京太郎「部長、聞いて下さいよ。生まれて初めて彼女が出来ましたよー」

久「あら、そうなの?おめでとう」

京太郎「いやー、毎日が楽しくて楽しくて。もー」ワハハ

久「優希?咲?」

京太郎「あんな幼児体型のお子ちゃま達じゃないっすよ。俺の彼女は。ボインボインです」


久「まさか…、和と!?あの子、レズじゃなかったんだ」

京太郎「いえいえ違います。あれはガチです。ガチ。男に興味ないっす」

久「じゃあ…まこね。まぁ、ボインボインではないけど普通なんじゃない?」

久「昔から知ってるけど、いい子よ。磨けば光るタイプだし。大事にしてあげてね」

京太郎「メガネ外すと意外に可愛かったりしますね。でも、俺の彼女は長野一カワイイっす」

久「へぇー、興味あるわね。須賀君みたいなのが美少女と付き合えたの?」

京太郎「そうっすね。いやー、今でも信じられないっす。あっ、これ写メです」パカッ



久「…美穂子じゃん!?」

京太郎「そうですそうです。風越の元キャプテンの」

久「…」プルプル

京太郎「何でもタコスを作った事がないらしくて、一緒にハギヨシさんに教えて貰ってたんですよ」

久「…そう言えば、サンドイッチ、おにぎりの他にタコスを差し入れに来た事があったわね」

京太郎「料理好きですからね。タコス作りは負けたくないですけど」

久「ふーん、じゃあ二人で仲良くタコス作りしてたんだ?」

京太郎「はい。今は二人ともオリジナルレシピを独自に開発してますけど」

久「ふーん」

京太郎「彼女、機械音痴じゃないですか?」

久「そうね。異能レベルね」

京太郎「日常生活で困るからって、一緒にヤマダ電機とかによく行ってたんですよ。日曜日とか」

久「…あぁ、そう」

京太郎「老人、幼稚園児向けの機能がほとんどない携帯ですけど、美穂子もようやく使えるようになりました」

久(私、アドレス知らないけど…)

ブーブー

京太郎「おっ、メールだ。美穂子か!見て下さいよー」パカッ


From 福路美穂子

タイトル Re

本文 にちようびのでーとどこに行きますか


久「ホントだ…。あの子がメールを一人で送れるようになったとか…」

京太郎「いやー、日曜日楽しみだなぁ///」テレテレ

久「リア充爆発しろ」ボソッ

京太郎「何か?」

久「何でもないわよ」

京太郎「部長って恋愛経験豊富じゃないですか?」

久「タラシって言われてるけどね。私は仲良くなりたいから、普通に話してるだけよ」

京太郎「相談に乗って下さいよー」

久「相談?彼女持ちが私に?」

京太郎「そうっす!経験は部長の方が多いですし」

久「まぁ、話聞くだけなら…」

京太郎「今回のデートで、決めたいです!」

久「…何が?」

京太郎「脱・童貞!」ドン

久「」ポカーン

久「童貞って…。まぁ…、高校一年生だものね。ヤりたい年頃か」

京太郎「えぇ!俺の初めては美穂子で貫き通すって決めてます!」

久「美穂子も確か…」


ぽわわーーーん

合宿、お風呂場

美穂子『いいお湯ですねー』

久『そうねー』

美穂子『う、上埜さんは男性とお付き合いした事は、あ、ありますか!?』

久『なによ、藪から棒に』

久『男ねぇ…。親父がロクでもない男だから、実は男性って苦手なのよね』

美穂子『そうなんですか…。それは悪い事を聞きましたね…』

久『女の子と付き合った事はあるわよ。初体験も女同士だった』

美穂子『は、初体験///』カァーー

久『なんか通販で買った、変なオモチャとか突っ込まれて、突っ込んで…』

美穂子『わわわ///』プシュー

久『急にどうしたの?こんな話に興味あるの?』

美穂子『初体験と言うか、エッチって痛いのかな…怖いのかな…って思いまして』

久『うーん、人によるんじゃないかしら?最初は痛かったけど…』

美穂子『やっぱりですか』ズーン

久『女は仕方ないんじゃないかしら?まぁ、案外我慢出来るわよ。好きな人とすれば』

美穂子『好きな人と…』

久『美穂子って処女なの?』

美穂子『お恥ずかしながら…。この年になって、男性とロクに会話した事すらありません』

久『女子校だもんね。風越は』



久「そんな会話したような…」ウーン

京太郎「年上のお姉さんだからリードしてくれるはず。…なんて考えは甘いですよね」

久「うん。美穂子だと、須賀君がアクション起こさないと何も起きないと思うわよ」

京太郎「部長!いえ、竹井先生!」ガバッ

久「う、うわっ」

京太郎「どうか…、お力添いを…、俺を男にして下さい」ドゲザ

久(よりにもよって、私に頼むか…)

京太郎「俺、来年も再来年も清澄のために雑用を。優希のためにタコスを。何でもしますから!」

久「わかったわかった…。貴方の力、思ったより重要なのよ…。麻雀部唯一の男手だし」

京太郎「じ、じゃあ!俺と美穂子の恋のキューピットに!?」

久「まぁ…、出来る限り頑張るわね。最終ゴールはラブホ照?はいはい、わかったわかった」


日曜日

京太郎「…」ドキドキ

久「日曜日なのに、私、何やってんだか…」

和「なんで私まで…」ブツブツ

久「一人じゃやってらんないのよ。まぁ、これが終わったら咲との仲を取り持つから」

和「お願いしますよ」


物陰で見守る二人


京太郎(待ち合わせ15分前だな)

美穂子「おはようございます。いい天気ですね。すいません、少し遅れました」ニコッ

京太郎「いいいいい、いえ。まだ待ち合わせ時間過ぎてませんから!」

久(ポイントその1。デート開始時は、必ず服装を褒める)

京太郎「み、美穂子。今日の服、すごくカワイイ!」

美穂子「えっ…、そ、そうかしら///」

京太郎「髪型も変えてて、ドキドキする!」

美穂子「たまにはヘアピンもいいかなって思いまして///褒めてくれてありがとう」



京太郎(流石、部長だぜ!)グッ


物陰

部長「まだまだ、70点ね」

和「はい?」

久「メールメールっと」ポチポチ



ブーブー

京太郎「あっ、すまん」

美穂子「どうぞどうぞ」


From 部長

タイトル 70点

本文 瞳を褒めろ


京太郎(ふむふむ、なるほど)

京太郎「そ、そのさ…。美穂子」

美穂子「はい、何ですか?」ニコッ

京太郎「片目を閉じたままって…、やっぱり俺にも見せたくないって事かな?」

美穂子「あぁ、これね。癖なんですよ。まぁ、左右で瞳の色が違うって、変ですよね?」

京太郎「変なんかじゃない!」

美穂子「」ビクッ

京太郎「左目も…、右目も…、どっちの色もキレイだ!俺は、変だとか思った事なんか一度も無い!」

美穂子「まぁ…」ポロポロ

美穂子「うれしい…。こんな事、言ってくれたの二人目だわ」

京太郎「ね、猫もオッドアイの猫が一番好きだし」

美穂子「ふふふ、私は猫じゃありませんよ。まぁ、須賀さんが好きって言うなら…。開けて見ようかしら」カイガン

京太郎「須賀さんじゃなくて、京太郎って呼んで欲しい」

美穂子「き、京太郎さんですか///」ポン


久「どうやら上手く行ったみたいね」

和「ふぁ~~~」ポチポチ

久(ポイントその2。男の子は、女の子の鞄を持ちましょう)

久(ただし嫌がる女の子も居るので、臨機応変に)


京太郎「美穂子。その鞄、重そうだな」

美穂子「えっ…、あぁ。それほどでもないですよ」

京太郎「俺が持つよ」ヒョイ

美穂子「あ、ありがとうございます///」

美穂子(優しい人だわ…)


久「ふぅーむ。多分、美穂子は嫌がる素振りなんか見せないタイプね」

和「聖人ですからね。私は、須賀君に鞄を触られたら、蹴飛ばしますよ」

久(ポイントその3。女と男は歩く速度が違う。必ず女の子の歩幅に合わせる事)

京太郎「なるほど」

美穂子「はい?」

京太郎「天気もいいし、公園をブラブラしないか?」

美穂子「はい♪」


久「よしよし、美穂子は歩く速度が遅いのよ」

和「女同士だとあまり気にしませんよね。私は無意識に咲さんに合わせてるみたいです」

久(ポイントその4。かなりの高確率で、お弁当を用意して来る。いい食べっぷりを見せる事)

京太郎「おっ、もう昼か。お腹すいたなー」グー

美穂子「お弁当作って来ましたよ」ニコッ

京太郎「マジか!?気が利くなー。いいお嫁さんになるぜ」

美穂子「うふふ///」テレテレ


久「昼、何食べる?」

和「お弁当は…」

久「私が料理できないって知ってるでしょ」

和「はい。コンビニでパン買って来ました。一つ200円です」

久「はっ!?倍の値段じゃない!」

和「嫌なら、公園の水でも飲んでて下さい」パクパク

京太郎「うめぇぇぇぇぇぇぇぇ!」ガツガツ

美穂子「そんなに慌てて食べると…」

京太郎「うぐっ!?」トントン

美穂子「うぐぅは私の台詞で…。って、アイスティー!アイスティー!?」アセアセ

京太郎「…」ゴクゴク

京太郎「ふぅ…、助かった」

久(ポイントってわけでもないけど、間接キスとか意識させるといいかも)

京太郎「はぁ~、このアイスティーうめー」ゴクゴク

京太郎「美穂子もグイっと」スッ

美穂子「えっ!?」

美穂子「い、頂きます」ゴクゴク

美穂子(間接キスしてしまった///もうお嫁に行くしかない///)


久「間接キスで赤くなる高校生カップルとかwww」

和「…」チュパチュパ

久「さっきから何舐めてんの?」

和「咲さんが、昨日捨てて帰ったペットボトルの空き容器ですが?」

久(ポイントその5。初デートはとりあえず奢っとけ)

京太郎「映画でも見るか」

美穂子「そうですね。面白い映画あるといいけど」

京太郎(ワンピース見てー。だけど…)

京太郎「何が見たい?」

美穂子「うーん、この憧の教典が見たいですね」


久「映画だってー」

和「何見ますか?」

久「レズ映画以外何でも」

和「じゃあ、このコードテルテル反逆のピンクですね」

京太郎「出すよ」

美穂子「いえいえ、私の方が年上ですから…」

京太郎「いや、奢らせて!頼むから、奢らせてくれ!」

美穂子「いやいやいやいや…」


久「割引券ある?」

和「ありますよ。一枚」

久「先輩に譲るべきじゃないかしら?」

和「は?普通、先輩が奢るでしょ?舐めてるんですか!?」

久「くっそ…、相手が和じゃなきゃ奢らせる事が出来るのに…」

久(ポイントその6。映画とかカラオケとか、暗いから私はよく手を握るわよ。無理矢理やるとフラグが全て崩壊するので、要注意)

京太郎「…」

京太郎「…うーむ」

美穂子「ほおぉぉぉぉ」ワクワク


亜子『静乃以外全て殺す!ありとあらゆる殺し方で、お前たちを殺す!静乃のだけ生きてればいい!』



京太郎(正直、この映画キツイ。ちゃちゃのんが試写会を途中で退場した理由がわかる)

美穂子「うふふ」ハァハァ

京太郎「…」ツンツン

美穂子「…」ビクッ

京太郎(行けるか…)

京太郎(もう一度だけ…、軽く)

京太郎「…」ツンツン

美穂子「…///」ツンツン


京太郎(よし…、分の悪い賭けは嫌いじゃない!)

京太郎「…」ギュッ

美穂子「…///」ギュッ


手を握る二人


亜子『あはははははは!黒、お前は一番むごたらしい殺し方をしてやる!
偏差値70舐めんじゃないわよ、このIQ70が!お前じゃ思いつかないような、苦しい苦しい殺し方で…あひゃひゃひゃ!』



映画が終わる

久「あぁー、あの二人。映画が終わったら、ずっと手を繋いでるわね…」

和「恋人繋ぎってヤツですね。そんなオカルト…事実ですね」モグモグ

久「ってかアドバイスなんて必要だったの?」

和「最初のメールくらいですかね。まぁ、あれで帰っても良かったかと」モグモグ

久「何、食べてるの?」

和「ポップコーンですよ。キャラメル味の。部長も食べますか?」

久「いいの?」

和「何だか泣きそうになってる部長を見てたら、ポップコーンくらいあげてもいいかなって」

久「そう…」モグモグ

久(で、最後ね。これはアドバイスでも何でもないかも。男らしく、当たって砕ければいいのよ)

久(酔わせて…とか。騙して…とか。高校生じゃ無理だからね)

久(断わられたら素直に諦めなさい)



ラブホ照

美穂子「あ、あの!ここって!?」

京太郎「すまない。そう言う事をする場所だ!」

美穂子「京太郎さんも男の子ですからね、やっぱり考えますよね///」カァァァ

京太郎「お、おぅ…。軽蔑するか?」

美穂子「…」フルフル

京太郎「もし無理なら…、後日でも違う日でもいいし…」

美穂子「…私も興味がないわけではありません///その…、経験が無くて…、恥ずかしいだけです///」

京太郎「俺も経験ない。だから、実は震えてる」カタカタ

美穂子(そっか…。男の人でもやっぱり怖いんだ…。ここはお姉さんらしく…)

美穂子「…行きましょう!」


和「もう見てられないですよ。血反吐が出ます」

久「…」ボーーー

和「部長、帰りますよ」

久「…」ウルウル

和「部長!」

久「私は…、私は…」プルプル

久「和、ごめん」

和「何がですか?」

久「私…、今から追いかけてくる!」

和「は?あの二人、ラブホテルに入ったんですよ!?」

久「う、うん。わかってるけど…。ものすごく空気読めないって言うか…、ぶち壊しだけど…」

和「須賀君、怒りますよ。福路さんも」

久「…でも。行って来る!最後に告白して、振られて来る!」タッタッタ

和「1113号室に入りましたよー」

久「了解!」

和「さてさて」ピポパ


久「って…入ったものの…」キョロキョロ

久「オートロックだわね」

久「扉ドンドンして、開けて貰うか…。間違いなく、目立つし…。これ捕まるかしら、私?」

久「はぁ…、高校生活で最後の最後にやらかすとか…、ホント…、私ってば…」


ドンドン

久「おーい、須賀君!美穂子!」

ドンドン

久「おーいおーい」

「空いてますよー」

久「えっ…、ホントに…」


ガチャ

久「須賀君!美穂子!こんな所に、乱入して来てごめん!」ペコリ

ベッド「なんの用だじぇ?」ゴソゴソ

ベッド「今、いい所なんですよー」ゴソゴソ


久(うそっ…、もうヤッちゃってるの!?)

久(でも…)

久「ごめんなさい!私、須賀君の彼女の事、ずっと気になってたみたいなの!今日気付いた、あの子が好きって事に!」

ベッド「ふーん、部長はミッポの事が好きなんだじぇ?」モゾモゾ

久「う、うん。それだけは言っておきたくて…。ごめんなさいね。初体験の邪魔してしまって…」

久「こ、これお金。少ないけど」ポトッ



久「お幸せに!」ポロポロ

久「…」クルッ


ガシッ!

久「えっ…」


久の腕を掴む

京太郎「まぁ、そう慌てないで下さいよ」

久「須賀君!?貴方、ベッドの中に居たんじゃ…」

ガバッ!

優希「いないない…」咲「ばぁ!」


久「咲に優希!?」

京太郎「あぁ、福路さん。すいませんでした。間接キスとか、してしまって」

美穂子「…今から消毒します」クィ

久「えっ…」



美穂子「んぐっ…」チューーー

久「はむっ…」チューーー

京太郎「おおっ…、俺の目の前で美少女二人が熱い口づけを…、おい!優希!咲!写メ!写メ!」

優希「おほほほー」パシャ

咲「うふふふー」パシャ


久「ちょっと…ヤダ!みんな見てる!?」カァァァァァ

美穂子「須賀さん」

京太郎「はいはい、両手失礼しますね」ガシッ



美穂子「まだ足りません」チューーーー

久「んんっ!?んんッッ」ジタバタ

美穂子「ふぅ…、大変美味しゅうございました」

久「…」ポカーン



和「はぁー、もう。めんどくさい人ですね、部長は。と言うか!須賀君!」

京太郎「はい!」

和「貴方、かなり楽しんでましたね!優希、この男。浮気しますよ」

優希「なんだとごらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!このバカ犬!」

和「ここラブホテルじゃないんですよね」

久「は?」

和「ラブホテルに見えるただの家です。龍門渕さんの」

久「えっ…、料金表とか…」

咲「ただの看板ですよ。それにしてもラブホテルってこんな所なのかー。いい勉強になった」

和「咲さん。あくまでもラブホテル風です。本物のラブホテルは私と行きましょう」キリッ



久「とほほほ。私、全部騙されてたのか…」ヘナヘナ

美穂子「須賀さんと一緒にタコスを作ってたの本当ですよ?」ニコッ

久「えっと…、今の告白無しで」

美穂子「却下です」

久「写メ消しなさいよ」

優希「もう一斉送信しちゃったじぇ」

久「…」

美穂子「…」



久「…付き合う事になるのかな?」

美穂子「当然です。初めてのキスだったんですよ?」

久「…宜しくお願いします」ペコリ

美穂子「さぁ、上埜さん。デートのやり直しですよ。あっ、かなり目立ってましたから尾行になって無かったですよ」



終わる


『if -京太郎ルート-』


久「…帰る」

和「は?」

久「帰るったら帰る。何が悲しくて、友人と後輩のラブホテルなんか尾行しなきゃ行けないのよ!」

和「でも、福路さんが…」

久「お似合いじゃない。二人とも、家庭的だし。美穂子は完璧超人だし。須賀君は、オッパイ大きい子好きだし」

久「もういい。私は他校の生徒と仲良くなったし!帰る!帰る!!帰る!!!」フン

和「ホントに帰りましたよ…」

和「うわぁ…、肝心な所でメンタルが弱いのは相変わらずですか…」アタマカカエル



咲「なかなか来ないねー」

優希「うー、暇だじぇ」バタバタ

美穂子「上埜さん…」ポロポロ

京太郎「きっと来ますって!部長は、福路さんが大好き!本人に確かめた事はないけど、きっと…」


バタン!

美穂子「上埜さん!?」クルッ

和「…私です」

和「みなさん、撤収しますよ」

咲「部長は!?」

和「帰りましたよ。正直、少し失望しました。女なんか他にもいくらでも居るみたいな態度で」

京太郎「あぁー」

美穂子「うっ…うっ…うわあぁぁぁぁぁぁぁぁん」ポロポロ

優希「ミッポお姉さん、元気出すじぇ…。その…、また新しい恋を見つければいいじぇ」

美穂子「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」シクシク



和「この様子じゃ、一人で帰らせるわけには行かないですね」

咲「京ちゃん」

優希「犬」

京太郎「は、はい!」

咲・和・優希「送って差し上げろ」

美穂子「…」トボトボ

京太郎「…」

京太郎「その…元気出して下さい。俺、福路さんとデートしててすごく楽しかったですから」

美穂子「ありがとう」

京太郎「いやはや…、こんなキレイなお姉さんが本当に彼女だったらなってずっと妄想してましたよ」ハハハ

美穂子「そう?私なんかのどこがいいのかしら?」

京太郎「キレイだし、料理は美味いし、家事だって完璧って聞くし、優しいし…。欠点が逆に見つからないですよ」

美穂子「機械とかよく使えないから…」トボトボ

京太郎「逆にそれだけが欠点ってすごいですよ!」

美穂子「あっ…着いたわ。ありがとう」

京太郎「いえいえ、俺は何もしてませんよ」

美穂子「オリジナルタコス完成したのかしら?」

京太郎「はい、だいたいは。福路さんはどうですか?」

美穂子「美穂子でいいですよ、京太郎さん。あっ、どうぞ。送って貰ったお礼と、ぜひ食べて頂きたいので…」

京太郎「わかりました。お邪魔します」




美穂子の部屋


美穂子「どうぞ…、改良に改良を重ねた、福路スペシャルです」

京太郎「おおっ…これはこれは…」ゴクリ

京太郎「うめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?なんだこりゃ!?タコスなのかこれ!?」

美穂子「一応、タコスのはずよ。まぁ、ハギヨシさんのタコスの原型は留めてないけど」

京太郎「上手い!上手いっすよ!これ!」ガツガツ

美穂子「良かった、お口に合って」ニコッ


京太郎「ふぅー、食った食った」ポンポン

美穂子「次は京太郎さんのタコスの番ね」

京太郎「あっ、来週とか…」

美穂子「えぇ、特に用事はないけど…」

三週間後

咲「京ちゃん、京ちゃん。今週の日曜日なんだけど、一年生みんなで…」

京太郎「あっ、ごめん。日曜日は無理だわ」

咲「そっか…」


四週間後

和「須賀君、日曜日、部活をしようと思うのですが…」

京太郎「ごめん、ちょっと日曜日は…、勘弁して欲しい」


五週間後

優希「犬、最近付き合い悪いじぇ。罰として、日曜日に映画を奢…」

京太郎「すまん。日曜日は外せない用事がある。また今度にしてくれ」

優希「…じぇ」グスン

そして八週間後

優希「わ、別れたい?」カタカタ

京太郎「ごめんな。他に好きな人が出来た」ペコリ

優希「嫌だ!嫌だ!嫌だじぇ!!!!!!」ガタガタ

京太郎「もう決めた事だ。もし部活、辞めろと言うなら辞めるし…。タコスを作れって言うなら作り続けるが…」

優希「そんなのわからないじぇ!もう何が何だか…」

京太郎「…少し、部活休むな」

優希「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」ポロポロ

福路家

美穂子「最近、京太郎さんとタコス作るの楽しいわねー。清澄って日曜日は部活してないのかしら?」


ぴんぽーん

美穂子「はーい、今出ます」



京太郎「…」

京太郎「うっ…ひぐっ…」シクシク

美穂子「京太郎さん!?どうしたの?」

京太郎「すいません…、俺に泣く資格なんて…ないのに…」ポロポロ

美穂子「よしよし」ナデナデ

京太郎「…すいません」

美穂子「はっ!?」

美穂子(つい華菜の泣き顔を思い出して、膝枕してしまった…)

美穂子「片岡さんに謝らないと…」

京太郎「その必要はないっす。別れましたから」

美穂子「えっ…」



美穂子「…そう。他に好きな人が」

京太郎「はい、もうその人の事しか考えられません」

美穂子「私も上埜さんの事ばっかり考えてた時期があるし…、わかるわよ」

京太郎「毎週日曜日が楽しみ過ぎて…。平日が退屈です」

美穂子「へぇー、日曜日」ナデナデ

京太郎「メールとかも楽しいですね。変換ないと読み辛いですけど」

美穂子「私も変換はよくわからないから、みんなに迷惑かけてるわね」ナデナデ

京太郎「…もしかして気付いてないですか?」

美穂子「何がですか?」ナデナデ

京太郎「美穂子の事、好きなんだけど…」

美穂子「へぇー…」



美穂子「ん~~~~?」

美穂子「あれあれ?」

美穂子「ミホコって私かしらね?」

京太郎「親戚のおばちゃんに居ますけどね。もちろん、その人は今、関係ないですよ」



美穂子「わ、私を好きになったですってーーーーーーーー!?!??!??!」

京太郎「優希と別れたばっかりで、こんな事も言うのも何ですが…」

京太郎「俺とお付き合いして下さい!」ペコリ



美穂子「えっ…えっ…、えぇぇぇぇ!?」

美穂子「ちょっと待って下さい!10分ほど、心の整理をします!」アセアセ

京太郎「はい」

美穂子「うーん…。むむむ…」

美穂子(そう言えば…)



美穂子『ねぇ華菜。人生相談いいかしら?』

池田『キャップが私に?珍しいですね。全然いいですし。たまには後輩を頼って下さい』

美穂子『そうね…。失恋の痛みを忘れるには…どうしたらいいかしらね?』

池田『失恋ですか…』

池田(キャップが竹井さんに振られたって噂は本当だったんだ…)

池田『簡単ですし。違う恋を見つければいいんですし』

美穂子『違う恋ねぇ…』

池田(ソースは恋愛漫画だし)

池田『ほら、キャップの周りには、お似合いの人が…。華菜ちゃんとか、華菜ちゃんとか…』チラッチラッ

美穂子『別の人…、好きになれるかしらね…』タメイキ



美穂子「華菜の言うお似合いの人は…、京太郎さんだったのかしら…」ウーン

美穂子「私、京太郎さんの事、嫌いではありません」

京太郎「本当ですか!?」ガタッ

美穂子「少なくとも数少ない男性の交友関係の中では一番好いています」

京太郎「くぅ~~~~」ガッツポーズ

美穂子「しかし、私自身、失恋の痛みから立ち直れてないのと、片岡さんの事で今すぐ付き合う事は出来ません」

京太郎「そうですか…」ガックリ

美穂子「せめて年内はお友達としてお付き合いしましょう」

京太郎「お友達か…」ハァ

美穂子「もし…、年が明けて…、その時まで私の事を好いてくれてたら…」

美穂子「私も覚悟を決めます」ニコッ

京太郎「それくらい!待ちます!全然待ちます!」


そして、年が明ける

神社

優希「恋愛運恋愛運…」

咲「いい結果出るといいねー」

和「須賀君なんて、タコスマシーンです。ただの雑用奴隷。今年もこき使ってやりますよ」

優希「おおっ…、待ち人来たる。そして中吉。これは貰ったじぇー」


ザクザク…

美穂子「片岡さん、少しお話いいかしら?」

優希「ふん、去年からずっと待ってたじぇ」ギロッ

優希「言いたい事はわかってるじぇ」

美穂子「そう…、私…、京太郎さんと…」

優希「いいじぇいいじぇ。私は振られた女。ただの敗者だじぇ」

美穂子「そんな事…、思ってないわよ…」ポロポロ

優希「…一発殴ったら、全てチャラだじぇ。別にミッポお姉さんが奪ったとか思ってないし」

美穂子「いいわよ。殴られるのは…、コーチのおかげで慣れてるから」ニコッ



パーーーーーーン!!!!!

美穂子「…」ヒリヒリ

優希「これで私の分は…、チャラだじぇ」

優希「次はミッポお姉さんが私を殴る番だじぇ」

美穂子「えっ、私に貴方を叩く資格なんて…」


「おーい、優希、咲、和。おまたせー」

優希「あ・な・た!遅いじぇ」

和「元部長、優希の家に居たのに、なんで一番最後に来るんですか。優希と一緒に来ればいいのに」

久「ごめんごめん。ついつい炬燵の中が気持ち良くて…。美穂子!?」

美穂子「…上埜さん」ポロポロ

優希「な。殴る理由あるじぇ。私、部長に慰めて貰ったんだじぇ。部長が居なかったら、麻雀部辞めてたかも…」

久「…美穂子。久しぶりね」

美穂子「お元気そうで…」グスン

久「そう言うわけだから…」

美穂子「わかりました。片岡さんを幸せにしてあげて下さいね」ニコッ



美穂子「さてと」

優希「じ、じぇ…。なんか急に怖くなって来たじぇ…」

美穂子「本気で人を叩くのは、一年の時にコーチを叩いてしまった時以来かしら」ニコニコ

バチーーーーーーーーン!!!!!!!!


優希「あがっ…」ドサッ

美穂子「…」ツーーー

久「ひえぇぇぇぇぇぇ、容赦ないわね…」

美穂子「さて、彼氏待たせてますから、帰りますね」

久「あぁ、うん。須賀君に部活に出なさいって言っといて」

美穂子「はい」


京太郎「あぁ、もう終わったのか?」

美穂子「えぇ、部活にもちゃんと出て下さいね」

京太郎「お、おぅ…」

美穂子「…あっ、そうそう。今日からキス解禁です」チュッ♪



終わり