洋榎「なんや京太郎くん微妙な表情して、お宅の部長にでもいじめられたか。そやったらウチが」

京太郎「お気遣いはうれしいですけど違いますから。それに部長だって毎日部長というわけでは」

洋榎「部長いう単語にさらっとテリブルな意味合込める京太郎くんが好きやで。うちの子になり」

京太郎「またそんな軽口を言って洋榎さんは。あなたに胸があったら付いていったところですよ」

洋榎「目上に対しては言葉を選べやおっぱい星人コラ! 寄せて上げるタイプやっちゅうねん!」

京太郎「ちょっと離れてくださいよ。とても大きくて柔らかいおっぱいが背中に当たりますから」

洋榎「棒読みやめ!」

京太郎「だけどやっぱり洋榎さんにもおっぱいあるんですね。なんか変な気分になってきました」

洋榎「ホ、ホンマか!? そやったら京太郎くんの寂しい夜に不肖・愛宕洋榎がオカズを添えて」

京太郎「ウッ。めまいが」

洋榎「変な気分てそういう意味かい! 泣くほど嫌だったんか、ウチのなけなしのおっぱいが!」

京太郎「冗談ですよ洋榎さん。たしかに小さいですけどちゃんとエッチな気分になりましたから」

洋榎「スススス、スラックスの前が持ち上がっとる!? ハンドパワーの使い手やったんか!?」

京太郎「イエイ」


中堅さんと忠犬さん
第四話「ちっちゃいけどすごいんだよ」


胡桃「助けてほしいなんて一言も言ってないもん! むしろ勝手なことされて迷惑っていうか!」

塞「その割にさっきから飲まずに缶を撫でてるみたいだけど。ほんとうの気持ちは別だったり?」

胡桃「うるさい! 自販機のボタンを押してもらったくらいで好きになったりしないんだから!」

エイスリン「チョロイ!」

胡桃「ちょろくないってば! 見てなさい、こんな缶ジュースなんか一気飲みしちゃうからね!」

塞「その心意気やよしって感じだけど、コーラを一気飲みするのはなかなか難しいんじゃない?」

胡桃「なせばなるもん!」

塞「おお、いい飲みっぷり。炭酸をものともしないのは私もちょっとビックリだぞ鹿倉大先生」

胡桃「ふっふっふ、飲み終わったアルミ缶なんてこうだ! ぐしゃ!」

塞「御見それしたよ、胡桃は一度決めたら頑固だな。両手で一生懸命潰したのもポイント高いぞ」

胡桃「あんなカッコイイだけのお節介なノッポだって私の手にかかればこのアルミ缶みたいに!」

京太郎「あ、さっきの女の子」

胡桃「ヒッ!? 私の王子様!?」

京太郎「なんか空き缶ぐしゃぐしゃにしてるけどこの子で間違いありませんよ。さすが洋榎さん」

洋榎「そやろー、流石やろー? 参加選手で自分の腰くらい小さい子いうたからピンときたんや」

塞「あなたはたしか姫松の愛宕洋榎ちゃんだよね。だったらこの男の子も姫松の生徒さんかな?」

京太郎「俺は清澄高校一年の須賀京太郎です。こちらの愛宕洋榎さんとは一切関係がありません」

洋榎「え、なんで執拗に繋がりを否定してん?」

塞「愛宕洋榎ちゃんとは一切関係がない須賀京太郎くん。さっきは胡桃を助けてくれてありがと」

洋榎「ちょっと」

京太郎「いえいえ。突然走り去られたので何かマズいことをしたかとむしろ心配していましたよ」

塞「滅相もないよ。胡桃ったらお礼を言えなかったことを気にしてるのかさっきから君のことを」

胡桃「京太郎くんの前で余計なこと言わないで! たしかにお礼は言いたかったけど別にそんな」

洋榎「京太郎くん?」

胡桃「…………」

洋榎「出逢うて間もない男の子を下の名前で呼ぶなんて、ませたチビッコもおったもんやなあ?」

京太郎「洋榎さん」

洋榎「ウチかて京太郎くんと知り合うて数日の身やけど、あんたみたいなチョロインよりずっと」

京太郎「無視はいけません、罰としておっぱいを揉ませてもらいます。というか既に揉んでます」

洋榎「あひん!?」

京太郎「聞けばどうも胡桃さんの方が年上らしいですから、どう呼んでもらっても構いませんよ」

洋榎「あかんて京太郎くん、ボインは赤ちゃんが吸うためにあるんやで! それにこない人前で」

京太郎「こうして知り合えたのも何かの縁でしょうし、どうぞよろしくお願いします。胡桃さん」

塞「だってさ。私の後ろに隠れてないでちゃんと挨拶しなさい、あんたのがお姉さんなんだから」

胡桃「えっとね。京太郎くん」

京太郎「はい」

胡桃「さっきは私の代わりにボタンを押してくれてありがとう。急に逃げたりしてごめんなさい」

京太郎「どういたしまして。誤解は解けましたから胡桃さんが気にすることは何もありませんよ」

胡桃「それとね! 京太郎くんがよければケータイの連絡先なんかをゲプッ教えて、もらえたら」

洋榎「ゲプッ?」

胡桃「…………」

京太郎「…………」

胡桃「炭酸ジュースをですね」

京太郎「はい」

胡桃「一気飲みするとですね」

京太郎「はい」

胡桃「…………」

京太郎「…………」

胡桃「以後よろしくお願いします」



塞「ちょっと胡桃! シャワー浴びたいんだからいい加減浴室から出てきてよ!」

胡桃「しぬ」