智紀「パソコン禁止……だって?」

透華「そうですわ!これからあなたの周りにあるネット類は全部没収します!無論、ネットカフェの行き来も禁止!」

智紀「なぜ…どうして急に……?」

透華「はっきり言わせていただきますわ!」

透華「暇さえあればネット…食事をしている時もネット…トイレの時もお風呂の時も寝る時どさえネットネット……」

透華「身体に良くありませんわ!」

智紀「楽しければそれで良いと思う…」

透華「よくありませんわ!合宿も近い事ですし、他人とのコミュニケーションを取る必要があります!」

智紀「…………嫌」

透華「嫌じゃありません!あなた、自分の人生をパソコンに支配されて恥ずかしいとは思いませんの!?」

智紀「嫌…!嫌…!嫌!」

透華「わがままを言うんじゃありません!私はあなたの事を思っているのですわ!」

智紀「私のためを思っているならパソコンを没収するのはやめて…!」

透華「それは無理ですわ、すでにハギヨシがあなたが所持しているパソコン類を隠しましたから」

智紀「――――――!そんな…」ヘナヘナ…

一「しっかりしてともきー!透華は透華なりにともきーの事を考えているんだから…ね」

井上「そーそー!別にピコピコが無くても生きていけんだろ」

智紀「………これは夢…夢に決まっている…」

透華(少しやり過ぎてしまったかしら……でもこれも全て智紀のため!)

透華(ここは心を鬼にしないといけませんわ!)

衣「くー…くー…子供じゃない衣だぁ……」



――数日後

透華「あれから、智紀から連絡が来ませんわね…」

井上「どうしちまったんだろうな智紀の奴?」

一「やっぱりパソコンを没収したのがいけなかったんじゃないかな」

衣「だとしたら、責任はとーかにあるな」

透華「な…なんですか!私はただ、智紀の人生を思って……」

井上「じゃあ、なんでアイツから連絡がこねーんだよ?」

透華「そ、それは――!」


一方その頃、沢村智紀は街中をフラフラとさ迷っていた。
パソコンのない生活など智紀にとって耐え難いものであった。


智紀「どのネットカフェに行っても透華の手が回っていてどうする事も出来ない…」

智紀「私は……どうすれば?」


ドンッ

智紀「―――――!」

京太郎「す…すいません!ボーとしてしまって……あれ?あなたは確か……」

智紀「……沢村智紀…そういうあなたは清澄の召し使い…」

京太郎「ぐぉ…!痛い所を突いてきますね。事実ですけど……」

京太郎「それにしてもどうしたんですか智紀さん?他のメンバーとは一緒じゃあないんですか?」

智紀「今は一人……ちょっと散歩をしていただけだから…」

京太郎「そうですか…智紀さんってパソコンやっているイメージがあるからあまり外に出ない方だと……」

智紀「…………」

京太郎「す、すいません!失礼な事を言ってしまったみたいで…」

智紀「気にする必要はない……それよりも聞きたい事がある…」

京太郎「はい、なんざんしょ?」

智紀「あなたの家には……パソコンはあるの?」

京太郎「はい…一応ありますけど、どうしてそんな事を聞くんですか?」

智紀(この男……使えるかもしれない)

智紀「……頼みたい事があるんだけど良い?」

京太郎「頼みたい事…なんでしょうか?」

智紀「……あなたの家に来てもいい?」

京太郎「へっ…?俺の家にってどういう事ですか?」

智紀「そのままの意味…あなた(のパソコン)に興味がわいてきた……」

京太郎「俺に…ですか?」

智紀「そう…あなた(のパソコン)に……駄目?」

京太郎「いえ、とんでもありますよ!喜んで招待します!」

智紀「感謝する……ありがとう」

京太郎(うおおお!こんな綺麗な人が家に来るなんて信じられんぞ?ついに…我が世の春がきたかぁ~!?)

智紀「……………ニヤリ」



【京太郎の自宅】

京太郎「ちょっと狭い部屋かもしれませんけど入ってください」

智紀「………お邪魔します」

京太郎「その…お茶を持ってきますね!」

智紀「気を使う必要はない……それよりもパソコンを貸して欲しい」

京太郎「パソコン…ですか…良いですよ!好きに使ってください」ニヤニヤ

智紀「感謝する……じゃあお言葉に甘えて…」ニヤニヤ

智紀(ああ…!この感触…このマウスの握り具合…まさしく天国…!)

京太郎「じゃあ俺は買い物行ってきますね」

智紀「………行ってらっしゃい」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ…



【一時間後】

京太郎「ただいま~ってありゃ、智紀さんまだパソコンをやっていたんですか…」

智紀「………………コク」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの~、良かった食事でもいかがですか?」

智紀「……………………いただきます」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「そ…そうですか!じゃあ早速準備してきますね!」

智紀「………………感謝」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

智紀「次は2chで書き込み………」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ



【二時間後】

京太郎「あの~、そろそろお帰りになった方がよろしいかと……」

智紀「………………」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの~、聞いてますか智紀さん…?」

智紀「…………………」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「良かったらデザートでもいかがですか?」

智紀「いただきます…」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「……じゃあ持ってきますね!」タッタッタッ

智紀「フフ……見事に釣られている…」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ



【さらに二時間後】

京太郎「あの~、そろそろ帰らないとまずいと思いますけど…」

智紀「……問題ない」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「いやぁ…智紀さんが問題なくても俺の方がちょっと……」


ピタッ

智紀「………京太郎は私がいたら迷惑?」

京太郎「あ、いえ!そういう訳ではなくてですね……」

智紀「どうしても帰らないと…駄目?」

京太郎「いや、そういう事ではなくて……このまま智紀さんが俺の家に泊まる事になる事になるかなーってハハハハハハ」

智紀「……私は最初からそのつもりだけど」

京太郎「………へ?」

智紀「私は京太郎(のパソコン)に興味があるから来た」

智紀「そして京太郎が良い(具合に役に立つ)人だと思ったからもっといたいと思った……それが理由では駄目?」

京太郎「……駄目な訳ありませんよ!この男、須賀京太郎……喜んで智紀さんを家に泊めてあげましょう!」

智紀「ありがとう……京太郎……私は京太郎(のパソコン)に感謝の気持ちで一杯…」

京太郎「ハハハ!気にしないでくださいよ智紀さん!困った人を助けるのは当たり前の事ですよ!」

智紀「…………クス」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの~、お風呂とかはどうしますか?」

智紀「問題ない…時間が出来た時に入る」

京太郎「眠る時はどうするんですか?」

智紀「………一緒に寝る?」クス


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「い、いえ!俺が床の方で眠る事にします!」

智紀「そう……別に気を使わなくてもいいのに」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「それじゃあ……電気を消しますよ…」

智紀「……………コク」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「それじゃあお休みなさい智紀さん」

智紀「…………お休みなさい」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎(……カタカタうるさくて眠れん…)



【次の日】

京太郎(…結局、智紀さんはずっとパソコンをしていたな…おかげであまり眠れなかったぜ)

智紀「スー……スー……」

京太郎「こうしているとすっげえ美人なんだけどなぁ………胸も大きいし」

智紀「う……ん……」モゾモゾ

京太郎「おっといけね、何を見とれているんだ俺は。学校学校っと……メモはパソコンの前に置いておくとしよう」


タッタッタッ……

智紀「むにゃ…むにゃ……リア充許すまじ……」

京太郎「ふわぁ……それにしても眠いぜ全く」



【清澄麻雀部】

京太郎「ふわぁ……眠い…」

優希「おい、京太郎!何を呑気にあくびをしている!犬の分際で生意気だじょ!」

京太郎「ああもう、耳元で騒ぐな!頭に響くだろうが!」

咲「どうしたの京ちゃん?朝から眠たそうな顔をしていたけど、何かあったの?」

京太郎「あー?まあ、色々あってな…少ししか眠れなかったんだよ」

まこ「なんじゃ全く!睡眠をきっちりとるのは麻雀をやるもんの基本じゃろうが!」

京太郎「す…すいません……」

京太郎(言える訳ないよな……家に女の人が来て、しかもお泊まりで…おまけに龍門渕の人ときているしな)

優希「情けない犬だじょ!この優希様が根性を注入してやるじぇ!」


ゲシゲシ

京太郎「いたたたた、背中をグリグリするなタコス~!」

京太郎「ただいま~!」

智紀「……お帰りなさい」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「またパソコンですか……」

智紀「…悪い?」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「いや、悪いとは言いませんけど…やり過ぎは身体に毒ですよ?」

智紀「…問題はない……休憩はしっかりと、とっている……」


カタカタカタカタ

京太郎「そうですか………ケーキ買って来たんで一緒に食べますか?」

智紀「………いただきます」

京太郎「…………ハァ、じゃあ持ってきますので待っててください」タッタッタッ…

智紀「そう、ここで連携技を発動………」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの、智紀さん…ご飯を持って来ました」

智紀「……そこに置いて構わない」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの、智紀さん…お風呂が沸きました」

智紀「………後で入る」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「あの、智紀さん…そろそろ電気を消しますので…」

智紀「………お休みなさい」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「はい……お休みなさい…」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎(カタカタカタカタカタカタ眠れん…!)

智紀「なんでそこでアイテムを使うの……まだ敵がいるのに……」



【清澄麻雀部】

京太郎「はぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

咲「ど…どうしたの京ちゃん…!?まるでこの世の終わりのような顔をしているけど」

京太郎「ああ……咲か…?俺ってそんなに疲れているように見えるか…?」

和「見れば分かります、どうしたんですか須賀君…体調でも悪いんですか?」

京太郎「いんや……ただ眠れてないだけだぜ」

優希「寝不足か京太郎!仕方ない、お前のご主人様であるこの私が特別に膝枕をしてやろう!感謝するがよい!」

京太郎「い ら ね ー !お前が膝枕をしても眠れる訳ねーだろ!」

優希「なにおうっ!この優希様の膝枕を拒むとはふざけた犬だじょ!」

京太郎「誰が犬だ全く!」

京太郎「ただいま………」

智紀「…お帰りなさい」

京太郎「…………おやつ置いておきますね」

智紀「……………コク」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「はい、ご飯」

智紀「……………ありがとう」

京太郎「どういたしまして」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「お風呂は自分で沸かしてくださいね、ガス代が無駄になりますから」

智紀「……………コク」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

京太郎「俺、あっちの部屋で眠るんで電気は自分で消してくださいね…お休み」

智紀「お休みなさ……」


バタンッ

智紀「…………………」

京太郎「ちょっと雑に扱い過ぎたかな……?でも、ああでもしなければ帰らないだろうし…」

京太郎「それに、智紀さんが俺の家に来たのは…パソコンをやるのが目的だろうしな…」

京太郎「よくよく考えてみれば、智紀さんほどの美人が俺の家にいきなり行きたいだなんておかしな話だし……」

京太郎「結局は、俺は智紀さんに利用されていたに過ぎないんだな…」

京太郎「……やっぱり俺って騙されやすい人間なんだな……人間不信になりそう」


コンコンコン…

智紀「京太郎……起きてる?」

京太郎「なんだ今さら……まあ、智紀さんの事だ…どうせまた騙しに来たんだろう。シャクだから一つ嫌味でも言ってやるかな」


ガチャ…

京太郎「どうしました智紀さん?パソコンの方に戻らなくても大丈夫ですか?」

智紀「……パソコンなら電源を切っておいた…」

京太郎「そうですか、なら寝たらどうでしょう?休憩はしっかりとらないとね」

智紀「もう京太郎のパソコンには触らない…」

京太郎「ふーん、新しいパソコンでも見つかったんですか…良かったですね」

智紀「………………」

京太郎「すいませんが、他に用がないなら出てってもらえませんか?俺だって学校があるんですから……」

智紀「………………」

京太郎「ちょっと智紀さん、人の話を聞いてますか?いい加減にし……て……」

智紀「………………」ポロ…ポロ……

京太郎(智紀が…泣い……てる?)

智紀「ごめんなさい京太郎……」ポロポロ

京太郎「あ…いや……俺の方こそ…」

京太郎(いや、もしかしてこれも演技なのかもしれない…騙されるな京太郎!)

京太郎「謝ってすむなら警察はいらないでしょう智紀さん?口だけの謝罪なんて俺には信じられませんよ……」

智紀「……………」

京太郎「まあ、智紀さんにはパソコンがあるんだから早くそっちの方に戻ったら…」

智紀「京太郎………」


ギュウッ…

京太郎「な……!?智紀さん何を……!」

智紀「どうすれば…京太郎は私の事を許してくれる…?」

智紀「私……京太郎が許してくれるならどんな事でもする……」

京太郎「…どんな事でもって……何を言っているんですか?すいませんけど、俺はそういうつもりは…」

智紀「じゃあ、どうしたらいいの?京太郎はどうしたら私を信じてくれる?」

京太郎「智紀さん……」

智紀「私は言葉で人に気持ちを伝えるのが苦手……でも、京太郎には心の底から感謝をしている…それだけは信じて欲しい」

京太郎「…………」

智紀「じゃあ……私はもう京太郎の家からサヨナラさせてもらう…」

京太郎「待ってください智紀さん」

智紀「京太郎……?」

京太郎「よく分かりましたよ智紀さんの気持ちが……だから俺は智紀さんを信じます」

智紀「本当に…?本当に私の事を信じてくれる?」

京太郎「もちろんですとも!それに智紀さんが望むなら、この家にずっといても構いませんから!」

智紀「ありがとう京太郎……」


ギュウッ

京太郎「はははは…照れますね……」

智紀「……………ニヤリ」



【数日後】


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ

智紀「京太郎…そろそろマウスを新品のにした方がいいと思う」

京太郎「あっ、はい明日買いに行ってきます!」

智紀「後、お腹空いた…」

京太郎「はーい!ご飯を作ってきますから待っててください!」タッタッタッ……

智紀「……須賀京太郎は使える子…これからも私の役に立ってもらう……一生ね………クスクスクス」


カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ



第2話「四角い画面で待ってるよ!」