X月X日

To:anetai@XXXX.ne.jp
Sub:
Text:京太郎君こんにちは。携帯買ったんだー。

To:anetai@XXXX.ne.jp
Sub:
Text:名前忘れてた! 姉帯豊音だよー。

To:姉帯豊音
Sub:
Text:よろしくねっ!

To:姉帯豊音
Sub:Re:2
Text:恥ずかしいよー。携帯って難しいよね?

To:姉帯豊音
Sub:Re:4
Text:そうだよね。でも京太郎君とまたお話したいから皆にも聞いて頑張ったんだー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:6
Text:ヽ(`Д´)ノ

To:姉帯豊音
Sub:Re:8
Text:エイスリンさんから教わった顔文字だよー。どういう意味かな?

To:姉帯豊音
Sub:Re:10
Text:私は怒ってないよ! 京太郎君を怒ったりなんかしないよ!

To:姉帯豊音
Sub:Re:10
Text:京太郎君怒った? ごめんね。

To:姉帯豊音
Sub:Re:10
Text:ごめんなさい。

To:姉帯豊音
Sub:Re:12
Text:ありがと。携帯は色々あって大変だよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:14
Text:京太郎君も長野に女の子の知り合いがいっぱいだよねー

To:姉帯豊音
Sub:Re:16
Text:京太郎君と気軽に会えるなんて羨ましいなー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:18
Text:会いたいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:18
Text:皆も会いたがってたよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:20
Text:京太郎君はもてもてだよねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:22
Text:シロは京太郎君の乗り心地はよかったからまた乗りたいって言ってたよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:24
Text:ちょっとシロが羨ましいなー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:26
Text:私大きいから無理だよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:28
Text:ほんと?

To:姉帯豊音
Sub:Re:28
Text:ほんとに?

To:姉帯豊音
Sub:Re:30
Text:絶対だからね! 楽しみにしてるねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:32
Text:やっぱり京太郎君ちょーかっこういいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:34
Text:電話番号? ちょっと待っててねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:36
Text:0X0-XXXX-XXXXだよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:38
Text:!!!!

To:姉帯豊音
Sub:Re:38
Text:いきなり掛けてくるからびっくりしちゃったよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:40
Text:久しぶりに京太郎君の声を聞いたから緊張しちゃったよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:42
Text:京太郎君って声格好いいよねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:44
Text:テレビとかで聞いたような声だったよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:46
Text:いきなりはびっくりするけどまた話そうねっ!

To:姉帯豊音
Sub:Re:48
Text:おやすみ~。

X月○日

To:姉帯豊音
Sub:Re:28
Text:携帯って便利だよね。どんなに離れててもこういうふうにお話できるからねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:30
Text:私も京太郎君といっぱいお話できて嬉しいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:32
Text:でもお話してると会いたくなちゃうからちょっと悲しいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:34
Text:ほんと!? 絶対来てねっ!

To:姉帯豊音
Sub:Re:36
Text:岩手はいいところだよー。色々あるよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:38
Text:いっぱい案内するねっ!

To:姉帯豊音
Sub:Re:40
Text:ずっとこっちにいて欲しいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:42
Text:そうだよね。ごめんね変な事言っちゃって。

To:姉帯豊音
Sub:Re:42
Text:こうやって話せるだけで満足しないとね。

To:姉帯豊音
Sub:Re:44
Text:うん。ごめんね。じゃあまたねー。

X月●日

To:姉帯豊音
Sub:Re:32
Text:岩手は冬が雪が凄いよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:34
Text:いいなー長野はそうなんだ?

To:姉帯豊音
Sub:Re:36
Text:やっぱり長野に行ってみたいなー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:38
Text:長野もそうだけど京太郎君に会いたいなー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:40
Text:東京に行くより近いし平気だよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:42
Text:行けるか聞いてみるねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:44
Text:もう駄目って言っても遅いからねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:46
Text:絶対行くからねっ!

X月◎日

To:姉帯豊音
Sub:Re:22
Text:京太郎君は私からメール来て迷惑?

To:姉帯豊音
Sub:Re:24
Text:塞さんにメールやり過ぎって言われちゃったのー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:26
Text:京太郎君が嫌がったらやめようと思って……

To:姉帯豊音
Sub:Re:28
Text:ほんとっ!? 信じるからね?

To:姉帯豊音
Sub:Re:30
Text:そう言ってもらえてうれしいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:32
Text:これからもいっぱいしようねっ!

X月△日

To:姉帯豊音
Sub:Re:2
Text:今日は私達が出会って一ヶ月だよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:4
Text:うんっ! 京太郎君と会った日のことはよく覚えてるからねー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:6
Text:いなくならないでね?

To:姉帯豊音
Sub:Re:8
Text:会えないと寂しいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:10
Text:我慢するね……

X月▲日

To:姉帯豊音
Sub:
Text:おはよー。岩手はいい天気だよー。そっちはどうかな?

To:姉帯豊音
Sub:
Text:忙しいのかなー。

To:姉帯豊音
Sub:
Text:返事がないと不安だよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:2
Text:そうなんだー。忙しいところごめんね。

To:姉帯豊音
Sub:Re:4
Text:京太郎君が迷惑ならやめるよ?

To:姉帯豊音
Sub:Re:6
Text:いいの?

To:姉帯豊音
Sub:Re:8
Text:うん。やめるって自分で言っておきながら、本当にやめるのは嫌だった。

To:姉帯豊音
Sub:Re:10
Text:だから京太郎君がそう言ってくれてちょーうれしいよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:12
Text:これからも送るねっ!

X月□日

To:姉帯豊音
Sub:Re:40
Text:こっちはみんな元気だよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:42
Text:京太郎君と会った時と変わってないよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:44
Text:たまに皆で京太郎君の事を話して笑ってるよー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:46
Text:胡桃さんは京太郎君で充電したがってたなー。

To:姉帯豊音
Sub:Re:48
Text:塞さんは京太郎君の事をよく見つめてたよねー。なんでだろうね?

To:姉帯豊音
Sub:Re:50
Text:エイスリンさんは京太郎君の絵を描いてたよー。うまいよねー。

X月☆日

To:姉帯豊音
Sub:Re:69
Text:今度の休みにそっちに行こうと思うのー

 ***

 メールを送ると豊音は、ふぅと一息をついた。

「京太郎君もうすぐ会えるねー」

 初めて会ったときの京太郎は優しく頼りになった。
 その次に会ったときの京太郎はシロや皆にいじられて面白かった。
 勿論面白いだけではなく、周囲への気遣いも忘れず気を使ってくれていた。
 そして携帯を買ってからもずっと相手をしてくれた。
 豊音は短い付き合いながらも色んな京太郎を見てきた。知ってきた。
 もっともっと知りたいと思う。
 長野まで行くのは費用的にも豊音自体も問題あった。
 しかし話し合い、ようやく行けるようになったのだ。
 京太郎が来るのを待つという事もあったがそれは無理だった
 なぜなら、

「もう待てないよー」

 もう待つのが限界だった。
 京太郎の事を想う気持ちが止まらない。
 京太郎は会っていつものように笑ってくれるだろうか。
 いつのものように話しかけてくれるだろうか。
 背の高い自分をちょっと背伸びして頭を撫でてくれるだろうか。
 考えれば考えるほどに想いは止まらない。
 電話で声を聞いた。写真も送ってもらった。
 けれども直接会うのは別格なのだ。
 全国大会が終わって別れてからずっと会えなかったのだ。
 会えない間はずっと不安だった。
 だからもっと私を見てほしい。
 そしてもっと愛して――

「いやいやー愛とかはまだ早いよー」

 己の考えを否定するかのように頭を振る。
 京太郎の事は好きだがまだ愛とかではないはず……きっと。
 勿論豊音にはそういった恋愛関係に憧れはある。
 相手が京太郎のような素敵な男性だったら嬉しいのもある。
 しかし素直にそれを望むには問題があった。

「京太郎君の周りには可愛い子がいっぱいだもんねー」

 大会中や大会後の彼の周りにはよく女の子がいた。
 その誰もが自分より小さく、そして可愛かった。
 そんな魅力的な女の子がいっぱいいるのに自分なんて、そう思ってしまうのだ。

「はぁ……」

 豊音は自分で自分を可愛いと思える程自信を持っていない。
 周囲が自分の事をどう思うかも分からない。
 しかし京太郎に可愛いと言ってもらえた。
 評価などそれだけでいいのだ。
 それでも可愛いと評価されていても背の大きさは気にしてしまう。
 自分がもっと小さければと思ってしまう。
 シロのようにだっこをしてもらえだろうか。
 胡桃のように膝に乗れただろうか。
 エイスリンのように可愛い絵が描ければ彼に笑ってもらえるだろうか。
 塞のようにもっと彼と話す積極性があればもっともっと仲良くなれたのだろうか。
 どうしても周りと比較をして考えてしまう。

「みんなうらやましいよー」

 豊音には豊音のよさがある。
 それは京太郎も言ってくれていたし、シロ達もそう言ってくれていた。
 それでも、もしと思ってしまう。
 そんな嫌な気持ちも京太郎に会えば忘れられるだろう。

「京太郎君……やっと会えるよー。あと381520秒くらいだよ。我慢するよー」

 豊音はそう呟くと、京太郎と会える時を心待ちにするのであった。

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