2月5日

「雨は止んだか・・・」

眠りに着くまでに聞かされた寂しい冬の雨粒の音のせいか朝日が一段と輝いて見える
早く咲に会いたい
俺が速く歩けばその分早く合流出来る分けでも無い
バレンタインデートのシュミレーションをしていてテンションが上がり過ぎて
眠れなかったのも相俟って余計に速度が上がる

「早く来すぎたか・・・」

咲が下りてくる石造りの階段の下のコンクリートに寄りかって待つ事にした

「彦星の気持ちが少し分かった様な気がする・・・」

性に合わない台詞を吐きながらロマンチストを気取っていると間もなく咲が到着した

「京ちゃんおはよう・・・」

「おぉ!織り姫!」

「それ何?」

「いっいや何でもねぇ・・・」

恒例の朝一コントを終えた後、ふたりで歩き出す

「咲、今日は妙にテンション低いな」

「そう?」

「あんまり寝てないのか?」

「うん・・・」

「そうか!俺の事考えてて眠れなかったんだな!俺も咲の事考えてて眠れなかったんだ!

下を向きながら肩をびくつかせて赤くなる咲
やべえ可愛い

「あのさ・・・京ちゃん」

「なんだ元気無いな!」

俺はそうゆうの良く分からないが、生理とかで眠れなかったのだろうと思って話題を変えてみる

「知ってるか!?」

「なにを?」

「魔法少女!今朝の新聞に載ってたろ?」

「えっ!どっどんなの?ゲームとかのでしょ?」

急に感情豊になった咲に嬉しくなり話題を続ける

「ちげーよ!魔法少女が現実世界にいたんだよ!しかもこの町に!」

「そっ、それって写真とかは無いよね!?」

「有るぜ!」

「ふぇつ!」

ポケットの携帯を最短距離で素早く取り出して見せてやった

「はは・・・顔は暗くて写らなかったんだ・・・(これ確実に昨日の私だよぉ)」

「そうなんだけどよ、見てみろよこのスタイル。きっと顔もとんでもなく美人に違いない!」

「そっそうだね・・・」

「でも魔法少女って言うより魔法騎士って感じだよな」

「うっうん」

「それに」

「それに?」

「胸がデカイ」

「むぅ~京ちゃんのえっち!」

「そっそんなに怒んなよ」

「もう!先行くよ!」

「待ってくれよ!俺の咲!」

「そんなこと大声で言わない!」

(咲、元気出たみたいだな)

してやったりな気持ちで慌てて追いつく演技をする
そして再び学校を目指す

「なぁ咲?」

「なあに?」

「なんか今日はいつもより距離置いて歩いてないか?」

「うん・・・ちょっとね・・・」

「なんだ恥ずかしいのか?」

「まあね・・・」

「だったら逆に俺が抱きしめてやるよ!」

俺は咲の左手を掴んだ後半ば強引に手の中に収めた
しかしこの後の咲の反応に思考が止まった

「ダメっ!」

咲は鞄を持っていた右手と合わせて両手で俺を押しのけた
顔の筋肉が凍り、視界が狭くなる
咲は五歩ほど小走りで進んで俺に背を向けて仁王立ちした
10秒ほどたった後空を見上げてから振り向いて
慌てた様な悲しい様な恥ずかしい様な良く分からない動きと声色で話し出した

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