京太郎「よぅ、あけおめ」

泉「おめでとうございます……どのくらい待ちました?」

京太郎「待ってねえよ、今来たところだ」

京太郎「手が冷たそうだけど、手袋は?」

泉「急いでいて……忘れました」

京太郎「ったく、仕方ないな、ほれ」

泉「……手、繋いでええんですか?」

京太郎「大掃除のときも繋いだろ、今頃何言ってんだ?」

泉「そらそうですけど、まだ抵抗があるというか……」

京太郎「……ほい」ギュッ

泉「…………」カァァ

京太郎「片手しか温められないのが難点だよな、これ」

京太郎「清澄の宮永咲が幼馴染だって話したの覚えてるだろ?」

京太郎「あいつも冬の日は手が冷たさそうになってたから、こうやって温めたんだよ」

京太郎「……お、あとちょっとだ」

泉「……はい」

泉(……今の)

泉(京太郎は、私のこと幼馴染と同じようにしか思ってへんってことなんかな)

泉(やっぱし、清水谷先輩か園城寺先輩のが好きなんかな)

泉(……私なんて眼中におらんのやろか)

京太郎「泉、着いたぞ、どうする?」

泉「最初はお参りして、その次おみくじ引きましょか」

京太郎「おう、そうだな」

京太郎「泉は神様に何てお願いするんだ?」

泉「秘密です」

京太郎「なら俺も秘密ー」

泉「何ですか、教えてください」

京太郎「お?聞いちゃう?聞いちゃうんだ俺のお願い」

泉「うっざ、やっぱええですわ」

京太郎「えー何だよー聞いてよー」

泉「京太郎は何お願いしはるんですか?」

京太郎「もっと麻雀が上手くなるようにってな!」

泉「……案外普通ですね」

京太郎「俺も言って思った!」

京太郎「で、泉は何お願いするんだよー」

泉「秘密て言うたやないですか」

京太郎「えーばらしてくれてもいいじゃん」

泉「ダメなものはダメです」

泉(……言えるわけ、無いですやん)

泉(京太郎が私の方を向いてくれますように、なんて)

泉(この胸の痛みが治まりますように、なんて)

泉(言えへんやん、そんなん)