はぁ…

今日も疲れた……あの三尋木プロ…

悪い人じゃないんだけど彼女が投げやりなコメントをするたびに

私がフォローをいれなければいけないから試合中は気苦労が絶えない…

一応、終わってからお疲れ様と彼女なりに労ってはくれるけど

それで疲れが消えるかといえばそんなわけがない

こんな日は…あの子に会いたい……

でも電話も何もしていないから彼が家に来ているわけがなく、

私は自分だけのための買い物を詰め込んだビニール袋を片手に、

重い体を引きずるようにして帰ってきた


…?

誰かが戸の前に立っている


「あ…!」

いるわけないと思っていたのに、いつもあの子は私を驚かせてくれる


「おかえりなさい、えりさん…」

「京太郎君…!」

…………

「なんだか、えりさんに会いたくなって……突然過ぎましたか?」

慣れた手つきでお茶を入れてくれる京太郎君は椅子に座るとこんな事を言ってくれた


「嬉しい……私も同じ事思ってた…」

心から思った事も、この子の前だと素直に出てくる

いつも私の愚痴を聞いてくれて…

いつも私がしてほしい事をしてくれて…

私を喜ばせて安心させて癒してくれる不思議な子…

ずっと年下なのに時に私より世界を知っているような、何だか大人のような雰囲気を感じる時もあれば、

やっぱり15歳の少年なんだって思わせてくれる時もある京太郎君は異世界の人みたいで

彼と一緒にいると、私を疲れさせるだけの現実から別世界へ連れて行ってくれるようで…

「なんだか夢みたいだなぁ……」

彼の肩に頭を乗せて、ぼんやり考えているとそんな言葉が出た

撫でてくれる彼の手は毛皮よりも優しい温かさだ

「夢…そうですね、お風呂に入ったら寝ましょうか」

「うーん……もう少しこうしてたい」

「じゃあ、もう少し……」

京太郎君はこうやって私のどんなわがままにも答えてくれる

そばにいるだけで幸せと元気をくれる年下の男の子

頻繁に会っているわけじゃないけど、会いたいと思ったら来てくれる京太郎君は

私にとって弟で、お兄ちゃんで、お父さんで、夫で……なんだか一言ではいえない人だ

「ねえ京太郎君……」

「ん…?」

「今夜も一緒に寝てくれる?」

「勿論……寝つくまで背中撫でてあげますよ」

「やった」

「えりさんは…俺といる時は好きなだけ甘えていいんですからね……」

これ以上ないほどに私が欲しい言葉を囁いて、長い腕を広げて大きな胸に私を招いて包んでくれる

京太郎君…だいすき……


カンッ