京太郎「…………」

生徒A「おいおい……あの須賀が学校に来てるぞ」

生徒B「須賀の奴、この前高校生の不良グループシメたんだろ……おっかねー、かかわり合いになりたくねーよ…」

生徒C「おい…あまり近づかない方がいいぞ……下手な事して喧嘩売られたらシャレにならないからさ…」

京太郎「チッ……どいつもコイツも……邪魔だ!どけ!うろちょろしてんじゃねーよ!」バキッ

生徒A「ひいい!ご、ごめんなさいいいい!」タッタッタッ…

京太郎(どいつもコイツも俺をイライラさせやがる……一人じゃ何も出来ねー癖によ……!)

上級生「おい、そこのヒヨコ頭……最近調子に乗ってるみたいじゃねーか!ちょっとツラ貸せや…なあ!」

京太郎(俺は違う……誰かに媚びて生きるくらいなら……たった一人で生きてる……!)

バキッ! ドゴッ!

京太郎「人間なんいざとなったら誰も助けてやくれねーんだ!文句があるならかかってこいよ!みんな力でねじ伏せて、ぶち壊したらあ!!」

上級生「ぐはぁ…!つ…強え……!」

京太郎「そうだ……きっと俺は、何をしても直らない……欠陥人間だ…それならそれで構わねーよ、どーせいずれ本当に壊れちまうんだったら…とことんぶっ壊れるまで暴れてやらああああああああああああ!」

バキッ! ドゴッ! グシャッ!

須賀京太郎14才!渇望せし絶望の餓王!

いつも一人だった 一人が当たり前だと思っていた

近所の子供『うわーん!痛いよ~!ママー!』

京太郎『………』

近所の大人『止めなさい!また須賀さんの所の京太郎君ね!何で君はいつもいつも喧嘩ばっかしするの!』

京太郎『…馬鹿にされたから』

近所の大人『えっ!?』

京太郎『……コイツがヒヨコ頭ってボクを馬鹿にしたからだよ』

近所の大人『だからってここまでする事は……』

京太郎『・・・』タッタッタッ…

近所の大人『待ちなさい京太郎君!』

俺の周りには俺を馬鹿にする奴しかいなかった その度に俺はそいつらを力で捩じ伏せてきた

それを重ねていく事に周りから人が離れていくを感じながらも 俺は暴れずにはいられなかったんだ

じゃないと・・・頭がおかしくなりそうだったから

和『は…放してください!人を呼びますよ!』

不良『いーじゃねーか!お嬢ちゃん…俺と一緒に遊びにでも行こうぜぇ!』

和『い…いや!誰か助けてください!』

京太郎『おい』

不良『ああん?なんだてめ……』

バキッ!

不良『ぐぇっ……』

京太郎『・・・』

バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!

不良『ごめんなさ……ぐはっ!許して……ぎゃああああ!』

京太郎『・・・・』

和『あの……もうやめてあげてくださ…』

京太郎『・・・』ジロリ

和『う……!』

京太郎『………夜道には気をつけろ…じゃあな』タッタッタッ…

どんなに人を殴っても  どんなに喧嘩をしても頭の中のイライラがとれる事はなかった

京太郎『オラどうした!これがアンタの限界か!遠慮せずにかかってこいや!』

井上『クソ……たかが年下ごときに負けてられるかってんだ!うおおおおおおおお!』

バキッ!ドゴッ!

井上『くはっ……!』

京太郎『なんだ…この程度なのかよ!?こんなんじゃあ俺のイライラが消えねーぞ!らあっ!』

ガシャーン!バリーン!

寝ても覚めても殴り合い 寝ても覚めても潰し合い
俺はこういう事を何回も何回も繰り返してきたんだ

それでも消えない イライラが収まらない

嫁田『このクソ京太郎が!今日こそてめえをボコボコにしてやらあ!』

京太郎『ふざけた事抜かしてんじゃねーぞ雑魚嫁!てめえごときが俺を倒せる訳がねーだろーが!何回負ければ気が済むんだ、おい!』

嫁田『やかましい!何回負けようが最後に勝てばいいんだよ!』

京太郎『上等だ!二度と俺に向かってこないように潰したらああああ!』

どうしたらいい? どうしたらこの頭の中のイライラがとれるんだ
後 何回こういう事を繰り返せば俺は苦しみから解放される?

誰か・・・誰か俺を助けてくれ



須賀京太郎14才  抜け出せぬ地獄を一人佇む―――!

嫁田「クソッタレが……次は絶対に京太郎の野郎を倒してやる……!」ムシャムシャ

咲「うわ……顔が凄く腫れてるよ嫁田君…どうしたの?」

女子A「どーせまた喧嘩でもしたんでしょ!相手はやっぱり須賀君かな?」

嫁田「ぐっ………!」

咲「須賀君?」

女子A「隣のクラスにいる須賀京太郎って人の事よ。確か嫁田君は初めて須賀君と喧嘩した時に一発KOされたんだよねー」

嫁田「―――!そ…その話はするなぁぁぁ!あの時は油断してただけだ!」

女子A「ふーん、油断ねえ……その割には嫁田君が須賀君に勝ったって話を一回も聞いた事がないんだけど~!
嫁田君が須賀君に負けた話なら沢山聞きますが」ニヤニヤ

嫁田「やっかましいいいいい!いくら負けようが最後に勝ちゃあいいんだよ!」

咲「喧嘩とかそういうの嫌だなぁ……」

女子A「咲も気をつけなよ?須賀京太郎って喧嘩が実に大好きな危ない奴だって話だからね~」

咲「うん……気をつけるよ…あまり関わらないようにする…」

女子A「うんうん!危ない人には近付かない方がいいって!嫁田君みたいに見かけ倒しな人もいるけど♪」

嫁田「ぐぐ……いちいち腹立つ事を言いやがって…絶対に須賀の奴は潰してやる!」

咲「ごめん……ちょっとトイレ行ってくるね」

女子A「あっ、行ってらっしゃい!」

タッタッタッ…

咲「須賀君ってどんな人なんだろう……やっぱり見た目からして怖いのかなぁ……」

ドン!

咲「痛っ!」

京太郎「………」

咲「ご……ごめんなさい!ちょっとボーっとしてて……あう!」ズキッ

京太郎「………どうした?」

咲「さっきので足を挫いたみたい…うう…立ち上がれないよう…」

京太郎「・・・そうか」スッ

咲「えっ…あの、何をしているんですか?」

京太郎「…保健室までおぶってやる、乗れ」

咲「えっ、ええ!?大丈夫ですよ!そんな事しなくて…痛っ!」ズキズキ

京太郎「他人の心配をするよりも自分の心配をしたらどうだ?…嫌なら別に構わねーけど」

咲「い、嫌とかじゃないですよ!その…ええと……ああう…」モジモジ…

京太郎「……変わった奴だな。よっと」ヒョイ

咲「ふええ!?何をするんですか!?」

京太郎「俺が勝手に運んだ事にしておけば、お前だって気負いする必要はないだろ?
…他の奴に見られたら色々と面倒だからさっさと行くぞ」

咲「あ……うん」(なんだろう…凄く変わった人…)

京太郎「…お前はいつもあんな風に人にぶつかるのか?」

咲「はい…ちょっと考え事をしていると他の事に注意が回らなくなって…」

京太郎「…ドジな奴なんだな…お前」

咲「うう…やっぱりそう見えますか?」

京太郎「ああ、もうちょっと周りに注意しろよ」

咲「はい…ごめんなさい」

京太郎「別に謝る事はないだろ」

咲「ああう……ごめんなさ…あっ」

京太郎「やれやれ、どうやらかなり重症みたいだな、お前のドジなところ」

咲「うう…何を言い返せない…」

京太郎「まっ、それがお前の良い所かもしれないがな」

咲「はあ…」(この人の背中…凄く安心できる…なんでだろう?まるで優しかった頃のお姉ちゃんみたい…)

京太郎「保健室に着いたぞ。後は一人でも大丈夫だな?」

咲「はい…ありがとうございました。あの名前は…」

京太郎「じゃあな次からは、ちゃんと周りをよく見ろよ」タッタッタッ…

咲「あっ、行っちゃった……不思議な人だったなぁ…」


宮永咲、孤独の暗闇にありし京太郎と邂逅す―――!

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