泉「須賀くん、そろそろ、結婚考えません?」
京太郎「……ごめん、それはできない」
泉「え、な、なんで? まさか他に好きな娘おるん? それとも、実はもう……」
京太郎「俺さ、長野に帰るんだ。お袋が、倒れてさ、今さっき、連絡がな……」
泉「そう、ですか……その連絡、誰からですか?」
京太郎「は? 誰ってそれは……」
泉「感ですけど、お義父さんじゃないですよね?」
京太郎「いや、その……」
泉「今さっき振った女に言えない相手ってことは、そういうヒトなんですね?」
京太郎「……そうだよ。長野に残してた、恋人だ。こっち来る前に、別れたと思ってたけどな」
泉「だからウチに、思わせぶりな態度とって、いざってときにこれですか?」
京太郎「お袋の面倒とか見てくれてるみたいでさ、それに……」
泉「どうせ久々声聞いて、未練がよみがえったりでもしたんでしょ?」
京太郎「前は俺から告白して、次は向こうからまだ好きだとか言われて……」
泉「なびきましたか……ええんやないですか? 帰ってあげてください。ウチは、気にしませんから……」
京太郎「……ごめん」
泉「謝らんといて! 謝らんといてよ……」
京太郎「……」
泉「須賀くん、また会えますか……?」
京太郎「……ああ」
泉「なら、次に会うたときは、またウチのこと抱いてください」
京太郎「それは……」
泉「男つくらんと、待ってます。いつまでも待ってます。だから、いつでもええから、須賀くんの、都合のええ女にして下さい……」
京太郎「泉、俺はお前に……」
泉「あんた以外の男と幸せになんかなれっこないねん! 自分、どんだけええ男か、あんたわかってへんのか!?」
京太郎「俺は、そんな……」
泉「現地妻ってやつやな、ええ響きや。形は違うても、須賀くんの、須賀くんだけの、妻や」
京太郎「悪いけど、そういうのは俺には無理だ。明日、昼の便で一度長野に戻らなきゃならないんだ。もう、帰るよ」
泉「須賀くんのこと、待ってますから……」
カンッ!
最終更新:2014年03月31日 20:45