【第四章後編血染めの神Start】

俺は普通の高校生須賀京太郎。

知り合いの女性の戒能良子さんとピアノリサイタルに行って。

黒尽くめの男達の怪しげな取引現場を目的してしまった。

取引に夢中で背後から近づいてきた男に気づかずに睡眠薬を飲まされてしまった。

目が覚めたら……!テロに巻き込まれてしまった!

客船から逃げ遅れた俺は渋々一人で行動をするが……!

たったひとつの真実見抜く、見た目はイケメン、頭脳は凡才。その名は、名探偵京太郎!


京太郎「何か変なタイトルコールがあったような……」

良子「気のせい気のせい。ソレヨリモ、リサイタルが始まるまでまだ時間はあるけどどうする?」

京太郎(あれは……地獄の奇術師!?)

高遠「~~~♪」

京太郎(どうしてこんな所に……!)

良子「どうかしたのか?顔色が悪いぞ?」

京太郎「いえ、大丈夫です……ちょっと疲れちゃったのかもしれませんね。
屋上で風に当たりにいきませんか?」

良子「別に構わないが……」

京太郎「それじゃあ行きましょう」

良子「っ!」

京太郎「あ、すいません。手、つないだままでしたね」

良子「……べつに、このままでいい」プイッ

京太郎「そうですか。なら、このままで」ニコッ

良子「その笑顔は卑怯だ……」カアッ

【デッキ】

京太郎「うん、風が気持ちいいですね」

良子「そうだな」

京太郎「……」

良子「……」

京太郎「…………」

良子「…………」

京太郎「…………」

良子「なぁ、京太郎」

京太郎「なんでしょう」

良子「その、なんだ……京太郎って」

良子「好きな人っているか?」

京太郎「な。突然どうしたんですか?」

良子「いいから答えろ。もちろんいないならいないでいい」

京太郎(…………)

京太郎「気になってる人はいますよー」

良子「……」

京太郎「衣さんとか小さくて可愛いですよねー」

良子「……」

京太郎「……どうしたんですか」

良子「それは、本当に心の底から思っていることか?」

京太郎「ええ。可愛いとは思っていますよ」

良子「そうか……」

京太郎「勿論、良子さんも魅力的な女性で素敵だと思いますよ?」

良子「……本当に?」

京太郎「ええ。神様に誓って」

良子「な、なら……」

良子(駄目だ、言ってはいけない。これ以上言ってはいけない!)

良子「その、だな……」

良子(ハルの好きな人を奪うようなことは――!)



「わ、私と付き合ってみる気はないか?」



京太郎「……えっ」

良子「…………」フルフル

京太郎「え、えーっと……良子さん?」

京太郎「ほ、本気ですか?」

良子「…………」

京太郎「あ、あのですね、お、俺は……」

良子「じょ、冗談だっ!!!」

京太郎「……へ?」

良子「ちょ、ちょっとからかっただけだ。おとなのおねーさんの余裕だ」

京太郎「大人って……そんなに年齢に大差はないと思うんですが」

良子「シャラップ」

京太郎「いきなり英語!?」

良子(そう、冗談だ……冗談なんだ)

良子(君が優しすぎるから、儚げだからいけないんだ)

京太郎「な、なんだ。びっくりしましたよー」

良子(きっと、この感情は気の迷いだから……)

良子(だから、君は――わたしの手を取らないでくれ)

良子(手を取られたら、離せなくなるから)

ピンポンパンポーン

京太郎「ん?」

――間もなくリサイタルの時間です。ご歓談の皆様は御席につくよう、お願いいたします。

京太郎「良子さん、もうすぐ始まるみたいですね」

良子「うん。私達も行こうか」

京太郎「はい」ギュッ

良子「あっ……」

京太郎「人が多いですから。はぐれないように」

良子「勝手にしろ……」

良子(こういうことをされると、離せなくなる)

良子(ずっと握っていたいと、願ってしまう)

良子(彼の優しさに、甘えてしまう)

良子(私は……弱いから)

京太郎「さてと……席に座りますか」

良子「前だから見やすいな」




初美「後ろだから見難いですよー……」

巴「我慢よ、はっちゃん。音はしっかり聞こえるから大丈夫大丈夫」

初美「そういう問題じゃないんですよー!前がいいんですよー!」

巴「もう……あっ、暗くなった。始まるわ」



京太郎「うーん、こういうリサイタルの前ゼリフ的なものはどうも眠くなるんですよね」

良子「どんなものでも一応は形式というものがある。まあ、諦めろ」

京太郎「そういうもんですかね」

良子「そういうものだ」

京太郎「うわっ、いきなり真っ暗に」

良子「慌てるな。これぐらいでおどおどしてどうする」

京太郎「いやぁ……こういうのってびっくりするじゃないですか」

良子「まあ、気持ちはわかるけど……」

京太郎「っ!まぶしっ!」

良子「……だから落ち着けと」



初美「………あれ、舞台には誰もいませんよー」

巴「おかしいですね、これも演出なのでしょうか」

初美「むーっ!損した気分ですよっ」

巴「まあまあ、落ち着いて。もう少ししたら誰か説明の人が来るんじゃないかな?」

ザワザワザワザワ

巴(何だかきな臭くなってきましたね……)

初美「と、巴……」

巴「大丈夫です、いざとなればはっちゃんは私が護りますから」



――ブツン。

???「いきなりで失礼します。少々のご無礼はお許しを。
船内におられます、お客様方。初めまして。
私……今宵のパーティの主催者である『ミズシロ・ヤイバ』と申します」

???「要件だけを言いますと、この船には爆弾が仕掛けられているのです」

「は、はあ!」

「どういうことだ、おい!」

「ちょっと、訳わからないんだけど!」

「この声、まさか……あの野郎か!」

???「静粛に。余りにもうるさいと手が滑って爆弾を起動してしまうかもしれませんよ?」

???「嫌でしたらおとなしく聞きなさい」

???「ゴホン、では説明を続けます」

???「この船の何処かに爆弾を仕掛けました」

???「タイムリミットは五時間。その間に、皆様方には爆弾を解除してもらいましょう」

???「ヒントは麻雀です。この客船には麻雀部屋があったはずですね」

???「そこに行けば、なにかつかめるかもしれませんよ?」

???「それでは。GOODLUCK」

???「ああ、そうそういい忘れていました。逃げたい方は、逃げても構いませんよ?」

???「ただし、一人が逃げた瞬間、パーになりますけどね」

――ぶつん。

京太郎「……な、ななっ」

良子「きょ、京太郎……」

京太郎「お、落ち着け。須賀京太郎、素数を数えるんだ、素数を」

京太郎「数えても解決しねーよ!どうすりゃあいいんだよっ!」




【残り時間、5時間】



京太郎「……とりあえず、ここはざわついています。少し、落ち着いて話せる所に行きましょう」

良子「あ、ああ……」

京太郎(できれば、推理に行って解決したいけど……良子さんを危険な目に合わせたくないし)

京太郎(ここはおとなしくしていよう)

京太郎「……あ、あれ?」

巴「えっ、きょーちんと戒能さん!?」

初美「……!?」

京太郎「二人共、どうしてここに?」

巴「それはこっちのセリフです。二人が一緒にいる理由はわかりますが、何故」

京太郎「あーそれはですね……」

初美「……手、つないでるんですねー」ジトー

良子「こ、これは……」

京太郎「こんな状況ですし、手を離したらはぐれそうなんで。他意はないですよ」

初美「本当ですか?」ジトー

京太郎「信じてくださいって。とりあえず、一度外に出ましょう」

巴「そうだね、落ち着いて話もしたいし」

初美「京太郎、理由聞かせてもらいますからねー」

京太郎「はは……」

京太郎「さてと、それじゃあ色々とまとめましょうか」

初美「その前に、どうして戒能さんと一緒にいるのか聞かせて欲しいのですよー」

良子「え、えっとだな……」

初美「戒能さんは優しいから庇うかもしれません、だからひとまずは静観して欲しいです。
京太郎っ、ちゃんと答えて下さいね」

巴「はっちゃん、今はそんなことを話している場合じゃ……」

初美「そんなことじゃありません!私にとっては重要なことですよー!」

巴「はぁ……」

京太郎(さてと、はっちゃんに詰め寄られている訳だが、どうしよう)

京太郎(素直にデートって話すか?それとも、上手く誤魔化すか?)

京太郎(正直に言ったとしても、はっちゃんがどういう反応をするかわからない……)

京太郎(うーん、何か上手く収める方法はないか)

京太郎「……良子さんとデートしてました」

初美「そうですか……」

京太郎「それ以上でもそれ以下でもありません」

初美「……どうして、教えてくれなかったんですか?」

京太郎「特に、理由はありません。聞かれたら答えましたし、聞かれなかったら答えませんでした」

巴「まあ、そうですね。妥当です」

初美「っ!巴!」

巴「だって、そうでしょう。はっちゃん、ひとまずは落ち着いてほしいな。
その話は後でゆっくり出来るから」

初美「そんなの、保証がないですよ!爆弾が解除されなかったらここで私達は死ぬんですよー!?」

京太郎「……死ぬ、か」

良子「京太郎?」

京太郎「いや、なんでもありません」

京太郎(不思議とそんな感じはしないんだよな。現実感がないっていうか)

初美「もう、チャンスはないかもしれません……今聞かないでいつ聞くんですか!」

巴「だから、死なないって言ってるでしょうに」

初美「巴はどうしてそんなに落ち着いているんですか!?オカシイですよー!」

巴「だって、慌てても仕方がないでしょう。推理に参加しないんだから私達は『待つしかない』じゃない」

初美「……じゃあ今から推理に参加して……!」

巴「危険が伴うかもしれないのに?」

初美「……っ」

巴「でしょう?どの選択にも悪い部分はあるの。どれもこれもいいとこどりなんてそんなのないよ」

初美「……ぅぅ」

京太郎(……何だか嫌な空気だな。はっちゃんもいやに食い下がるし。
そんなにも『答えを聞く』ことが重要だったのかな?)

京太郎(極限状態だから余裕がないのは誰も彼も一緒なんだってことはわかる。
俺とかははるるの件があったから落ち着いてられるけど)

京太郎(どうにかしないといけないな)

京太郎(仲裁するか……このままだと本格的に喧嘩になりそうだし)

京太郎「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい!」

巴「私は至って落ち着いているんだけどな」

初美「元はといえば京太郎が喋らないからですよー!」

京太郎「え、ええっと……」

京太郎(やっばい、押されてる。どうにかしないと)

初美「答えを聞くのは生きている今しかないんですよー!」

巴「だから、まだ死ぬとは決まった訳じゃないでしょう!」

京太郎(駄目だ、止まらない……!)

初美「巴、オカシイですよ……!そんなに冷静で!」

初美「怖いって思わないんですか!」

巴「怖いけどそれに身を任せていたら」

初美「本当は怖くないんですよねー。巴はいっつも冷静ですから」

京太郎「ちょ、はっちゃん!言い過ぎですって!」

初美「感情が死んでるんじゃないんですか、巴は!」

初美「爆弾も怖いですけど巴も怖いんですよー!」

京太郎「はっちゃん!何言ってるんですか!!!」

初美「だって……!」

京太郎「言い過ぎです、巴さんだって怖いはずです。それでも、必死に顔に出さないよう頑張ってるんです」

巴「いいよ、きょーちん。それ以上フォローしなくても」

京太郎「でも!」

巴「いいから。で、はっちゃん」

巴「――――言いたいことはそれだけかしら?」

巴「ええ、そうね。私は死んでるかもしれないわね」

初美「……と、巴?」

巴「別にいいよ。そう思ってくれても。私ははっちゃん達とは違うんだし」

巴「同じ巫女さん仲間でも人気が無いですしねー」

巴「それで、だからどうしたの?」

巴「顔に出ないから怖がってない?冷静だとおかしい?」

巴「別にはっちゃんがそう思いたいのなら思えばいい。私には関係ないし」

京太郎「巴さん……」

巴「……私も言い過ぎたね。ごめん」タッ

京太郎「巴さん、何処へ!」

巴「ちょっと気を休める為に一人にさせてくれないかな?大丈夫、自分の身は自分で護れるから」

良子「爆弾犯が乗ってる船だ、一人は危険だ」

巴「心配は無用ですよ。それはきょーちんと戒能さんは知ってるはずです」

良子「それも、そうだけど……」

巴「じゃあ、そういうことで。一旦、お別れだね」タッタッタッ

京太郎「良子さん、はっちゃんをお願いします。俺、巴さんを追いかけます」

良子「う、うん」

京太郎「それと、はっちゃん」

初美「……っ!」

京太郎「後で、謝った方がいいですよ」

初美「…………」

京太郎「それじゃあ、できる限りすぐに戻ってくるんで」タッタッタッ





良子「行ったか……」

初美「うっ、うっうっ」グスン

良子「君が抱える事情を知ってるから気持ちもわかる。だが、アレは言いすぎだよ」

良子「まあ、狩宿についてだけは知らないから何ともいえないが……」

良子「それでも、同じ仲間なんだろ?」

初美「……はい」

良子「戻ってきてからでいい。ちゃんと謝ろうな」



巴「……」スタスタスタ

京太郎「巴さん、ちょっと待ってくださいって!」

巴「……」スタスタスタスタスタスタ

京太郎「巴さん!」ギュッ

巴「……何かな」

京太郎「何かなじゃありませんよ、一人で行動すると危ないですよ!」

巴「だから、大丈夫って言ったじゃない。きょーちん、知ってるでしょう。私、普通じゃないって」

京太郎「それでもですよ。どんな力を持っていたとしても」



京太郎「女の子じゃないですか、巴さん」



巴「……」キョトン

京太郎「俺より腕っ節が強くても、心配しますよ」

巴「ふぅん。お姫様を助けに行く王子様ってこと?そうしたら私はお姫様だ」

京太郎「俺が王子様では役不足かもしれませんがね」

巴「……やっぱり、君ってば人タラシだね」

京太郎「……何か前にも同じ事を言われた気がします」

巴「事実なんだから仕方ないでしょう?」

京太郎「巴さんには敵いませんね、全く」

巴「踏んでる場数が違うからね。修羅場も、麻雀も」

京太郎「……そうですね」

巴「まあ、きょーちんてば見ていて危なっかしいから。何か、黙って見ていられないのよ」

京太郎「あはは。否定できません……」

巴「それよりも。君が追いかける相手は私じゃないはずだよ?」

巴「はっちゃんの近くにいた方がよかったんじゃない?」

京太郎「……そうかもしれません」

巴「あらら」

京太郎「でも、俺は巴さんの方が心配でした。一人にさせたくなかった」

京太郎「俺は、巴さんのそばにいたかった」

巴「……また、勘違いしそうなセリフを」

京太郎「言っときますが、本気ですよ?一番話しやすいのは巴さんですし」

巴「あはは、光栄だね」

京太郎「巴さん、気づいたらいなくなってしまいそうで怖いんですよ」

巴「大丈夫、私はいなくならないって」


瞬間、手に力を込めて巴さんを自分の元へと引き寄せる。

「わっ」

何だか慌てたような小さな声が聞こえたが気にしない。

飛び込んでくる巴さんの体を力強く抱きしめる。

「あ、あの……きょーちん?」

「巴さんは思えばいつも一人なんですよ」

そうだ。巴さんは誰かと談笑したりすることはあれど、自然と輪から離れていた。

彼女は一歩引いた所から俺を。他の皆を見ている。

「だから、引き寄せただけです」

「え、えっ」

「来ないなら引き寄せれば、もう逃げませんよね」

言葉をかみしめ、離さないように。ぎゅっと力を込める。

「あ、あのね……そういうのは、好きな女の子にやるものじゃないの?」

「そうなんですか、初めて知りました」

「嘘つけ」

互いにくっくっと喉を鳴らして笑う。

喧騒から遠ざかった廊下で俺と巴さんはお互いの存在を確かめるかのように。

ぎゅっと。

ずっと。

抱きしめる。

「ねえ、きょーちん」

「何でしょう」

「今まであだ名で呼んでたんだけど、その……ね」

「京太郎。名前で呼んでいいかな」

京太郎。基本的にあだ名で人を呼ぶ巴さんにとっては特別。

そう考えると、心の中が暖かくなった気がした。

「勿論。それを断る理由なんて俺にはありませんよ」

「……よかったぁ。断られたらどうしようかと」

「いやいやいや。断る訳ないじゃないっすか」

彼女なりに勇気を出したのだろう。首元に吐いた息が強く吹きかかる。

その生暖かさが彼女の気持ちを代弁しているかのようだ。

「京太郎」

「はい」

「ありがと」

「どういたしまして」

「京太郎は私なんかにも優しくて」

「巴さんは俺の大切な人だから当然ですよ」

「うん……」



巴「……それで、いつまで抱きしめてるのでしょうか?」

京太郎「あっ、すいません……」

巴「私はいいんですけどね。こういう所、見られたらまずいんじゃないんですか?」

京太郎「あはは……だけど、心配無用っすよ。皆、怖くて中にいるでしょうし」

巴「爆弾解体に動いている人がいるかもしれませんよ?」

京太郎「いたとしても、僅かですよ」

巴「まあ、私達としてはいてくれないと困るんですけどね……」




京太郎(あれは……ブレードチルドレン!って、何だよブレードチルドレンって!)

浅月「ん?お前はいつぞやのカップルの片割れじゃねぇか」

理緒「あー、メイド喫茶によく来る人だー!」

京太郎「……な!」

京太郎(な、なんか知らないけどヤバいのか?)

巴(この人達……血の匂いがぷんぷんしますねぇ)

浅月「それで、お前達はこんな所で何をやってるんだ?」

京太郎「そっちこそ。ロリコンは犯罪だぞ?」

浅月「ロリコンじゃねーよ!誰がこんなキーホルダーにぶら下げれそうなガキなんか!」

理緒「……こーすけ君、怒るよ?」

浅月「わ、悪かったからブツをしまえって……」

理緒「わかってくれるならいいの♪」

京太郎(ど、どうしよう?こいつら、よくわかんねーけど怖いぞ?)


豊音「あー、京太郎君だー」ダキッ

京太郎「ト、トヨネさん?」

巴「貴方は……確か、姉帯さんでしたっけ」

豊音「うん!そうだよー」

京太郎「ちょ、抱きつかないでくださいって」

豊音「えへへー、嫌だよー!京太郎成分が足りないんだよー」

京太郎「どんな成分なんですか、それ……」

浅月「……あー、ご馳走様です」

理緒「何か、毒気抜かれちゃったね」

浅月「とりあえず、こいつらはほったらかしでもいいだろ」

理緒「そだね……」

タッタッタッ

京太郎「何だか、助かったみたい?」

巴「姉帯さんに感謝ですね」

豊音「?」

京太郎「とりあえず、良子さんの所へ戻りましょうか」


京太郎「それで、どうしてトヨネさんはここに?」

豊音「皆で息抜きしようってことで引率の先生がチケットをくれたんだよー」

豊音「でも、こんなことになっちゃってショックだよー」シュンッ

豊音「熊倉先生は爆弾解除の為に行っちゃうし、シロはいつの間にかにいなくなっちゃって……」

豊音「それで皆で別れて探してるんだよー」

京太郎「そうなんですか……」

京太郎(どうしようか?手伝ってあげるべきかな?)

京太郎(でも、良子さん達を放っておく訳にはいかないし……)

京太郎(良子さん達をこれ以上巻き込みたくないしなぁ)

京太郎(もし、手伝うなら俺一人だな)

京太郎「よければ、手伝いましょうか?」

豊音「えっ、いいのっ!」

京太郎「困っている友人を見過ごせませんよ」

豊音「……う、ううっ」ポロポロ

京太郎「ちょ、何で泣くんですか!」

豊音「だってだってー!京太郎君が優しいからいけないんだよー」

豊音「そんな事言われたら泣いちゃうよー!」

巴「あーあ、泣かしちゃいましたね」

京太郎「人事みたいに言わないで下さいよ……」

巴「人事なんだけどねぇ……まあ、きょーちんがそうするなら止めないよ」

巴「でも、十分に注意した方がいいよ?さっきの人達に見つかったら……」

京太郎「わかりました、注意します」

巴「私は先に戻って事情を説明するから。安心してくれていいよ」

京太郎「ありがとうございます、では行きましょうか。トヨネさん」

豊音「うん!」

タッタッタッ

巴「……行きましたか」

巴(二人共、気づいてないんですかね。捜し人はもう死んでるかもしれないってこともあるかもしれませんよ?)

巴(それに、戒能さん達だって無事かどうか)

巴(今のこの船は相当やばい状況だというのに)

巴「ま、私は私の考えで動かせてもらいますよっと」




豊音「ふんふふふーん♪」

京太郎「ごきげんですね」

豊音「だって、一人は寂しかったんだもん」

豊音「ぼっちじゃないよー!」

京太郎「あはは……」

京太郎(さてと、何処から探そうか……まあ、さっきの人達に遭遇しても何とかごまかせば大丈夫だろ)

豊音「~~~♪」ダキッ

京太郎(アトヨネさんが離してくれれば個別で捜せるんだけどなあ……まあ、そこは置いといて)

京太郎「トヨネさん、皆が行きそうなとこって心当たりありますか?」

豊音「んー?シロはどっかで寝てるかもしれないしエイちゃんは船のカジノかな?外国人とか多くいそうだし。
胡桃はどうだろう?塞は積極的に動いてるかもしれない?」

京太郎(……とりあえず、シロさんは休める所、エイさんはカジノ?
他二人は予想がつかないってことか)

京太郎「じゃあ、カジノで」

豊音「了解だよー。エイちゃんいるといいなー」


【カジノ】

京太郎「……」

豊音「……」

エイスリン「ア、トヨネ!」

京太郎「…………普通にいましたね」

豊音「…………うん」

エイスリン「ドウシタノ?ソンナカオヲシテ?」

豊音「心配したんだよー!!!」ビエーン

エイスリン「????」

京太郎「とりあえず、一人見つけることができてよかったですね」

豊音「よかったよー!!!」

エイスリン「トヨネ、ダイジョブ!」エヘーン

豊音「大丈夫じゃなかったんだよー!一人で心細かったんだよー!」

京太郎「さてと、どうしようか?」

京太郎「仮眠室に行きましょう」

豊音「シロが寝てるかもしれないねー」

エイスリン「シロ、キットイルヨ!」


【仮眠室】


京太郎「……」

シロ「……ダルい」

京太郎「本当にいましたね……」

豊音「シロー!」

エイスリン「シンパイシタ!」

シロ「……えっ」

京太郎(とりあえず、これで三人確保ってとこか)

京太郎(それにしても、順調過ぎやしないか?)

京太郎(これだったら俺が手伝わなくてもみつかったんじゃないかな)

豊音「もうっ、一人で行動したら危ないんだからねー!」

エイスリン「ヒトリ、ダメ!ゼッタイ!」

シロ「…………」

京太郎(後は二人か。無事だといいんだけど)

京太郎(何か嫌な予感がするんだよなぁ)




京太郎「ということでこれで三人な訳ですが」

シロ「ダルい……」

エイスリン「シロ!ネチャダメ!」

豊音「ぼっちじゃないよー!」

京太郎「うーん……残り二人な訳だがどうしようか」

京太郎「忘れちまったさ……満足なんて言葉は(真面目に捜す)」

豊音「???」

エイスリン「マンゾク!マンゾク!」

シロ「……」




京太郎「という訳で真面目に探しているわけですが」

エイスリン「ダレモイナイ」

シロ「そりゃあ、こんな時に外に出る人いない」

豊音「二人共どこにいったのかなー」

京太郎(……こんなに探してもいないなんてもしかしたら二人共)

京太郎(テロリストに襲われてこの世に、いないかも……)

豊音「ん?どうしたのー?」

京太郎(もしそうだとしたら、俺はどうすればいい?)

京太郎(この三人だけでも護るように動くべきじゃないのか?)

京太郎(決断したくはないけどな)



【二人共、見つかりませんでした】


京太郎「……いませんね」

豊音「何処行っちゃったのかなー」グスン

エイスリン「サエ……クルミ……」

シロ「…………」

京太郎「とりあえず、一旦戻りましょう。俺も人を待たせていますし」

シロ「ねぇ」

京太郎「どうしましたか?」

シロ「思ったんだけどさ」

シロ「……その、待たされてる人は『本当』に安全なの?」

シロ「待っているのは外なんでしょう?なら、人がいるとこで待たせておくべきだったんじゃ」

京太郎「……!」

京太郎(しまった……!俺が巴さんを追いかけてからどれくらい時間がたった?一時間は経ってるぞ!)

京太郎(心配しているに決まってるじゃないか!)

京太郎(それに、安全な場所で待ってて下さいってどうして言わなかった!!!)

京太郎(……くそっ!)

京太郎「すいません、少し急ぎます……!」

京太郎(お願いしますから……無事でいて下さい!)

京太郎「……あ」

豊音「誰も、いないよー……っ」

エイスリン「モヌケノカラ」

シロ「やっぱり……」ハア

京太郎「やっぱりってどういうことですか……!」

シロ「何かさ、誰かが捕まったって外で話してるのを聞いたから……」

シロ「もしかすると塞達かもしれないし、君の知り合いかもしれない」

京太郎「……あ、あ」

京太郎「俺のせいで……!」

シロ「それは違う。君は背負いすぎ」

京太郎「……」

シロ「とりあえず、元いた所に戻ろう?」

京太郎「……はい」

ザワザワザワ

京太郎「三人共、ここにいて下さい……!」

シロ「……まぁ、普通に考えればここにいると思うけど」

エイスリン「ダイジョブ!」

豊音「京太郎君、元気出して?ね?」ナデナデ

京太郎「……」

豊音「ぎゅーっ」

京太郎「あの、人の目もあるんで恥ずかしいんですが」

豊音「いいのいいの、哀しい時はおねーさんに甘えなさいー」

京太郎(うう、こんな時なのに胸の感触が伝わってきて……!)

京太郎(うぐぐぐぐ、耐えろ!耐えろぉ!)

京太郎「そ、それで三人は……!」





京太郎「……いない」

豊音「二人共どこにいったの……」

エイスリン「ウミノモズク……」

シロ「それを言うなら海の藻屑」

京太郎「物騒なこと言わんで下さい!」

ギャースカギャースカ

胡桃「うるさい、そこっ!」

塞「ちょっと、胡桃!今は注意してる場合じゃ……」

「「「「「「あ」」」」」」

豊音「うわああああああああああああんん!無事でよかったよおおおおおおおおおおおおお!!!」ダキダキダッキ

胡桃「ちょ!苦しいよ、トヨネッ!」

塞「全く……三人共何処をほっつき歩いていたの?心配したんだよ?」

シロ「それはこっちのセリフ。私達も捜してたから」

エイスリン「ミンナ、イッショ!」

塞「まあ、三人共怪我もなくてよかったけどさぁ」

京太郎(これで、宮守の人達については解決か)

京太郎(後は……)


ピンポンパンポーン

『ゲームを楽しんでいますか、諸君。勇気ある者達の奮闘により爆弾は解除の方向に向かっています』

豊音「やったよー!」

胡桃「トシ先生がやったんだね!」

京太郎(トシ先生……一体何者なんだ?)

『ですが、このまま解除され皆様方が生きて帰るのは少々面白みにかけますよね?』

京太郎「いらねーよ、そんな面白みは!」

シロ「……はいはい、落ち着く落ち着く」ナデナデ

『ということで、人質を用意させていただきました』

京太郎(ヤバい、何か予想がつくぞ)

京太郎(どう考えても……!)

『薄墨初美さんの保護者様はこの船にいらっしゃいますか?いらっしゃいますよねぇ』

京太郎(……!というか保護者ってそりゃあしゃーないけどさ!)

『もし、いらっしゃるのでしたらこの船の麻雀室にお越し下さい。歡迎致しますので。
ああ、誰も来ない場合は問答無用で爆弾を爆破させますので』

京太郎「……笑えないジョークにも程があるぞ!」

『では、また会える時まで』ブツン

京太郎「……はっちゃん」

京太郎(一緒にいた良子さんについてはどうしたんだ?
放送では呼ばれなかったけど……逃げることができたのか?)

京太郎(それに巴さんはどうしたんだ?)

京太郎(ただひとつ確かなのは……このままだとはっちゃんは死ぬ)

京太郎(見捨てるか、見捨てないか)

京太郎(そんなの決まってるだろうが!)

京太郎(いいぜ、高遠。やってやろうじゃないか)

京太郎「……だけど」

京太郎(死ぬかもしれないんだぞ!?)

京太郎(そ、そうだよ。良子さんや巴さんが助けてくれる)

京太郎(俺は……俺は……!)

1助けに行く。
→2助けに行かない。

京太郎(そうだよ、これがたったひとつの冴えたやりかたなんだ)

京太郎(命あってのもんだし……)

『京太郎ー』

京太郎(……っ!)

『困った時は頼りにして欲しいですよー』

京太郎(…………っ!)

『私がそばにいますから』

京太郎(――――――!)

京太郎(クソックソッ、クソッタレッ!)

京太郎(見捨てられる訳……ないだろ!)

京太郎(俺を悪霊から救ってくれた人を!)

京太郎(悩んでる俺に真っ向からぶつかってきてくれた人を!)

京太郎(無様な過去を知ってなお、優しく抱きしめてくれた人を!)

京太郎(怖いさ、すっげー怖い。逃げ出したい、投げ出したい!)

京太郎(それでも、俺は)

→1助けに行く。
2助けに行かない。

京太郎(助けに行くのが男だろうが!)

京太郎(今度は俺の番)

京太郎(俺が、君を助ける)

京太郎「……すいません」

豊音「ど、どうしたの?」

京太郎「ちょっと、お手洗いに」

豊音「本当だよね?薄墨さんを助けに行かないよね?京太郎君まで捕まっちゃったら嫌だよー」

京太郎「大丈夫ですって。きっとあれはブラフですから」

豊音「本当に?」

京太郎「ええ。誓ってもいいぐらいですよ。それに、俺もはっちゃんも無事に戻ってきますって」

豊音「約束だよー、破ったら、嫌だよぉ」

京太郎「はい、約束です……」

京太郎(ありがとうございます、心配してくれて……でも俺は――死ぬ覚悟で行きます)

京太郎(例え、俺が死のうとも……はっちゃんだけは無事に逃がす!)

シロ「それよりも、早く行ったら?お手洗い?」

京太郎「そうですね、じゃあなるべく早く戻ってくるんで」

シロ「……頑張って」ボソッ

京太郎「……はい。さようなら」

シロ「違う。こういう時は――またね。この方がいい」

京太郎「ですね。じゃあ小瀬川さん」

シロ「うん」

「また、会いましょう」「また、会おうね」



京太郎「そういえば、巴さんは……」

京太郎「豊音さんを手伝う時、別れたまんまだけど大丈夫なんだろうか?」

京太郎「心配だな、それに同じく保護者的なものだし」

京太郎「捜すか……」

京太郎「いなかったら、一人で行くしかないな」

京太郎「見つからない……」

京太郎「まあ、いいさ。最初から俺一人で行くつもりだったんだ」

京太郎「絶対、助けてみせる」

【麻雀室】

京太郎「来たぞ、高遠!」

高遠「ほう、恐れず来ましたか。ようこそ、須賀京太郎君」

京太郎「御託はどうだっていい。人質を返せ。話はそれからだ」

高遠「まあ、そんなに慌てなくとも返しますよ」バッ

初美「京太郎……」

京太郎「大丈夫ですか、はっちゃん」

初美「私は大丈夫ですよー……」

高遠「おっと。残念ですが、無事に帰すわけにはいきません。それではつまらない、そうでしょう?」

京太郎「ふざけんなっ!勝手に巻き込んでるんじゃねえ!」

高遠「おお、怖い怖い。そうですね、ゲームをしましょう。そのゲームで君が勝てたら無事に返します。
妨害もしませんよ」

京太郎「本当か?」

高遠「ええ、私は嘘はつきません」

京太郎(どうする?)

京太郎「受けてやるよ、そのゲーム」

高遠「その意気です。そうでなくちゃ面白くない」

京太郎「御託はいい。さっさと説明しろ。ジェンガか?カードゲームか?何でも来いよ」

高遠「ふふっ。やるのはあなたも好んでいる麻雀ですよ」

京太郎「……っ」

京太郎「ルールは簡単です。君が一位を取ればいい」

京太郎「それだけか?」

高遠「ええ、それだけですとも。ただし――これをつけてもらいます」

京太郎「これは……?」

高遠「ちょっとした仕掛けみたいなものです。何、点棒を失うごとに血液を抜くんです」

京太郎「……!」

高遠「確か、男性の致死量は2000ccでしたっけ?全部抜かれたらどうなるんでしょうねぇ」

高遠「それでは点棒千点ごとに100ççでも抜きましょうか。大丈夫です、勝てばいいのですから。
勿論、手心なんて加えてはダメですよ?どんな者が相手でもね?」

京太郎「……テメエは参加するのかよ」

高遠「私ですか?参加したいことはしたいのですが……これから会わなくちゃいけない者がいてですね。
代わりの者を用意させていただきました」

京太郎「逃げるのか!」

高遠「逃げませんよ。もし貴方が勝てたら正式に御相手いたします。まずは小手調べということで」

高遠「出番ですよ、皆様方」

流「よくわからねぇけど面白そうじゃねぇか」

ドットーレ「ふん……これもフランシーヌ様の笑顔を見る為」

コロンビーヌ「まぁ、アタシは面白ければいいワケよ」

京太郎「……!」

流「おいおい高遠さんよォ、こいつを倒せば潮達の場所を教えてくれるんだろうなァ」

高遠「ええ、勿論ですよ。私は約束を破ったことがないのですから」

流「ま、期待してるぜ?どうせ、俺が勝つんだしよォ」

ドットーレ「我らの願いもだ。フランシーヌ様を笑顔にする方法を教えてもらうぞ」

高遠「ええ、ですから……お願いしますよ?」

京太郎(や、ヤバい……!こいつら、ヤバい!)

高遠「では、始めて下さい。誰が最下位になるか楽しみです」

流「ま、精々楽しませてくれや」クック

コロンビーヌ「えー。ヤル気でなーい。アタシ負けていいかなー」

ドットーレ「……」

京太郎(いやいやいやいや!無理だろ!こいつら倒すなんて無理だからね!?)

京太郎(ひいいいいいいい!死ぬって、絶対死ぬってェ!!!)

京太郎「あ、あのォ……」

流「ん?どうかしたか?」

京太郎「皆さん。高遠さんよりも俺の方につきませんか」ニヤリ

流「へェ……そこまでの大口叩くんだ、メリットはあるんだろうなァ」

コロンビーヌ「アタシはおかしい方が好きだからー。どっちでもいいよー」

ドットーレ「フランシーヌ様を笑顔にしてくれるならどちらでも構わん」

京太郎(よっしゃ!乗ってきた!)

京太郎(ここからが正面場だぞ、須賀京太郎ッ!)

京太郎「とりあえず。貴方達は同じ目的なんですか?」

流「違うっての。たまたま興が乗って付き合ってるだけだ」

ドットーレ「そうでなければ誰が人間などと」

コロンビーヌ「い~じゃない。今は活動休止中なんだから、アタシ達」

京太郎(とりあえず、あのおっさんが一番説得すべきかな?女の子の方は勝手にこっちにきそうだし)

京太郎(あの若い兄ちゃんはすっげー余裕ぶっこいてるしなー。この状況楽しんでるだろ!?)

京太郎(とりあえず、若い兄ちゃんから説得しよう)

京太郎「天才なのに人生楽しめないとかwwwwww天才wwwwwwwwww」

流「あ?」

京太郎(ヤバい地雷踏んだ)

流「……おもしれェな、お前。俺を真っ向からぶん殴りやがった奴はテメエで三人目だ」

京太郎「へ?」

流「そこまで言うんだ、テメエは俺を愉しませてくれんだろ?」ニタア

京太郎(ヤバいスイッチ入れたんじゃない、俺!?)

流「お前等は引っ込んでろや。邪魔立てはすんなよ」

コロンビーヌ「まァ、いいけどさ」

ドットーレ「元より興味が無い。勝手にやってろ」

タッタッタ

京太郎(やった!二人減った!これでなんとかなる!!)

流「まァ、麻雀をやる訳だが。後、二人は適当に連れてくるわ」

流「逃げんなよ?」

【東一局】親流
配牌

京太郎(ダメっぽい)

流(ちっ、来ないじゃねェか)

モブ(あ、終わった)

雑魚(ヒャッハー!汚物は消毒だァ!)
流(ま、ああは言ったが正直どうでもいいんだよなァ)

流(凄んではみたけどやる気が出ないわ)

流(煽ってきた度胸は褒めてやってもいいけどよ)

流れ(適当にやりますか)

京太郎(命がかかってるんだ……!命が……!)

京太郎(少しでも放出は抑えないと!)

モブ「」

雑魚(調子が良すぎてビビるんだけど!)

雑魚「ロン」

モブ「えっ」

雑魚「ひゃっはー、役満だーーーっ」

モブ「えっ、えっ」プシュッ

モブ「~~~~~~~~~~!!!」

流「……はァ」

京太郎「な、な……!」

モブ「」

流「……あーあ、一人欠けちまったな」



(勝利条件を満たさなかったため)ゲームオーバー





初美「祝!」

京太郎「初ゲームオーバー!」

ウオオオオオオパチパチパチパチ

初美「という訳でゲームオーバーなのですよー」

京太郎「いきなり役満とか考慮してねェよ!」

初美「もうこれで……おしまいですよー」

鹿児島で巫女さん、カン!

京太郎「終わらせるないでくださいよ!」

初美「えー」

京太郎「えーじゃありません!とりあえず、ゲームオーバーということなのでクイックロードの説明をしないといけないんですから」

初美「ということで説明開始ですー」

京太郎「まずはプラン1。この対局をやり直すということです」

初美「わかりやすいですねー」

京太郎「ペナルティーは誰かの好感度がランダムで少し下がる程度ですね」

京太郎「プラン2。対戦相手の選択からです」

初美「藤田作品は地雷なのですよー。おとなしくモブ連合でよかったのに」

京太郎「そのモブが役満出したのはどうなんですかね……」

初美「運が良かったってことですー」

京太郎「俺達的には悪いんですけど!」

初美「ともかく!これを選ぶ場合のペナルティーは登場キャラ二人の好感度が下がりますよー」

京太郎「二人ならいいんじゃね?もう会いそうもない人達とか」

初美「それでいいと思ってるんですかー!」

京太郎「えっ」

初美「そういうことをしてると罰が当たるかもしれませんよ?」

京太郎「うっ……プラン3は船に乗った所からスタートです」

初美「高遠なんていませんよー!」

京太郎「それじゃあ平和に終わるのかな……」

初美「終わりませんよ?死亡フラグは解除してませんし」

京太郎「じゃあダメじゃんか!」

初美「うるさいですねー!」

京太郎「ペナルティーは三人好感度が下がりますよー。東横さんの記憶を薄くしましょうー」

京太郎「アホかァ!!!」

初美「これでライバルは減るのですよー、ふふふ」

京太郎「その理屈はおかしいだろ!第一好感度減少はランダムだからな!?」

初美「嫌ですねー、冗談ですよー」

京太郎「冗談に聞こえねーよ!つーか、死亡フラグごと取り消すのはないわけ!?」

初美「えっ」

京太郎「えっ、じゃなくて。俺は巫女さんとのんべんだらりとイチャイチャしたい訳!」

京太郎「だからそういう選択肢が欲しい!なァ!」

初美「そんな貴方に!プラン4!なんと、このプランは死亡フラグが消えるのですよ!」

京太郎「FOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!」

初美「喜び過ぎですよ!?」

京太郎「だって……だって!ようやく落ち着いた恋をできるんだって……」

初美「な、何も泣くことは……」

京太郎「そもそもラブってねーよ!最近地雷原でタップダンスしてばっかじゃねーか!」

京太郎「せめてこの章ぐらい安心感よこせェ!次で修羅場になってもいいから!」

初美「えー……」

京太郎「お願いします、何でもしますから!」

初美「ん?今、なんでもするって言いましたよねー」

京太郎「ファッ!?」

初美「じゃあプラン4の説明です!さっき言った通り、このプランは死亡フラグ解除!
船は大人のシックなデート!ブレチル?そんなのいませんよー!」

京太郎「やったー!!」

初美「ただし、代償は大きいですよー」

京太郎「代償なんて捨ててかかってこいよ!ただし、代わりに誰かが死ぬのは勘弁な!」

初美「まず代償は巫女さん全員の好感度減少」

京太郎「でかっ!」

初美「まあ、死亡フラグ解除なんですから当然ですー」

京太郎「何もしないで解除だから仕方ないか」

初美「加えて、白糸台の菫さんをイジメます!」

京太郎「なんでだ、菫さん関係ないだろ!」

初美「ブラックジョークなのですよー」

京太郎「……ったく。後もう一つはなんですか」

初美「もう一つは東横さんです」

京太郎「長野勢のメインヒロインは東横さんですが」

京太郎「えっ、咲じゃねーの?」

初美「……」

京太郎「いや、無言にならないでくださいって」

初美「話を戻しますよ。現在の京太郎さんは実は東横さんが見える状態なんです」

初美「つまり、それをなくすということなんですよー」

京太郎「また、見えなくなっちまうのか?」

初美「そうですねー。また一からやり直しです。過去を見つめなおす事が必要です」

京太郎「……」

初美「最後に一つ。宮永さんが鹿児島に来ます」

京太郎「!?」

初美「どっちの宮永さんかはないしょです。どっちも来るかもしれませんしねー」

京太郎「そ、そうか……」

初美「つまり、意地でも清澄とは決別なり和解なり決着をつけなければいけません」

京太郎「おっけー。これで説明は終わりだな?」

初美「はい!」

初美「狂気度の方がいい人もいるみたいですよー」

京太郎「えっ!嘘だーーーー!誰がそんなことを-ーーー-!」

初美「まあ、望んでる人がいるからもう一つ作りましょう、プラン5ですー」

京太郎「うェーーい!」

初美「好感度は全く下がりませんが狂気度が上がりますー!」

京太郎「まーた、俺が裸で襲うのか」

初美「京太郎になら……私……」

京太郎「いやいや、ダメでしょ。それで戻るとこはどこですか?」

初美「それは狂気度をどれだけ上げるかにかかってますねー」

初美「このプランは当たってから考えることにしますよー」

初美「今度こそ説明は終わりですよー」