久「んじゃ、今日の部活はここまで!」

和「お疲れ様でした」

優希「咲ちゃん一緒に帰ろうじぇ~」

咲「うん。 京ちゃんは……」

京太郎「俺は少し残って掃除してるわ」

咲「あ、うん……」

久「それじゃあ戸締りよろしくね~」

京太郎「はーい」

バタンッ

京太郎「……さて」

スタスタ

京太郎(部員全員に与えられた、人ひとり入れそうもない小さなロッカー)

京太郎(部長曰く、盗まれても構わない程度の私物を入れる所なんだとか)

京太郎(鍵が掛からない安物だから俺でも開けることができる。 つまり―)


京太郎「オカズの宝庫って訳だ」ガチャッ

京太郎(まずは優希のロッカー)ガチャ

京太郎(菓子のゴミだとかでゴチャゴチャしてるが、それに混じって……)ゴソゴソ

京太郎「お、あったあった」

京太郎「優希の靴下GET」


京太郎(続いて染谷先輩……はスルーして、部長のロッカー)ガチャ

京太郎(部室で寝ることが多いせいか安眠用具が多め)ゴソゴソ

京太郎「この前はマスクだったし、今日は安眠枕のシーツもらっとこう」


京太郎(最後に和のロッカー)ガチャ

京太郎(流石に和のロッカーは変わらず綺麗だ。……が、後ろの奥の方には……)ゴソゴソ

京太郎「……おお、また増えてら」

京太郎(何故か咲の私物が大量にある)

京太郎「シャーペン、ボールペン、消しゴムに定規、と。 丸文字な咲の名前が書いてある」

京太郎(ついでに盗んだ日付までしてある。 流石は和だ)



……
………

咲「あ!」

優希「どうしたじぇ?」

咲「部室に忘れ物しちゃってた!」

和「私もついていきましょうか?」

咲「ううん、ちょっと時間かかるかもしれないから先帰っててー!」ダッ



……
………

京太郎「よし、今日はこんなトコロか」バタンッ

京太郎「……んっ」チラッ

京太郎(そういえば咲のロッカーを見たことが無かった。まぁ、アイツのなんて特に興味無いしなぁ)

京太郎(……ちょっとだけみてみるか)ガチャ

京太郎「……あれ?」

京太郎「無くしたと思ってた俺のYシャツ……」

京太郎「昨日の昼食ったカレーの跡があるし……間違いなく俺のだ……」

京太郎「……他のは……?」

京太郎(ハンカチ、制服のボタン、ネクタイ、手袋、マフラー、靴下……)ゴソゴソ

京太郎「全部俺の……」

京太郎「……」

京太郎「何で咲のロッカーに?」


ガチャッ

咲「失礼しまーす。 あ、京ちゃん」

京太郎「咲? どうした?」

咲「うん、ちょっと忘れものを……」

咲「しちゃっ……て……」

京太郎「……ん?」

咲「京ちゃんソコ……私のロッカー……」

京太郎「あっ」

京太郎「なぁ、咲。なんかお前のロッカーん中に俺の私物入ってたんだけど」

咲「あ……あわわわわ……」

咲(どどどど、どうしよう!? 京ちゃんの私物盗ってた事バレちゃったよぉ!!)

京太郎「これってもしかして……」

咲(ひゃぁああああああ)


京太郎「俺がロッカー間違えてたのか」

咲「へ?」


京太郎「てっきり隣が俺のロッカーだと思ってたんだけど……」

咲「……あっ」

咲「う、うんうん!そうそう、そうだよ! 駄目じゃない京ちゃん、自分のロッカー忘れちゃあ!」

京太郎「あー悪い悪い、今まで気づかなかったよ。ロッカーなんて使う機会滅多に無いし」

咲「 京ちゃんのはこっちだからね!今度から気をつけること!」ビシッ

京太郎「おう、悪かった」

咲(……ホッ)

京太郎「そっかー。 俺こんなの入れてたかー」

京太郎「あれ、ジャージまである。 俺、入れてたっけ?」

咲「ギクッ」

咲「いいい入れてた! 入れてたよ!体育の後、教室戻るの面倒だからって言ってたじゃん!」

京太郎「言ってたっけ?」

咲「言ってた言ってた」ウンウン

京太郎「ふーん」


咲「あっ! ていうか京ちゃん! なんで私のロッカー開けてたの!?」

京太郎「は? これ、俺のロッカーじゃねえの?」

咲「むぐっ……。 か、勘違いしてたけど私のロッカー開けてたでしょ!」

京太郎「あ、ああ」

咲「どーして?」ジロッ

京太郎「それはその……」ポロッ

咲「? ……なにか落ちたよ?」

京太郎「あっ」


咲「これって……和ちゃんのエトペン?」

咲「それに優希ちゃんの好きなタコス柄の靴下……」

咲「それと……枕のシーツ……。 コレ、確か部長のじゃ……」

京太郎「……」

咲「……京ちゃん……?」

京太郎「ハハッ」

咲「どうして……」

京太郎「いやその……これはちょっと……」

咲「どうして……どうして……!」ブルブル

京太郎「ほら……俺も男だし……な?」

咲「京ちゃん!!!」

京太郎「はい」


咲「なんで私のが無いのッ!!!」

京太郎「……はい?」


咲「京ちゃんだってお年頃だもん! こうしたものに手が伸びちゃうのは分かるよ!」

咲「優希ちゃんは最近京ちゃんにベッタリだし、和ちゃんは言わずもがなのダイナマイトボディだし!」

咲「部長は大人のお姉さん特有のえっちな雰囲気あるし、染谷先輩は……その……ほら!」

咲「皆魅力的だからしょうが無いことだとは思うよ!」

咲「でも!」

咲「そこにどうして私が入ってないの!!」

咲「私は京ちゃんにベタベタするような感じじゃないし、胸もペタ……ちっちゃい方だし、大人な雰囲気もない!」

咲「でも!」

咲「京ちゃんと一緒に過ごした時間の長さは、誰にも負けない!!」

咲「少なくともそう思ってる!」

咲「なのにどうして……どうして私だけ……私だけ……!」


京太郎「いや、お前のもあるけど」

咲「え?」

京太郎「ほら」スッ

咲「私の……消しゴム……?」

京太郎「ああ。ちゃんとお前のも持ってるよ」

咲「……」

咲(じゃあ京ちゃんは……私のことを……?)

咲「ふ、ふーん……。 そっかぁ……京ちゃんも私のこと……」

咲「……えへ……えへへへ……」ニヤニヤ


咲「そ、それじゃあ京ちゃん!」

咲「他の人の物を盗るのは駄目だけど……私の物なら、好きなだけ盗っていいよ?」

京太郎「いいのか?」

咲「うん! ドンドン盗ってって!」ニコニコ

京太郎「ふーん」


京太郎(ちょうど消しゴムがなくなってたもんだから盗ったもんだけど……そんなに嬉しいもんなのか……)

咲「全くもぉ……京ちゃんはしょうが無いなぁ……」ニヤニヤ



―後日

優希「あれー? ロッカーに入れてたタコス柄のTシャツ無くなってるじぇー」

久「ちょっとー! 私の抱枕盗んだの誰ー!? せっかくゆみがプリントされてたのにー」

和「エトペンからイカのような栗のような臭いが……」

まこ「わしはなんともないのぅ」

京太郎「ふぅん。 怖いことがあるもんですねぇ」

久「まぁ、ウチに複製品いっぱいあるし。 別にいいんだけどね」

和「この臭い……何だかドキドキしてくるような……」

優希「……なんか京太郎、肌がテカテカしてるじぇ」

京太郎「へへーんッ」

京太郎(全く……麻雀部にはいってからオナニーが捗るぜッ)


咲「……あっ。 私のポケットティッシュが無くなってる……」

咲(コレ……きっと京ちゃんが……)


京太郎(ティッシュにも困らねえしなッ)



カン