太郎「ヒデエッ!?みんなして俺をなんだと思ってたんだ!?」

咲「な、なんだとって……」

優希「病的におっきなオモチが好きなダメ男だじぇ!」(サムズアップ

まこ「今ならもれなく、メイドの女装中っちゅう素敵な要素も付いてくるぞ」

京太郎「オイ……オイッ……あ、ダメだ優希の言葉に反論できない……。で、でもメイド服は染谷先輩が着させたからでしょーが!クッソ、マトモな服をプリーズです!」

まこ「じゃが、断る」(ドドドッ

京太郎「一蹴……劇画チックに、ただ一蹴されたっ……!」(ざわ…ざわ…

咲「は、張り合わなくていいよ、京ちゃん……!」(ワタワタ

まこ「ハッハッハッ!まあ、これも一つの経験とでも思うて我慢しんさい!」

京太郎「むー、納得いかないですけど納得するしかないんですね……」

優希「よーしっ、それじゃお仕事開始だじぇー!」

京太郎「お前が言うんかい」

まこ「まあええでなーか。仕事いうても、注文受けて飲みもんやおしぼり配るぐらいじゃ。あとは面子の足りん卓で代走するんもあるが……まあ、それで負けてもバイト代削るようなことはせんから、気楽に打ちんさい」(パァァッ

京咲優「ま、眩しっ……!?」


まこ「粗方の説明は済んだかの?ほいじゃ、仕事開始といこうか!」

京咲優「ハイッ!」


おっちゃんファースト「おーい、店員さん代走お願いしたいんだがー」

おっちゃんセカンド「こっちも頼むよー」

まこ「ほれ、出番じゃよ」

咲「ハ、ハーイ、ただいまー」

優希「オウッ、任せとけ!」

京太郎「あの二人と卓を囲むとか、ツイてねえな、あのおっちゃん達……」

おっちゃんサード「すまないなー、お嬢ちゃん。こっちも代走ー」

京太郎「…………」

まこ「呼ばれとるぞー」

京太郎「ヤダなあ、お嬢ちゃんなんだから染谷先輩に決まってるじゃないですか」

まこ「アホ、わしがお嬢ちゃんって柄かい。下手な世辞は人を傷つけるぞ?」

京太郎「そんなことないです、俺からしたら染谷先輩だって咲や和達に負けず劣らずの美少女で……頼り甲斐のある先輩です」(キリッ

まこ「そ、そがーな格好で大真面目に語られても……こ、困るんじゃが」(テレ…

おっちゃんフォース「おぅい、まこちゃん、ちょっと注文いいかな?」

まこ「あ、ハーイ!!わ、悪いのう、わしはあっちでオーダー取らにゃならんから、じゃ、じゃあの!」(バタバタ

京太郎「…………やるしか、ないのか」

おっちゃんサード「お、来た来た。すまないね、お嬢……ちゃ!?」


――――その時、おっちゃんに電流走る!


京太郎「…………………」(ゴゴゴゴ…

おっちゃんサード「…………え、えっと」(ゴクリ

京太郎「――――須賀、京太郎子です……よろしくお願いします」(ざわ…ざわ…

おっちゃんサード(こ、こんなの絶対おかしいよ……!?)

京太郎子?「さあ……始めましょうか」



後にメイド雀荘界を震撼せしめる少年……少女?須賀京太郎子。

……これがその始まり


そして、閉店。


まこ「…………みんな、お疲れ」

咲「うーん、頭の中で牌を打つ音がするよー……」

優希「は、半荘何回やったのか覚えてないじぇ……」

京太郎子「二人ともひっきりなしに代走入ってたからな。ほら、熱いおしぼり」

咲「はふぅ……ぽかぽかだよ、京ちゃんありがとー」(クター

優希「あと、できたてタコスがあれば完璧だじぇ……」(グテー

京太郎子「調子に乗んなー」

まこ「お前さんもそこそこ代走やっとったはずじゃが、意外と元気そうじゃの」

京太郎子「部に顔を出す度に頼まれる買い出し……そして、現実とネットで何百回ものハコテンによって培われた体力、精神力は伊達じゃないですよ」

まこ「そこは自慢してええのか?」

京太郎子「そうでも言わなきゃやってられません……」(ホロリ

まこ「苦労しとるのう」

京太郎子「最後の方じゃ、お客さんにこの格好を受け入れられつつありましたし……」

咲「あんなに堂々とメイド姿で打ってたからだよ……。あそこまで迷いなく着られたら、もうなにも言えないよ」

優希「みんな、なんかの罰ゲームで自分を納得させてただけだと思うじょ」

京太郎「やっぱり?」

咲「当たり前ですー」

優希「今さらながら、普通の服でよかったんじゃないか?」

まこ「ほうか……ま、多少悪ノリし過ぎた感はあるの」

京咲優(多少……?)