マホ「先輩! センパーイ!」

京太郎「ん? おー、マホか。偶然だな」

マホ「奇跡です!」

京太郎「いや、それは大袈裟すぎじゃ」

マホ「運命です!」

京太郎「もはや必然じゃないか」

京太郎「マホは何してたんだ? 買い物?」

マホ「はい、クリスマスがありますから」

京太郎「クリスマス? プレゼントはサンタさんが運んできてくれるんだろ?」

マホ「先輩、まだサンタさんなんか信じてるんですか?」プスー

京太郎「ぬう。話を合わせようとしたのにこの仕打ち」

マホ「クリスマス会で、プレゼント交換があるので。本当はムロちゃんと来たんです」

京太郎「そうなのか?」

マホ「でも、一緒に選ぶと交換する前に中身分かっちゃうから……」

京太郎「なるほど」

マホ「先輩はどうしたんですか?」

京太郎「俺もプレゼント選びだよ。一人だけどな」

マホ「先輩のところもプレゼント交換するんですか?」

京太郎「そんなことは……いや、部長が何か計画してたな。間違いなく俺がかり出されそうな悪寒が……。それはともかく、プレゼント交換じゃなくて、普通のプレゼント」

マホ「誰にあげるんですか?」

京太郎「咲だよ」

マホ「そうなんですか、仲が良いんですね!」

京太郎「いつもって訳じゃないんだけど、去年もらってお返ししてないんだよ。そうだ、良かったら選ぶの手伝ってくれるか?」

マホ「はい! 先輩もお願いします!」

京太郎「いや、俺じゃ参考には……まあいいか」

マホ「これ、これなんてどうですか?」

京太郎「柴犬のぬいぐるみか。可愛くていいんじゃないか」

マホ「ムロちゃんにそっくりで可愛いです」

京太郎「それは……いや、確かに似てるけど」

マホ「これ、押すと鳴くんですよ」ポチッ


カン! カン!

京太郎「確かに鳴いてるけど!」

マホ「キャンキャン鳴いてます!」

マホ「これ、なんですか?」

京太郎「栞だよ。こうやって本に挟んで使うんだ」

マホ「へえー、お人形みたいで可愛いです!」

京太郎「これにしようと思うんだけど、どのデザインがいいかな?」

マホ「そうですね……この動物の栞も……でもこのお花の栞も……」

京太郎「あー、選び切れないなら幾つか選択肢挙げてくれ」

マホ「ええと、これと、これと、あとこれと、ここら辺の全部と、ここからここまで」

京太郎「……うん、天網恢々疎にして漏らさず、だな」

マホ「天鳳大会?」

………

京太郎「どうだ? ムロと連絡ついたか?」

マホ「あと30分で終わるそうです!」

京太郎「何が?」

マホ「窓か☆薪か、らしいです」

京太郎「……何やってんだアイツ」

マホ「マホも映画見たいです!」

京太郎「確実にすれ違うから止めなさい」

京太郎「んー……なあ、街でも歩かないか? ちょうどいま、イルミネーションが綺麗だし」

マホ「はい!」


京太郎「何かこう街歩いてると、クリスマス! って感じするよな」

マホ「? クリスマスですから当たり前です」

京太郎「いや、そうじゃなくて、クリスマスソングを聞いたり着飾った街並みを見たりすると、こう心というか体全体がだな、クリスマスのムードに浸るというか」

マホ「そうですね! クリスマスケーキ食べたいです!」

京太郎「絶対分かってねえ! ……はあ、ローストチキン食べたい」

マホ「あれは苦手です、口元にタレついちゃうので」

京太郎「確かにな」

マホ「きゅっ」ドス

京太郎「大丈夫か? 長野とは言え街は人が多いな」

マホ「だ、大丈夫です」

京太郎「ほら、手出して」スッ

マホ「えっ」

京太郎「こうしてれば安心だろ?」ギュッ

マホ「は、はい」

京太郎(もしかしてマズったか? 咲と同じような対応しちゃったけど)

マホ(何か恥ずかしい気分です。先輩には咲さんがいるのに……)

京太郎「……」

マホ「……」

京太郎(周りを見渡してみると、カップルが多いな。もしかして俺達)

マホ(恋人同士に見られてたり……い、いや、そんなこと。……あれ、何でこんなに顔が熱く)

京太郎(俺はロリコンなんかじゃ、いや、しかし……)

マホ(マホじゃ先輩には釣り合わないんじゃ、いや、でも……)

京太郎「マ、マホ」

マホ「せ、せんぱ……あっ、ひ、裕子ちゃーん!」パタパタ

ムロ「おーい、マホー」

京太郎(……なんて、こんな純真な子相手に何考えてんだろな)

マホ(うう、助かりました。このままだと爆発しちゃうところでした)

ムロ「マホー。あれ、隣の人……」

マホ「プレゼント選びました! 可愛い犬です!」

京太郎「バラすの!?」

ムロ「その人!? 犬なの!?」

カンッ