智葉「なあ京太郎、私はお前に言って聞かせたはずだよな。一時間おきに必ず連絡してくれって」

京太郎「智葉さん」

智葉「分かってくれよ、気が気じゃないんだ。私のせいでお前に何かあったんじゃないかってな」

京太郎「だからって組の人たちまで総出で町中探すなんて。最近の智葉さん少しおかしいですよ」

智葉「おかしいだと、おかしいってなんだよ。連れ合いの身を案じることの何がおかしいんだ?」

京太郎「この際だから言わせて貰いますけど、何から何までどうかしてますよ。分かりませんか」

智葉「どうかしているのはそっちだろうが。私がお前を見つけたとき、お前は一体何をしていた」

京太郎「一体何をしていたって、明華さんたちといっしょに映画を観ていただけじゃないですか」

智葉「他の女と遊ぶのに夢中で、私への定時連絡をすっかり忘れていたんだな。そうだろ京太郎」

京太郎「結果だけ見るなら確かにそうかもしれませんけど、何もそんな言い方はないでしょうが」

智葉「言い訳するんじゃない!」

京太郎「…………」

智葉「私が一体、どんな気持ちでお前を探していたか。知らないからそんなことが言えるんだろ」

京太郎「知るかよ」

智葉「へ」

京太郎「他人の私生活を見張るような真似しやがって、そんなこと知るかって言ってるんだよ!」

智葉「京、太郎?」

京太郎「もうあなたに付きまとわれるのはうんざりなんですよ! なんで分からないんですか!」

智葉「私はただ、お前のことを心配して」

京太郎「だったら俺たちこれっきりにしましょう。そうすればそんな心配も必要ありませんから」

智葉「うそ、うそだよそんなの! たとえ冗談でも言っていいことと悪いことがあるだろうが!」

京太郎「こんなことを嘘や冗談では言いませんよ。辻垣内先輩、今までありがとうございました」

智葉「待てよ!」

京太郎「…………」

智葉「模造品じゃないぞ、これは本物のドスだ。それでも『別れる』と言うなら私は今ここで!」

京太郎「先輩」



ネリー「京太郎ってばまたサトハにメール打ってるの? 相変わらずおアツいようで羨ましいよ」

京太郎「ああ」



京太郎「俺がついてないとダメみたいだからさ。あの人」