和「ツモ。4000・2000です」

 今日は私は京太郎くんとネト麻をしている。理由はもちろん、彼の特訓のためだ。来る秋の大会に向けて、私達女子部員一同は彼の指導及びバックアップに精を出している。
今回の大会のために私達は大会出場を辞退し、彼へ時間を当てるため、大会出場を辞退しているのだ。時間は十分にある。

京太郎『うげ。やられたな』

京太郎『もうちょいで満貫いけたのに』

和「和了れなければ意味ありませんよ、須賀くん」

京太郎『ちぇー、相変わらず和先生は厳しいぜ』

スピーカー越しのネット回線によって繋がれた彼の声。京太郎くんがこの場にいないのをいいことにその声に耳を傾け、思う存分頬を緩ませる。普段ツンツンしている分、ここぞとばかりにデれておかなければ。
 ...意味がないとか言わないでください、わかってます。分かってますから。我ながらばかなんじゃないかとは気づいてるんです。彼と出会ってからはや6ヶ月と少し、もうそろそろリアルでも名前呼びがしたい。というか、しなきゃいけない。

このままでは、清澄どころか阿知賀のみんなにまで先を越されてしまうかもしれません。...すいません。先、越されてます。主に穩乃や玄さんに。

京太郎『え、と。和、大丈夫か?なんかイヤホンの先からミシミシいってるけど』

和「気にしないでください」

京太郎『そっか?まぁ、和がそう言うなら信じるよ』

和「お気遣いありがとうございます、須賀くん」

      • 保存しました。目覚ましの音にしましょう。きっと心地よい朝を迎えられるハズです。

京太郎『おう、そんじゃそろそろあがるか。今日もサンキュな、和』

和「もうそんな時間ですか、お疲れ様です。須賀くん」

京太郎『はは、和にそういってもらえるのが何より励みになるよ』

和「もう、おだてたって何も出ませんよ」

京太郎『つれないなー』

      • 鼻血が出てきました。っべーです。傍から見たら私、変態じゃないですか。
いや、確かに京太郎くんの声を聞いたら少なからず興奮しますけど。京太郎くんに『好き』とか言われた日には悶々とした妄想で寝不足になってしまうこともあったりなかったですけど。

京太郎『さて、そろそろ手紙の返事を書いて寝るかな』

和「手紙、ですか?」

京太郎『yes,テガーミ。まぁ、文通みたいなもん』

和「そうですか」

どうしましょう、すごい嫌な予感がビシビシとします。主に京太郎くんが私達のあずかり知らぬところで女の子にフラグを建築していたときの感覚に酷似しています。
やめてください。これ以上ライバルを増やさないでください。長野県内に飽き足らず、北海道・九州・大阪・東京・岩手、各方面多種多様に取り揃えてって桃鉄ですか?もう私の心にキングボンビーですよ。やめて、私の土地を売り払うのはやめてください。

和「ちなみにだれと?」

京太郎『あー、和も知ってるとこ。ほら、永水の神代さん。あのおさげの』

和「ああ、2年生の」

 鹿児島ああああああああああああああああああああぁっ!!また増えたあ あああああああああああああああああっ!!

和「そうですか。でも須賀くんって永水の人と面識ありましたか?」

京太郎『まぁ、色々と、ありまして』

和「なるほど」

京太郎『おやおや和。もしかして、じぇらしー?』

和「そうなわけ無いでしょう。別に須賀くんが誰と仲良くしてても、ただの友人の私に咎める権利なんかありませんよ」

京太郎『ちぇー』

 ・・・嫉妬してるに決まってるじゃないですかぁっ!!羨ましいに決まってますよ京太郎くんとお手紙のやり取りとか!私だって京太郎くんにお気に入りのエトペンのレターセットを使ってやりたいですよ。京太郎くんだいすきーとか書きたいに決まってます。
うぅ、素直になれない自分が恨めしい。このままではほかの子にかっさらわれてしまうかもしれまさせん。ダメなツンデレです。かませです。モッピーです。シャルロットには勝てません。・・・玄さん許すまじ。

 意気消沈のまま、私はPCの電源を半ば無理やり落とし、抱きしめていたエトペンのぬいぐるみをベッドの方へと放り投げた。そのまるっこいボディは放物線を描きながら自由落下。ぽすんとむなしい音をたてた。

 うぅ、自業自得っていうのはわかってますけど、もう少しどうにかならないものなんでしょうか。人生最悪の日かもしれません・・・あ、メールですか。


『和、今日も特訓サンキュな。おかげですっごい助かったよ。今度お礼になんかお菓子でも作って遊びにいくぜ。その時はまたつきあってくれよ?それじゃおやすみ』

和「・・・どうしましょう。すごく、うれしい」

前言撤回。人生最良の日でした。

カンッ