253 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:56:40 ID:yg+etov7O
久「それじゃあ、部室の掃除は頼んだわよ須賀君。行こう、まこ」

まこ「おう、部長。んじゃ頑張りんさいよ京太郎」タッタッタッ…

京太郎「やれやれ……これで四日連続で放課後の掃除当番かよ………なぁ咲、悪いんだけど一緒に」

咲「ごめん、京ちゃん。私、これから原村さんと優希ちゃんの三人で帰らないといけないんだ。お掃除頑張ってね」

和「宮永さーん、早く行きましょう」

優希「早くしないと店が閉まっちゃうじょ!タコスが食べられなくなっちゃうじぇー!」

咲「うん、分かった!じゃあね京ちゃん」タッタッタッ…

京太郎「・・・・・・」ポツーン

京太郎「一人で掃除するのも四日連続、か……はぁ・・・」

フキフキ・・・

京太郎「机の上を拭いたら次は床を掃かないとな・・・おっと」ガシャン

京太郎「これは俺が初めて麻雀部に来た頃に部長が記念にと撮ってくれた写真じゃないか・・・すっかり埃かぶっちまって…」パッパッ…

京太郎「・・・あの頃の部長は優しかったよな……麻雀のルールが全く分からない俺のために放課後まで一緒に付き合ってくれて……」

久『誰だって最初は皆、初心者よ。分からない事が沢山あるかもしれないけど、須賀君ならきっと出来るわ。・・・頑張ってね須賀君!応援してるわよ』

京太郎「・・・って俺を励ましてくれたっけ。あの時は本当に嬉しかったなぁ」

254 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:57:30 ID:yg+etov7O
スッ・・・

京太郎「あの頃の和やタコスも俺のために付き合ってくれてたし・・・」

―――――

和『須賀君、それロンです』

京太郎『ぐおっ・・・またかよ…やっぱり俺って才能ないのかなぁ…』

優希『才能なんか関係ないじぇ京太郎!お前に足りないもの、それは場数なんだじょ!一回や二回、ビリッカスになったくらいでクヨクヨするな!』

和『そうですよ須賀君、須賀君のような初心者は経験を積まないといけないと私も思います。悪い所はゆっくりと直していけば良いんですから・・・ね?
挫けずに頑張りましょう』ニッコリ

京太郎『・・・そうだな!よーし、頑張るぞー!』

――――

京太郎「・・・・染谷先輩も俺のためにわざわざ食べ物を作ってくれた事があったよな」

――――

まこ『おっ、京太郎、丁度良い所に来たのう』

京太郎『はい?どうかしましたか染谷先輩』

まこ『ふふふ・・・頑張っているお前に優しーい先輩からの思いやりじゃ、ほれ!』

京太郎『これは美味しそうな饅頭ですね!俺が全部食べてもいいんですか?』

まこ『心配せんとたらふく食べんさい!その代わり部長達には内緒にしといとくれ、色々と面倒な事になりそうじゃからな・・・・特に部長が』

255 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:58:33 ID:yg+etov7O
京太郎『そ、そうですか…分かりました。それでは改めていただきます!』パクッ

まこ『どうじゃ、わし特製の饅頭の味は?』

京太郎『う、美味いですよ染谷先輩!こんな美味い饅頭は生まれて初めてです!』

まこ『そう言ってもらえると嬉しいのう・・・朝早くから作ってきた甲斐があったというものじゃ!』

京太郎『えっ、朝早くから作ってくれたんですか?・・・本当にありがとうございます、俺のためにわざわざ…』

まこ『まっ、気にせんでええぞ頑張っている後輩の面倒を見るのも先輩の役目じゃからのう。これからも頑張りんさいよ京太郎!』

京太郎『……………はい!頑張ります!』

―――――

京太郎「・・・・はぁ」

キーン コーン カーン コーン

京太郎「おっといけね、早く掃除を終わらせないと……あっ!」ツルッ

ガシャーン!

京太郎「しまった……写真ケースを落としちまうなんて、何やってんだよ俺!」

サッサッサッ……

京太郎「ふぅ・・・ハプニングがあったけどどうにか掃除を終わらせたぞ!問題はこの写真をどうするかだけど…」ピラッ

京太郎「・・・仕方ない、ひとまず写真は俺のポケットの中に入れておくとしよう。今日は金がないから明日の放課後にでも新しいケースを買う事にするか」スッ

256 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 22:59:27 ID:yg+etov7O
【次の日の朝】

京太郎「今日も良い天気だなっと…………ん、あれは…」

咲「・・・でね、いきなりの事だったから私も焦っちゃったよ」

和「ウフフ、宮永さんったら・・・」

優希「今日も朝タコスは美味しいじぇ!」

京太郎「・・・咲のやつ楽しそうだな。あいつもあんな風に笑うなんて知らなかったよ」

―――――

咲『おはよう京ちゃん・・・』

京太郎『よっ、おはよう咲。んじゃ、行くか』

咲『うん♪』

タッタッタッ…

咲『ねえ、京ちゃん・・・帰りの時も一緒で大丈夫かな?』

京太郎『ん?別に良いけど・・・咲は他の奴と帰らないのか?』

咲『・・・・だって京ちゃんしか一緒に帰ってくれる人がいないんだもん』

京太郎『・・・全く、咲は本当に消極的だな。もうすぐ高校生になるんだから、友達をちゃんと作れるようにならないと駄目だぞ~?』

咲『・・・高校生になったら私にも京ちゃん以外に一緒に帰ってくれる友達……出来るかな?』

京太郎『当たり前じゃねーか!咲が頑張りさえすればきっと出来る!』

咲『・・・うん、励ましてくれてありがとう京ちゃん♪』

京太郎『よし!それじゃあ夕日…もとい、学校に向かって走るぞ~!』タッタッタッ…

咲『ま、待ってよ京ちゃーん!』タッタッタッ…

257 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:00:34 ID:yg+etov7O
―――――

咲「原村さんだってそういう状況になったら……」

和「私なら問題ないですよ?だって……」

京太郎「・・・・・見なかった事にしよう」タッタッタッ…

【放課後】

久「須賀君、今日も買い出しお願いね」

京太郎「えっ?またですか・・・ここ最近、俺ばっかりじゃありませんか」

久「私達には全国大会が控えているから少しでも練習しないといけない事くらいは須賀君だって分かっているでしょ?
須賀君は大会には出ないんだから皆のために頑張ってちょうだい」

京太郎「・・・・・」

優希「犬!ご主人様である私の分のタコスもちゃんと買っておくのだぞ!」グリグリ

京太郎「ああ、もう!分かった分かったよ!それじゃあ行ってきます!」

まこ「早く帰ってくるんじゃぞ京太郎ー」

咲「行ってらっしゃい京ちゃん、それじゃあ練習開始だね原村さん」

和「はい、宮永さん♪優勝目指して頑張りましょう」

まこ「その意気じゃぞ二人共、わしも気合いを入れんとのう!」

優希「負けないじぇ!」

久「肩に力を入れすぎないようにね五人共」

ワイワイ ガヤガヤ

京太郎「・・・・・」バタン

京太郎「……そういえば最後に牌に触ったのはいつだったかな?毎日、雑用と買い出しばかりで麻雀の練習なんてしてないし……なんだかなぁ」ハァ…

京太郎「・・・俺って皆に麻雀部の部員として見られてないのかなぁ?…とりあえず買い出しを早く終わらせよう」

258 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:02:29 ID:yg+etov7O
訂正

× 久「肩に力を入れすぎないようにね五人共」

○ 久「肩に力を入れすぎないようにね四人共」

259 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:03:28 ID:yg+etov7O
【1時間後】

京太郎「ハァハァ……ただいま・・・あれ?」

久「遅いじゃないの須賀君!もう皆は帰っちゃったわよ、全く道草なんてしないで真っ直ぐ帰って来なさいよね!」

京太郎「そんな・・・俺は寄り道なんかしてませんよ!」

久「言い訳しないの!遅れたら遅れたで何で素直に謝る事が出来ないの須賀君?」

京太郎「・・・・・」

久「まぁ、いいわ………今日も掃除任せたわよ。買ってきたものは須賀君が処分しておいてね。それじゃあ、頑張って」

京太郎「ちょっと待ってくださ……」

バタン・・・・

京太郎「・・・・なんだよこれ。あの時部長が俺に言ってくれた事は嘘だったのかよ?
毎日、パシリにされて練習すらやらせてもらえなくて・・・今まで頑張ってきた俺がまるで馬鹿みたいじゃねーか・・・」

ポロポロ・・・

京太郎「チクショウ……なんで泣いてんだよ俺。俺はこんな風に泣くために麻雀部に来た訳じゃないだろ京太郎……!」

京太郎「・・・もう麻雀部を辞めようかな……部長達はもう俺の事なんかどうでもいいって思っているみたいだし」

ピラッ・・・

京太郎「・・・この写真の頃に戻りたい。皆と楽しく麻雀をしていた頃に・・・ハハッ、もう無理な話だけどな」

京太郎「・・・・とりあえず掃除を終わらせよう。悲しきロンリーボーイのお掃除開始……ってか」

フキフキ・・・・

260 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:04:29 ID:yg+etov7O

京太郎「すっかり暗くなってしまったな。早く家に帰らねーと」タッタッタッ…

京太郎「うん?あれは咲と・・・和とタコスじゃないか…相変わらず三人仲良く話をしているな・・・」

咲「うん、でね………お父さんったら…」

和「フフフ、それは宮永さんが悪いと思いますよ?だって・・・」

優希「タコスうまー♪」

京太郎「・・・このまま顔を合わせても空気を悪くするだけだし、気付かれないように立ち去るかな・・・・ん?」

ブロロロロ・・・

京太郎「あの道に進んでるトラック・・・・かなりスピードを出してて危ねーな……待てよ、このままトラックが進めばいずれ咲達にぶつかる・・・!
おい、止まれお前ら!トラックが来るぞ!」

咲「アハハハハ、優希ちゃんも抜けてる所があるよね………」

京太郎「馬鹿やろ・・・アイツ等、会話に夢中になっててトラックにも俺の声にも気が付いてねぇ!止まれ咲!和!タコス!」

和「全国大会に向けて頑張りましょうね二人共!」

ブロロロロ・・・!

京太郎「・・・・・クソ!」タッタッタッ!

ブロロロロ!

咲「あれ?何だか急に眩しく・・・」

京太郎「うおおおおおおおおおおお!」

和「須賀君!?」

ドン!

咲「きゃっ!?」

優希「痛た・・・何をするんだじょ馬鹿犬!いきなり突飛ばすなん・・・」

キイイイイイ…!

和「あれはトラック・・・!?もしかして須賀君は私達を・・・!」

咲「京ちゃん………逃げて!」

京太郎「・・・本当に馬鹿だな、俺って……」

キイイイイイ……… ガシャァァァァン・・・!

261 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:05:40 ID:yg+etov7O
――――――

京太郎(―――何も見えない。……そうか、俺……咲達を庇ってトラックに・・・)

京太郎(俺、死んだのかな・・・?まぁ、あんだけ大きなものに轢かれたんだから当たり前っちゃあ当たり前か)

ピ…ピ…ピ…ピ…ピ…

京太郎(短い人生だったなぁ・・・全く惨めな人生だった。最期は車に轢かれて死ぬなんて・・・まぁ、俺にはお似合いだけど)

ピピ……ピピ……ピピ……

京太郎(しかしなんだろう・・・あまり死んだって感じがしないな・・・)

ピピピ………ピピピ……ピピピピ……

京太郎(それにさっきからなんか五月蝿いし・・・まるで目覚ましどけ………)

ピピピピピピピピピピピピピピ!

京太郎「うおおおおおおおおお!?」ガバッ

ピピピピピピピピ!

京太郎「ストップストォーーップ!」ガチャ

シーン・・・

京太郎「ありゃ…?ここは俺の部屋………そして俺のベッド……なんで俺はここにいるんだ?」

チュンチュン…… チュンチュン…

京太郎「そして外は爽やかな朝日が……もしかして俺、夢を見てたのか?」

シーン・・・・・

京太郎「…………はぁ~!良かったぁ、夢だったのかよやれやれ!本当に良かったぁ・・・まさかトラックに轢かれる夢を見るなんて!」ホッ

京太郎「それにしても怖かったなぁ、まるで現実みたいで・・・身体中が汗まみれだぜ」

京太郎「って、そろそろ学校に行かねーといけない時間じゃないか!早く着替えないとな!」スッ

カピバラ「キー!」

京太郎「おっ、おはようカピー!今日も良い天気だな!」

262 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/10/10(日) 23:08:38 ID:yg+etov7O
京太郎「行ってきまーす!」ガチャ

咲「おはよう京ちゃん♪今日は良い天気だね」

京太郎「あれ、咲・・・どうしたんだよ、家の前にいるなんて……何か事件でもあったのか?」

咲「えっ?特に何もないけど・・・」

京太郎「じゃあなんで何もないのに俺の家の前にいるんだよ?」

咲「なんでって・・・京ちゃんと一緒に学校に行きたいからに決まってるじゃない。・・・大丈夫京ちゃん?あまり夜更かしはよくないよ」

京太郎「いや・・・夜更かしをした覚えはないっていうか、変な夢を見たっていうか・・・」

咲「変な京ちゃん、でもそういう所も京ちゃんの可愛い所なんだけどね♪」ニコッ

京太郎「咲・・・?」

咲「早く行こうよ京ちゃん!学校に遅刻しちゃうよ!」

京太郎「あっ、ああ分かったよ咲。それじゃあ行くか」

咲「うん♪」

京太郎「・・・・うーむ」

続く

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