パラララララ ダァーン ダァーン ガォーン ガォーン

マホ「こ…これがギャング抗争…!」ガタガタ…

優希「何をしとるんだじょ新人!的になりたいのかバカ!」

マホ「ご……ごめんなさーい!」ピューン



【一時間後】

和「ようやく雑魚を片付けましたね宮永さん」

咲「お疲れ様原村さん……それにしても最近、敵の襲撃が激しくなっているみたいだね」

タコス「それだけ敵が焦っている証拠だじぇ!おい、新人!今日も役に立たなかったな!」

マホ「ごめんなさい……」シュン…

和「優希、そんな事を言ってはいけませんよ!」

和「マホ…あなたはもう清澄ファミリーの一員なのだから、その自覚はちゃんと持ってくださいね」

マホ「はい!ファミリーの役に立てるように頑張ります!」

咲「じゃあ皆、ボスの所に戻ろう!」



【清澄ハウス】

久「お疲れ様、四人共。今日はもうゆっくり休んでいいわよ」

まこ「ボス、会議の時間じゃ」

久「今日は確か…同盟を結んでいる風越ファミリーとの交渉だったわね」タッタッタッ…

マホ「あの~、聞きたい事があるんですけど…よろしいでしょうか?」

和「なにかしら、マホ?答えられるだけ答えるわ」

マホ「その……清澄ファミリーって風越ファミリーと同盟を結んでいるのは分かってはいるんですけど… 」

マホ「清澄と敵対しているファミリーって龍門渕ファミリーの他にどこかありましたっけ…?」

優希「なぬっ!?お前は自分の所属するファミリーの事すら分からないのか!」

マホ「ご、ごめんなさい!」

咲「まあまあ優希ちゃん、仕方ないよ…マホちゃんはファミリーに来たばっかりなんだから」

和「マホ、私達清澄ファミリーに敵対しているファミリーは三つよ。龍門渕ファミリーはもう知っているわね?」

マホ「はい、分かっています!」

和「もう一つは鶴賀ファミリー……小さいながらも力のあるファミリーよ」

優希「とはいっても鶴賀は他のファミリーからの攻撃を受けているからボロボロだじぇ!」

和「優希の言う通りです……今は龍門渕ファミリーを潰して戦力を増強するのが私のファミリーの意向ですよ」

マホ「残り一つのファミリーはどんなファミリーなんですか?」

和「……その組織の名前はガースーファミリー……現在、この街を支配する巨大なギャング組織です」

和「裏社会のドンと呼ばれる怪物・須賀京太郎の下で数多の組織を吸収してきた一番危険なファミリーですね…」

マホ「な…なんだか凄そうなファミリーですね…」


咲「…………」タッタッタッ……

マホ「あ、あの~どこに行くんですか咲さ~ん?」

和「マホ、宮永さんの事ならそっとしてあげなさい」

マホ「ふぇっ?どうしてですか和さん?」

優希「咲ちゃんと京太郎は昔からの付き合いだったんだじぇ……」

マホ「そうだったんですか…じゃあ咲さんはなんでガースーファミリーの方に…」

和「言葉を慎みなさいマホ、あなたは同じファミリーの人間を信頼出来ないっていうの?」

マホ「ち、違いますよ!もちろん…咲さんの事は信頼しています!」

和「なら、宮永さんを疑うような言動はやめるように……口は災いの下ですよ?」

マホ「気をつけます…」シュン…

優希「それじゃあ腹が減ったから、皆で港の近くにあるタコスショップに行こうじぇ!」タッタッタッ…

和「もう、優希ったら……」



【清澄と風越の会議】

久「……それで、そちらのファミリーの方はどうだったのかしら?」

キャプテン「……あまり穏やかではありませんね」

久「それはどういう事かしら?」

キャプテン「数日前…ガースーファミリーとの交渉の場を設けるため、使者として深堀を行かせたんですけど……」


ドスンッ

久「これは……何かしら?ドン・美穂子…」

キャプテン「はい…今日、ガースーファミリーの方から送られて来たんです……開けてみてください」


ガチャ…ガチャ…

久「これは防弾チョッキ……。でも何で…チョッキの中に魚が入っているのかしら?」

キャプテン「それは深堀の防弾チョッキです……つまり深堀は魚の餌になったって事ですよ」

久「……なんて事…!」

キャプテン「どうやらガースーファミリーは、他のファミリーと交渉するつもりは微塵もないらしいのです…」

久「傲慢ね……流石は裏社会のドンと呼ばれるだけあるわ…」

キャプテン「ドン・久……今やガースーファミリーは私達のファミリーでさえも吸収せんと動いています」

キャプテン「私達はこれまでもバランスを取りながら上手くやって来たではありませんか?」

久「つまり、あなたは協力してガースーと戦おうって言いたいのね…」

キャプテン「このままだと、ガースーによってファミリーが一つずつ潰されてしまうでしょう」

キャプテン「しかしながら、ファミリーが協力すればいかにガースーファミリーであろうとも、手出しは出来ないはずです」

久「確かに一理あるとは思うけど…難しい話だとは思うわ」

キャプテン「すでに鶴賀ファミリーと龍門渕ファミリーにも交渉の手紙を送りました…」

久「呉越同舟という訳ね……それで二つのファミリーの反応はどうだったの?」

キャプテン「鶴賀の方は賛同するとの事ですが……龍門渕の方は嫌がっているみたいです」

久「無理もないわね、私達と龍門渕ファミリーは敵対している最中だから」

キャプテン「しかしながら、ガースーファミリーの力はあまりにも強大……龍門渕の方も重々、理解しているとは思うのですが…」

久「龍門渕のドンである透華は自尊心の塊みたいな人物だから、説得なんて無理じゃない?」

キャプテン「今も交渉の手紙を送っている最中です…」

キャプテン「このままではマズイという事にドン・透華が分かってくれたら良いのですが」フゥッ…

久「時間がかかりそうね…その間にガースーファミリーにやられなければいいんだけど…」

まこ「とりあえずこの防弾チョッキはよそに片付けるとしようかのう」



【タコスショップ】

優希「ふぅ~!やっぱり海を見ながらのタコスは格別だじぇ!」ムシャムシャ

マホ「今日も良い天気ですね~!まるで平和そのものです!」パクパク

和「そうですね……出来ればこんな平穏がいつまでも続いて欲しいものです」

タコス「マスター!スペシャルタコスのおかわりを…」


ドォン! ドォン!ドォン!

和「なに!?今の爆発は!」

マホ「あっちの方から聞こえて来ましたよ!!」

和「行ってみましょう!」

タコス「ぐぐふんがとっと…」モガモガ

和「ゆーき!いつまでもタコスを食べてないで早く行きましょう!」

タコス「もんがー!」モガモガ


タッタッタッ……



【広場】

マホ「こ…これは!」ゴクリ

三人が目にしたのは黒焦げになった車の残骸だった

ハギヨシ「大丈夫でしたか…衣様!?」

衣「うわ~ん!怖かったよ~!」

和「どうやら車に爆発が仕掛けられていたみたいですね…」

マホ「あわわ…なんて恐ろしい事を…」

ハギヨシ「あの…あなた達は何者でしょうか?」

マホ「はい!私達は清澄ファミリーの者です!」エッヘン

優希「なっ………この馬鹿!ちょっとこっち来い!」ガシッ

マホ「ど…どうしたんですか?」

優希「お前は馬鹿だじぇ!?この状況で自分からギャングである事をあかす馬鹿がどこにいるんだじょ!?」

優希「相手が龍門渕のファミリーだったらどうするつもりだ!」

マホ「ご……ごめんなさ~い!」

ハギヨシ「清澄…ファミリーですか。あいにくですが我々は…」

衣「グスッ……なんだこのペンギンは…?」

和「これはですね…エトペンといって私の友達なんですよ」

衣「友…達?」

マホ「どうしたんですか和さ…」

優希「しー!お前は黙っているんだじょ!」

マホ「は、はい!」

衣「お前は私を慰めてくれるのかー?」グスッ…

和「もちろんですよ。…大丈夫でしたか?もう安心してください」

ハギヨシ「衣様、彼らは清澄ファミリーの…」


ガォーン! ガォーン!

マホ「きゃあああ!?な、なんですか今の銃声は?」

ガースー雑魚「あらあら、衣さん!ファミリーのために悪いですけど死んでくださいよぉ~!あいややややや!」ガォーン! ガォーン!

和「あのスーツの色は…ガースーファミリーの!」

ハギヨシ「なるほど、この爆発はガースーファミリーによるものでしたか」カチャッ

和「マホ!その子を頼みます!」カチャッ

マホ「分かりました!それではこちらに…」

衣「あ…ああ!分かった」

優希「ガースーなんてぶっ殺してやるじょ!」カチャッ

ガースー雑魚「殺れるものなら殺ってみてくださいよ~!」ガォーン ガォーン

ハギヨシ「お前達に衣様をやらせはしない!」ダァーン! ダァーン!

ガースー雑魚「ぎゃああああ!当たってしまいました~!」バタッ

和「あんな小さな子供を襲うなんて……絶対に許しません!」ダァーン ダァーン

優希「どうしたどうした!?この優希様にびびってんのかぁ!ああん!?」パラララララ

ガースー雑魚「ひいいいい!痛い!」バタッ



【一時間後】

和「ようやく片付ける事が出来ましたね」カチャッ

優希「全く、雑魚は所詮雑魚だったという訳だじぇ!」

衣「もう終わったのか?」

マホ「みたい…ですね」スゥッ

ハギヨシ「お怪我はありませんか衣様」

衣「うむ、私は大丈夫だ。賊の始末…誠にご苦労であった」

マホ「あれ…さっきとは雰囲気が違うような…」

衣「貴様ら、確か清澄ファミリーとかいってたな」

和「はい、そうですけど……?」

衣「なら、この私を知らないはずはないのだがな…まぁ、いい」

ハギヨシ「衣様…そろそろ」

衣「わかった、それでは衣は失礼するぞ……縁があったらまた会えるだろう」


タッタッタッ……

優希「一体なんなんだじょ、あのお子様!急に偉そうにして!」



【ガースーハウス】

ガースー雑魚「はい、誠に遺憾ながら衣暗殺に失敗してしまいました!」

京太郎「そうか……もう下がっていい」

ガースー雑魚「はっ!」タッタッタッ…

京太郎「やれやれ……面倒くさいねぇ…全く!」グビグビ

京太郎「鶴賀といい、風越といい、龍門渕といい、清澄といい……」

京太郎「このガースーファミリーのドン・京太郎を馬鹿にしやがって…!」ガシャーン!

京太郎「まぁ、いいさ…最後に笑うのはこの京太郎だ…フフフ…ハハハハハ!」



【清澄ハウス】

マホ「今日も大変でしたね~!」

優希「全く…タコスを食べるために港に行ったのに、とんだ災難にあってしまったじょ!」

和「それにしてもあの女の子…一体何者だったのでしょうか?」



【会議室】

久「一体どういう事なのかしら…今まで同盟に反対していた龍門渕が急に賛成にまわるなんて…」

キャプテン「さあ……しかし、これで鶴賀・龍門渕・風越・清澄の四連合が出来上がりました」

まこ「これで、ガースーファミリーに対抗できるって訳じゃな」

久「龍門渕が賛成にまわるのは意外だったけど…私達としては喜ばしい事ね」

キャプテン「それでは……」




【料理店】

マホ「まさか清澄ファミリーと他の三ファミリーが連合なんて……びっくりしましたよ!」

和「他の二つはともかく、龍門渕ファミリーが賛成にまわるなんて…どうして急に…」

優希「オーナー、タコスをくれタコスを!」

マホ「けれどもこれで、ガースーも私達に手出しは出来なくなりましたね!」

和「確かにそうですけど…なんだか嫌な予感がします」

優希「タコスうまー」


ピリリリリリ ピリリリリリ

和「はい、……まこさん、どうしたんですか慌てているみたいですけど…」

まこ『大変じゃ和!うちのハウスが……ガースーの襲撃を受けておる!』

和「―――!それは本当ですかまこさん!?分かりました、今すぐに戻ります!」ガチャッ

和「ゆーき!マホ!今すぐにハウスに戻りますよ!」

マホ「何かあったんですか和さん?」

タコス「タコスうまうま」

和「私達のアジトが……ガースーの襲撃を受けているんですよ!」

マホ「そ…そんな!私達のハウスが…ガースーに…?」

和「そうです!食事をしている暇などありません!行きますよ!」タッタッタッ…

優希「もっとタコスが食べたかったじょ…」タッタッタッ…



【清澄ハウス】


パラララララ ガォーン ガォーン

まこ「くそっ!なんて数の兵隊じゃ…和達はまだこんのかい!」

清澄兵士「まこ!ボスは無事に避難させました!」

まこ「よくやった!後は和達が来てくれたら…」ダァーン ダァーン

ガースー雑魚「あらあら、ボディががら空きですねぇ!」カチャッ

まこ「しまっ―――!」


ガォーン!

ガースー雑魚「あひやややややや!」バタッ

和「大丈夫ですか、まこさん!遅くなってすいませんでした!」

まこ「和…マホ、優希…!全く、来るのが遅いんじゃボケ~!」

マホ「あわわわわ…!私達のハウスが燃えていますよ!」

優希「くそ~!ガースーファミリーめ許さないじょ!」パラララララ

まこ「どうやらワシらの他に鶴賀と風越と龍門渕の方も襲撃を受けておるらしい…!」ダァーン ダァーン

マホ「ええ~!?何で急に…やっぱり連合したのが原因でしょうか!?」ダァーン ダァーン

和「でしょうね……連合すればガースーも手出しはしてこないと思っていましたが…」

和「まさか直接ハウスを狙ってくるなんて!」ガォーン ガォーン

ガースー雑魚A「痛いですぅ!ひぃやあああああ!」バタッ

ガースー雑魚B「こうなったら逃げましょうっと~!」タッタッタッ…

ガースー雑魚C「これは逃げではありません!戦略的撤退ですよ~!」タッタッタッ…

マホ「みてください!ガースーファミリーが撤退していきます!」

まこ「どうやら諦めたみたいじゃの…やれやれ」

和「ですが……ハウスの被害はかなり深刻ですね」

優希「許せないじょガースーファミリー!この落とし前は必ずつけさせてもらうじぇ!」

マホ「これから私達どうなるんでしょう…ハウスはボロボロですけど…」

和「……分かりません。ですけど、このままやられっぱなしというのは…あり得ないでしょう」

優希「やっぱり…ガースーファミリーとの全面戦争は避けられないのかな…?」

マホ「あうう……嫌な響きですね全面戦争って」



【夜の港】


ザァァァァ… ザァァァァ…

咲「……やっぱりここにいたんだね京ちゃん」

京太郎「……咲か。海はいいな…全ての生命の力を感じるよ」

咲「京ちゃん、やっぱり……全面戦争を仕掛けるつもりなんだ…」

京太郎「ああ、だからこそ…四ファミリーのハウスに襲撃を仕掛けたんだ」

咲「……もう止められないの?」

京太郎「………だろうな、もう止まらないよ…咲」

咲「もうあの頃の京ちゃんには戻れないの…?」

京太郎「ガキの頃は楽しかったよな咲……毎日お前と一緒に遊んで、時には喧嘩して…」

咲「お嫁さんごっこもしたよね」

京太郎「ああ、それもあったあった!本当に楽しかったよな」

咲「京ちゃん」

京太郎「咲…俺とお前はもう違う道を進んでいるんだ。そしてその道は決して交わる事はない」

咲「………」グスッ

京太郎「咲、いずれ大きな戦いが起こるだろう…悪い事は言わない、ギャングをやめろ」

咲「京ちゃん!私は!」

京太郎「警告はした、次に会う時はこの港か…それとも殺し合いのステージか…それまで息災でな」


タッタッタッ……

咲「京ちゃんの…馬鹿!馬鹿!バカァ!」



【数週間後】


パラララララ パラララララ ガォーン ガォーン

マホ「うひゃあ……まるで戦場ですね」

和「『まるで』ではありません、これは戦争です…ジ・ハードです!」パラララララ

優希「咲ちゃん……結局ファミリーをやめちゃったじょ…」

マホ「みたいですね…ボスは何も言わずに許しましたけど…どうしてでしょうか」

和「今はそんな事を気にする必要はありません……今はガースーを、須賀京太郎を倒すべきです!」パラララララ

ガースー雑魚A「ひいひいひい!」バタッ

優希「のどちゃん……分かったじょ!」ダァーン ダァーン

マホ「マホは必ず……この戦いに生き残ってみせます!そしていつか必ず……ギャングスタに…なるんです!」ダァーン ダァーン ダァーン


豪雨の如く流れる銃弾、街中に響き渡る爆発音、耳をふさぎたくなるような叫びと悲鳴。
阿鼻叫喚の地獄の戦場を咲は遠くから眺めていた。


咲「京ちゃん…私はギャングとかドンとか…そういう事はどうでも良かった。またあの頃に戻れれば……それで良かった」

マホ『京太郎はどこですか!大人しく出てきてください!』

咲「少しずつ…ゆっくりと……」

京太郎『死にたい奴だけかかってきやがれ!俺は…ドン・京太郎だあああ!』パララララララララララ

咲「あなたが消えていく―――――」


この日、ガースーファミリーは崩壊を迎えた。





第12話「どっきりギャングに囲まれちゃう!」