淡「須賀、袖もげた」
京太郎「もげるもんなのか!?」
淡「なんかこー、ブチブチィってなった」
京太郎「どうなってんだ白糸台の縫製……」
淡「直るかな?」
京太郎「本格的にはミシンがないと……とりあえず帰りまで保てば平気か?」
淡「多分」
京太郎「じゃあ仮縫いだけしとくから──って、そうか脱がなきゃできねえな」
淡「ジャージあるよ。取ってくる」
京太郎「ついでに着替えてこい」
淡「なんで? ここでいーじゃん」
京太郎「……いやまあどっちでもいいけども」
京太郎(廊下で待てばいいか)
淡「? えっと、取ってくるね」
淡「ただいまー」E:ジャージ
京太郎(結局着替えてきたか……)
京太郎「そんじゃ直すか」
淡「見てていい?」
京太郎「いいけど、面白いか?」
淡「さあ?」
京太郎「なんだそりゃ」
チクチクチク…
淡「……」ボー…
京太郎「あー、袖口のほうも切れかかってるなこりゃ。補強しとくか」
淡「須賀ってさー、器用だよね」
京太郎「そうか? 慣れれば誰でもできそうなもんだけどな」
淡「手」
京太郎「?」
淡「須賀の手さ、結構大きいじゃん」
京太郎「まあ、これでも男だし」
淡「細かいの難しそうなのに、すごいなーって」
京太郎「あぁ、そういうことか。そりゃ狭いとこに指突っ込むのは無理だけど、それ以外ならそんな変わんないと思うぜ?」
京太郎「っと。こんなもんかな」
淡「ん」ズイッ
京太郎「……なんだこの手」
淡「手!」
京太郎「? ……ああ」
ペタッ
淡「ほらやっぱりおっきい。あと指長い」
京太郎「そういう大星は小さいな」
淡「いーなー、なんか強そう」
京太郎「そうかぁ? 男にしちゃ指細いしそんなでもないだろ」
淡「うん。でもなんか好き」
京太郎「大星も指細いし長いじゃねーか。それに綺麗だし」
淡「そうでもないよ? ずっと麻雀打ってるからタコとかあるもん」
京太郎「これか。いいじゃんか、頑張った証拠みたいなもんだろ。俺は好きだぞ」
淡「そう? そっか」
京太郎「おう」
淡「えへへー、えい!」ギュッ
京太郎「うおっ、なんだどうした?」ギュッ
淡「なんとなく!」
京太郎「なんとなくかよ」
誠子「……弘世先輩、廊下で何やってるんですか?」
菫「いや……なんだか入りづらい雰囲気でな……」
誠子「はあ……、??」
カンッ
最終更新:2013年12月20日 23:12