京太郎「……」テクテク

桃子「……」ヒタヒタ

京太郎「……なぁ」ピタッ

桃子「はいっす」ピタッ

京太郎「なんで俺の後ろを付いてくるんだ?」

桃子「…暇だから……っすかね」

京太郎「暇ねぇ……あのいつも一緒にいる…加治木さんはどうしたんだ?」

桃子「………先輩ならそっちの部長さんに奪われたっす……」

京太郎「…すまねえ。そうだった」テクテク

桃子「いえ、気にしてないっす」ヒタヒタ

京太郎「でもってなんで俺なんだ?」

桃子「何がっすか?」

京太郎「いや、なんで暇だからって俺に付いてきてるんだ?」

桃子「私が影薄いのは知ってるっすよね?」

京太郎「ああ」

桃子「あの日……初めての失恋を経験した日、雨の中ただ呆然と歩いていた私を見つけられたのは京さんだけだったっす」

京太郎「…そういや以前死んだ顔してた時に会った事があったな」

桃子「…見つけてくれただけじゃなくて、傘を貸してもらったり心配してくれたり……人の優しさに触れたのは久しぶりだったんで感動したっすよ」

京太郎「あの日の東横さんは放っておけなかったからな。それにそんな大それた事した訳じゃないんだから気にしなくてもいいよ」

桃子「…京さんは優しいっすね。こんな男気がある人初めて見たっす」

京太郎「俺はただお節介なだけだよ」

桃子「…決めたっす!」

京太郎「ん?」

桃子「京さんは、その…彼女とかいるっすか?」

京太郎「いる!……といいよね」シクシク

桃子「じゃあ、いないんすね!」

京太郎「はっきり言わないでくれ、悲しくなる」シクシク

桃子「京さん!」

京太郎「(ぴたっ)んー?」くるっ

桃子「私、東横桃子は京さんの事がす、す、(ゴクリ)好きになったっす!///こんな!……こんな私で良ければ、付き合って欲しいっす…///」

京太郎「っ!?ほ、本当に…?」

桃子「…こんな事、冗談で言えないっす…///」

京太郎「…あの、ごめん」

桃子「…やっぱり駄目っすか……」

京太郎「あ、いや、そうじゃなくて。ただその……俺さ、東横さんの事よく知らないしさ…」

桃子「今から知っていけばいいっす」

京太郎「ああ、だからもっと親密になってから返事してもいいかな?」

桃子「付き合い出してから親密になっていけばいいっす」

京太郎「えっと、それに東横さん可愛いからさ、俺なんかよりも良い奴がいるかもしれないよ?」

桃子「…っ!!やっぱりお断りって事っすね」

京太郎「そうじゃなくて、もっと時間を置いてって意味で…」

桃子「さっき言ったっす!私は京さん以外の人には見えないって!私には!……私には京さんしかいないんすよ……見捨てないで欲しいっす……」ポロポロ

--この時俺は思った。ああ、この子には俺がいてやらなければいけないなって。だから--

京太郎「(ぎゅっ)…俺さ、女の子と付き合った事なんて無いぜ」

桃子「私も無いっす」ぐすっぐすっ

京太郎「かなりスケベだぜ?」

桃子「私も結構スケベっす」ヒク

京太郎「そんなに優しくないかもしれないぜ?」

桃子「大丈夫っす、京さんは優しいっす」ぐすっ

京太郎「……ありがとう。こんな俺なんかで良ければ恋人として宜しくお願いします」

桃子「…!はい!」

カンッ