小蒔「京太郎さん」

京太郎「どうかなさいましたか、お姫様」

小蒔「お姫様って……京太郎さん、どうかしたんですか?」

京太郎「いえ、せっかくの衣装ですしね。執事になりきってみようと」

小蒔「そうなんですか……」

京太郎「まあ、付け焼刃の見習い風情ですが。お世話させて頂きます」

小蒔「だ、大丈夫ですよっ」フンス

京太郎「いえ、お姫様の身の回りの世話をするのが執事の役目ですから」

小蒔「そ、そうなんですか」

京太郎「ええ、なんなりとお申し付けください」

小蒔「それじゃあ、ですね……」

京太郎「はい」

小蒔「手を握ってくれませんか?」カアアッ

京太郎「畏まりました。では、お手を」

小蒔「ご、ごめんなさい。こんなつまらないことで」ギュッ

京太郎「そのようなことをおっしゃらないでください。私は……俺は……」

京太郎「お姫様の笑顔こそが最上なのですから」

小蒔「……京太郎さん、ずるいです」

小蒔「そんな事言われたら……照れちゃうじゃないですか」

京太郎「存分にどうぞ。可愛らしいお姫様。傅いて、手を取ります。
執事ですから、ええ」

小蒔「えへへ……京太郎さん」

京太郎「はい」

小蒔「もう一つ、お願い。いいですか?」

京太郎「どうぞ。私にできることであれば」

小蒔「……キス、してください。京太郎さん」

京太郎「……よろしいのですか」

小蒔「女の子に聞くのは反則ですよ?」

京太郎「では、失礼を」

小蒔「んっ……」

京太郎「…………」

小蒔「…………嬉しいです。いつか、こうなればいいなって夢を見ていました」

京太郎「……はい」

小蒔「あの、ですね……京太郎さん!」

小蒔「ずっと。ずっと!私だけの執事でいてくれませんか!」

小蒔「貴方と共に、歩ませてくれませんか。ダメでしょうか……?」

京太郎「……よろしいのですか?」

小蒔「はい!それと、いつまでもその口調はやめてくださいっ!恥ずかしくて、その、ですね」

京太郎「ははは。お姫様の可愛らしい姿を見れるならずっと続けてみてもいいかもしれませんね」

小蒔「そんなっ!京太郎さんは、意地悪です……」

京太郎「お姫様をからかうのも執事の特権です」

小蒔「そんな特権ないですから。全く……きゃっ」ダキヨセッ

京太郎「ずっと、一緒ですよ?」

小蒔「……はい」

京太郎「例え、どんなことがあろうとも。俺は、お姫様……小蒔さんの近くにいますから」

小蒔「そうじゃなきゃいやです」ツーン

京太郎「拗ねた顔も可愛いですね。だから――」

小蒔「むぅっ」

京太郎「いつまでも、つながっていたいと思ってしまうんですよ」

小蒔「私も、私だって……そうですよ?」

京太郎「おそろいですね、俺達」

小蒔「はい……これからは苗字もお揃いですよ!」

京太郎「ははは……さてと」





「永遠の愛を誓います、お姫様。死がふたりを分かつまで、貴方のお側にいさせてもらいます」

「こちらこそ……お願いします。…………大好きです、京太郎さん」





【お姫様“だけ”の執事】HAPPYEND