咲「はぁ……」

京「どうした咲、ため息なんかついて。お前らしくもない」

咲「ううん、別に何でもないよ。ただ最近、ちょっと忙しくてね」

京「全国出場が決まってから、練習も一段と厳しくなってるしな。俺には到底ついていけないよ」

咲「そんな事ないよ。京ちゃんだって力はついてるし、それに」

京「いいんだって、咲。今の俺には"雑用係"が分相応だよ」

咲「……」

京「おっ、噂をすればなんとやら、だ。それじゃあ俺はちょっと買い出しに行ってくるわ」

咲「あっ、じゃあ私も一緒に」

京「いいって。俺の手伝いなんてしてる暇があるんだったら、その分部室で練習しとけよ。部長たちもそうしてほしいって思ってるぜ」

咲「京ちゃん……」

京「そんな顔するなよ。俺もさっさと買い物終わらせて、なるべく早く部室に顔出すからさ」

咲「……わかった」

京「よし、じゃあまた後でな、咲」

咲「うん。また後でね」


…………
………
……


咲「失礼しま~す」

久「あら咲、遅かったわね。もうみんな練習始めてるわよ」

咲「す、すいません」

和「あれ、そういえば須賀くんは?」

咲「えっと、京ちゃんは」

久「あぁ、須賀くんならさっき買い出しに行ってもらったわ。こっちは練習が忙しくて中々時間が取れないから」

和「そうだったんですか」

久「えぇ。でも本当に助かるわ。須賀くんには、全国大会が始まってからも、仕事をいっぱい頼むことになるだろうから」

咲「……」

咲「あの、部長」

久「ん、何、咲?」

咲「京ちゃんのことなんですけど、最近、ちょっと雑用をさせすぎてませんか?」

久「う~ん、確かにね。でも、私たちも全国に向けて今まで以上に練習しないといけないわけだから、須賀くんに負担がいくのも仕方ないことだと思うわ」

咲「でも、このままだと京ちゃん、全国大会が終わるまで、ほとんど麻雀ができないじゃないですか」

久「今はネット麻雀だってあるし、その気になればいくらでも練習はできるわ」

咲「それはそうですけど、私が言いたいのは――」

久「咲」

咲「……はい」

久「あなたの言いたいことはわかるわ。でも、こればっかりはしょうがないの。須賀くんには、私も申し訳ないとは思ってる」

咲「……」

久「全国大会が終わったら、須賀くんにもきちんと稽古をつける。約束するわ。だから、ね、咲」

咲「……わかりました」

咲「……」

和「あ、あの、咲さん。ちょっといいですか?」

咲「和ちゃん。うん、どうしたの?」

和「今日の咲さん、ちょっと変ですよ」

咲「えっ、そ、そうかな」

和「絶対変ですよ。部長にあんなに意見する咲さん、私、初めて見ましたから。……何かあったんですか」

咲「何かって、別に何も」

和「そうとは思えません」

咲「……」

和「……須賀くんと、何かあったんですか?」

咲「へっ?」

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