ガチャ「ドア」

京太郎「っとと。お食事中の所失礼します、部長」

久「やあねぇ、須賀君。私はもう引退したから元部長よ? まこの立場が無いじゃないの」モキュモキュ

京太郎「はは、それはそうなんすけど、俺にとって部長はやっぱり部長ですし」

京太郎「今更部長以外の呼び方なんてしっくり来ませんからね。他の皆も同じだとは思いますけど」

久「うーん……まぁ、そうよね。逆に私も、優輝とかに突然『竹井さん』なんて呼ばれたら驚くもの」

京太郎「それさりげなくアイツに酷いこと言ってませんかね……?」

久「ま、この話はひとまず置いといて。それにしても須賀君、よく私が屋上でご飯食べてるの分かったわね」

京太郎「とりあえず部長がいそうな所を全部回ってきたんですよ。クラスとか部室とか」

久「それで最後にここに来たら、見事私がいた……と。わざわざご苦労様」

京太郎「いえ、そんなに疲れることでもありませんし。あ、用事が終わったらここで昼飯食べても良いすか?」

久「構わないけど、お昼も食べないで探してたの? 本当に申し訳なくなるわね……」

京太郎「大丈夫ですって。どうせまだ昼飯を食べるくらいの時間はありますから結果オーライですよ」


久「ところで、何で私を探してたわけ? 別に捕まえるんだったら放課後でも良いと思うけど」

京太郎「伝えることが二つ……いや、三つほどありまして。伝えるなら早目早目が良いじゃないですか」

久「そういう所は須賀君らしいわねー。それじゃあ一つずつ聞いていきましょうか」

京太郎「はい、ではまず一つ目。部長、誕生日おめでとうございます」

久「あら、私の誕生日覚えててくれたのね」

京太郎「そりゃあ部員の誕生日は全員頭に入ってますしね。もちろん部長も例外ではないです」

久「ふふ、ありがと。ただ、そこで他の皆のことを言わなかったらもう少しポイント上がってるわよ?」

京太郎「ポイントって何のポイントすか何の」

久「乙女ポイントとか、好感ポイントとか。女の子は些細なことでも特別扱いされたら嬉しいのよ」

京太郎「ああー……次は善処しときます」

久「まあ、それ位の事では私の好感度は中々上がらないけどね」バーン

京太郎「って結局上がらないんですか! さっきの一言は何だったんだ畜生!」

久「どうどう。ほら須賀君、落ち着いて落ち着いて」

京太郎「誰のせいでこんな風になってると思うんですか……」

京太郎「こほん、気をとりなおして……二つ目。補講が終わったら、放課後部室に来てください」

久「ははーん……了解。楽しみに誕生パーティー待っておくわね」

京太郎「ちょっ!? そこは分かっててもあえて伏せておく所じゃないですか!?」

久「そりゃあ誕生日の話の後に部室に来いなんて言われたら……ねぇ?」ニヤニヤ

京太郎「わぁい当たり前のこと指摘されたよ! 言う順番考えようよ俺!」

久「それに大体皆が準備してるのもちらほら気付いてたし。その場は気付かない振りしてたけど」

京太郎「どこまで気付いているんですか!? 優輝が部室の飾り付けしてるのはっ!?」

久「朝登校してきたときに、輪飾りを沢山持った所に遭遇してるけど」

京太郎「和が部長にプレゼントする花を持ってきてるのも?」

久「そういえば部室に行ったら、エトペンの後ろに花束があったわね」

京太郎「咲と染谷先輩がこっそり部長の誕生日ケーキを作ってきたのも?」

久「あら、部室の冷蔵庫にあったあれ、私の誕生日ケーキだったの」

京太郎「優輝が準備中にクラッカー鳴らして皆で掃除してたのも?」

久「え、そんなことあったの? それは初耳なんだけど」

京太郎「俺がパーティーの後で部長に告白しようと思ってるのも?」

久「ん……ちょっ、え?」

京太郎「? 何か俺、おかしいことでも……あ゛っ!?」

久「す、少し落ち着きましょう須賀君。こういう時はね、まず深呼吸して」アタフタ

京太郎「え、は、はい」スーハースーハー

久「そうして素数を数えれば良いの。ほら、2、4、6、8……」

京太郎「って素数じゃないですよそれ! 部長の方こそ落ち着いてください!」

久「わわ、私は落ち着いてるわよ! そ、そう! これはちょっと動悸が激しくなってるだけなの!」アワワワ

京太郎「冷静にいってますけど、結局は落ち着いてませんからね!? 絶賛狼狽中ですからね!?」

久「というか、突然あんなこと聞かされて落ち着けるわけないじゃない!」

京太郎「こっちもあんな所で口を滑らせるなんて思わなかったんですよ!」アタマガシガシ

京太郎「あーもう……それじゃあ今更ですが三つ目! パーティーの後、体育館裏まで来て下さい、以上!」ダッ

久「須賀君ッ!?」

京太郎「返事はその時でお願いします!」

ガチャン!「ドア」







久「行っちゃった、か。もう須賀君ったら、ああいう所甘いんだから」

久「不意打ちすぎたから、柄にもなく私の方も慌てちゃったじゃない」

久「それにしても、告白、かぁ。あの須賀君から、告白ねぇ……」

久「……全く、一番のメインディッシュを最初に出してくるのは、反則技にも程があるわよ」ボソッ

(省略されました。続かないので他に投下される京久作品をお楽しみ下さい)

カンッ!