http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1379938410



和「……」

咲「未だに役も点数計算もうろ覚えで牌効率なんてまったくわからないでしょ?」

和「……」

咲「日頃から買い出しとか掃除とか雑用ばかりやらされてるくせしてさ」

和「……」

咲「そのくせ何かと和ちゃんとか優希ちゃんには口出しするし? 染谷先輩や部長にはいつも注意されてるし?」

和「……」

咲「実際、京ちゃん自身、自分には向いてないって自覚してると思うんだよなぁ」

和「……」

咲「はぁ……。 早く辞めないかなぁ……」

和「……」


和「本音は?」

咲「退部して傷心の京ちゃんを追いかけて後ろから強く抱きしめてあげたいです」

和「はぁ」

咲「そして私の胸の中でサメザメと泣いてほしいです」

和「はぁ」

咲「その後私の家に来てその場の勢いのまま同棲したいです」

和「あの」

咲「夜は勿論ベッドインからのラブラブチュッチュしたいです」

和「もういいですから」

咲「京ちゃん好き好き大好き超愛してる」

和「少し黙れ」




和「そんなに須賀くんのこと想っているなら、どうして退部を勧めたいんですか?」

咲「え?」

和「むしろ部内で離れ離れになるほうが寂しいんじゃないかと思うんですが……」

咲「ハッ! ハハッ!! わかってないなぁ和ちゃんはぁ!!」プゲラッ

和(腹立つ……)

和「……どういうことですか?」

咲「あのね? 考えても見なよ。 自分の好きな人が自分より魅力的な人のたくさんいる所にいるんだよ?」

和「ふむ」

咲「そしたら普通、『別の人に気が行っちゃって私なんか見てくれないかも』って感じしちゃうでしょ?」

和「あぁ、なんとなくわかりますね」

咲「これが俗に言う間接NTRってやつだよ。わかりやすいね」

和「全然わかりません」




和「実行には移さないんですか?」

咲「え?」

和「いえ、ですから……さっき言ってたこと。須賀くんを退部に追い込むやらなんやら」

咲「 ┐(´д`)┌ 」

和「……なんですかその顔」

咲「あのね和ちゃん……」

咲「そんなこと言える勇気が私にあると思ってるの?」フッ

和「ドヤ顔で何言ってんですか?」

和「そんなに不安になるものですかね?」

咲「何が?」

和「須賀くんのことですよ。 須賀くんに一番話しかけられてるの、咲さんだと思いますけど」

咲「ん……」

和「最近じゃあ、むしろ咲さんのほうが須賀くんを避けてるように見えますけど」

咲「だ、だってぇ……今の時期は夏なんだもん……」

和「?」

咲「こっちから近づいて『汗臭いぞお前』だなんて言われたくないし……」

和「あら、可愛らしい」

咲「喋ったりして『口臭いぞお前』とか言われたくもないし……」

和「いつも須賀くんに話しかけられる度に下向いてるのはその所為ですか」

咲「いい加減、京ちゃんに話しかけられる度に呼吸止めるの辛いよ」

和「そこまでしますか」

咲「あ、でもそのおかげで肺活量が少し増えたんだ。 やったね!」

和「ほーん」

咲「大体、みんなズルいよ!」

咲「優希ちゃんは京ちゃんに当たり前のように抱きつけるし! 」

和「あぁ」

咲「染谷先輩は京ちゃんにとって麻雀の先生みたいなものだし!」

和「面倒見いいですからね、染谷先輩」

咲「部長は京ちゃんのことパシれるし!」

和「それは褒めてるとは言えないんじゃ」

咲「それに……和ちゃんなんてその凶器地味たスタイルがあるし!!」

和「凶器って」

咲「知らないの? 京ちゃん、いっつも何かと暇さえあれば和ちゃんのことばっかり見てるんだよ?」

和「それはそれは」


咲「…………」

和「…………」

咲「なんか顔赤くなってない?」

和「な、なってませんよ」


咲「皆と比べて私はこれと言った特徴もないし、麻雀しか脳が無いし……」

和「そんなネガティブにならなくても……」

咲「せっかく京ちゃんと私の子供の名前を2千通りくらい考えたのに……」

和「そんなポジティブにならなくても」


咲「やっぱりおっぱいなのかな」

和「人間は外見じゃないですよ。 中身が一番です」

咲「これでも京ちゃんで毎日妄想してるんだけどなぁ」

和「あなたは中身すら危ういですね」

咲「どうやったらそんなにおっぱい大きくなるの? やっぱり揉まれて?」

和「なんですか、やっぱりって」

和「これは成長したら勝手についたものです。 私だって好きでこうなったんじゃないですよ」

咲「私だって好きで貧乳になったんじゃないよ!!」

和「ま、まぁそうですけど……」

咲「でも京ちゃんは大好きだよ!!」

和「そうですか」

咲「でも、京ちゃんだって悪いんだよ!」

和「と言うと?」

咲「ほら、私って本よく読むでしょ?」

和「はい」

咲「なるべく幼馴染とのラブコメ物を京ちゃんの前で読むようにしてるんだ」

咲「そうすればほら、京ちゃんに何読んでるか聞かれた時にそれとなくアピールでしょ?」

和「あら、それは可愛らしい努力ですね」

咲「ちなみに今日持ってきた本はー……『昨日見た幼馴染のパンツで今日も自慰が捗って困る』って本」

和「は?」

咲「京ちゃん、これ読んでるの気づいたら京ちゃんどう思うかなぁ」

和「え、あなたバカなんですか?」

咲「赤面して『ば、バカやろう……///』とかなっちゃったり!」

和「あ、わかった。さてはあなたバカですね?」

咲「そうだ!京ちゃんの前で朗読するのはどうだろうっ!?」

和「余裕でアウトだよまな板娘」

咲「こうやって毎日それとなーくアピールしてるのに、京ちゃんったら全く気づいてくれないんだもん……」

和「私的には露骨過ぎだと思いますよ」

咲「聞いてよ! 今日だって家庭科の時間でクッキー作ったでしょ?」

和「ありましたね」

咲「その時の京ちゃん、覚えてる?」

和「……いえ」

咲「京ちゃんったら、自分の焼いたクッキーをクラスの皆に配ってたんだよ! 女子男子先生、隔て無く!」

和「ほう」

咲「私は京ちゃんだけの為を思って作ってたのに……こんなのって無いよ!」

和「はぁ……」


和「……ていうか、覚えてるも何もそもそも私達と須賀くんのクラスは違うんですが」

咲「京ちゃんの為なら授業の1つや2つくらいどうってことないよ!」

和「5時限目居なかった理由はそれか」

咲「とゆーわけで和ちゃん、数学のノート後で見せて」

和「素直に補習食らってきなさい」


咲「触れることはおろか、喋り合うことすら困難。 隠れたアピールも全くの無駄」

咲「こんな私は一体どうすれば……」

和「やっぱり正面から堂々と『好きです』って言えばいいと思いますけど」

咲「それが出来たら麻雀部入ってないよ」

和「今とんでもない告白しましたねあなた」

咲「和ちゃんや優希ちゃんの居る麻雀部にいたら京ちゃんの貞操が危なくて仕方ないもの」

和「面と向かってそういうことを私に言える割に須賀くんには素直に言えないんですね」

咲「異性と同性じゃあまるで違うよ。 和ちゃんはお餅を目の前にして見が縮むくらい緊張することある? 無いでしょ?」

和「いや、無いですけど」

咲「そうでしょ? それくらい違うのっ」

和「はぁ」


和「あの、どうして例えにお餅を?」

咲「え? いや、お餅はお餅でも和ちゃんのこと……おっといけない」

和「おいコラてめえ」

咲「まぁ~別に~? 私だって華の高校1年生なわけだし~? これからまた京ちゃんと3年間過ごすわけだし~?」

咲「そんな焦らなくても~京ちゃんとイチャコラするタイミングなんてそのうち来るだろうし~」

咲「取り敢えず今はぁ~麻雀に熱あげとく~みたいな~?」

和「むしろ咲さんの場合、麻雀に熱あげとかないと須賀くんのことで頭一杯になっちゃうのでは」

咲「…………」

和「あ、図星でしたか」

咲「…………ヒック……」

和「図星だからって泣かないでくださいよ……」



咲「ちがうよぉ……麻雀に熱上げてるから京ちゃんに構ってあげられないんだよぉ……」

和「はいはい」ナデナデ

咲「むしろ京ちゃんのほうが私達に構って欲しいんだろうけど……構ってあげられないのはしょうが無いんだよぉ……」

和「そうですよね。 構ってもらえなくて寂しいんですよね」ナデナデ

咲「ちがうよぉ……ヒック……別に全然寂しくなんか無いってばぁ……」

咲「……もぉ……京ちゃんのばかぁ……ヒック……」

咲「そもそも最近の京ちゃんはフラフラし過ぎなんだよぉ……」

和「……」ナデナデ

咲「……最近私にレディースランチ頼まなくなったし……」

和「……」ナデナデ

咲「……最近私のことお姫様ってはやし立ててくれないし」

和「……」ナデナデ

咲「……最近私のほっぺた触ってくんないし……」

和「……」ピタッ

咲「……最近私に朝食作ってくれないし……」

和「……」....スッ

咲「……最近朝私のこと起こしに来てくれないし……」

和「……」

咲「……最近私に膝枕してくれないし……」


和「どこからが妄想ですか?」

咲「…………朝食のあたりから……です……」

咲「和ちゃんって好きな人いないの?」

和「ん。今はいませんね」

咲「今はってことは、昔はいたんだ?」

和「今思うと本当に恋だったのかなって感じですけどね」

咲「へぇぇ」

和「まあ幼心だっただけに、恋に恋してた時期だったんでしょう」

咲「……すごいなぁ」

和「? なにがですか?」

咲「いやぁ……なんか人生に達観してるって感じで……」

和「ふふっ、別にそういうわけじゃないですよ。 今はまだ、恋よりも麻雀の方に優先したいってだけで」

咲「……ねぇ和ちゃん」

和「はい、なんですか咲さん?」

咲「なんか和ちゃんってさ……」


咲「三十路過ぎても彼氏居なさそうだね」

和「空気読めよ」

和「で、結局のところ」

咲「んー?」

和「咲さんは須賀くんに退部して欲しいんですか?」

咲「んーんーんーんーんー!!」ブンブンブンブン!!!

和「まぁ、ですよね」


キーンコーンカーンコーン

咲「あ、部活終わりだね」

和「結局ずーっと咲さんの変な独白聞かされただけでしたね」

咲「えへへ、ごめんごめん。 でもなんだかスッキリしたって感じかなっ」

和「それは良かったです。 恋愛事には疎い私ですけど、私でいいならこれからも相談に乗りますよ」

咲「ホント!? ありがとう!」

和「三角関係の恋愛って見てるだけで楽しいですしね」

咲「? 今のはどういう?」

和「あー。 いえ、須賀くんのこと頑張れってことですよ」

咲「そう? ありがと!」

咲「いよっし、お掃除終わり! それじゃ和ちゃん、お先!」

和「はい。 お気をつけてー」

咲「バイバーイ!」ダッ

ガチャッ......バタンッ

和「…………ふぅ」


和「ですって、優希」

優希「……じぇぇ……」ガチャッ


和「ほら、だから咲さんも須賀くんのこと好きだって言ったじゃないですか」

優希「……マジかぁ……」

和「咲さんはチキンで一歩踏み出せない人ですけど、須賀くんとは幼馴染ですからね。 幼馴染ってそれだけで強みですから」

優希「……ど、どーしよのどちゃん……」

和「私は関与しませんよ? あくまで相談係ってだけですから」

優希「咲ちゃんがライバルとか…………うぁぁぁぁ…………」

和「ふふっ」

和「咲さんが須賀くんの退部を薦めてきた時はまさかとは思いましたけど」

和「……まぁ似たもの同士というか」

優希「あ、アタシは別に本気でそういったわけじゃないじぇ!」

和「咲さんだってそうでしょう?」

優希「うぐっ……」

和「須賀くんも隅に置けない人ですね。 さぁ、どうします優希?」

優希「ぐぬぬぬぅ……」


優希「あ、アタシには咲ちゃんには無い大胆なアピールができるじぇ!」

和「ですねぇ」

優希「きっと今に京太郎だってアタシにメロメロになるじぇ!」

和「そうですねぇ」

優希「だからダイジョーブ! ダイジョーブ!!」

和「そうですといいですねぇ」

優希「……のどちゃん、そのニコニコ顔止めて……」

和「ふふふっ」

優希「……こうなりゃ明日からはパンツ履くの止めて……」ブツブツ

和「ほらほら、鍵閉めますよ。 ブツブツ言わない」

優希「…………むぅ」



優希「うむっ! 決めた!」

和「?」

優希「ハイ! のどちゃん! アタシ片岡優希はここに宣誓するじぇ!」

和「は、はぁ」


優希「 絶対に京太郎を咲ちゃんに取られないようにします! 」

和「あらま」


和「果たしてそう上手く行くでしょうか?」

優希「アタシの十八番は速攻……要は咲ちゃんより早く京太郎ときせーじじつを作ればいいじぇ!」

和「既成事実だなんて難しい言葉、よく知ってますね」

優希「取り敢えずオトコを落とすならこう言っとけって部長が言ってたじぇ」

優希「うっしゃああ!! 見てろよ咲ちゃん! 絶対に京太郎は渡さないじぇー!!!」ウガー

和「………」



和(本当は四角関係だーなんて言ったら、二人共どんな反応するんだろう)

和「……ふふっ」



和「ホント、須賀くんは麻雀部を辞めるべきかもしれませんね」












和「なーんてっ」



―カンッ