京太郎「じゃあ。俺は夕飯の買い物に行ってくるから」

咲「あ、私も行くよ」

京太郎「なに言ってんだよ。ダメに決まってるだろ」

咲「今日は調子がいいの。それに適度な運動は子供の発育にも良いんだよ?」

京太郎「でも、もし事故にでもあったら……」

咲「ちゃんと歩道を歩くよ」

京太郎「咲はどんくさいから転んだり、誰かとぶつかるとか、もしかしたら引ったくりに突き飛ばされたりとか……」

咲「もう! 京ちゃんは心配し過ぎ」

京太郎「け、けどな……」

咲「ちゃんと周りに気を付けながら歩くから大丈夫だよ、ね?」

京太郎「…………わかった」

京太郎「よし。それじゃ帰るか」

咲「うん。あ、半分持つよ」

京太郎「冗談はよせよ」

咲「もーまたそうやって……袋の取っ手をこう、半分ずつなら良いでしょ?」

京太郎「わかったよ」

スタスタ

京太郎「結構買っちまったな」

咲「そうだね。けどこの納豆は買い過ぎだと思う」

京太郎「なんだと? 納豆に含まれるビタミンKは胎児に……」ブツブツ

咲「あーはいはい、わかったから。子供が出来てからすっかり京ちゃんは過保護になっちゃって」

京太郎「……」

咲「どうかした?」

京太郎「本当なら俺が代わったやりたいくらいだけど、俺は男だしただ咲と子供の心配をするしか出来ないから」

咲「女性はお腹を痛めて、男性は心を痛めるって言うよね」

咲「京ちゃんが一生懸命気遣ってくれること、すごく嬉しいよ? でも、それじゃあ京ちゃんが参っちゃうよ」

京太郎「けど、咲は世界で一番大切な……」

咲「うん。だから、もう少しだけ肩の力を抜いても良いと思う」

京太郎「そうかな……」

咲「そうだよ」

京太郎「ここに、俺たちの子供がいるんだよな……」ナデ

咲「きゃ!? ち、ちょっと京ちゃん外でそういうことはしないで」

京太郎「お、おう。すまん」

咲「もう、もっとしっかりしてよね。京ちゃんはもうすぐパパになるんだから」

京太郎「そうだな。ごめんなママ」

咲「ふふ」

京太郎「ははは」

咲「帰ろっか」

京太郎「ああ」


カン!