淡「ねえねえ、京太郎ってさいいお父さんになりそうな気しない?」

泉「なんや、いきなり。でもまあ、確かになぁ」

憧「面倒見はいいし、力持ちで頼りがいあるしね」

優希「うんうん、奥さんの手伝いも自然にやってくれそうだじぇ」

咲「ふふ、でも京ちゃんの場合、奥さんの仕事までそれとなくやっちゃいそうだけど」

淡「お父さんな京太郎かぁ…」



憧「休日、キャンプなんか行ってさ、子ども達と料理したり遊んだり・・・」

泉「家族でドライブなんてええやん!絶対楽しいに決まっとるや~ん!!」

咲「京ちゃんと私と子供達で、一家団欒の食卓・・・はぁ~想像するだけで幸せぇ・・・」

優希「京太郎と私の子なら、男前か美人しか生まれないじぇ~、もーどうしようだじぇ~!」

淡「子どもはね~3人?4人?京太郎のためなら頑張っちゃうかも・・・な~んて!きゃ~!」


ウフフフフフ…



穏乃「な、なんか扉の向こうからすごいロマンチックなオーラが・・・開けるのが怖い・・・」

京太郎「何してんだ穏乃」

穏乃「あ、京太郎。いや、別に・・・」

京太郎「暇なら買い出しについてきてくれよ」

穏乃「うん、行く行く!」

京太郎「近くのデパートだけど、少し歩くぞ」

穏乃「全然平気だよ!(京太郎と二人っきりー♪)」

和「あれ、須賀君に穏乃?」

春「どこ行くの・・・?」

穏乃「」

京太郎「ああ、これから買い出しに行こうと思ってさ」

和「二人で・・・?あ、あの私もついて行っていいですか?」

春「それなら私も・・・暇だから」

京太郎「おう、構わないぞ」

穏乃(だよねー!そんなうまいこといくわけないよねー!わーん!)

ポンポン

春「抜け駆けは、ダメ」

穏乃「そういうつもりじゃないんだけどぉ・・・」シクシク

和「なんで泣いてるんですか?穏乃」


――街中


和「やっぱり東京は人が一杯ですね・・・」

穏乃「うひゃー、はぐれたら大変だ」

京太郎「はは、ならはぐれないよう手でも繋ぐか?」

和・穏乃「あ、いやそれは・・・///」

春「ん」ギュッ

京太郎「え」

春「・・・?これではぐれない」

京太郎(冗談だったんですけど)

穏乃「私のバカ!何を恥ずかしがる必要があったんだぁー!!」

和「きょ、今日の穏乃は感情表現が激しいですね・・・」


――デパート

京太郎「とりあえず、買うべきものは全部買ったわけだけど…」


和「綺麗な装飾品が一杯ですね・・・ウットリしちゃいます」

春「うん、きらきらしてる・・・」

穏乃「これとか絶対和に似合うよ、ほら!」


京太郎「アクセサリーコーナーに捕まってしまったのである」

京太郎「いつ終わるかな・・・っと、ん?」

「・・・」クイッ

京太郎「・・・?」

女の子「・・・」

京太郎「・・・どうしたの、君」

「・・・」クー

京太郎「(腹減ってるのか?)・・・板チョコでよければ」

「・・・」ペコリ

京太郎「君、もしかして迷子?」

「違うよ」

京太郎「(やっとしゃべってくれたよ。)そっか、じゃあお父さんかお母さんは?」

「いない」フルフル

京太郎(げっ、ま、まずいこと聞いちまったか!)

「今日はいない。あたし一人」

京太郎「ほっ、今日は、ね・・・・・・ってなんでだよ!?君一人でここに来たのか!?」

「うん」モムモム

京太郎「うんって・・・」

穏乃「ごめーん、京太郎、待たせちゃったねー!」

春「・・・女の子?」

和「須賀君、どうしたんですか?その子は・・・」

京太郎「あ、皆。実は・・・」


和「はぁ、この子は一人だけど親と一緒に来てはぐれたわけではないと・・・」

京太郎「だから迷子じゃないそうだ。おーい、じゃあどうしてここにいるんだ?」

「家出してきた」

穏乃「い、家出ぇ!?」

春「この年で・・・すごい」

和「感心してる場合じゃないです!そんな、それじゃご両親は今頃・・・」

穏乃「絶対心配してるって!帰んなきゃダメだよ!」

「・・・イヤ」

京太郎「ケンカ、かな?」

「・・・」ピクッ

京太郎「図星か。勢いで家を飛び出したはいいものの帰るに帰れず腹減って買い物してた俺にすがった、と」

「な、なんでわかったの」

春「名推理・・・」

京太郎「まあ、俺にも経験あるし。プチ家出。俺の時は近くの公園が限界で、すぐ連れ戻されたけどな」

穏乃「あはは、私は木の上に隠れて泣いてたなー」

和「と、とにかくそうとわかれば帰りましょう?きっとお父さんお母さん心配してます」

「ヤダ!帰りたくない!」

和「そんなこと・・・」

穏乃「おうちの場所、教えてくれない?ダメ?」

「・・・」

京太郎「ダメか・・・どうすっかな」

春「うん・・・」

「お兄ちゃん達、少し遊んで。遊んでくれたらおうちの場所教える。ちゃんと帰る」

和「困りましたね・・・遊ぶと言っても・・・」

京太郎「・・・しょうがない。少し付き合ってやるよ。お嬢様」

「ホント!」

穏乃「え、京太郎!」

春「いいのかな・・・?」

京太郎「もう引っ付いて離れねえし。少し遊んでやるぐらい大丈夫だろ」

和「・・・大丈夫ですか?万が一ご両親に見つかって誘拐犯扱いされたら・・・」コソコソ

京太郎「・・・そこは・・・大丈夫だと信じたい」

「わーい!」


――デパートの外へ


和「いいですか、須賀君の手を放してはダメですよ。こんな所ではぐれたら大変です」

和「あと、ちゃんと前を見て歩かないとぶつかったり転んだりしちゃいますから・・・」

「はーい」

京太郎「ははは、なんだか和、お母さんみたいだな。心配し過ぎ」

和「もう、人様の子なんですよ、当たり前です。(・・・ん?私がお母さんだとすると)」

和(須賀君がお父さん・・・!つ、つまり須賀君のお嫁さ・・・///)

穏乃「ねえ、バナナ食べる!?」グイッ

春「黒糖もある!」ガバッ

和「・・・む」

京太郎「滝見さんはともかく穏乃はなんでバナナ持ち歩いてんだ・・・」

「食べるー」

穏乃「いい子いい子」

京太郎「しかし穏乃、お前5歳の子と少ししか身長変わんないのな」

穏乃「えー、ちっちゃいのも意外と便利だよ、ねー♪」

「おっきくなりたい」

穏乃「えぇ・・・」

「お兄ちゃんくらい」

京太郎「いや、それは大き過ぎ。182だぞ俺」

「たっかーい。ねえお兄ちゃん肩車して!」

京太郎「おー、いいぞ。そら!どうだ高いか?」

「うわー、すごい!」

穏乃「良かったねー。・・・・・・あ、京太郎後で私も」

京太郎「なんでだ!」

春「・・・」

和「・・・あ、滝見さんさりげなく隣に陣取らないでください」

春「さっき和ちゃん夫婦体験したから次は私・・・」

和「ふ、夫婦だなんてそんな・・・」

春「黒糖あげる、おいしいよ?」

「ん・・・わ、甘くておいしい。もっとある?」

春「うん、いっぱいどうぞ。ふふ」

京太郎「滝見さん」

春「?」

京太郎「顔、ゆるんでる」

春「!そ、そんなことない///」

京太郎「隠すなよー。子供は可愛いもんな仕方ないさ」

春(子ども・・・・・・想像しちゃダメ、またにやけちゃうからダメ)


―― 一方

淡「京太郎たちどこまでいったんだろー」

咲「近くのデパートがいつもの買い出し場所だけど…ちょっと遅いよね」

憧「馬鹿な妄想してる場合じゃなかったわね・・・」

泉「寄り道でもしてんちゃう?多分原村さん達もついて行ってんのやろ?」

優希「のどちゃんたちの抜け駆けを阻止するじぇー!」


泉「公園・・・やな」

憧「都内にもこんな広い公園があるのね」

淡「そりゃあるよー、親子が多いね」

咲「うん・・・・・・うん!?」


「お兄ちゃん、おんぶおんぶー」

京太郎「さっきまで肩車してただろー」



憧「咲ちゃん、どうしたの?」

咲「え、いや、なんか理想の未来図が見えた気が・・・うふふ、そっかー、最初の子は女の子かぁ~///」

優希「咲ちゃん、気を確かに!!」ユサユサ

咲「ご、ごめん。あ、あそこ、京ちゃんがいる!」

泉「わ、ほんまや!って、誰かおんぶしてへん?」

淡「女の子・・・?ま、まさか京太郎ってロリ・・・」

憧「それ以上いけない!違うわよ、たぶん!」

優希「と、とにかく、行くしかないじぇ!」


「・・・むー」

京太郎「どうした、疲れて眠くなったか?」

「大丈夫・・・」

京太郎「おんぶなんかしてたら尚更眠くなるな。下ろすよ」

「・・・ふわぁ」

京太郎「・・・もういいだろ?きっと、いや絶対パパやママは心配してるぞ。今頃町中捜し歩いてるかもしれない」

「・・・そうなの?」

京太郎「絶対そうさ。俺のときも、ちょっといじけて逃げ出した俺を見つけたとき、おふくろ泣いてたし。それからもう家出しなくなった」

「お兄ちゃんも、家出したんだ」

京太郎「まあ、その時腹は減るわ寂しいわで俺の方が泣いてたんだけどな、ははは。・・・そういうもんだよ。だから、大丈夫。安心して」

「・・・ふぇ・・・ママぁ・・・」グスッ

京太郎「ちゃんと帰る?」

「うん・・・」

京太郎「ちゃんと謝れる?」

「うん」

京太郎「それじゃ、お兄ちゃん達におうち教えてくれるか?」

「うん!」

京太郎「いい返事だ!よしよし、アイス食ったら帰るぞ!もうすぐあいつら帰ってくるはずだ」


――物陰

咲(わぁ~・・・京ちゃんステキすぎるよもう~!好き!だいすき!)

泉(咲ちゃんが暴走しとる・・・でも、ええなぁ…)

優希(淡ちゃんの言った通りだじぇ!)

淡(でしょ!でしょ!)

憧(シズたちも帰ってくるみたいだし、この際だから合流しちゃいましょ!)


穏乃「憧、何してんの?」

憧「きゃあああ!??」

和「咲さんに優希も、皆さんこんな所で何を?」

泉「あ、そっちから来ちゃうんや・・・」

春「?」



京太郎「・・・なんで人数が3倍に増えてるんですかね」

淡「いやー、1年組の絆の力、かな?」

穏乃「困ったなー皆いると思わなくてアイス5人分しかない」

泉「気遣わんで平気やで穏乃ちゃん・・・」

京太郎「とにかく、この子も帰る気になったみたいだしアイス食ったら行こうぜ」

「・・・」

京太郎「ん、どうした?」

「この中に、お兄ちゃんの彼女さんはいるの?」

『!!』

淡「じ、実はね、私が~・・・」

憧「そうなのよー!この人と将来を誓い合った仲で!」

咲「こ、子どもの前で嘘はいけないよ!ホントは私で・・・」

京太郎「いねーよ。そんなこと気にすんな」


淡(ぶー、そんなあっさり言わなくても)

憧(落ち着け新子憧。最近クールさを欠いてるわよ!)

咲(子どもの前で・・・みっともないよね反省・・・)

優希(セーフ!右足出たけどセーフ!)


和「良かった、帰る決心がついたんですね」

京太郎「和たちのおかげだよ。皆が優しく世話焼いてくれたからこの子にも家に帰りたい気持ちが生まれたんじゃないかな」

和「そうですか・・・そうだったら、嬉しいです」

穏乃「はい、アイスだよ~」

春「はい、アイスは無いけど黒糖なら・・・」

泉「お、おおきに・・・」

淡「はぁ、なんか蚊帳の外なカンジ」ポリポリ

優希「しょうがないじぇ、あの時点で買い出しについてったのどちゃんたちが上手だったじぇ」

泉「まあ、でも最後まで見届けるぐらいのことはしようやない」


その後、母親と再会し、女の子は無事帰って行った。


京太郎「大変だったな」

咲「ほんと、良かったよぉ・・・グスッ」

和「私も、少し感動しちゃいました・・・」ウルッ

京太郎(経緯知らずに再会シーンだけで泣いちゃう咲・・・まあ、らしいけど)


穏乃「今日は楽しかったね」

春「うん、あの子可愛かったし・・・京太郎の新しい一面も見れた」

和「そうですね。女の子を説得する須賀君の姿、ちょっと感動しちゃいました」

淡(・・・なんだ、穏乃たちも見てたんだ。恥ずかしいなぁもう)


京太郎「・・・お兄ちゃんに感謝の印・・・ねぇ。可愛いキーホルダーだこと」ボソッ

京太郎「子どもっていいもんだな」



カン!