京太郎「っし、チョコも買い込んだし、明日配るチョコを作りますかねーっと」フンフンフーン


ピンポーン!


京太郎「んがぐぐ! ……出鼻をくじかれた上、こんな時間に誰だ? しかも雪降ってるんだけど」

京太郎「はいはーい、今行きますよー、っと」パタパタ、ガチャ


宥「ここここここここ、こん、ここんばんんんはははは、きょきょきょきょきょうくん」カタカタカタカタカタ


京太郎「ゆ、宥さん!? なんか大阪の末原さんみたいに震えて!? と、とにかく上がってください! お茶いれますから!」

宥「う、うぅぅぅぅぅん、ご、ごごご、ごめんね」カタカタカタカタカタ




それからどうした!?


宥「あったかーい」ホワワン

京太郎「そりゃ何よりです。でも、どうしたんですか、こんな時間に?」

宥「え、えっと、それはその、あ、明日はバレンタインだよね?」

京太郎「はあ、俺も今から麻雀部の皆にあげるためのヤツ作るつもりでしたけど……」

宥「うん、京くんならそうすると思うし、皆も京くんにチョコを上げると思って……
   でも、その、私は京くんとお付き合いさせて貰ってるから一番に渡したくて///」

京太郎「それでわざわざ雪の中を!? そりゃ、嬉しいですけど……」

宥「や、やっぱり迷惑だったかな」シュン

京太郎「とんでもない! けど、宥さんは寒いの苦手なんだから、無理しないでくださいよ」

宥「う、うん、今度は京くんに連絡してからにする。あっためて貰いたいから///」

京太郎(なんや、この可愛い生き物)

宥「じゃあ、いま作るからお台所借りるね?」ガサゴソ

京太郎(作ってなかったんかーい! だが許す、これ断るとかありえんだろ)

日を跨いで午前0時


宥「はい、はじめて作ったから時間かかっちゃったけど」

京太郎「おー、ホットチョコレートですか。これなら確かにすぐ渡すしかないですね。それに宥さんらしいです」

宥「ふふ、どうぞ召し上がれ」

京太郎「いただきまーす!」コクッ

宥「……っ! ど、どうかな?」ドキドキ

京太郎「チョコレートの中に仄かに混じるミルクとココアパウダーの風味、
       濃い味わいにも関わらずさっと引いていく後味。う、うますぎる……!」

宥「……やた」グッ

京太郎(俺が美味いっていたら、小さくガッツポーズしてますよ。式場の予約しなきゃ、結婚しよ)

京太郎「ふー、甘露甘露。大変おいしゅうございました」

宥「お粗末さまでした」ニコニコ

京太郎「本当にありがとうございます。じゃあ、もう夜も遅いから送っていきますよ」スクッ

宥「…………」

京太郎「宥さん?」

宥「あ、あの、お外、雪降ってるよね?」

京太郎「ええ、吹雪いてはいませんけど、明日は積もるんじゃないですかね?」

宥「だ、だよね、だよね。だから、そのぉ、えっと……か、帰りたくない、なぁ、なんて」

京太郎「そ、それはマズいんじゃ……?」

宥「だ、大丈夫、家族には友達のところでお泊りしてくるって言ってきたから」

京太郎「え? それって……」

宥「……ダメ、かな?」モジモジ

京太郎(ヤメロォォォ! 人差し指モジモジさせながら上目遣いでコッチ見んなぁぁぁ! 
       彼女にするぞぉぉぉ! …………あ、彼女だったわ)

京太郎「…………分かりました。今日は泊まってってください」

宥「ほ、ほんと? やった///」ドキドキ

京太郎「ただし、えっちぃのはナシの方向で」

宥「…………………………京くんのヘタレ」

京太郎「どーぞお好きなように呼んでくれて結構です」

宥「……」ムプー

京太郎「宥さんは身体が弱いんだから、心配なんですよ。こんな寒い日なんかは特に」

宥「…………分かった」プクー

京太郎「はいはい。じゃあ、風呂でも入ってきて、身体を芯まで暖めてきてください。もう沸いてますから」

宥「はぁい。…………あ、私の身体を心配してくれるなら、一緒のお布団で寝てくれる、よね?」

京太郎「いや、それはその」

宥「私、一人で寝たら凍えちゃうかも……」カタカタ

京太郎「わ、分かりました分かりました。でも、手は出しませんからね」

宥「うん! あったかーくしてね?」

京太郎(朝まで、理性持つかなぁ……?)

宥(…………ふぅ)ガララ

宥(なんとか、怪しまれずにチョコ作りから気を逸らせたかな?)

宥(バレンタインデーはそういうイベントだから、みんなが京くんにチョコを渡すのはいいけど、
   京くんがみんなにチョコを渡すのはあったかくなかったから、こんな方法を使っちゃった)

宥(うぅ、嫌な子だなぁ。……でも、私は京くんの彼女さんだから、これくらいならみんなも許してくれるよね?)

宥(ごめんね、みんな。今日だけは京くんのあったかいの、一人占めにさせてね)


カンッ!