京太郎「よし、牌譜の整理は終わったな。次は掃除をしてっと」テキパキ

京太郎「牌と卓を磨いて、っと」フキフキ

・・・・・・・・・・・・

照「・・・京ちゃん、忙しそう」

淡「だよねー。さっきせっかくわたしが麻雀教えてあげようと思って誘ってあげたのにさ」

淡「雑用が片付いてないからって断られちゃったんだよねー」ブツブツ

誠子(いやー・・・大星にフツーの指導が出来るとは思えないけど・・・。主に天才の感覚的な意味で)

尭深「はい、皆。お茶どうぞ」カチャ

ガラッ

菫「済まない、少し遅れたな」

京太郎「あ、部長。お疲れ様です」

菫「お前もな、須賀。前にも言ったと思うが、雑用は程々でいいんだからな?」

京太郎「いえ、どうせやるならしっかりやりませんと」

菫「性分というやつか・・・。私たちも助かっているが、無理はするなよ?」

京太郎「勿論です」

‥‥‥‥‥‥

尭深「部長もお茶どうぞ」カチャ

菫「ああ、ありがとう」

誠子「で、京太郎は相変わらずですか?」

菫「そう、嫌な顔一つせずにせっせと雑用だ。本当に高校生男子なのかという感じだよ」

照「京ちゃんは昔から人がやりたがらない事を率先してやってたから」フフン

菫「何でお前が偉そうにしてるんだ・・・」

淡「性格イケメンってやつ?」

照「そういうこと」キッパリ

誠子「先輩もそう思いますか。となると、あの話は・・・」チラッ

尭深「うん・・・、実は私、その様子を偶然見ちゃって」

誠子「えっ、本当に!?」

菫「何かあったのか?」

尭深「はい。今2年の女子の間で静かに広まっているんですけど」ヒソヒソ

淡「へー、何なに、どんな話なの?」

照「私も気になる」

誠子「名前は伏せますけど、麻雀部の女子が京太郎に告白したらしいんですよ」ヒソヒソ

照「」ガタッ

淡「」ガタタッ

菫「・・・2人とも落ち着け、須賀に聞こえるだろうが」

淡「べ、別に焦ってないしっ。・・・でもさ、単なる噂でしょ?」

照「そんなデマに踊らされたらダメ」バリバリムシャムシャ

菫「焦ってない奴はそんなに冷や汗をかかない。それと照、焦りを誤魔化そうとしてお菓子を詰め込むのは止せ」

尭深「3日前の放課後に、京太郎くんが雑用で最後まで残ってた時の事です」

淡「た、たかみーはそれを見たの・・・?」

尭深「うん、偶然だったんだけど・・・」

照「ま、まさか京ちゃんは・・・」ガタガタ

尭深「いえ、京太郎くんは告白を断ったので、先輩の心配するような事にはなっていませんよ」

照「・・・」ホッ

淡「・・・」ホッ

菫「・・・2人とも、あからさまにホッとするな」

淡「し、してないしっ。きょーたろーが誰と付き合おうと、こ、この高校百年生の淡ちゃんにはか、関係ないですしぃー?」

照「菫は早とちり」ガツガツモグモグ

菫「・・・もはや何も言うまい」

誠子「でさ、尭深はそれを見たんでしょ? 京太郎はなんて言ってたの?」

尭深「えっ!? えっと、それは・・・」モジモジ

淡「いいじゃんいいじゃん、たかみーったら何もったいぶってんのさ。教えてよー」

照「私も知りたい」

尭深「えっと・・・その・・・」

・・・・・・・・・・・・

京太郎『ありがとうございます、俺なんかを好きになって下さって。・・・でも、ゴメンなさい。俺は貴女の気持ちには応えられません・・・』

京太郎『俺には支えたい人達がいて、その人達が真摯に、瞳に闘志を宿して麻雀に打ち込む姿が俺は何より好きで』

京太郎『俺自身は麻雀の腕はからっきしですけど、そんな俺でもあの五人は必要だって言ってくれたんです』

京太郎『って、五人って言ったらバレちゃいましたか? ・・・秘密にしてくださいね?』

京太郎『で、俺は五人を支える事に精一杯で・・・きっと貴女の事をおざなりにしてしまいます』

京太郎『ですから、ゴメンなさい』

京太郎『・・・え? その五人のことですか?』

京太郎『そう、ですね・・・』

京太郎『何よりも大切な人達・・・ですかね?』

京太郎『うあぁーっ、恥ずかしい! 絶対に秘密にしてくださいよ!?』

・・・・・・・・・・・・

尭深「・・・って言ってました///」カアァ

照「京ちゃん・・・///」マッカ

淡「・・・うぅー、きょーたろーのくせにぃ///」マッカ

誠子「聞いて良かったような、悪かったような・・・///」マッカ

菫「何とも、コメントに困るな・・・///」マッカ

京太郎「何の話ですか?」

淡「うひゃあっ、きょ、きょーたろー!? い、一体なに!?」

京太郎「いや、卓の掃除も終わったから伝えに来たんだけど・・・。全員で顔まっかにしてどうしたんだ?」

淡「な、なんにも無いし! 変な話とかしてないし! オトメのナイショ話を詮索するとか、きょーたろーはデリカシーに欠けるんじゃない!?」

京太郎「そこまで言うことねーだろ!?」

照「淡の言うとおり。京ちゃんは詮索禁止」

京太郎「照さんまで・・・。何かアウェイ感がすごいんですけど」

誠子「ま、そういう事で。京太郎には秘密でーす」

京太郎「何なんですか、この妙な団結力・・・」

尭深「淡ちゃんの言うとおり、秘密だから・・・ゴメンね?」

京太郎「何だろう、淡が言うのと違って渋谷先輩が言うと男子禁制感のレベルが劇的に高まりますね」

淡「何さー、私は女じゃないっていうのー!?」

京太郎「そういう言動が子どもっぽいっての」

淡「ぐぬぬ・・・! きょーたろーのクセにー!」

ギャーギャーワーワー

菫「全く・・・ほら、お前たち。練習を始めるぞ」

菫「真摯に打ち込む姿が好きなんだったな・・・」ボソッ

ピタッ

照「・・・そうだね。真面目にやろうか」

淡「ん、オッケー。高校百年生の本気をきょーたろーに見せてしんぜよう」

誠子「まぁ、白糸台のレギュラーとして恥ずかしく無いようには、ね」

尭深「うん・・・期待に応えるためにも」

京太郎「・・・な、何があったんですか、いきなり」

照「ねぇ、京ちゃん」クイクイ

京太郎「え、あ、はい、何ですか、照さん?」

照「・・・絶対に、私は、私たちは、白糸台は負けない」

京太郎「・・・!」

照「その姿を、京ちゃんには特等席で見せてあげるから」

照「だから・・・ずっと、傍にいてね?」

京太郎「・・・はいっ!!」

カンッ!