初美「見つけましたよー京太郎」ダキッ

京太郎「うわっびっくりした。もう何時も突然抱きついてくるの止めてくださいよ初美先輩」

初美「はいはい、あなたのはっちゃんですよー」ギュッ

京太郎「ちょ、そんなに抱きつかれたら柔らかいものが」

初美「ふふん、京太郎は貧乳には興味がなかったんじゃないですか?前はこんな風に抱きついても適当にあしらってましたよねえ」

京太郎「それはその、例え貧しかろうと女の子は柔らかいもんですし、もう少し慎みをですね」

初美「いつも誰かさんの胸に目がいってるような人が慎みうんぬん言っても説得力ないですね」

京太郎「うっ、それはその」

初美「ねえ京太郎?」

京太郎「何ですか」

初美「私は何時までこんなことやればいいんですか」

京太郎「そりゃ降りてくれれば今すぐにでも止められるじゃないですか」

初美「そんなことじゃないです!」

京太郎「……」

初美「そんなことじゃ……ないです。いつまでこんな友達か恋人かどちらも分からない曖昧なままでいればいいんですか?私達は」

京太郎「俺は、麻雀が弱いんですよ」

初美「そりゃ知ってますよー。せいぜい素人に毛が生えた程度の実力ですしね。
でもだからって私達に負い目を感じて、隣に立つ資格がないとかどうとか、そんなつまらないことを考えてるんですか?」

京太郎「それも……あります。でもそれだけじゃなくって、俺楽してないかなズルしてないかなって」

初美「楽を?それこそ嘘でしょう、京太郎が努力してるのは知ってます。
それだけじゃなくて雑用も率先してやってくれて、これで楽をとか言い出したら他の人間は神罰でも受けちゃうんじゃないですかー?」

京太郎「違うんです俺が言いたいのはそうじゃなくて、雑用をすることで楽して先輩たちの隣にいようとしてるじゃないかと……
実力じゃどうやっても傍にはいけないから、そうすることで距離を縮めようとしてるんじゃないかって、
麻雀だって努力はしてますけど心の奥では諦めていて、だから雑用に逃げてるんじゃないかって」

初美「こりゃまた難しいことを、見た目は割かしチャラそうなのに京太郎って存外重いですよねー」

京太郎「チャラそうなのにって、人が真面目に話してるのにチャカさないで下さいよ」

初美「あはは、でもでも本当に考えすぎですよー。でもまあ仮にそうだったとして何がいけないんですかー?
別にいいじゃないですか雑用逃げようが私達の力になってくれてるのには変わらないですし、
麻雀への取り組みだって誰もが全力でなくちゃならないなんて決まりはないのですよ」

京太郎「先輩は優しいですね」

初美「今頃気がついたんですか?
それに私は京太郎が雑用に逃げてるようには思ってませんしねー。
あなたが影でも努力してるのは知ってますよ、こないだなんてネト麻で何連敗してましたっけね」

京太郎「ちょ、何でそれを知ってるんですか!?」


初美「企業秘密ってやつですよー。
まあそういうワケです。京太郎が負い目を感じる必要なんてないのですよ、皆もきっとそう言いますよー。
私としてはそれよりこのもどかしい関係に決着をつけたいわけなんですけどねー?」(ジトー

京太郎「うっそれは」

初美「この期に及んでヘタレるとは予想以上ですねーこれは」

京太郎「いやそうじゃないんです。覚悟みたいのは出来たんですけど、ちょっと待ってほしいんですよ」

初美「具体的には?」

京太郎「今度の地区予選が終わるまではでいいです。
先輩に言われてある程度納得出来たんですけどやっぱりしこりもあって、
だから今度の地区予選でどれくらい頑張れるか試してみたいんです、全力で。
胸を張って麻雀に打ち込めてるって自分に証明したい……だから待ってもらえませんか」

初美「……京太郎は卑怯ですよー、そんな目で真剣に言われたら何も言えないじゃないですか」

京太郎「すみません。でもそうやって頑張れたらきっと初めて自分を許せて認めて、
それであなたに言えると思うんです、俺から言いたいんです。
今はここまでしか言えないけれど」

初美「はい……待ってますから」


カンッ