私は誰にも必要とされていないんじゃないかって
そう思い始めてしまうと、どす黒く歪んでしまった負の塊が私の体内を蝕み始めた

生きている事は辛くなかった、ただ必要とされていないことが辛かった
必要のない人間は生きている意味があるの?

本当の私は醜くて汚い私
ただ必要とされるために私は私の中にわたしを作った
出来てしまったと言う方が正しいかもしれない
わたしは私を隠すためのもの

「やめて」 私は君が思うわたしほどいい子じゃないの
君の真っ直ぐで純粋な視線が私には眩しすぎる

君と話すようになってから、一人の時間は前より怖くなった、辛くなった
明日には君はいなくなってるんじゃないかって
明日には私は君に必要とされなくなるんじゃないかって
いっそ死にたかった、必要とされているうちに死にたかった、でも出来なかった

だから、君にこっちを向いて欲しくて
君に私を心配させたくて




だから




―――手首を切った。



君はとても優しくから私の傷跡を見て心配してくれた
わたしが嘘をついてごまかすと
君はお人好しだから手当てをしてくれた

私は生きている実感が湧いた
そして、もっともっとその感覚を味わいたくなった

君にわたしだけじゃなく、私を見て欲しくなった
君に深夜にメールを送ったり、心配させるようなことをいっぱいいっぱいした

それでも君は優しくて、お人好しで、眩しかった
私とわたし、君は何も疑うことなく接してくれた
ただ、真剣に私と向き合ってくれた


「君はどうしてこんなにも私に付き合ってくれるの?」
「こんな女めんどくさいだけではないですか?」

「俺は、貴方が好きなんです」

体に雷が落ちたような感じがした

「俺は、貴方の全てをひっくるめて好きなんです」

やめて

「俺と付き合ってくれますか?」

彼は私とわたしの全てを肯定してくれた
彼は私にとって禁断の果実だ

彼は私の全てを受け入れようとしている
彼を受け入れると私はもう戻れないかもしれない


「嬉しい」

そう言って私は

「どうか私をよろしくお願いします」


―――受け入れてしまった


これからずっと私は彼に依存してしまうだろう
彼が居なければ私は生きていけないだろう
彼に迷惑を掛けてしまうのは辛い
けれど彼はそれすら笑顔で受け入れてくれる


わたしはもう必要無いのかもしれない
ありのままの私を見せれる人を見つけたから
いや、私を見つけてくれた、受け入れてくれたから


私は彼に必要とされている、そんなすばらなことはない


少しだけ、ほんの少しだけ勇気を振り絞るから
私はありのままのわたしになりたい

そして君みたいになって、私みたいな人に手を差し伸べたい


カンッ!