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――4月某日・清澄高校麻雀部部室……

優希「もうすぐゴールデンウイークだな、京太郎!」

京太郎「ああ、そういえばもうそんな時期か……前は5月末だけだったけど
今年はゴールデンウイークも合宿するんだったよな?」

優希「うん、一週間使っての大型合宿だって染谷部長はそう言ってたじょ。
なんせ清澄はインハイ優勝校だから、追われる者として気を抜かないように
レギュラーと個人戦出場者は全員参加で後は自由参加だって」

京太郎「ふうん、じゃあ俺も参加ってわけか」

優希「うん、京太郎は個人戦に登録してるから強制参加だじぇ」


京太郎「結局男子は俺1人か……本当男子部員来ないよな……今年だって来たの3人くらいで結局全員いなくなったし」

優希「咲ちゃんやのどちゃんにボコボコにされて逃げ出したからなー」

京太郎「情けないよなあ、いつもやられてる身からしたらあれくらいでへこむなと言いたいわ」

優希「あはは、何回も直撃させて新入部員1人追い出しといてよく言うじぇ!」

京太郎「しかたねえだろ、お前らみたいなのを相手してたら和了れる時には和了る癖がついちまったんだよ」

優希「人のせいにするとは情けない奴だじぇ!」

京太郎「事実だろ。 いや、まあ……」

優希「?」

京太郎「俺が追い出した奴はお前にしつこく言い寄ってたからついムキになったってのはあるけど」

優希「……は、恥ずかしい事を///」

京太郎「う、うっせえ!」

優希「あはは……なあ、京太郎」

京太郎「ん?」

優希「今年は行けるといいな。 サポートとしてじゃなくて選手として、一緒に」

京太郎「……そうだな」

咲「京ちゃん、優希ちゃん、盛り上がってるところ悪いんだけどちょっといいかな?」

京太郎「おっ、どうした咲、和」

和「2人に卓に入ってほしいんです。 一年生達がレギュラーだけの闘牌を見たいらしいんですが、
部長は学生議会に予算の交渉に行ってますから手が足りなくて」

京太郎「学生議会って何しに……ああ、そっか。 去年部長が学生議会長だった時と同じってわけにはいかないんだよな」

優希「そもそも優勝校なのに扱いがあんまり変わってない気がするじぇ……」

咲「雀卓もくれなかったから染谷部長の雀荘にあった古いの持ってきて使ってるし、顧問の先生も相変わらず来ないしね」

和「まあ、思うところはありますがないものねだりをしても仕方ありません。 それより一年生が待ってますから早く打ちましょう」

優希「了解だじぇ!」

京太郎「さて、3人が相手じゃトバされないよう気をつけないといけないな、これは」

咲「京ちゃんったら、最近は振り込みなんてほとんどしなくなったのによく言うよ」

京太郎「だって振り込みはしなくてもお前らガンガンツモるじゃんか……当たり牌なんかまず来ないし」

優希「じゃあ京太郎もツモで和了ればいいだけだじぇ」

京太郎「簡単に言うなよ、ったく」



――4/29・合宿初日……

優希「着いたじぇ、合宿所ー!」

京太郎「ここは変わらないな。 いや、たった1年で変わってたらむしろ驚くんだけどさ」

咲「今年もいっぱい麻雀打って特訓しないとね」

和「そうですね、あくまで今日来たレギュラー候補の一年生達の特訓がメインですけど、
私達も恥じない姿を見せるようにしなきゃいけませんね」

京太郎「部長、結局新入部員は何人合宿に来たんですか?」

まこ「一年生の女子が6人……全員参加じゃな。 入部時には3倍以上おったのに今じゃこれしか残っとらんとは……」

優希「だからこそ残ってるのは大成する事間違いなしだじぇ!」

まこ「そうじゃな。 今年の新入部員は教えれば伸びそうなんばっかじゃし、そういう意味では期待も出来るか」

和「新入部員で一番レギュラーに近いのはムロですが……それもどうなるかこの合宿次第、と言えるくらいには優秀ですからね」


咲「それと京ちゃんの特訓もしないとね」

京太郎「だな。 今年こそ去年みたいにはいかないぜ!」

まこ「その意気じゃ、京太郎。 というわけで一応お前さんにはこれを渡しとく」

京太郎「これは?」

まこ「わしが見た限りでの京太郎の闘牌の改善点とそん策じゃ。
去年の咲のネト麻や和のエトペンみたいなもんじゃと思えばええ。 久の考えたものほど参考にはならんかもしれんが……」

京太郎「い、いえ、ありがとうございます!」

優希「おお、とうとう京太郎もその段階に来たか! 私も師匠として鼻が高いじぇ!」

京太郎「おう! お前がつきっきりで教えてくれたおかげだ、ありがとうな優希!」ナデナデ

優希「ひゃっ……う、うん///」

まこ「ほらほら、いちゃついとらんで合宿所の部屋に行くぞ。 部屋に荷物を置いたら予定を説明するから集まってくれ」




――合宿所・京太郎の部屋……


京太郎「よいしょっと……今年も男子部屋は俺1人、か」

優希「広いから羨ましいじぇ」

京太郎「おわっ、お前なんでこっちにいるんだよ!」

優希「1人じゃ寂しいと思ってな! そういうのを癒すのは彼女である私の役目だじぇ♪」ギュッ

京太郎「おいおい、遊びに来たんじゃないんだぞ。 いくらつき合ってるって言っても少しは自重をだな……」

優希「……京太郎は嫌なの?」

京太郎「うっ」

優希「……」ジー

京太郎「……別に、嫌じゃねえよ」

優希「本当に?」

京太郎「本当に。 俺だって1人でいるのは寂しい時もあるし、お前のこういう行動には素直に感謝してるよ」ギュッ

優希「ふあっ……そうかそうか♪」スリスリ

京太郎「だけどやっぱり自重もしとけよ? 後輩達に示しがつかないからな」

優希「うん、わかったじぇ」

京太郎「じゃあ荷物整理したら俺も集合場所に行くから先に行っててくれよ」

優希「おーう。 あっ、京太郎ちょっと耳を貸すじぇ」

京太郎「んっ、どうした?」シャガミ

優希「んっ」チュッ

京太郎「なっ!?」

優希「へへっ、頑張ろうじぇ京太郎!」パタパタ

京太郎「……」

京太郎「それは反則だろ……」


――……

まこ「全員集まったな、ほんじゃあ今回の合宿について説明させてもらうけぇの」

まこ「まず今回の合宿では新入部員からのレギュラー選抜をメインとさせてもらう」

まこ「新入部員は6人、わしらレギュラー4人の内2人が3人につき1人の比率で
1日毎に交代しながら新入部員の指導をする。 それぞれが全く違う麻雀のスタイルじゃけぇ、
盗めるところはどんどん盗んでいきんさい」

まこ「最終日には実力を確かめるための卓を設けるつもりじゃけえ、頑張るんじゃぞ」

一年生「はい!」

まこ「いい返事じゃ。 一年は卓の置いてある大部屋に移動、二年は話があるからちょっと残ってくれんか」


まこ「さて、こっからは京太郎の強化メニューについての話し合いじゃ」

和「2人が新入部員の指導にあたるという事は、もう2人が須賀君の特訓につきあうんですね?」

まこ「そういう事じゃな。 ただし優希、あんたぁ、京太郎につきっきりで教えんさい」

優希「えっ、いいのか?」

まこ「いいも何も優希の指導を理解できるんは京太郎くらいじゃからのう……
はっきり言って感覚型の優希は壊滅的に指導に向いとらん」

優希「じょ!?」

咲「えっと、それなら私もあんまり誰かに教えるのは得意じゃ……」

まこ「咲は新入組の壁として立ちはだかってやってくれんか?」

咲「壁、ですか?」

まこ「全国には咲みたいなんが少なからず存在するっちゅう現実を今の内からしっかり見せとかないかんからのう……」

京太郎「あー、確かにいざ本番でいきなり咲みたいな相手に当たったらトラウマになりかねませんね」

まこ「うむ、そういう事じゃ。 だから咲には一年達を壊れん程度に圧倒してもらうけぇの」

咲「と、とりあえず普段通りに打てばいいんですよね?」

まこ「まっ、そういう事じゃな。 フォローはわしと和がやるけん、よろしく頼むぞ」

咲「は、はい!」

まこ「ほんじゃあ今日はわしと和が新入組の指導に回る。 咲は優希と京太郎を鍛えてやりんさい。 和、行くぞ」

和「わかりました」

まこ「そういえば和」

和「なんでしょう?」

まこ「今年はちゃんと浴衣を着とるんじゃな?」

和「なっ!?」

まこ「はっはっは、またひんむく手間が省けて助かったわ!」

和「ぶ、部長!」

ピシャリ


京太郎「さあて咲と優希が先生か……これは大変そうだ」

咲「よ、よろしくね京ちゃん」

優希「よーし、京太郎を全国一位にするためビシビシ鍛えてやるとしよう!」

京太郎「いきなりハードルたけぇな!?」

咲「あはは……とりあえず三麻しようか」


――……


京太郎(優希の東場の速攻高火力に咲の場の支配……当然俺にはそんな器用な真似出来やしない。 だったら)

京太郎「……」タンッ

咲「……」タンッ

優希「……」タンッ

京太郎(テンパイ……待ちは広いし相手が一年なら迷わずリーチしていくところだけど)

京太郎「……」タンッ

京太郎(相手は咲と優希、ここでツモ切りしか出来なくなるのは自殺行為でしかない。
それならテンパイを崩してでもこの牌は抱え込む!)

咲「あ……」タンッ

優希「ふむふむ」タンッ



京太郎「テンパイ」

咲「ノーテン」

優希「テンパイだじぇ!」

京太郎「うわ……」

優希「むっ、その反応からして私の当たり牌を持っていたのは京太郎、やっぱりお前だったのか!」

京太郎「まあな。 最初にテンパイした時リーチかけないで助かったわ……」

咲「あっ、やっぱり一回テンパイ崩してたんだね」

京太郎「リーチかけたらツモ切りで直撃、そんな展開は嫌ってほど繰り返したからな。
お前ら相手だとリーチは危険だって学習はしたつもりだよ」

京太郎(最初のテンパイの時ツモった牌は優希の当たり牌で、
たぶんその次に引いたのは河に1つもないのを見る限り咲の槓材だったんだろうな……危ない危ない)

優希「それにしてもそこからよくテンパイにまで持ってきた! よしよし、褒めてやろう!」ナデナデ

京太郎「やめい!」

咲「相変わらず仲いいね、2人共」

優希「もちろん! 私達はいつでもラブラブだじぇ!」

京太郎「恥ずかしいっつうの!」


――合宿初日・夜……


京太郎「ふう……やっぱり何回も集中して打ってると疲れるな」

優希「大丈夫か?」

京太郎「ああ、大丈夫。 それにしても雑用で体力には自信があったんだけどな……」

優希「雑用と麻雀じゃやっぱり違う?」

京太郎「そうだな、特に目の酷使加減が……ってちょっと待て」

優希「ん?」

京太郎「お前、こんなとこで何してんだよ」

優希「えっ?」

京太郎「いやいや、そのなに言ってるんだお前はって目をしても誤魔化されねえからな?
なんで男子部屋……というか俺の部屋にお前がいるんだって聞いてるんだよ」

優希「寝る前にちょっと会いに来ただけだじぇ」

京太郎「布団に潜り込んでてその言い訳は通用しねえよ!?」

優希「静かにしないとみんな起きるじぇ。 それに細かい事を気にすると禿げるぞ京太郎」

京太郎「いや、これは全然細かくないから。 俺昼間に自重しろって言ったよな?」

優希「だからみんながいる前ではイチャイチャしなかったじゃないかー」

京太郎「そういう問題かよ……ったく、キリのいいところで部屋戻れよ?」

優希「はーい。 ほらほら、早く布団に入るんだじぇ」

京太郎「はいはい……」ゴソゴソ

優希「京太郎、あったかいじぇ」ギュッ

京太郎「そりゃまあ、風呂から出たばっかりだしな」

優希「えへへ……京太郎♪」

京太郎「聞いてんのかこれ……」




――4/30・合宿2日目……


優希「今日もタコスが美味しいじぇー♪」

京太郎「結局俺が寝る直前までいたし……優希、お前今日も来る気か?」

優希「もちろんだ!」

京太郎「ダメって言っても……聞かないんだろうな、お前の場合。 こうなったら染谷部長に……」

優希「ちなみに染谷部長も節度を守るなら好きにしていいって言ってくれたじぇ!」

京太郎「マジかよ……完全に退路が絶たれた」

優希「というわけで今日もよろしく、あなた♪」

京太郎「もう好きにしてくれ……」


和「部長、本当にいいんですか? ゆーきと須賀君が一緒に寝るのを許可するなんて」

まこ「優希はその性格故か状況でモチベーションが大きく左右されるタイプじゃからな。
だから優希の力を引き出すにはなるべく京太郎と一緒におった方がええ」ズズッ

咲「あっ、もしかして京ちゃんの指導に優希ちゃんが絶対いる理由も……」

まこ「そういう事じゃ。 それに……」

優希「今日も特訓頑張っていくじぇー!」

京太郎「おーう、やるからには頼りにしてるからなー」

まこ「京太郎の奴もまんざらじゃないみたいじゃからのう」

和「それではよろしくお願いしますね」

京太郎「今日は和か、よろしくな」

優希「京太郎、気をつけろ! のどちゃんはただそこにいるだけで相手を誘惑する力を持つからな……!」

京太郎「ああ、わかってるぜ優希……!」

和「もう、何を言ってるんですか!」

京太郎「あはは、悪い悪い……で、和も咲みたいに実践形式で教えてくれるのか?」

和「いえ、それは咲さんが行う方がいいと思います。 なので私は私の得意分野で須賀君を指導しますから」

京太郎「和の得意分野って事は、ネト麻とか牌効率とか?」

和「そうですね。 まずはペーパーと実際に牌を使った問題で須賀君の理解度を
確かめてから改めてプランを考えましょう……はい、これが問題用紙です」

京太郎「うわ、すっげえ問題の数だな……」

優希「ううっ、見てるだけで頭が痛くなりそうだ……学校のテストだけでも手一杯だろうに同情するじぇ」

京太郎「同情するならとりあえず離れろ、集中できん」

優希「つれないじぇ、京太郎……」

和「ほら、ゆーきは須賀君の邪魔にならないようにこっちで牌効率の勉強です」

優希「じょ!?」

和「常々ゆーきの計算違いには私も頭を悩ませていたんです。 ですからここで須賀君と一緒に指導します!」

優希「そ、そんなあー!」

京太郎「えーっとここは……こう、か?」

和「ほらゆーき、ここ間違ってます」

優希「あ、あれ……おかしいな」

京太郎「ここは……こうだな」

和「ゆーき、点数がずれてますよ」

優希「うええっ!?」

京太郎「……」

優希「じぇぇぇ……勉強いやぁ……」

和「もう後輩達もいるんですから、いつまでも点数移動計算が出来ないなんて泣き言は言ってられないんですよゆーき!」

優希「ううっ……!」

京太郎「……あれ、これ俺の指導じゃなかったっけ?」



――2日目・夜……


優希「頭痛いじぇぇぇ……」グッタリ

京太郎「よしよし、よく頑張った頑張った」ナデナデ

優希「ううっ、ああいう時ののどちゃんは容赦なさすぎだじぇ……」ギュッ

京太郎「それだけお前を信じてるんだろうよ。 優希なら教えた事をものにしてくれるって」

優希「むー……それはわかってるけど」

京太郎「だったら頑張ろうぜ。 俺も一緒に頑張るからさ」

優希「……なら、その分今は甘えるじぇ!」

京太郎「それはいいけど……お前本当に甘えたがりになったな」

優希「……こんな私はいやか?」

京太郎「んなわけないだろ。 信頼されてる気がするし甘えられて悪いとは思ったりしないって」

優希「そうか……ねぇ、京太郎」

京太郎「ん?」

優希「今日は一緒に寝ていい?」

京太郎「……朝に好きにしろって言っただろ? もう俺は何も言わねえよ」

優希「えへへ、じゃあ好きにするじぇ」ギュッ

京太郎「一応言っとくけど蹴るなよ?」

優希「はーい」




――5/1・合宿3日目……

京太郎「おい優希、口元ソースついてるぞ」フキフキ

優希「あ、ありがとう……///」


咲「な、なにかあったのかな? 昨日より距離が近いけど」

和「ど、どうなんでしょうか?」

まこ「うーむ……」


――……


まこ「今日はわしじゃな」

京太郎「よろしくお願いします、部長」

優希「よろしくだじぇー」

まこ「咲からは実践形式、和からはデジタル面での指導を受けたんじゃったな?」

京太郎「はい」

まこ「ほんじゃあわしからは駆け引きを教えるとしようかの。
基本ネト麻や決まった打ち方をする咲達との打ちが多い京太郎にはわしが記憶している色々な卓の状況から勉強してもらう」

京太郎「わかりました」

まこ「京太郎、この卓の状況から何を切る?」

京太郎「安牌がありませんね……だったら、これですか?」

まこ「残念、ロンじゃ。 ここだけじゃなくて周りの河も注目してみい」

京太郎「あ、ここでロンしてないって事は単騎待ちの方だったのか……なるほど」

まこ「奇をてらった待ちをしてくる打ち手は意外に多い。 こういう手合いは一度ハマると立て直しも難しいから用心しとくように」

優希「ハマると去年の県予選の元部長を相手した風越みたいになるんだじぇ!」

京太郎「あれみたいにか……それは確かに危険だな」

まこ「久ほどひねくれてるんはまずおらんがのう……よし、次の状況はこれじゃ」

京太郎「えっと、これは……」


――合宿3日目・夜……


咲「合宿所のご飯って美味しいけど競争率高いからゆっくりとは食べられないよね」

和「そうですね……あっ、咲さん、これ美味しいですよ」

咲「ありがとう、和ちゃん」

和「どういたしまして。 それにしても……」


優希「その肉いただいたー!」

京太郎「させるかよぉ!」

優希「ぐぎぎ……なかなかやるじゃないか京太郎……!」

京太郎「お前もな優希……!」

優希「だが詰めが甘い!」

京太郎「なにぃ!?」

優希「もらったー!」

まこ「いらんならもらうぞ」パクッ

京太郎・優希「あ」


和「一番騒いでいるのが知り合いなのが情けないです……」

咲「あ、あはは……」



――京太郎の部屋……


優希「うー! まさか染谷部長に漁夫の利を取られるとは思わなかったじぇ!」

京太郎「悔しいのはわかるけどあんまり騒ぐなよ」

優希「そうは言うけどなー!」

京太郎「帰ったらタコスいっぱい作ってやるからそう拗ねるなって」

優希「むう……いつもより多めにな」

京太郎「はいはい」

優希「よし、なら許す!」

京太郎「ありがとうございます……って俺別に悪い事してないだろ!」ビシッ!

優希「ちっ、バレたか!」

京太郎「お前なあ……」

優希「まあまあそんな些細な事は気にしないで早く寝よう!」

京太郎「……」

優希「え、えっと……」

京太郎「……ぷっ、なんだよその顔」

優希「うっ、だって怒らせたかって不安になったから……」

京太郎「この程度で怒るわけないだろ。 そんな不安になるなんていつものお前らしくないぞ」

優希「いつもの私って?」

京太郎「そりゃ図々しくてわがままで子供っぽくてアホで……」

優希「なっ……」

京太郎「そのくせ変なところで律儀で、一々やる事が可愛くて、元気いっぱいで
見てて明るくなれる……俺が惚れたのはそんな奴だよ」

優希「あっ、えっ……///」

京太郎「……なに言わせんだよ、恥ずかしいな」

優希「そ、それはこっちの台詞だじぇ……」

京太郎「……」

優希「……」

京太郎「あー……」

優希「……!」ビクッ

京太郎「寝るか」ゴソゴソ

優希「そ、そうするじぇ」ゴソゴソ

京太郎「ほ、ほら優希、来いよ」

優希「う、うん」ギュッ

京太郎「……おやすみ」

優希「お、おやすみ」





京太郎・優希(ね、眠れない……)







――5/2・合宿4日目……


京太郎「……」

優希「……///」


咲「京ちゃん達、今度は少し距離を取ってるね……」

和「何かあったんでしょうか……」

まこ「全く……」



咲「今日は私だね」

京太郎「よぉ、咲。 そういえば一年生の様子はどうなってるんだ? 夕食の時とか見る限り心配はなさそうだけど」

咲「みんな頑張ってるよ! 和ちゃんと染谷部長の教えてる事をすぐ試したくて仕方ないみたい」

優希「ほほう、それで咲ちゃんはどれだけ相手したんだ?」

咲「あっ、一応牌譜は持ってきたけど見る?」

京太郎「おう、ちょっと見せてくれないか」

咲「はい、これだよ」

京太郎「どれどれ……」

優希「ふむふむ……」

京太郎・優希「……」

京太郎(あ、相変わらず次元が違うな……まさか全局咲が大差つけて一位とは)

優希(うわ、一年生の半分以上が焼き鳥だじぇ……)

咲「ど、どうかな? プラマイゼロはしないようにって約束だったから頑張ってみたんだけど」

京太郎「あ、ああ……いいんじゃないか? なあ、優希」

優希「そ、そうだな、うん! 振り込みも少ないし一年もなかなかやるな!」

咲「そっか、染谷部長や和ちゃんも同じ事言ってたし何も問題ないなら良かったよー」

京太郎(もしかして一年生がここに来てからほとんど喋ってないのは……いや、やめとこう。 これ以上考えるのは危ない気がする)

優希「……さ、三麻しようじぇ!」

京太郎「だ、だな!」

咲「うん!」



咲「カン!」

京太郎「んなっ!?」

優希「じょ!?」

咲「ツモ! 嶺上開花!」

優希「ああ! また負けたあー!」

京太郎「ま、また飛んだ……」

咲「だ、大丈夫2人共?」

優希「ふ、ふふ……大丈夫だじぇ。 伊達にインターハイで魔物扱いされてる連中とやり合ってきたわけじゃないからな……!」

京太郎「俺もだ、この程度で折れてられるかっての……優希、まだいけるか?」

優希「もちろんだじぇ! さあ咲ちゃん、もう一回勝負だ! 今度こそ私が勝つ!」

咲「京ちゃん、優希ちゃん……うん、わかったよ!」




――ここからの対局はあまりにも惨いのでダイジェストでお送りします――








京太郎(よ、よし張った……)

咲「カン!」

京太郎「ああっ!?」

咲「ツモ! 嶺上開花!」

京太郎「」

――……

優希(イーピン……なんだか嫌な予感がするけどこれ持ってたら和了れないし)

優希「……」タンッ

咲「カン!」

優希「ひっ!?」

咲「もいっこカン!」

優希(連続カン……!?)

咲「もいっこカン!」

京太郎「おいおい、これはまさか……」

優希(どこかで全く同じ展開見たんですけどぉー!?)

咲「ツモ。 清一、対々、三暗刻、三槓子、赤1、嶺上開花……32000です!」

優希「そんなのありかあ!?」バタッ

――……

咲「カン!」

京太郎「また来た!?」

優希「もうやだぁ……」
咲「もいっこカン! もいっこカン!」

京太郎「また三槓子かよ……」グッタリ

優希「ま、また数え役満か……?」カタカタ

咲「もいっこカン!」

京太郎・優希「!?」

咲「ツモ。 四槓子!」

京太郎・優希「」チーン



――合宿4日目・夜……


京太郎「つ、疲れた……今までにないくらい疲れたぞ」

優希「ううっ、もうカンやだぁ……咲ちゃん容赦なさすぎだじぇ……」

京太郎「飯もまともに食えなかったな……優希、風呂どうするよ?」

優希「冷や汗で身体ベトベトだから入るじぇ……」

京太郎「そうか……俺の分までゆっくりしてきてくれ」

優希「……」

京太郎「優希?」



優希「き、京太郎……その、もしよかったら――」



カポーン


京太郎「……」

優希「……」

京太郎「あー……い、いい湯加減だな?」

優希「う、うん……」

京太郎「……」

優希「……」

京太郎(か、会話が続かない……かといって黙ったままだと背中合わせの優希を意識しちまって心臓が痛くなってくるし……)

優希(顔熱い……自分で言った事だけど一緒にお風呂入ろうなんて大胆すぎるじぇ……)

優希「あの、京太郎?」

京太郎「お、おう、どうした?」

優希「なんか無理言ってごめんだじょ……」

京太郎「いや、別に無理を言われた覚えはないから問題ない。 緊張は、やっぱりするけどな」

優希「京太郎も緊張してるのか?」

京太郎「そりゃ、なあ……今後ろに恋人が裸でいるとなったら緊張しないわけがないだろ」

優希「っ……このエロ犬め!」

京太郎「犬言うな! だいたい一緒に風呂入ろうなんて提案してきたお前だって人のこと言えないだろ!」

優希「そ、それは!」

京太郎「それは、なんだよ?」

優希「もう京太郎には見られた事あったし……」

京太郎「ぶっ!?」

優希「ま、まさかこんなに恥ずかしいなんて思わなかったんだじぇ……」ギュッ

京太郎「ちょっ!?」

優希「わ、わかるか? 私今すごくドキドキしてるんだじぇ……京太郎」

京太郎(こ、こいつ……自分が何してるかわかってんのか? 裸で抱きつくとか、無防備にも程があるだろ……!)

優希(あ、京太郎もドキドキしてる……ちゃんと意識してくれてるんだな……)

京太郎「お、おい優希……そろそろ離れてくれ」

京太郎(これ以上は我慢の限界だ。 けどさすがに部の合宿でやらかすのはマズすぎる……なんとか鎮めるんだ俺!)

優希「ん、わかった」パッ

優希(初体験に失敗してから手を出してくれなかったから不安だったけど、これなら大丈夫そうだじぇ)

京太郎「ふうっ……よし、そろそろ上がるか」

優希「のぼせると大変だしな!」

京太郎(なんとか鎮めたけど、今日眠れるかな俺……)



――5/3・合宿5日目……

京太郎「ふあっ……んう」

咲「京ちゃん、眠そうだね」

京太郎「ああ……誰かさんのせいで寝不足もいいところだよ、全く」

優希「それは大変だったな京太郎……私の寝てる隙をつくとはいったい誰の仕業だじぇ!」

京太郎「……」ヒクヒク

咲「きょ、京ちゃん、落ち着いて……」

ムロ「あの、先輩……」

和「あの2人はいつもああいう感じなので気にしなくていいですよ」

ムロ「は、はい」

まこ「やれやれ……」

和「今日は私です」

優希「ひぃっ!」

和「……そんな怯えられると傷つきますゆーき」

優希「じゃあそれを解消するためにも勉強はなしで……」

和「それとこれとは話が別です」

優希「じぇぇ……」

京太郎「いや、優希の勉強もいいけど俺の方も頼むよ、マジで」

和「あっ、そうでした」

京太郎「大丈夫なのか……」

――……

和「須賀君、ここは河の状態から考えて……」

京太郎「ああ、なるほどね……じゃあこっちは……」

和「はい、そうです。 それでは次は……」

優希「あーうーあー、計算全然終わらないじぇ……京太郎、のどちゃん助けてー」

和「ゆーき、人に頼ってばかりでは成長しませんよ」

京太郎「悪い、こっちも今自分の分で手一杯なんだ」

優希「ううー……」

京太郎「あっ、和、ここは……」

和「そこはですね……」ムニュッ

京太郎「うおっ!?」

京太郎(の、和の胸が腕に当たって……!)

和「須賀君?」

京太郎「な、なんでもない……」

京太郎(いかん、昨日の優希との風呂で色々溜まってたからつい意識しちまった……集中集中)

京太郎「ここはこうか」

和「正解です、よくできましたね」

京太郎「まあ先生がいいからな」

和「上手い事を言っても手は抜きませんよ?」

京太郎「望むところだ!」


優希「……」ジー

優希「……京太郎のバカ」ボソッ



――合宿5日目・夜……

優希「……」ムスッ

京太郎「なあ、そろそろ機嫌なおしてくれ……つうか何を怒ってんだよ」

優希「別に私は怒ってないじぇ」プイッ

京太郎「それで怒ってないとかもうちょっとマシな嘘をついてくれ……」

優希「……腕に当たったのどちゃんのおっぱいは気持ちよかったか?」

京太郎「なっ!?」

優希「……この浮気者め、のどちゃんにデレッとしたのを私が見抜けないと思ったのか」

京太郎「そ、そう言われてもだな! 俺だって男だしそれに今日は……」

優希「今日がどうしたっていうんだ!」

京太郎「……誰かさんが昨日変に刺激してきたせいでモヤモヤしてたんだよ!」

優希「……えっ」

京太郎「……いや、やっぱり今のなし。 こんなのいいわけにならないよな……確かに一瞬意識持ってかれたわけだし」

優希「あ、うん……」

京太郎「……なあ、どうすれば許してくれる?」

優希「えっと、それじゃあ……まずは私をギュッとしろ」

京太郎「こうか?」ギュッ

優希「ぁう……そ、それで頭を撫でて」

京太郎「了解」ナデナデ

優希「ひゃんっ……」

京太郎「これでいいのか?」

優希「そ、それでそれで……」

京太郎「それで?」

優希「キ、キス、してほしいじぇ……」

京太郎「……マジ?」

優希「う、うう……」

京太郎「本当、甘えたがりになったな優希は」チュッ

優希「んっ……」

京太郎「……」

優希「あ、は……なんだか頭フワフワするじぇ……」

京太郎「もう、いいのか?」

優希「へっ……」

京太郎「キスは一回でいいのかって、聞いたんだよ」

優希「……」

京太郎「……」

優希「……っと」

京太郎「……!」

優希「もっと、いっぱいしてほしい、じぇ……」

京太郎「優希!」

優希「京太……んんっ!」



――5/4・合宿6日目……

優希「~~♪」

和「ゆーき、ずいぶん機嫌がいいですね?」

優希「あっ、のどちゃーん。 昨日はありがとうだじぇ!」

和「えっ、なんの話ですか?」

優希「ふふーん、こっちの話だじぇー♪」

和「……?」

咲「京ちゃん、優希ちゃんと何かあったの?」

京太郎「いや、まあ……あはは」

一年生「染谷部長、部長に用があるってお客さんが……」

京太郎「あっ、誰か来たみたいだぜ!」

咲「話を露骨にそらしたね……」

まこ「わしに客? いったい誰が……」



久「まこ、みんな、元気にやってた?」

まこ「久!?」

優希「おぉ、部長だじぇ!」

和「元部長、ですよゆーき」

京太郎「これはまた予想外の客が来たな」

咲「でも、どうしてここに……」

久「少し様子を見にね。 まこ、あれが今年の新入部員?」

まこ「ああ、そうじゃ」

久「戦力として期待出来そう?」

まこ「なかなか骨はある。 まあ、去年ほどとはいかんけどな」

久「さすがにそれは高望みでしょ」

まこ「ふっ、それもそうじゃな。 こっちにはどれだけおるつもりなんじゃ?」

久「ごめんなさい、予定があって今日と明日しかいられないの。
ここに来たのも様子を見に来たのは確かだけど、まこに家からの伝言を伝えに来たのが主目的だし」

まこ「そ、そうか……久が主導してくれたら指導がもっと上手くいくと思ったんじゃが……」

久「もう、今の部長はまこなんだからそんな弱気な事言ってちゃダメじゃない」

まこ「わかってはおる、つもりなんじゃがな……」

久「……さて、ところでまこ。 今年のルーキーがどれだけ粒揃いか確かめたいし私も打たせてもらっていいかしら?」

まこ「お、おう、もちろんじゃ。 あんたと打てばそれも後輩達にはいい経験になる」

久「ふふっ、期待には答えるわ。じゃあ少しもんであげるとしましょうか」




京太郎「……ってわけで今日は2人きりか」

優希「染谷部長が元部長のフォローに回っちゃったからなー」

京太郎「まあ、たまにはこんな日があってもいいか……」

優希「そういえば京太郎、元部長が来てから染谷部長の様子が変じゃなかったか?」

京太郎「言われてみれば……やっぱり元部長と自分を比較しちまってるとか、なのかね」

優希「比較かー……私にはよくわかんないじょ」

久「やっほー、2人共ここにいたのね」

京太郎「あっ、竹井先輩」

久「ごめんなさいね、2人きりのところを邪魔しちゃって」

京太郎「別にそれは構わないんですけど、何かご用ですか?」

久「ちょっと話があってね」

優希「話?」

久「そう、実は2人に協力してもらいたい事があるの……」

――……

京太郎「……なるほど」

優希「私は喜んで手伝うじぇ!」

久「ありがとう優希。 須賀君は?」

京太郎「むしろ断る理由がありませんね。 わかりました、手伝います」

久「須賀君もありがとう。 それじゃあ私は他に準備があるから行くわ、明日はよろしく頼むわね!」

優希「もしかしてこの為に来たのか、元部長?」

京太郎「ああ、そうかもしれないな……」



――合宿6日目・夜……

まこ「さて、夕飯の前に話がある」

まこ「いよいよ合宿も残り2日。 明後日に一年生は選抜の為の対局を行う事になっちょる」

まこ「というわけで明日1日は練習は休みじゃ。 どこかに行くなり、休むなり、好きなように過ごして英気を養いんさい」

まこ「わしは実家の雀荘に顔を出すけぇ、羽目を外しすぎんようにな」

まこ「連絡は以上じゃ」

京太郎「咲、和……元部長から話は聞いてるか?」

咲「うん、私達もお手伝いするって言ってあるよ」

和「こういう事をするのは初めてですからなんだかドキドキしますね……」

優希「くふふ、明日が楽しみだじぇ」

京太郎「よし、勝負は夕方までだ。 いっちょ頑張るとしようぜ!」

咲「おー!」

和「はい!」

優希「頑張るじぇ!」


――5/5・合宿7日目……

まこ「じゃあ行ってくるけん、すまんが留守番は任せた」

久「行ってらっしゃーい……よし」

久「みんな、今日の計画はおさらい出来てるわね?」

京太郎「はい、完璧です! 一年生達もみんな手伝うって言ってますし予定より早く終わるかもしれませんね」

優希「任せてほしいじぇ!」

咲「私と和ちゃんは……」

和「こちらの担当ですね、頑張りましょう咲さん」

咲「うん!」

久「みんな頼もしいわね……こんないい後輩を持てて、あの子も幸せ者だわ」

京太郎「竹井先輩……」

久「ふふふ、ごめんなさい。 感傷に浸ってる暇はなかったわね……それじゃ各自分担された役割をよろしく!」

4人「はい!」




――……


まこ「ただいま」

久「あっ、おかえりなさいまこ」

まこ「おぉ、なんじゃ、わざわざ出迎えに来てくれたんか?」

久「それだけじゃないんだけどね。 ほら、こっちこっち」

まこ「なんじゃなんじゃ、何かあったんか?」

久「何かあったんじゃなくて何かあるのよ。 着いたわ、まこ扉を開けて」

まこ「言っとる意味がよくわからんが……開ければいいんじゃな」


ガラッ






「染谷部長、お誕生日おめでとうございます!」






まこ「……は?」

京太郎「あれ、今日って染谷部長の誕生日でしたよね?」

優希「まさか間違えたのか!? これはどういう事だじぇ京太郎!」

京太郎「俺のせいかよ!?」

まこ「あ、いや、確かにわしの誕生日は今日じゃが……」

咲「よかったあ、もし間違えてたらどうしようかと思いました」

和「誕生日を間違えるのってすごく気まずいですからね」

まこ「そうじゃな……」

久「もう、いつまで呆けてるつもり? ほら、主役はあっちに座った座った」

まこ「久、もしかしてこれはあんたが仕組んだのか?」

久「確かにまこの誕生日をお祝いしたいって話はしたわよ。 でも後はみんなこの子達が自分の意志でやってくれたわ」

まこ「……」

久「まこの事だから私みたいに部長が出来るのかーなんて変な事考えてる気がしてね。
それならいっそあなたがどれだけ慕われてるか見せてあげようと思ったのよ」

優希「ケーキ持ってきたじぇー!」

和「私と咲さんで手作りしたんですけどお口に合うかどうか……」

京太郎「咲の事だから塩と砂糖間違えてたりしてな?」

咲「京ちゃん、私を馬鹿にしすぎだよ! いくら私だってそんな間違い……と、時々しかしないよ!」

京太郎「するんじゃねえか!」



まこ「そう、か……」

久「まあ純粋に私がまこの誕生日を祝いたかったっていうのが本音なんだけどね」

まこ「面倒かけたの、久」

久「あら、面倒なんかじゃないわよ。 だって今のまこ、とってもいい顔してるもの。
その顔が見られただけでもやった甲斐があったわ」

まこ「全く、あんたっちゅう奴は……」

京太郎「あっ、それでですね部長……急な話だったんでプレゼント用意できなかったんです、すいません」

まこ「別にかまわんよ。 こんな風に祝えてもらっただけでわしは……」

優希「だから、私達決めたんだじぇ!」

まこ「何をじゃ?」

咲「私達、染谷部長を絶対に全国に連れて行きます。 そして全国二連覇をプレゼントします!」

まこ「!」

和「もちろん元からそのつもりではありましたけど……これで今まで以上に目標への気持ちが引き締まります」

まこ「あんたら……」

京太郎「それと、男女揃っての全国出場……竹井元部長の代に出来なかった事も達成するつもりです!」

久「……だ、そうよ?」

まこ「本当に……あんたらは、なんて……」

久「ああ、もう泣かないの。 まこに泣かれたら私もみんなも困っちゃうじゃない」

まこ「嬉し泣きくらい、好きにさせんさい。 わしは今、最高の幸せを噛みしめているんじゃ」

久「まこ……」

まこ「……行くぞ、みんなで全国に。 わしら清澄高校の力を今一度全国に知らしめてやるんじゃ!」

麻雀部一同「おー!」



――合宿7日目・夜……


京太郎「ふう……今日は走り回ったりドンチャン騒ぎしたりで騒がしい1日だったな」

優希「でも嫌な疲れじゃないじぇ」

京太郎「だな」

優希「……大きな約束をしちゃったな京太郎。 責任重大だじぇ」

京太郎「そうだな。 でも言ったからには叶えてみせるさ……俺達はみんなで全国に行くんだ」

優希「よく言った、それでこそ私の婿だ!」

京太郎「そりゃどうも……これからも面倒かけると思うけどよろしく頼むな?」

優希「うむ、まかせとけ!」

キラッ

優希「あっ、流れ星!」

京太郎「おっ、本当だ。 去年の合宿の時も見たけどやっぱり綺麗なもんだな」

優希「私は去年見られなかったから今日が初めてだけど、空がキラキラしててとっても綺麗だじぇ……」

京太郎「……」

優希「あっ、また流れた!」

京太郎(こういう時って漫画とかならお前の方が綺麗だよって言う場面なんだろうな……だけど柄じゃねえよな)

優希「ん、京太郎?」

京太郎(それに言えるかよ、そんな恥ずかしい事……)

チュッ……




――5/6・合宿最終日……

京太郎「ん……朝か」

優希「むにゃむにゃ……」

京太郎「すっかり慣れちまったな、優希と一緒に寝るのも」

優希「あ、ん……京太郎……?」

京太郎「悪い、起こしたか?」

優希「んーん、大丈夫……今日が最後だっけ……」

京太郎「正確には今日の夕方までだな。 今日は一年生からレギュラーを
選抜する日だから俺は一応暇もらってるけどどうする?」

優希「んー……それならちょっと行きたいところがあるじぇ」

京太郎「じゃあ一緒に行くか」

優希「うん!」


――……

京太郎「へぇ、滝か……こんな場所があったんだな」

優希「去年は咲ちゃん、のどちゃんと一緒に来てまたこの合宿所に来ることを誓ったんだじょ!」

京太郎「なんだ、去年どこか行ってると思ったらそんな事してたのか」

優希「まあな! だから今年はゲン担ぎに京太郎を連れてきたのだ!」

京太郎「また、ここに来れるようにか……咲達が来たなら確かに御利益がありそうだ」

優希「そうだろう、そうだろう!」

京太郎「ここまでしてもらったんだ、もう二度とあの日みたいな無様な姿は見せられないな……」グッ

優希「京太郎?」

京太郎「情けない話なんだけど俺、去年の個人戦の事思い出すと未だに手が震えるんだよ。
あんな何も出来なかった対局、部活以外じゃ初めてだったからな」

優希「……」

京太郎「しかも今年は全国優勝校の看板だのなんだの背負ってるから余計に怖かった……
またあの日みたいな事になったら今度こそ俺は清澄の名に拭いきれない泥を塗っちまうって」

優希「京太郎……」

京太郎「だけど、そんな情けない考えはもうやめだ。 染谷部長と約束した、咲や和に教えてもらった、
お前に……優希に支えてもらったこの分、きっちり結果にして返してみせる」

優希「そっか……それなら待ってるじぇ、京太郎が私達に追いつくの!」

京太郎「ああ、絶対追いついてやるよ!」

優希「頑張ろうな、まずは県大会!」

京太郎「そして全国に、だな!」

優希「やるじぇー!」

京太郎「おー!」



――1ヶ月後・県予選会場……


京太郎「……」

京太郎(昨日の団体戦、清澄は去年のメンバーがそのまま残ってた龍門渕を下して
見事に二年連続の全国出場を決めた……これで、余計に負けられなくなったな)

優希「京太郎!」

京太郎「おう、優希」

優希「いよいよだな、個人戦」

京太郎「今日は東風戦だけだからお前は余裕で突破なんだろうな」

優希「もちろんだ! 今年は団体、個人、両方とも清澄で固めてやるじぇ!」

京太郎「そりゃすごい目標だな……」カタカタ

優希「……」

京太郎(くそっ、今になってまた震えてきやがった……! こんなんじゃまともに戦えないっつうのに!)

ファサ……

京太郎「えっ……これ、マント?」

優希「私のと色違いのやつだじぇ! それをあげるから勝ち進んでこい!」

京太郎「優希……」

京太郎(ああ、そうだ……俺は1人じゃないんだよな)

京太郎「ありがとな、優希」ナデナデ

優希「えへへ……あっ、そうだ!」

チュッ

京太郎「!?」

優希「勝利のおまじないだじょ。 頑張れ、京太郎!」

京太郎「……ああ!」

京太郎(ここまでされて負けるなんてありえねえよな!)

優希「ファイトだ、京太郎!」

京太郎「おう、行ってくる!」


清澄高校○×年度麻雀全国大会結果

女子団体戦……優勝、白糸台高校と同じく二連覇達成

女子個人戦……宮永咲1位、原村和4位、片岡優希8位

男子団体戦……人数不足のため出場せず





男子個人戦……須賀京太郎全国大会二回戦敗退

――ただし敗退時の顔は決して暗いものではなかった事をここに追記しておくものとする

カン!