京太郎「はぁ……」ショボリーン

初美「どうしたんですかー京太郎君。浮かない顔して」テトテト

京太郎「あ、はっちゃん先輩」

初美「悩み事なら、相談に乗りますよー?」

京太郎「相談……そうですね。一人で悩んでても仕方ないですし、相談に乗ってもらっていいですか?」

初美「先輩にお任せですよー!なんてったって先輩ですから!」

京太郎「実は、俺……好きな人ができてしまったんです」

初美「ほうほう。京太郎君も恋を知る歳ですかー時が経つのは早いですねー」

初美「それで、誰が好きなんですかー」

京太郎「それが、わからないんです」

初美「はい?どういうことですかー?」

京太郎「順序立てて説明するとですね」

初美「ふんふむ」

京太郎「先日、俺が河川敷で一人でフリスビーをしてた時の話なんですが、」

初美「ちゃっと待って」

京太郎「え?ちょっともう何?ここからがいいところなんですけど」

初美「なんで、一人でフリスビーしてたんですか?っていうかフリスビーって一人で出来るものなんですか?」

京太郎「出来ますよそりゃ」

初美「どうやるんですかー?」

京太郎「まず、こう普通にフリスビーを投げるでしょう?」

初美「ふんふむふん」

京太郎「で、それを自ら全力で追いかける!そしてそれをキャッチ!」

京太郎「まぁ、一回も取れたことないんですけどね」

初美「それ、楽しいんですかー?」

京太郎「楽しいとか、楽しくないとかじゃないんですよ」

京太郎「これを取れたら、なにか…………乗り越えられる気がするんですよ」ヒュン

初美「え、なんですか今のジェスチャー。なに投げたんですか?」

京太郎「そんなある日、俺がヒトフリに疲れて円盤投げ半身像の物真似をしてた時」

初美「ヒトカラみたいに言うのやめやがれですよ」

京太郎「いとも見目麗しき可憐なお嬢さんが『もし、もし。そこのお方、よろしければわたくしがお相手を務めましょうか』」

京太郎「こう話しかけてきてくれたんですよ」

初美「世の中変わり者、っと言うか怖いもの知らずはいるものですねー」

京太郎「その姿はまさに夕闇に咲いた一輪の野花……」

初美「なに言っちゃってんでしょうねこの人」

京太郎「ああ、もう一度あの人に会いたい!」

初美「なんでその時きちんと名前を聞かなかったんですかー?」

京太郎「人間、テンパッちゃうことってあるじゃないですか」

初美「京太郎君は大体ノーテンだと思いますけどね」



カララ

霞「あら、2人ともここにいたの?」

初美「霞ちゃん」

京太郎「霞先輩、お邪魔してます」

初美「私たちに御用ですかー?」

霞「ええ、いい機会だから京太郎君に明星ちゃんを紹介しておこうと思って」

京太郎「アキ・セチャン?」

初美「突っ込んでほしかったら100円払いやがれですよ」

霞「明星ちゃんいらっしゃい」

明星「……」ソワソワ

霞「こちら、私の妹の石戸明星ちゃん」

京太郎「あなたはっ!?」

明星「え、あの時のフリスビーの方?」

初美「なんと!円盤皇女は明星ちゃんだったんですかー」

霞「あらぁ、2人とも知り合いだったのかしら」

京太郎「一目見た時から好きでした!僕の伴侶になってください!」

霞「え」

明星「え、ええっとその///」

明星「まだ、お互いのことよく知りませんし、その……お友達からということなら」

京太郎「恋人、結婚という段階を前提にお友達になってください!」

明星「はい///」

霞「」

初美「開いた口が塞がらないですよー」


カン!

後日、霧島神社に雷が落ちた。比喩ではなく本物の。


京太郎「なんか、来たら社務所が崩壊してるんですけどなんすかこれ?」

初美「あ、京太郎君」

京太郎「はっちゃん先輩チューッス!(舎弟風)」

京太郎「なんか、ここすごいぶっ壊れてるんですけどなんすかこれ?」

初美「順序立てて説明するとですねー」

京太郎「ふんふむ」

初美「先日、京太郎君が明星ちゃんと交際することになったじゃないですか」

京太郎「HAHAHA!照れますな!」

初美「それを知った姫様に神様が降りてきちゃいまして」

京太郎「え」


天空に暗雲。光線によって電子の流れが指定される。電位差が空気の絶縁限界値を超える。気体から電子が放出されて陽イオンが発生。

電子とは逆方向に向かった陽イオンはさらに別の分子に激突し電子を遊離させる。遊離した電子はさらに陽イオンと、連続的な放電現象を呼ぶ。

凄まじい稲光と轟音。

熱せられた空気が急激に膨張して真空を生み出し、また周囲から再び冷たい空気は流れたときの振動によって雷鳴の音を生み出す。衝撃波に遅れて白煙が満ちる。


京太郎「なんじゃこりゃ」

初美「自然の雷は1から10億ボルト。放熱量は数万から数十万アンペア。電気量だと平均900ギガワット。つまり発生しても0,0001秒程度なんですよ」

初美「けど、神様の力でこの放射時間を延ばすと圧倒的な雷。短い時間でも2万から3万度の高温になって、さらに全力で放てば霧島神境くらい一瞬で吹き飛びますよー」

京太郎「天を操る。まさに神の所業ですね」

初美「京太郎君」

京太郎「はい?」

初美「がんばって」

京太郎「なんてこったい」


もいっこカン!