京ちゃんと過ごす一ヶ月照編


「一日目」


照「あなたが須賀京太郎……そう、私は宮永照、よろしく

………どうしたの?挨拶は終わったけど」


………

「三日目」


照「須賀君、何か用?

そう、菫が……うん、わかった、ありがとう」

………

「八日目」


照「須賀君、淡を見なかった?

………あの子、私のドーナツをとっていった

ええ、お菓子は好き

淡は見てないんだね、わかった」

………

「十五日目」


照「須賀君、先日の『栗しぼり』ありがとう

出身長野だったんだね……うん、私も

……………あの子の友達だったんだ、早く言ってくれればよかったのに

コネを作るみたいで何だか気まずかった?変なの、フフ

……私だってインタビュー以外で笑うときあるよ

へぇ、京ちゃんって呼ばれてたんだ……じゃあ

私もそう呼んで…いいかな?」

………

「二十日目」


照「京ちゃん……どうしたの、それ…

アザ、見えてるよ…隠さないで

……大丈夫、私には分かってるから

京ちゃんを快く思わない人達がいるんでしょ

私と京ちゃんが個人的に話していようが、私達の勝手なのにね…

うん、犯人は何となく目星がつくから

?なんで止めるの?

いいから

私に任せておいて」

………

「二十一日目」


照「おはよう京ちゃん

昨日の事だけど、もう大丈夫だから

安心して部活に出られるよ

え、どうしたかって?

特別な事は何もしてないよ

そうそう、京ちゃんをいじめてた人達が『ごめんなさい』って

まだ、直接は謝りづらいのかな、その気持ちも分かるな

そうだよ、まだ面と向かって話せないだけだから、うん

京ちゃんがもうあの人達の事を気にする事ないよ

そんなことより京ちゃん、お昼にでもまた二人でお話しようね」

「二十二日目」


照「………淡はいい子だよ、元気があって可愛い後輩

だからといって、私達の間に踏み込んできていい理由にはならない

京ちゃんに詰め寄ったあと、私にも怒鳴ってきたから別室へ連れて行った時、

あの子なんて言ったと思う?

『私の京太郎をとらないで』って…

確認だけど、二人は付き合ってないよね?

うん、わかった

淡にはよく言って聞かせる

え、それはどういう意味かな?

淡の味方するの?なんで?

……そうだよね、うん、京ちゃんは私の味方で私も京ちゃんの味方

それじゃ行ってくるよ、もう止めないでね」

………

「二十三日目」


照「気づかなかった…まさか誠子や尭深までが京ちゃんに色目使ってたなんて

思い返してみれば誠子は京ちゃんと話すときの距離が近かったし、

京ちゃんと話すときは本当に楽しそうだった

尭深もそう、自分から男子に話しかけるタイプじゃないのに、

京ちゃんにはよくお茶を淹れて一緒に飲んでた…

私がちゃんと見ていなかったせいだね、本当にごめん京ちゃん

考えてみたら京ちゃんぐらい素敵な男の子だったら当然だよね

本当に私は抜けている…咲のこと笑えないよ

今からはちゃんと徹底するから

京ちゃんを守るから

ね?」


………

「二十六日目」


照「辞めてきたよ、麻雀部

?そんなに驚くことかな

キャリア?なにそれ

別にいいよ

部活じゃなければ麻雀できないわけじゃないし

うん

菫の言いたいこともわかるけど、あんまりだよ

チーム内の空気が悪いとか、他の部員に示しがつかないとか、

それは私がズボラなせい

なのに京ちゃんに退部をすすめてくるとか、おかしな話

京ちゃんも部長の言う事だからって素直に応じなくてもよかったんだよ

京ちゃんの意志じゃないんでしょ?

菫に言わされたんでしょ?

分かってる

もうあそこには私もいたくなかったし、ちょうどよかったよ

これで私も普通の高校生として京ちゃんのそばにいられるよ

ふふふ…笑って、京ちゃん」

………

「三十日目」


照「あ、京ちゃん…プロ入りの話?

私の心配してくれるんだ、ふふふ

大丈夫だよ、さすがに名門チームには行けないけど

私にも今までの実績があるし、退部もチーム内の不和が原因で

犯罪を犯したとか、誰かに負けたとかそういうわけじゃないからね

地方からの出発になりそうだよ

地方か…いっそ長野に行くのもいいかもね

あの子もいるし、京ちゃんの故郷でしょ?

え?

なんで自分の名前が出てくるかって?

やだなぁ

一緒にくるでしょ、私がプロに行ったら

迷惑なんかじゃないよ、私も京ちゃんと暮らしたいし

え?

やだなぁ

同棲するに決まってるでしょ

そうしたらお互いを守れるからね

ふふふ……楽しみだね

ねえ、笑って…アナタ

ふふふ」


カンッ