とある喫茶店

カランカラン

京太郎「えっと……、待ち合わせはこの喫茶店のはず」キョロキョロ

優希「おーい!おーい!ここに居るじぇ」ブンブン

京太郎「おっ優希!しばらくだな。全然変わってないな」

優希「美容院で10代に間違われたじょ。私もまだまだイケるって事だじぇ」

京太郎「しかし優希は変わらなくて安心したよ」

優希「実はちゃーんと育ってる」エッヘン

京太郎「身長が?少し高くなったか」

優希「見る目ないなぁ。胸だじぇ!む・ね!おもち!」

京太郎「……すまん、全くわからん」

優希「学生時代より2cmも大きくなったと言うのに……これだから男は」

京太郎「コホン。立ち話も何だし、座らせて貰うぜ。すいませーん、アイスティー下さい」

優希「私もおかわりするじょ。アイスティー二つで」

店員「はーい」

優希「犬……いや京太郎は何してるじぇ?」

京太郎「ん?俺?」ズズズ

優希「ちゃんと働いてるのか?まさかニート!?」

京太郎「んなわけねぇだろ。料理人やってるよ」

優希「ほぉー、京太郎にぴったりの仕事だじぇ」

京太郎「龍門渕さんの所だから待遇もめちゃくちゃいいよ。給料に不満はない」

優希「それは良かったじょ」

京太郎「給料は月30万も貰ってるんだぞ。年収は500万だ」

優希「ふーん、それってすごいのか?」

京太郎「20代じゃレアな方なんだよなぁ。まぁ優希にしたら年収500万とかゴミみたいなもんだろうけど」

優希「お金には不自由してないからなぁ。相方の給料がいっぱいあるし」

京太郎「俺の100倍くらいあるよな……。あぁ結婚おめでとう」

優希「およ?知ってたのか」

京太郎「そりゃ知ってるだろ。ニュースやりまくってたし」

優希「私、お嫁さんになったじぇ。今、中国語教室と栄養学を学んでるじょ」

京太郎「は?万年赤点だったお前がか?」

優希「その通り!お料理は意外と得意だけど、中国語は全然駄目。同じ言葉とは思えないじょ」

京太郎「頑張ってるんだな」

優希「おぅよ!なんて言ったって、プロ麻雀選手のお嫁さんだからなぁ」

優希「今、ブログとか書いてる。ハメブロで」

京太郎「へぇーどれどれ。おっ……料理の写真とか貼ってて、ちゃんと作ってるじゃん」

優希「冷凍食品は一切無し!栄養も考えて、色んな食材を使うじょ」

京太郎「緑が入ってるのはポイント高いな。おっ美味そう」

優希「ふふーん」ドヤッ

京太郎「しかし、優希の嫁はすごいよな。今、何連勝中だっけ?」

優希「確か15だったと思うじょ」

京太郎「日本記録?」

優希「今、並んだ所。次勝てば、日本記録だじぇ!」

京太郎「そっか。俺もプロ麻雀ニュースチェックするようにするわ」

優希「私の嫁の活躍しかと見るといい!で、話って何だ?」

京太郎「あぁ、今日呼び出したのはな。頼みたい事があったんだ」

優希「ほぅ、申してみよ」

京太郎「俺さ。いや、俺達さぁ……子供が欲しいんだよね……」

優希「子供か。iPS細胞の実用化に伴い、同性同士でも子供が作れるようになったじぇ」

京太郎「お前の所はまだ作らないの?」

優希「相方がまだいいって。来年はメジャー挑戦するし……。ちょっと先かな」

京太郎「男ってさ子宮がないんだよな」

優希「そうなのかぁ」サスサス

京太郎「iPSでの出産はかなりお金がかかって、俺達の貯金じゃ種作るくらいしか無理なんだ」


京太郎「それでな。代理出産して貰える女性を探してるんだ」

優希「!?」

京太郎「これが業者のを使うととんでもなくお金がかかって……」

優希「そうなのか」

京太郎「知り合いの女性に頼んでみたが、未婚のヤツが多くて断られてしまった」

京太郎「もうお前に断られたら、子供を諦めるしかない……」

優希「う、うーん」

京太郎「頼む!一生のお願いだ!優希の子宮を貸して欲しい!」ガバッ

優希「お、おいおい……こんな所で土下座なんて困るじょ」

京太郎「頼む!頼む!お前しか頼れる相手が居ないんだ!!!!!!!」

優希「えっと……」ポリポリ

京太郎「お願いします」

優希「私一人の一存では決められないじぇ」

優希「私個人的な意見としては、京太郎に大きな借りがある。別に代理出産くらいどうって事ないじぇ」

京太郎「それじゃあ!」パアァァァァァ

優希「しかし私の体はもはや私個人の物でもないんだじぇ。相方の意見も聞いて、賛成して貰えればいいけど」

京太郎「そうだよなぁ」ショボーン

優希「じゃあ家に帰って聞いてみるじょ」

京太郎「おぅ、また答えが決まったら教えてくれ」

優希「最後に一つ。京太郎が誰と付き合ってるか知らないが、子供が欲しいと思うくらいその人を愛しているのか?」

京太郎「もちろん。最後まで添い遂げるよ」

優希「なるほど……。犬もいい顔するようになったじぇ!」ニカッ

京太郎「今年中に結婚するんだ。お前も結婚式に来てくれよな?」

優希「あたぼうよ。咲ちゃん和ちゃん、久しぶりに三人揃って京太郎の結婚式を祝うじょ」

京太郎「咲も和もかなり忙しいからな。オフシーズンがいいか」

優希「和ちゃんは牌のお姉さんしてるから、365日働きまくりだし早めに連絡しておいた方がいいぞー」

京太郎「わかった」



優希「また連絡するじぇー」フリフリ



優希「はー、犬も結婚か。時が経つのは早いじょ」ポスン

優希「とりあえず晩御飯の支度して……あっ、明日の予告先鋒見とかないと」ポチッ



テレビ『明日の試合の予告先鋒です。ハートビーツ大宮、原村和選手』

優希「和ちゃんだじぇ!」

テレビ『横浜ロードスターズ、江口セーラ選手』

テレビ『松山フロティーラ、白水哩選手』



優希「むむむっ流石、先鋒。みんな手強いじぇ」

?「ただいまー」

優希「おかえりー。まだご飯出来てない」

咲「えーお腹すいたよぉ」ダキッ

後ろから抱きつく咲


優希「お菓子ならあるじょ。って、何か臭うような」クンクン

咲「ご、ごめん。調整用の雀荘探してたら、歩き回っていっぱい汗かいたから」

優希「臭い!先にお風呂入って」

咲「はーい。一緒に入ろ?」

優希「晩御飯の支度するから忙しいの!」

咲「お風呂上がったよー」

優希「……」パタパタ

咲「上がったー」

優希「あー忙し忙し」パタパタ



咲「優希ちゃん!お風呂上がりました!」

優希「あーもう!一回言えばいいじょ!わかってる!アニメでも見て待ってて」

咲「ちぇっ」



晩御飯

咲「明日の先鋒って誰かわかる?」モグモグ

優希「和ちゃん、ビビクンお姉さん、イケメンお姉さん」

咲「そっか。みんなエース級だね」モグモグ



咲「連勝止まっちゃうかなぁ」ズズズ

優希「あーーーーーー!!!!!!!」

咲「ど、どうしたの?」

優希「ブログ用の写メ撮るの忘れた!咲ちゃんが晩御飯急かすからだじぇ!」ポカポカ

咲「ご、ごめんなさ~い」

優希「それはそうと。久しぶりに犬に会った」

咲「京ちゃん?元気にしてた?」

優希「うん。料理人してるって。それでな、実は……」


優希は咲に代理出産の事を話した


咲「……なるほどね」

優希「……」

咲「優希ちゃんはどうしたい?」

優希「私は代理出産してやってもいいかなと思ってる」

優希「高校時代ずっとタコス作らせたり、パシリに使ったり……」

咲「うん。私も京ちゃんにはとっても感謝してるよ」

優希「子供が欲しいって気持ちもよーくわかる」

咲「京ちゃん子供欲しいのかぁ。なんだかんだで世話焼きさんだからなぁ。高校生の時から父性溢れてたね」

優希「多分、犬が頼めるのは私、咲ちゃん、和ちゃん、竹井先輩、染谷先輩くらいしか居ないと思う」

咲「私と和ちゃんは無理だね。試合があるし……」

優希「竹井先輩と染谷先輩には断られたっぽい」

咲「……そっか」

優希「もちろん咲ちゃんが嫌だと言うならこの件は断るじょ」

咲「……」

優希「咲ちゃんに決めて欲しい」

咲「……私はいいと思う」

優希「じょ!」

咲「私もプロじゃなかったら、代理くらいしてあげるんだけどね。今はチームが大事な時期だから……」

優希「それはわかってるじぇ。私も咲ちゃんを支えるために専業主婦になったし」

咲「優希ちゃんさえ良かったら。でも京ちゃんの次は私達の子供を産んでね///」

優希「うんっ!」



喫茶店

優希「引き受ける事にしたじぇ」

京太郎「ま、マジか!」

ハギヨシ「ありがとうございます!ありがとうございます!」ポロポロ

優希「おや、このお兄さんは……確か……」

京太郎「俺の交際相手のハギヨシさんだ。上司でもあるんだけどな」

優希「職場恋愛かー。いいなぁ」

京太郎「みんなには内緒にしてるけどな///」

優希「でも今すぐと言うわけではない。咲ちゃんと私が中国の生活に慣れてからにして欲しい」

京太郎「わかった。二、三年後って所だな」

ハギヨシ「早いものですね。宮永様がドラフト一位で入団されてはや六年」

京太郎「来年ポスティングか……。確かあの日は雪の降る日だった」



~宮永咲、高校三年生回想~

和『咲さん咲さん。今日はドラフトですよ!』

咲『えー今日だっけ?何にも考えて無かったよー』

京太郎『おいお前ら。すぐ体育館に移動だ』

優希『ドラフトの目玉が二人もうちには居るんだじぇ!お化粧しなきゃ駄目だじょー』

久『って事で私の出番ね!巷で有名なメイクアップアーティストと言えばこの私、竹井久』

まこ『ただのデパ地下の店員が何言うておるんじゃ』

咲『私、そんなに目立ちたくないですよ!』

和『咲さんと同じチームになれる事だけを願ってます』

はやり『ハートビーツ大宮の一位指名はねー☆原村和ちゃん!君に決めた☆』

京太郎『和が選ばれたぞ!』

久『とりあえず胴上げじゃない?』

まこ『よっこらしょ』ガシッ

優希『流石、私の親友!ドラ一位とはめでたい』ガシッ


和『まだ行くとは決めてませ……』


咲『ワッショイ』ポーイ

京太郎『ワッショイ』モミモミ

久・まこ・優希『ワッショイ、ワッショイ、ワッショイ』ポーイ

和『いやあああああああ、降ろして下さい!』

京太郎『ドラ1位ってもう終わり?』

久『最後1雀団だけ残ってるわ』

まこ『あぁ最近出来た新しい弱小雀団か』

優希『咲ちゃんが選ばれなかったなんて意外だじぇ』

咲『私、全部断ったからね。大学行ってのんびり麻雀打つよ』

和『ええっ!?大学行くんですか!聞いて無いですよ』



テレビ『仙台ウェイクアップヤマカーンズ、一位指名宮永咲』

久『ちょっと!咲の名前が呼ばれたわよ!?』

咲『え?』

京太郎「あの時は誰もが断ると思ってたんだよなぁ」

ハギヨシ「宮永様なら大学出てからでも引く手数多ですからね」

京太郎「全く。麻雀チームって言っても戦力外になったプロばかりを集めたポンコツチームでしたからね」

優希「咲ちゃん曰く、小さくて目立たないチームの方が良かったらしい」

ハギヨシ「もう麻雀界を代表するエースですけどね」

京太郎「この上なく目立ってるぞ……咲」

優希「私は咲ちゃんのコネで親会社に普通のOLとして就職したじぇ」

咲『優希ちゃん!監督にまたブツブツ文句言われたよおぉぉぉぉぉ』ポロポロ

優希『プラマイゼロで切り抜けたんだろ?良かったと思うじぇ』ナデナデ

咲『三位じゃ意味ねぇだろこのバカって……ううぅぅぅぅぅ』ポロポロ

優希『あーもう私の胸で良かったら好きなだけ泣くじょ』ポンポン

咲『うわああああああああああああああああ』



優希「あの頃の咲ちゃんは負けるたんびに私の部屋に来て泣いてた」

京太郎「メンタル弱いんだなぁ」

優希「じゃあ、今日は咲ちゃんの試合見に行くからこの辺で帰るじょ」

京太郎「そうか。ありがとうな代理出産の件」

ハギヨシ「ホントに……。なんとお礼を申し上げていいか」

優希「……そ、そんなに感謝されると照れるじぇ///」

京太郎「ハギヨシさん。送ってやって下さい」

ハギヨシ「はい、ぜひ」

優希「気持ちはありがたいけど、今日は車だー」



駐車場

京太郎「ここでいいのか」

ハギヨシ「片岡様の車はどちらに」

優希「これ。後、もう宮永になった」




京太郎「か、カイエン!?」

ハギヨシ「これ改造されてますよ!身長低くても足が届くように」

優希「内装も色々とイジってるけど。まぁそれはいいじょ」

優希「ばいびー」カチッ、ガコッ


ブロロロロロロ

京太郎「……」

ハギヨシ「……」

こうして数年後、優希は京ハギの子を産んだ

優希「くぎゅうううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!」

ポポポポポーン



ハギヨシ「おお……これが私達の子」ウルウル

京太郎「男の子ですよ!」

咲「とっても凛々しい顔してるね。ハンサムな子になりそう」



終わる