部活も終わり皆帰った中、咲と京太郎は残っていた。
「それで話って何だ?」
「京ちゃんって優希ちゃんと付き合ってるの?」
「なっ、なんでそれを……?」
「私……部室で二人がしてるとこ見ちゃったんだ」
「そうか……ごめんな変なこと見せちゃって」
「……うん」
「その、皆には内緒にしといてくれないか」
「なんで優希ちゃんなの?」
 咲の答えは、京太郎の答えになっていない。
 しかしそれを咎める事は今の京太郎には出来なかった。
「なんでって……それは、色々あったんだよ」
「色々って何? ねえ、何があったの教えてよ?」
「それは……」
 口篭り、言いにくそうにする京太郎。
 そんな京太郎を見て咲は悟った。
「そっか。言えないような事なんだね。きっと優希ちゃんが京ちゃんに何かしたんだね」
「さ、さき……?」
「イイよ! 何も言わなくて。私が自由にしてあげるるからね」
「おい、咲!」
「あははははははははははははははははははははははは」
 狂ったように笑いながらその場を立ち去る咲。
 京太郎にはその背を見守るしか出来なかった。

 次の日、京太郎が部活に行くと優希が部活に来ていなかった。
 和に話を聞くと学校にさえ来ていないらしい。
 京太郎は、昨日の咲の様子から不安を抱かずにいられなかった。
「なあ、咲?」
「何、京ちゃん?」
 京太郎の呼びかけに笑顔で返す咲。
 その笑顔は昨日の取り乱しを感じさせない良い笑顔だった。
「えっ、そのー……なんでもない」
「ふふふ、変な京ちゃん」
(そうだよな。俺の気のせいだよな。
 昨日の咲は、調子が悪そうだったし、俺が変な所を見せてしまったから動揺してたんだろうな)
 そう思いなおす京太郎。
 そしてそんな京太郎を見て安心したかのように、咲は京太郎に笑顔で話しかけてきた。
「京ちゃんこれあげるよ」
「タコス?」
「うん。昨日優希ちゃんから貰ったんだ」
「あれ? これいつもとソースが違うのか?」
「ああちょっと血がついちゃってたかもごめんね」
「えっ……」
 何故だろうかタコスは血の色がしていた。
 もしかして自分はとんでもない間違いをしたのではないだろうか。
 しかし何を思ったところでもう時間は戻らない。
 今の京太郎に出来るのは自分の選択を後悔をすることだけであった。

 BADEND『血の色のタコス』

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