京太郎「でさ、そいつが――」

穏乃「うはは、じゃあさ! こんなのも――」

玄「こんなのもいいですのだ!」

宥「……」

須賀京太郎という男の子が阿知賀に転校してきた。
穏乃ちゃんや玄ちゃんはその性格から彼とすぐに仲良くなった。
私も、そんな彼の優しさを知って、彼に片思いをしていたりする。

~ひとり下校中~


宥(どうしよう……)

宥(まさか、私がこんなにも恋愛に奥手だとは思わなかったな……)

宥「……ハァ」

宥(……恋愛って、どうすればいいのだろう?)

そんな時、私はその本に出会った。

『白築慕のなぜベストを尽くさないのか ~ついに私も年上の旦那様を手に入れた!~ 著者:白築慕』

書店で本を見つけた私はそれを購入。急ぎ自宅に帰るとページを捲った。


~はじめに~

どうも、白築耕介という最高の旦那様を手に入れ、最高に素晴らしい寿引退をした元プロ雀士の白築慕です。
諸君らがこの本を読んでいるということは私のように最高の人生パートナーを手に入れ、
最高に輝かしい未来を手に入れたいと思っての事だろう。なに、心配は要らないさ。
婚期を逃したアラフォー共が我先にと書店へと駆け込み、あまりの素晴らしさに内容を世に広めようと
ブックオフへ持って行くぐらい素晴らしいことがこの先に書かれているから心配は要らない。
そう、1800円(税抜き)でこの本を買ってくれた君達にけして、損はさせるつもりは無い。
だから、私は私の経験の全てをここに記し、必ず君達の恋愛を成就させる手助けをしようじゃないか。
なお、失敗したからと言っても苦情の類は一切受け付けるつもりはないのであしからず。
最初に私と耕介との出会い、そして、彼と共に過ごした小学生時代の話をするべきなのだが、
残念ながらページの都合上、ホントに残念だがカットさせてもらう。いやはや、実に残念だ。
どうしても、知りたい人は私の自伝である漫画『シノハユ』を購入し読んでくれたまえ。
私と耕介との砂糖よりも甘い生活が嘘偽り無く描かれているので必見だ。
さて、この話はここまでにし、私の人生経験を元に諸君らに恋愛のアドバイスをしよう。
まずはレッスン1だ――


~そして、次の日~

京太郎「わきわき」

穏乃「あいあい」

玄「わきあいあい」

京太郎「お、そろそろ、昼食時じゃね?」

穏乃「あ、そうだね。お昼、どうしよっか?」

宥「あ、あの……」オズオズ

玄「ん? お姉ちゃん、どうしたの?」

宥「み、みんなでお昼ご飯、食べない? 私、みんなの為にお弁当作ってきたんだぁ」

穏乃「やった! 宥さんの手料理って美味しいから楽しみ!」

宥「多めに作ったから、みんなで食べてね?」弁当を広げる。

京太郎「あれ?」

穏乃「どうしたの、京太郎?」

京太郎「いや、何でもない」

京太郎(俺の好きな物ばかり入ってる気がするけど……気のせいか?)

『レッスン1:美味しい手料理で好きな人にアピールしよう!』

ここで重要なのは、好きな人の好物を完全に把握していることである。
これは私と私の耕介の話になるのだが、耕介はトマトが嫌いで彼の為に作る料理はいつもトマトを抜いていたよ。
小学生の頃の話だが、家族麻雀の日に私の耕介にサンドイッチを作る時があったのだが――
※以後、白築慕と白築耕介の話を長々としていた為、カット


~そして、別の日~

晴絵「じゃあ、これから長野に行くから乗って、乗って」

京太郎「じゃあ、俺。一番、奥に乗ってますね」

宥「私は……私、京太郎くんの隣がいいなぁ。京太郎くん、隣に座っていいかな?」

京太郎「えっ!?」ドキッ

『レッスン2:一緒に自動車に乗るときは好きな人の隣!』

ここで重要なのは、車のカーブに合わせて好きな人に密着することである。
これは私と私の耕介の話になるのだが、耕介は――
※以後、白築慕と白築耕介の話を長々としていた為、カット


~そして、別の日~

宥「京太郎くん!」

京太郎「宥さん?」

宥「あ、あのね! 大会で頑張った京太郎くんの祝勝会をしたいなって……」

京太郎「そんな、祝勝会なんって悪いですよ!」

宥「いいの! その、二人っきりで、これから……いっしょに行かない?」

京太郎「は、はい! 喜んで!」

『レッスン3:記念日には外食だ!』

ここで重要なのは……まぁ、それは置いておくとして。
実は耕介が母の義理の弟だったとか、なんだかんだしたおかげで耕介と結婚することになった。
だが、もちろん、私の様な優秀な人間には大きな困難は付き物で――
※もう、最初から白築慕と白築耕介の惚気話を長々としていた為、カット


~そして~

京太郎「俺たち! 恋人になりました!」

宥「お付き合いすることになったんだぁ」

穏乃「がーん!」

玄「がーん!」

憧「まぁ、何となく解かってたけど……」

灼「同じく……」

ありがとう、白築慕。
ありがとう、『白築慕のなぜベストを尽くさないのか ~ついに私も年上の旦那様を手に入れた!~(税抜き1800円)』
ありがとう、魔法の言葉――Why don't you do your best!!(なぜベストを尽くさないのか!!)
関連書籍『白築慕の人生の勝利者たち ~連戦連勝の法則="慕イズム"のすべて!~ 著者:白築慕』もよろしく! カン!