※京ちゃんスレ

『ゲェッヘッヘッ!はつみ社長!貴様をボンビラス星に招待してやろう!』

初美「……………………………クソが」

霞「……」

春「……」ポリポリ

小蒔「あ、あのねはっちゃん。遊びだし、あんまり本気にならないで……」

初美「……」ギロッ

小蒔「っ!」ビクッ

初美「余裕ですねー姫様は。トップ独走ですもんね。運で。吸い寄せられるように目的地に行きますもんね」

小蒔「そんなこと……」

初美「自分から誘った『遊び』に女神を降ろしてまで勝とうとするなんて、恥ずかしくないんですか?」

霞「初美ちゃん」

小蒔「私、寝てないです……」グスッ

初美「……」チッ

小蒔(どうしてこんなことになっちゃったんだろう……)

~~少し前

霞「負けてしまったわ……みんな、小蒔ちゃん、ごめんなさい」

初美「しょうがないですよー、私も点取れませんでしたし」

小蒔「そうだよ霞ちゃん。みんな頑張ったよ」

春「……」コク

巴「それじゃあ、私はそろそろお暇しますね」

小蒔「巴ちゃん……ホントに個人戦出ないで先に帰っちゃうの?」

巴「ええ。祖母上との約束ですから」

小蒔「そうですか」シュン

巴「落ち込まないで下さい、姫。離れていても私たちは繋がっているーーそうですよね?」ニコッ

小蒔「……はい!」

巴「それじゃあ皆さん、姫のことよろしくお願いしますね」

春「了解」ポリポリ

霞「任せて~」

初美「姫様はばっちり警護しますよー」

巴「相変わらず微妙に頼りないなぁ……まぁいいですけど。それじゃ、先に鹿児島で待ってますから!頑張って下さいね!」バタン

春「……」ポリポリ

霞「巴ちゃんも頑張ってくれたわね~」

小蒔「はい。2回戦落ちになっちゃったけど、私皆と一緒に戦えて楽しかったです」

初美「うぅ~姫様は優しいですねー」

霞「それにしても、これから個人戦まで少し空いてしまいましたね」

春「……暇」

小蒔「任せて下さい、私いい物持ってきてるんですよ。えーと……」ゴソゴソ

小蒔「あった!ほら、『桃太郎電鉄15』!友達にみんなで出来るからって貸してもらったんです」

初美「微妙に古いですねー」

霞「ホントね、PS2も分厚いわ」

春「タオルに包んである理由は?」

小蒔「……バレたらまずいかなって」テヘ

初美「修学旅行じゃないんですから」

小蒔「いいから!やりましょうっ」

初美「三色コードは私が挿しますよー」

霞「楽しくなりそうねぇ」

春「……」コク

小蒔(これでみんな少しでも笑顔になってくれれば……)

初美「何年設定にしますー?」

霞「とりあえず99年でいいんじゃないかしら?」

小蒔「うん!長いほうがきっと楽しいよ!」

春「じゃ、ゲームスタート」


~~現在

小蒔「……」ポチッ

『こまき社長、連続ゴールイン!プラチナカードを差し上げます!』

小蒔「あっ」

霞「……」

春「これで9回連続……」

初美「……」イライライライライライライラ

小蒔(あんまりワンサイドゲームにしても、みんな面白くないだろうし……)

小蒔「え、えっとじゃあ何も買わないで……っと」ポチッ

初美「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」ギリッ

小蒔「!?」ビクッ

霞「……小蒔ちゃん」

小蒔「な、なに?」

春「私たちを、バカにしてる?」

小蒔「違います!私はただ一方的にならないようにーー」

初美「それが……っだって言うんですか」

小蒔「え?」

初美「それが……馬鹿にしてないで、なんだって言うんですか……!」ポロポロ

小蒔「!?」

初美「遊びって言っておいて、女神降ろして勝って……それが姫のやりかた、なんですね……!」

小蒔「違うんです……私、そんなつもりじゃ」グスッ

初美「……良いですよー。私は来年は姫のお守しなくて済みますから。このくらいの恥辱受け入れます。どうぞ存分に嬲ってください」

小蒔「はっちゃん!私っ、違うのっ、違うの!」

初美「同じセリフを何度も何度も……」イライライライライライライライラ

初美「ああそうか、分かりました。寝てるんですね?」

小蒔「……え?」

初美「起きてれば普通の頑張り屋さんですもんね……起こさなきゃ。姫ー?起きてくださーい」バシッ

小蒔「痛っ!」

初美「寝言ですかー?寝相悪いですよー姫ー」バシッバシッ

小蒔「やっ、やめて、顔はやめてください!」

初美「大丈夫ですよー、ビンタですから腫れるだけです。私もよく祖母上に理不尽にやられましたよー。小さい頃から散々……あなたを、守る、ために……ってね!」バシッバシッバシッバシッ

小蒔「起きてるぅ!私起きてるからぁ!もうやめてぇ!」

初美「まだ寝言ですかー。重症ですねー」バシンッ

小蒔「おねが、っ痛……お願いはっちゃん、謝るから許して……」

初美「あだ名で呼ばないでもらえますかー?私、あなたの先輩ですよー。『小蒔さん』」ギロッ

小蒔「ぅ……」

霞「初美ちゃん、そこまで。……小蒔ちゃん、一旦席を外しなさい」

初美「……霞さんは大人ですねー」スッ

小蒔「う、うぅぅ……」フラッ

春「……戻ってこなかったら、許さないから。まだ、ゲーム終わってないから」ポリポリ

小蒔「っ!」ビクッ

霞「…………早く行った方がいいですよ、姫」

小蒔「か、霞ちゃ」

霞「早く行きなさい!」

小蒔「……っ!」ダッ


ーー廊下

小蒔(なんで、なんでこんなことに……)グスッ

小蒔(私はただ、皆に笑顔になってほしくて……遊びたかっただけなのに……)

小蒔(このまま帰ってもまた同じ事の繰り返し……皆が、バラバラになっちゃう)

小蒔(どうすればいいの……?誰か、助けてよぉ)ポロポロ

小蒔(私だって霧島の姫になんて生まれたくなかったのに……普通の女の子になりたかったのに)フラフラ



和「宮永さん、あれって」

咲「えーと、鹿児島の……神代さん?」

小蒔「は、はいっ!?」ビクッ

和「どうしたんですか?目が赤いですよ」

小蒔「これは、その、何でも無いんです」グシグシ

咲「……嘘、ですよね?」

小蒔「っ……」

咲「私達でよければ、お話……聞かせてもらえませんか?」

ーーホテル、清澄の部屋

小蒔「……という訳なんです。私が桃鉄なんて持ってこなければ……」グスッ

咲「……あー」

和「モモケツって私の双桃に宮永さんのケツを挟むプレイの事ですk」

咲「うん、その人達の気持ち、分かるなぁ……」

小蒔「やっぱり私が悪いんでしょうか……そうですよね、私が変な生まれだから、みんなが、バラバラに……」ポロポロ

咲「そんなことないですよ、神代さん」

小蒔「……え?」

咲「あのゲーム、上手に作ってありますから。皆熱くなっちゃうんですよ」

小蒔「で、でも私のせいで……もう大分差が付いちゃって、みんな怖い顔してて……」

和「宮永さん宮永さん、モモケツ15~五大孕村登場~プレイしませんか?ミサイルハラムラーはおっぱいミサイルで手助けしてくれるんですよ」

咲「ちょっと待ってくださいね……」ピリリリリッ


ピッ

咲「あっ、京ちゃん?今大丈夫?」

咲「えっとね、桃鉄絡みで困ってる人が居るんだけど。うん、鹿児島の神代さん」

咲「もうっ、どうしてそういう覚え方しか出来ないのかなぁ……その人だけど」ハァ

咲「フンッ、いーですよーだ。どうせ私は小さいですよーだ。慰めないでよ、気にしてなんかないってば」

咲「え?形が……って何言ってるの、もう」

咲「………………じゃなくて!神代さんを助けてあげてほしいの!」

咲「分かった?分かったらすぐ集合!泣いてる女の子待たせていいのは3分までだよ京ちゃん」

咲「無理でもやるの!京ちゃんしか出来ないんだから、早く来てね。それじゃ!」

ピッ

小蒔「あの……」

咲「大丈夫ですよ。とっても、とっても頼りになる助っ人呼びましたから。須賀京太郎って言うんですけど……とにかく、ここで待っててくださいね」

和「ブラックハラムラーは黒いマスを淫靡に吸い上げてピンクマスに変えてくれるんですよ」

咲「さ、行こう原村さん。私たちは練習しないと」ズリズリ

和「ハリケーンハラムラーは衣服が風でバラバラにされているので、常に全裸なんです」

小蒔(助っ人……?)

和「ギーガハラムラーは不定形ですべての女の子を吸収してしまうんです」

咲「それじゃあ、頑張って下さいね」

和「キングハラムラーは妊娠確率100%のハラムラス星に連れて行ってくれr」

バタン・・・


小蒔「……」ポツン

小蒔「大丈夫なのかな……」

小蒔(あんな状況をどうにか出来る人なんて……)

ガチャッ

京太郎「あのー」

小蒔(お、男の人っ!?)

京太郎「こ、こんにちは」

小蒔「こっここここんにちは、いい天気ですね」ジリジリ

京太郎「いや後ずさりしないでくださいよ。襲ったりしませんって」

小蒔「あなたが……京太郎さんですか?」

京太郎「はい。清澄の1年、須賀京太郎って言います」

小蒔「桃鉄、得意でいらっしゃるんですか?」

京太郎「得意っつーか、なんというか……俺もよく事情が呑み込めてないんですけど」

京太郎「要は桃鉄勝負にマジになり過ぎちゃって友達関係がヤバいってことですよね?」

小蒔「はい、そうなんです……あんなに仲良しだったのに、私、もうどうしたらいいか……」ポロポロ

京太郎「大丈夫!大丈夫ですから泣かないで下さい!」オロオロ

小蒔「……お願いします」グスッ

京太郎(まずい事になったなぁ……)



ーー廊下

和「……宮永さん、大丈夫なんですか?須賀君なんかに任せて」

咲「大丈夫だよ。京ちゃんは強いから」

和「でも……」

咲「まぁ、普段ちょっと頼りないから気持ちは分かるけどね」

和「もしかして、宮永さんも昔?」

咲「まぁ、ね」

咲(まだ京ちゃんの事よく知らなかったからなぁ、あの頃は)


~~中学生時代

咲「ぐすっ、えっ、もう゛やだぁ……きんぐぼんびーやだぁ……ぼんびらす星やだぁ……」ポロポロ

母「京太郎ー!あんたまた咲ちゃん泣かせたの!?」

京太郎「咲が勝手に泣いたんだよ!たかが遊びだろ?……分かったよ、じゃあ今ゲットしたカード捨てるからさ。ボンビーもなすりつけていいよ」

咲「だめ゛!」

京太郎「うおっ!?急に大声出すなよ」

咲「ぼんびらす星は、嫌だけど……手加減されるのはもっと嫌なの゛!」

京太郎「そ、そうなんか?その割にはお前家族麻雀で結構手加減してるって自分で言ってたじゃねえか」

咲「麻雀は別なのっ!それにさっさのは独り言だから……京ちゃんはちゃんと、全力でやって!」グシッ

京太郎「……分かったよ」

~~それからしばらく

京太郎(特急でゴールに近づいてるように見せて咲の隣について……っと)

咲「これ、特急で……あっ!」カチカチ

『いただきますカード!すが社長のリニアカードを頂きますぞ!』

京太郎「ふーん……でもいいのか?俺新幹線も持ってるから、後1~2ターンで目的地に着いちまうぞ?せっかくここまで来たのに」

咲「いいもん!ビリにならなければ貧乏神はつかないもん。それより今は進行形のカード集めておくのが大事なのっ!」

京太郎「……そっか。頑張れよ」フッ

咲「勝負はこれからだよ京ちゃん。寝首を掻き切っちゃうんだから!」

京太郎「おう、かかってこいっ!」



~~現在

咲(あれ、やっぱり手加減されてたんだよね……うぅ、今思い出しても恥ずかしいよ)カァァ

和(宮永さんが……妄想で濡らしている!?)

和「宮永さん!私というものがありながら!いえむしろ私で妄想してるんですよね!?そうだと言ってください!」

咲「えっ!?わっ、私は普通だよ?」アセアセ

和「初めてのゴムなしで一発必中しちゃった事を知ってしまった若い女の如き限りなく不自然な切り返しは止めてください!」ムキーッ

咲「たとえが長い上に分かりにくいよ……」

咲(ま、京ちゃんなら大丈夫だよね……多分)


ーーホテル・永水の部屋

小蒔「ここです……」

ガチャッ

初美「」ギロッ

小蒔「ひっ」ビクッ

京太郎(えっなんかすっごい睨まれてる、ていうか部屋の電気くらいつけようよ)

春「」ジーッ



霞「……姫?そちらの方は?」

京太郎(当たり前だけど怪しまれてる!)

小蒔「えっ……と、助っ人、さん、です。強いと、思います」

初美「へぇ、今度は助っ人ですか」ボソッ

春「……良いんじゃない?別に」

小蒔「う……」

霞「そうね……誰だって良いわ。続けさせてくれるんなら」

京太郎(空気最悪じゃないですか!やだー!)

小蒔「あの……京太郎さん」

京太郎「はいっ!?」ビクッ

小蒔「どうか、宜しくお願い致します……」スッ

京太郎「土下座とかそういうのはいいですからホント!頭上げてください!あなた多分偉い人ですよね!?」

初美「……少なくとも、お前よりは随分と格上ですよー」ギロッ

京太郎「ほら俺睨まれてる睨まれてる!穴が開くほど睨まれてますって!」

小蒔「どうか……どうか……」ポロポロ

霞「姫を泣かせるなんて……」

京太郎(泣かせた直接の原因はアンタらだろうがっ!)

春「……」ジーッ

京太郎「お願いだから頭上げてください!桃鉄する前に殺されます俺!ちびりそう!」ブワッ

小蒔「あなたに頑張って頂けないと、私、私……」

京太郎「誠心誠意努力しますから!後ろで見ててください!」

小蒔「は、はい……」メソメソ

初美「じゃあ、続けますよー。……カードマスですか」

京太郎(さて、所持金とカードは……ワーオ、こりゃ負けようがねぇわ。あかオニでも勝てるんじゃねぇの)カチカチ

京太郎(どうすっかねぇ……)



霞「……」カチカチ

春「……」カチカチ

京太郎(にしても、この人達……残り25マスでぶっとび使うし、ワクチンも打たないし)

京太郎(何より進行形カードをストックしていない……素人か。それならなんとか)

京太郎「じゃあ俺は、っと……新幹線あんのか」カチカチ

京太郎(とりあえず進行形は使い切るように合わせておくか……んで、小さい子の電車の隣の物件駅に付くように)ピピピピッ

初美「おーおー余裕ですねー。ゴールも目指さずにくるくる回って高額物件狙いですか」チッ

小蒔「っ……」ビクッ

京太郎「ここはいい物件多いんで。なんとしてでも取っておきたかったんですよ」

春「……へぇ」チッ

京太郎(容赦なく舌打ちっすか。プレッシャーがヤバイなぁ……)

初美「……?」

京太郎(お、気づき始めたかな?)

初美「あれ、これって」

春「どうしたの?」ポリポリ

初美「……なんでもないです」

京太郎(よーし良いぞ……気づけっ!)

『はつみ社長は特急カードを使った!』

初美「これで、こう……」カチカチ

春「あ、ボンビー移った」

京太郎「へっ、俺は首位だぞ?すぐに移し替えしてやるよ」

霞(あら?でも、たしかあの方は今サイコロを増やすカードが無いはず)

春(近くにカード売り場もない)

初美(それに対して私は後1枚特急カードがある!逃げ切れます!)

初美「ふ、うふふっ」クスクス

小蒔(はつみちゃんが凄くきもちわるい笑い方をしてる!)

京太郎「どうした?いやに元気だな」

初美「いえ、なんでもないですよー。せいぜい尻を追っかけてくればいいです、絶対触らせてあげませんけど」クスクス

京太郎「なんだと?」

京太郎(よし……!)

霞(なるほど……ああすればいいんですね)カチカチ

『特急カードを買った!特急カードを買った!特急(ry』

春(今回の目的地はハワイ……懸賞金は二倍だけど、一本道だから帰りの事を考えて)ピピピッ

『ぶっとびカードを買った!特急カードを買った!特(ry』

京太郎「神代さん、みんな急にカード売り場に行き始めましたね」

小蒔「えっ!?あ、はい、そうですね……どうしてだろ」

京太郎(それでいいんだよ、それで)

『おや?貧乏神の様子が……』

京太郎「うおっ!?」

初美「いけ!いけ!キングキングキング!」

霞(キングキングキングキングキングキングキング)

春「キングキングキングキングキングキングキングキングキング……」ブツブツ

京太郎「一斉に呪詛ですか!?」

『ハリケーン・ボンビー!』

初美「えー、ハリケーンですかー?」

春「……微妙」

京太郎(いやー、最高だろ)

『ドッドド!ドドード! ドドード! ドドー!』

『10億円の物件が飛ばされた!こまき社長の独占はくずれた!』

京太郎「ぐえっ!?さっき買ったところが!」

初美「ぷっ……随分高いところ行きましたね……そっか、高額物件ばっかり買ってたからキングよりこっちのほうが効くんですね」クスクス

/『5億円の物件が飛ばされた!こまき社長の独占はくずれた!』

京太郎「えぇ!?」

霞「あらあらまあまあ」ニコニコ

『10億円の物件が飛ばされた!(ry』

春「ざまぁ」ポリポリ

『飛ばされた!飛ばされた!飛ばされた!・・・こまき社長は合計100億円分の物件を飛ばされた!』

京太郎「……」チーン

初美「あっはははははははははははははははははははは!ばっかですねー!100億円ですってよ!一気に10個くらい独占消えましたよ!決算の折れ線グラフが楽しみです!」

初美「あははははははははははははははははは!ひーっ、ひーっ、わ、笑い過ぎて腹筋が、いたい……だって、だって一気に百億って……!ねぇ姫!」バンバン

小蒔「そ、そうですね!あはははは!」

霞「神の裁きですね」ニッコリ

京太郎「くそっ押しつけてやる!」

春「……で、君のサイコロ増やす系今何枚?」ニヤニヤ

初美「さっき新幹線を使ったのがまるっきり裏目になりましたね!あははははははははははは!私は優雅に特急で逃げさせてもらいます!」

霞「右に同じで。進行形は買いだめしておくべきですね……」

春「同じー」ポリポリ

京太郎「こんの野郎共……!」

初美「次のターンも竜巻の中で悶え苦しむがいいですよー!あははははは!」

京太郎(これでいいんだ、これで……)

小蒔(凄い、皆気づいてない……後ろから見たらとっても露骨に手を抜かれてるのに)

小蒔(もう償いの言葉さえ見つかりません……京太郎さん、ごめんなさい……ありがとうございます)ウルッ

京太郎「まだ桃鉄は序盤だぜ……勝負はこれからだ!」

初美「負けませんよー!」

霞「はい、祖母上様。今それを使います……」

春「……負けない」
















???「チッ……邪魔ガ入ッタ」


~~5時間後

京太郎「よーし、ちょっと休憩しましょう。疲れた」

春「ねぇ」

京太郎「はい?」

春「桃鉄やってる時と普通の時、口調変わるの?」

京太郎「あぁ、すみません。癖みたいなものなんですよ。勝負ごとになると熱くなっちゃって」

小蒔「うーん……」ウツラウツラ

初美「姫様も眠っちゃってるみたいですし、休みますか」

霞「あら大変。ベットに寝かせてあげないといけないわね」

小蒔「はっ!?だっ、大丈夫です!寝てません!寝てませんからぁ!」ビクッ

春「……どうしたの?」

初美「あ……」

小蒔「寝てませんからぁ……叩かないで……」フルフル

初美「姫様……」スッ

小蒔「薄墨、先輩?もう叩かないんですか?」

初美「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ……!さっきはどこかおかしくなってしまって、苛々が止まらなくなって、姫様にあんなことを……何なりと罰は受けます!」ポロポロ

小蒔「罰など与えるつもりは無いです。ただ一つだけ……まだ、私の友達で居てくれますか?」

初美「姫様のご意志のままにっ……!」

小蒔「はっちゃん。私は……あなたの言葉が聴きたいです」

初美「私も……私も、出来るのなら、あなたと仲直りしたい、ですっ……!」ポロポロ

小蒔「私もはっちゃんと仲直りしたいです。じゃあ、これで仲直り。指切りげんまんですからね?」ニコッ

初美「はいっ……!」ギュッ

霞「でも、おかしいですね」

春「さっきのこと?」

霞「そうです。いくら苛々していても、初美が小蒔ちゃんに手をあげるなんて……そしてそれを私達が見逃すなんて」

春「……確かに」

小蒔「はっちゃん。あのゲーム、ちょっと調べてみてくれない?」

初美「了解です!…………………………………………っ!?」

霞「どうしたの?」

初美「ものすごく巧妙に隠れてますけど、とてつもなく大きいのが居ます!」

小蒔「本当!?………………………あっ!」

春「……だとしたら、プレイした私達ヤバくね?」ボソッ

霞「すぐ祓わないと大変なことになるわねぇ」

初美「でもこのクラスになると本殿に行かないと祓えませんよー」

小蒔「……個人戦、棄権しましょう。みんなの安全の方が大事です」

春「姫……」

霞「英断だと思います。祖母上様に連絡してきますね」

小蒔「あっ、でも報告しちゃったらゲーム持ってきたのバレちゃう」

初美「みんなの安全の方が大事。ですよねー?」

小蒔「……はい」ガクッ

京太郎「あのー、何か大変そうだし俺帰った方がいいっすか?」

小蒔「あっ京太郎さん!その、今回は本当に、本当にありがとうございましたっ!」ペコリンッ

京太郎「あ、いえそんな」

初美「……」ギロッ

京太郎(こっちは素で怒ってるんですね)

小蒔「つきましては、差支えなければ……ウチに招待させていただけないでしょうか?精一杯の歓待をさせていただきます!」

京太郎「……へ?」

霞「ちなみに、鹿児島にある神社の本殿が小蒔ちゃんの家ですよ」ガラッ

京太郎「か、鹿児島っていくらなんでも」

小蒔「……来て、いただけませんか?」ウルウル

京太郎「う……一応、聞いてはみますけど」ピリリリリッ

ピッ

京太郎「あ、部長ですか?かくかくしかじかうまうままるまるで……え、良いんですか!?」

京太郎「居ても役に立たないって……俺でも傷つくことあるんですよ?」

京太郎「え?原村さんがウキウキ?俺泣くよ?泣いちゃうよ?」

京太郎「まぁ、分かりました……それじゃ」

ピッ


小蒔「来ていただけますか!?」バッ

京太郎「ま、まだ親!親に聞いてませんから!」ピリリリリッ

初美「姫様、こうなると止まりませんよね」コソコソ

霞「変なところで頑固だものねぇ」コソコソ

春「あの少年が選択肢など無いことに気づくのはいつだろうか」ポリポリ



ピッ

京太郎「あ、母さん?かくかく……いや早いよ。まだ事情全部説明しきってねえよ」

京太郎「帰って来なくていいってなんですか。仮にもアンタの息子ですよ俺」

京太郎「冗談はいいから。実際どうなん?」

京太郎「え?旅行?俺抜きで?……いや確かに親と旅行する歳かって言われたら違うけども」

京太郎「秘密で行って事後承諾取るつもりだったんですか、そうですか。分かった分かった。じゃあ俺も遠慮なく鹿児島に招待してもらうわ。それじゃ」

ピッ



小蒔「来ていただけるんですね!?」キラキラ

京太郎「……はい」

初美「おお、折れましたよ」

霞「姫のパワーは凄いものねぇ」

京太郎(どうしてこうなった……)



ーー清澄の部屋

咲「えぇ!?京ちゃん鹿児島に行っちゃうんですか!?」

久「そ。まぁ向こうから誘われたんなら断るのも無粋だろうしね」

咲「無粋っていうか、京ちゃん……」

和「大丈夫です宮永さん。私がついてます」

咲「和ちゃん」

和「最近はIPS細胞の完成も待ってられないので独自に生やす薬を作っています。任せてください、元気な子を産ませてみせます」



咲「でも部長!京ちゃんは清澄の部員ですよ!?」バッ

久「そうは言ってもねぇ、地区大会負けてるし。ぶっちゃげ彼も暇なんじゃない?宮永さんも我慢よ我慢。大会終わったら好きなだけ会っていいから」

咲「好きなだけ……ってそういう関係じゃないんですってば。ただ私は……」

久「私は?」ニヤニヤ

咲「……なんでもないです」プイッ

和「宮永さん!私と一緒にさるぼぼの研究しましょう性的な意味で!エロさという意味ごとリミットブレイクしましょう!」

優希「もう言ってる事の訳が分からないじぇ……可愛かったころの和ちゃんはどこに行ってしまったんだじぇ?」ガクガク

まこ「これはもう『和っぽい何か』じゃなぁ……」シミジミ




ーー神社

京太郎「着いてしまった……」

信徒’S「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「姫、おかえりなさいませ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

京太郎(なんですかこの人の量は)

小蒔「本来なら個人戦まで出る予定でしたが、祓いの予定が出来てしまったので急遽戻りました。皆さん、急場にも拘らずご苦労様です」

老巫女「ははっ。しかし姫、その男は……」



小蒔「皆さんにも紹介しておきますね。この方は、憑き神に囚われていた私達を救って下さった方です」

信徒’S「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ははーっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

京太郎「いや、俺そんな大層なことはしてな」

老巫女「……たとえそうだとしても、心に秘めておいてくだされ。あなたの格は、あなたを招いた姫の格でもあるのです」

京太郎「わ、分かりました」

小蒔「憑き神の方は?」


老巫女「力の満ちる時が祓い時でございます。今しばらくは本殿で力を抑えておくのがよろしいでしょう」

小蒔「分かりました。……出来るだけこの方を手厚く迎えたいのですが、宴の準備は」ヒソヒソ

老巫女「今すぐにさせます。しばしお待ちを」ササッ

~~それから少し

小蒔「では、京太郎さんに感謝の意を込めて。それと皆さんの慰労を兼ねまして……乾杯!」

信徒’S「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「かんぱーいっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


小蒔「んっ……!……………っぷはーーーーーーーー!」ドンッ

老巫女「姫!素晴らしい飲みっぷりにございます!」

小蒔「れしょー?えへへーー……これれもれすね、ちょーーーっとは、おしゃけ、じしん、あるんれすよーーー?」

初美(うわ、姫のスイッチが入りましたね。巻き込まれないようにしないと)

初美「祖母上、私もお料理手伝いますー!」タタタ

霞「はい京太郎さん、乾杯しましょう」

京太郎「かんぱーい……っていやいやいやいや、焼酎はまずくないですか!?僕達未成年!」

霞「鹿児島では15からOKなんですよ。はい、まずは駆けつけ一杯」トットットッ

京太郎「あ、こりゃどうも………………じゃなくて!」

春「……うまいよ?黒砂糖要る?」コクコク

京太郎「いや、でも俺は長野の人間ですし」

小蒔「ぅー……京太郎しゃん?飲んれませんねぇ」

京太郎「そうですが、ダメでしょうか」

小蒔「泣こかい飛ぼかい、泣こよかぁー、ひっ飛べ!れすよー?あひゃひゃ!」

京太郎(ろれつが回ってないし、意味が分からない)

霞「崖の上で「飛べない」と嘆くよりも、さっさと行動に移すのが薩摩男児である。という考え方を示した言葉ですね。……ひっく」ポー

小蒔「つぅーまぁーりぃー」ガシッ

京太郎「なんで焼酎の一升瓶持って近づいていらっしゃるんですかね」ジリジリ

小蒔「議を言うなっ!つべこべ言ってないで飲めって事ですよぉーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」ガボッ

京太郎「もががががががががっ!?」グビグビグビグビ

小蒔「きゃん、良い飲みっぷり!京太郎しゃんったらぼっけもんれすね!惚れなおひひゃいますーーーーー!」バシバシ

京太郎「おえ……た、叩かないで、吐きそう」

小蒔「吐いちゃえばいいんれすよぉ!また飲めるじゃらいですか!……あ、そうだ!京太郎しゃん、『黒霧島ゲーム』しまひょ?」ポーッ

京太郎「嫌な予感しかしないんですけど……なんですかそれ?」

小蒔「いいからいいからぁ。わらひが、『どろっと』って言って焼酎をわらすので、『きりっと』ってかえしてくらひゃいね?」

京太郎「はぁ……」

小蒔「行きますよー?どろっとー!」ポイッ

京太郎「わっとと……きりっと?」ポイッ

小蒔「く~~ろ~~き~~り~~し~~ま~~!あははははははははははは!」ゴクゴクゴクゴク

京太郎「神代さん!?焼酎一升瓶ストレート一気飲みとか何やってるんですかホントに!?」

霞「黒霧島ゲームっていうのはれすね、あんなふうにして言葉を返していって、黒霧島の部分になった人が一升瓶の中身を飲み干すゲームなんれす。楽しいれすよぉ?……うぃー」

京太郎「それ二人でやったら確実に最初の奴が飲むことになるじゃないですか!」

霞「そうですね……お酒……どこですかー……」フラフラ

京太郎(ああ、この人も駄目だ!)

初美「鶏刺と島豆腐ときびなごの天ぷら、持ってきましたよー」

小蒔「おーはっちゃん!気が利きますれぇ!どれ一つ……」パクッ

小蒔「もーう……美ー味ーしーいー!はっちゃん絶対よかうっかたになれまひゅー!わらひが!保障しましゅ!」バシバシ

初美「天ぷらと島豆腐で褒められても反応に困りますー」

京太郎「神代さんっていっつもこうなんですか……ひっく」

初美「まぁ、お酒が入ると。酔うのは誰よりも早いのに潰れるのがやったら遅いからもう相手しないことにしたんですよー」

小蒔「あー!れもぉ、京太郎ひゃんのうっかたはらめれすよー?わらひの、れす。あはははははははははははは!」

京太郎「この場所代わって下さい」

初美「恐れ多いので遠慮しておきますー。頑張って下さいねー」ヒラヒラ

京太郎「はっ薄情もの!」

小蒔「ほーらー、京太郎ひゃん!次は京太郎ひゃんのばん、れす、よ!ほら、どろっときりっとー!」ポイッ

京太郎「短縮!?」

小蒔「魔法の呪文れすよー!あははははははははははは!」



~~翌朝

ゴリッ、ゴリッ

京太郎(う、……あいったたたたたたたたたたたたた!)ジーン

京太郎(なんか頭にひんやりしたのが乗ってる……おしぼり?)

初美「起きましたかー?」ゴリッゴリッ

京太郎「あ、薄墨さん。ったたたた……!」

初美「無理に動こうとしないでいいですよー。……はいこれ」

京太郎「これって、大根おろしですか?」

初美「桜島大根のおろし汁ですよー。ちょっと辛いですが、二日酔いには効果があります」

京太郎「あ、ありがとうございます」ズズーッ

京太郎「かっ、辛っ!」

初美「二日酔いのアホタレの頭にはそのくらいが丁度いいんですよー。まぁあなたは姫に付き合わされただけですからアホって訳じゃないですけど」

京太郎「これが二日酔いかぁ……しんどいなぁ」

初美「一日は安静にしててもらいますよー。今日は私がこの部屋にずっと居ますから、用があったら言ってください」

京太郎「……え?」

初美「なんですかー?」

京太郎「ここ、薄墨さんの部屋ですか?」

初美「違います。ここはただの客室ですよー」

京太郎「でも、今日一日ここに居るって」

初美「あなたの看病のためにここに居るだけですよ」

京太郎「……えぇー?」

初美「男が倒れたら女が後始末をするのが鹿児島の常識ですよー。ましてやあなたは姫の招いた人ですからね、万に一つがあっても困るんです」

京太郎「そんなもんなんですか」

初美「そんなもんなんですよー。さ、周りの事は私に任せて眠ってて下さい。えーと……」

京太郎「あ、俺須賀京太郎って言います。京太郎でいいですよ」

初美「じゃあ京太郎さんって呼びますね。二日酔いには寝るのが一番ですよー、はい替えの手ぬぐい」

京太郎「お心遣い感謝します……神代さんも言ってましたけど、ホントに気が利くんですね」モゾモゾ

初美「気配り、という点においてならあなたには負けますよー」

京太郎「なんのことでしょうか」

初美「……いいえ、なんでもありません。独り言です」

京太郎「そっすか」

初美「ただ、これも独り言ですが」

京太郎「?」

初美「あなたのお陰で、私は道を過たずに済みました。本当に感謝していますよー」

初美「それと……あんなに楽しいテレビゲームは初めてでした」

京太郎「そりゃ、助っ人冥利につきる言い方……っていたたたたたたたた!」

初美「無理して喋らなくていいですよー。独り言ですから」

初美「全て私に任せて休んでくれて構いませんよー?ほら、お布団かけますから目を閉じて……」

京太郎「あ……」

京太郎(やべぇ、頭のひんやりと体のあったかいのが気持ちいい……マジで、眠くなって、きた……)

初美「おやすみなさい、京太郎さん……」

京太郎「おやすみ、なさ、Zzz……」

初美「……」

京太郎「Zzz……」


初美「……」ジーッ

京太郎「Zzz……」

初美「よく見たら案外よかにせさんなんですねー」

春「……何やってんの?」ポリポリ

初美「っ!」バッ

初美「……春ですか。看病ですよ看病。女の仕事ですからねー。要人ですし」

春「ふーん……」

京太郎(よかにせってなんだろう……Zzz……)