http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1359274594/


優希「リーチだじぇ!」

咲「うーん……」

京太郎(うへへ…………)

和「…………」

京太郎「…………」

和「須賀君」

京太郎「な、何だ?」

和「気付いてますからね、視線」

優希「京太郎、またのどちゃんのおっぱい見てたのか!」

京太郎「ななな何のことだ!? 俺にはサッパリ……」

久「須賀君。女子はそういう視線、結構敏感なのよ」

まこ「呆れたもんじゃ……」

咲「京ちゃん……サイテー」

京太郎「うぐぐ……」

京太郎「し、仕方ないだろ! 男なんだから、見るなという方が無理だっての!」

まこ「逆ギレかい!」

和「……そんなことを言われましても、正直気持ちのいいものではないです」

和「ですから、私の胸を見るのはもうやめて下さい」

京太郎「う、うぅ……」

まこ「まぁ京太郎の理屈もまるで分からんわけじゃないが、和がこう言ってるんじゃ」

久「そうね。県大会も控えているわけだし、ここで和に変な影響出たら困るものね」

京太郎「で、でも……和の胸を見るななんて、俺にとっては拷問も同然で……」

久「駄目よ。少なくとも大会がひと段落するまでは、須賀君は和の胸を見るのは一切禁止ね」

京太郎「そ、そんな……」

優希「仕方ない! 可哀想な京太郎には、私のおっぱいを見ることを許可してやるじぇ! 感謝するじょ!」

京太郎「無いものは見れねぇだろ」

優希「なにをー!」

咲「京ちゃん、どうでもいいけどそれロンね」







京太郎「はぁ……とんでもないことになっちまった……」

京太郎「和のおっぱいを見ずに過ごせなんて、どうすりゃいいんだよ……」

京太郎「俺の……俺の毎日の生き甲斐が……」

京太郎「…………」

京太郎「寝るか……」

優希「ロンだじぇ!」

京太郎「うぅ、またか……」

咲「京ちゃん、どうしたの? 死んだ魚のような目をしてるけど」

優希「どうせ、のどちゃんのおっぱいを見るなって言われた後遺症だじぇ」

京太郎「そ、そんなこと……」チラッ

和「須賀君」

京太郎「は、はいぃ!」

優希「やっぱり見てるじゃないか、このエロ犬め!」

まこ「やれやれ……」







京太郎「…………」パラパラ・・

京太郎「ダメだ、エロ本なんかじゃ満足できねぇ……」

京太郎「和くらいデカい子も全くいないわけじゃないが、所詮本は本。リアルの和には勝てねぇ……」

京太郎「おっぱい……和のおっぱい……」

京太郎「和のおっぱいが、見たい……」

京太郎「……寝よう」



優希「よーし、今日も犬をボッコボコにしてやるじぇ!」

咲「京ちゃん、大丈夫? ゾンビみたいになってるけど」

京太郎「は、はは、大丈夫さ……ボールとか目玉焼きとか、あらゆる丸い物がおっぱいに見えてるだけで……」

久「全然大丈夫じゃないでしょ、それ」

まこ「そんなに和の胸に執着しとったんか……哀愁すら感じるのぅ」

和「男子って、こういうものなんですか……?」

久「いや、これはちょっと変態の域に達してるわ」

京太郎(くそっ、和のおっぱいを見られないことが、こんなに辛いなんて……)

京太郎(でも見たら咲や優希にどやされるし、和も嫌がってるし……)

京太郎(麻雀もオーラスでダントツ4位、いつもながらボロボロだ……)

京太郎(これが、この世の地獄ってやつなのか……)

京太郎(はぁ…………)

京太郎(……………………)

京太郎(…………ん…………)

京太郎(…………あれ?)

京太郎「ちょっと待ってくれ。みっつずつ、みっつずつ……」

優希「何いきなり、初心者みたいなことやってるんだじぇ」

咲「まぁ、京ちゃんは初心者だけどね」

京太郎「……ツモ。清一ツモタンヤオ平和、えーと……二盃口もか。三倍満かな?」

和「えっ!?」

優希「なっ……まっ、捲られた!?」

京太郎「おぉ、3確だけど門清なんか初めて和了ったぜ!」

和「凄いじゃないですか! 素敵な手ですよ、須賀君!」

まこ「ローカルルールでは、大車輪ちゅう役満とも扱われる手じゃのう。見事じゃ」

優希「うぐぐ……も、もう一回だじぇ!」

京太郎「と、飛んだ……」

和「今度は南場まで、もちませんでしたね……」

咲「京ちゃん、ドンマイ……」

優希「はっはっはー、思い知ったか!」

京太郎「麻雀も駄目、和のおっぱいも駄目……俺なんか、生きる価値は……」

和「まだそんなこと言ってるんですか……」

久「……ねぇ、あなた達。もう一回だけ、打ってみてくれる?」

京太郎「え……」

咲「いいですけど……何かあったんですか?」

久「……ちょっと、気になることがね」

京太郎「ラスった……」ズーン

咲「きょ、京ちゃん、今度は飛んでないだけマシだよ」

和「あまり慰めになっていませんよ、それ……」

優希「京太郎は振り込みすぎだじぇ。せっかくまた門清和了ったのに、勿体ないじぇ」

久「……間違いないわ、須賀君」

京太郎「何がですか?」

久「あなたは、異能の力を身につけてるわ」

優希「京太郎が? どういうことだじぇ?」

久「まこ、あなたは後ろで見てて気付いたでしょ」

まこ「ん……ツモも配牌も、かなり筒子に偏ってたとは感じたが、まさか……」

久「そう、筒子を引き寄せる力。それこそが須賀君の能力よ!」

京太郎「筒子を……? 確かに今回はよく筒子を引きましたが、そんなこと今まで……」

咲「たまたまじゃないんですか? 京ちゃん、今までそんな筒子を引くなんて……」

久「須賀君、これを見てくれる?」ジャラジャラ

和「これは、筒子……ですよね」

久「これ、別の何かに見えないかしら?」

和「別の何かって言っても、筒子は筒子としか……」

京太郎「……おっぱい……」

和「へ?」

京太郎「おっぱいだ……おっぱいに見える……」

優希「きょ、京太郎?」

久「須賀君は毎日の糧とも言える、和の胸を見ることを禁止された。その結果、禁断症状を起こした」

久「あらゆる丸い物が胸に見え、それを欲するパワーが麻雀へ向かった」

久「そして、須賀君は身につけたのよ! 丸い牌……筒子を、その手に引き寄せる力を!」

まこ「なんじゃそりゃあ!」

和「そ、そんなオカルトありえません!」

京太郎「お、俺にそんな力が……」

優希「エロパワー、恐るべしだじぇ……」

咲「でも、本当だとしたら凄いよ。毎局清一を狙えるかもしれないよ、京ちゃん」

久「いいえ、まだよ。後ろで見てたけど、まだまだ毎局清一や混一というレベルには遠いわ」

久「だから、須賀君。あなたはこれから先、この力を徹底的に鍛えてもらうわよ」

京太郎「で、でも鍛えるって言ってもどうすれば……」

久「考えがあるわ。和、ちょっといいかしら」

和「何ですか?」

久「頼みがあるんだけど、明日ね……」



翌日



和「な、何でこんなっ……!」プルプル

久「須賀君を鍛えるためよ。和だって、須賀君に大会で勝ってもらいたいでしょ?」

和「そ、それはそうですけど……」

久「それに、今は夏なんだし寒くはないはずよ。上半身だけにしてあげてるし」

和「そういう問題じゃありません! いくら須賀君のためだって……」

和「どうして、水着で対局しなければならないんですかっ!」

久「より須賀君に胸をアピールすることで、それを我慢できた際の見返りも大きくなると踏んだの」

和「だ、だからって……こんな露出の多い……」

京太郎(う、うおお! 水着で胸元がモロに強調されて……)

優希「見るんじゃないじぇ!」

スパーン!

京太郎「痛ぇっ!」

優希「のどちゃんのおっぱいに視線を動かしたら、このハリセンが黙ってないじぇ!」

久「そういうこと。須賀君は絶対に和の胸を見ないように過ごしてね」

京太郎「拷問ですよ、これは!」

まこ「和も我慢してるんじゃ。我慢せぇ、京太郎」

咲「京ちゃん、エッチな男の子は嫌われるよ」

京太郎(ぐぐ……確かに筒子は配牌でもツモでもバンバン入ってくるが……)

京太郎(……………………)チラッ

スパーン!

京太郎「ぎゃあっ!」

優希「また見たな、このエロ犬め!」

和「須賀君……」

京太郎「そんな目で見ないでくれ、和!」

京太郎「み、みっつずつ、みっつずつ……ツモ、鳴き清一のみ満貫……2位だ……」

久「うん、やっぱり筒子の率は以前より高まってるわ。この調子でいくわよ」

京太郎「ま、まさかこれ大会までずっと……」

久「当然よ。和もね」

和「やっぱり私もですか!?」

まこ「元々は、和に変な影響出るかもってことで胸を見るなって言ったような……」

久「こうなったら話は別よ。和はなんだかんだで、本番ではいつもの力を発揮できるだろうし」

京太郎「…………」チラッ

スパーン!

京太郎「うぎゃあ!」

数日後



京太郎「え、えーと……ロン! 門清!」

和「……当たり牌ではありませんよ、これは」

京太郎「え、マジで……えーと……あ、マジだ」

咲「また? これで何回目なの……」

久「うーん、困ったわね……須賀君の力は、確かに凄いものなんだけど……」

まこ「その肝心の使い手が、これじゃのう……」

京太郎「面目ないです……」チラッ

スパーン!

優希「また見たな、このエロ犬め!」

和「須賀君……」

京太郎「だ、だって! 無理だろこれは!」

久「それにしても染め手はただでさえ待ちが複雑。須賀君が間違えるのも無理はないけど……」

まこ「こんなにチョンボを連発しているようじゃあ、大会で勝ち進むなんぞ夢のまた夢じゃのう」

優希「しかも危険牌もバンバン切るから、振り込み放題だじぇ」

久「やっぱりここは、そのあたりの適切な打ち方を指導する先生が必要ね」

京太郎「先生……ですか」

久「そう。待ちやテンパイの取り方、押し引きのタイミング。そのあたりを身につければ、今よりも圧倒的に強くなるわ」

咲「となると……そういうことに強そうな人っていうと……」

咲「…………」チラッ

久「…………」チラッ

優希「…………」チラッ

まこ「…………」チラッ

和「……わ、私ですか!? 染め手なら、染谷先輩とかの方が……」

久「和の胸に身近に接して、それを我慢すれば効果が上がるはずだから和にお願いするわ」

和「……はぁ、仕方ありませんね……」

京太郎「…………」チラッ

スパーン!

優希「どさくさにまぎれて見るなっ!」

京太郎「ば、バレた!?」

和「やっぱりお断りしてもいいですか!? あと、水着ももう止めていいですか!?」

久「どっちもダメよ♪」







和「はぁ……何だか大変なことになってしまいました……」

和「そもそも筒子が集まるなんて、そんなの偶然に決まってます」

和「でも、もしそんな偶然が何度も起こるのだとしたら……」

和「今の須賀君が学ぶべきことは……うーん、何から始めたものでしょう」

和「今までの須賀君の打ち回しを考えるに……」

和「…………」



京太郎「こんにちはー。みんなお揃いですか?」

久「ええ、早速先生から話があるみたいよ」

京太郎「先生って……和か?」

和「須賀君に、お渡しするものがあります」

京太郎「何だ?」


ドサドサ


和「ネットから拾ったり私が自作したりした、清一や混一のテンパイ状態を記録したものです」

和「須賀君にはこれを全て、待ち牌がわかるくらい上達してもらいます」

京太郎「こ、これを全部!?」

和「いくら高い手でも、待ち牌がわからない限り意味がありません。しかも染め手は待ちが複雑になりやすいです」

和「須賀君が偶然にも染め手がよく入るというのなら、このくらいはわからないと戦えません」

京太郎「マジかよ……」

和「ではせっかくですし実際に牌を使って、一問目からやっていきましょうか」

京太郎「え、えっと……みっつずつ、みっつずつ……」

和「そんなこと本番でやってたら、テンパイ状況が丸わかりですよ。いいですか、コツは端牌を……」

京太郎「…………」チラッ

スパーン!

和「須賀君!」

京太郎「ご、ごめんなさーい!」

久「じゃ、私たちも打ちましょうか」

咲「京ちゃん、頑張って!」

和「ふぅ……今日はここまでにしておきましょうか」

まこ「そっちはどんな具合じゃ?」

和「……正直、相当急がないと大会には完成させられません。教えることは沢山あるので」

京太郎「は、はい……」

久「須賀君、大変だろうけどめげずにね!」

優希「のどちゃんも、水着を着てまでやってるんだしなー!」

和「み、水着は仕方なくですからね!」







京太郎「くそっ、辛すぎるぜ……和のおっぱいがすぐ横にあるのに、視線を向けることも許されないなんて……」

京太郎「正直ここまでして勝ちたいのかっていうと、俺自身もよくわからねぇし……」

京太郎「こんなに大量の問題に取り組まなきゃいけないなんて、面倒くせぇし……」

京太郎「和の奴も、俺なんかのためにわざわざこんなに頑張らなくても……」

京太郎「俺なんかの、ために……」

京太郎「……………………」

京太郎「もう少しだけ解いておくか、これ……」




和「個人戦まではあと二週間もない……」

和「須賀君が強くなるためには、次は何を……うーん、これでしょうか……いや、これも……」

和「今日も、少し寝るのが遅くなりそうですね……」

京太郎「えっと……147筒待ち、かな……?」

和「正解です。待ちはずいぶんわかるようになりましたね」

まこ「どうじゃ、順調か?」

和「待ちに関しては、完璧とまでは言いませんがそれなりに……ただ、他のことが全然手がついてなくて……」

和「手変わりや押し引きなど、他にもいっぱい覚えることはあるんです」

久「大会はもうすぐよ。大丈夫なの?」

京太郎「任せて下さい!」チラッ

スパーン!

和「須賀君!」

京太郎「はい、すいません……で、今日は何を……」

和「そうですね、今日は……」




和(須賀君はああ言ってるけど……)

和(正直なところ、このペースでは……とても、大会までに全ては……)

和(どうしましょう……)

京太郎「え、えっと……ロン!」

咲「……京ちゃん、3筒切ってるでしょ。フリテンだよ」

京太郎「え……あっ、そうか! しまった、手変わりの時にこっちのが広そうだなって思ったら……」

まこ「おいおい、もう今週じゃぞ? 大丈夫なんか?」




和(やっぱり、無理ですね……攻めるべきところでオリたり、手変わりでフリテンに取ったり、ミスが多すぎます)

和(私がこれ以上、教えられること……須賀君の力で、できること……)

和(……………………)




和「すいません、もう一局須賀君と打っていただいてもいいですか?」

咲「え? 構わないけど……」

和「須賀君、ちょっとお話があります」

京太郎「どうしたんだ、和」

和「ハッキリ言って、須賀君の今の打ち方では大会で勝ち抜くことは難しいです」

京太郎「まぁ、能力頼りの初心者麻雀だからな……でもそのために、和が色々教えてくれてるから……」

和「ですが、このままでは大会には完成は間に合いません」

京太郎「……うぅ……」

和「ですから、別の作戦を試してみましょう。私が今まで言ったこと、いったん全部忘れてください」

京太郎「へ?」

和「いいですか、よく聞いてください。まずは……」

京太郎「……ツモ! 混一ツモドラドラ、6000オール! 逆転トップだ!」

まこ「うわっ、マジかい!」

優希「きょ、京太郎がトップだって……信じられないじぇ……」

咲「京ちゃん、凄いよ!」

京太郎「和! 初めてトップを取ったぜ!」

和「ええ、やりましたね! これなら本番でも、もしかするともしかするかもしれませんよ!」

京太郎「これも全部和のおかげだぜ、ありがとな!」チラッ

スパーン!

和「だから見ないでください!」

京太郎「はい……」

まこ「でも、やるのぅ。新作戦がうまくハマったようじゃの」

咲「せっかくだし、京太郎も代表を狙おうよ。京ちゃんには、もうその力があるはずだよ!」

久「そうよ! もし代表になったら、和に好きなことを命令していいわよ!」

京太郎「す、好きなことを!?」

和「何言ってるんですか!」

久「今まで溜まった分、思いっきり発散しないと。和のおっぱいを鷲掴みにさせてくれーとか」

和「ぶ、部長!?」

久「ほら、今なら和も何でもするって言ってくれてるわよ」

和「言ってません!」

京太郎「ほ、本当に何でも……」

久「ええ、部長権限で何とかするわ」

京太郎「じゃ、じゃあ和! お願いだ、もし代表取ったら!」

和「そ、そんなエッチなお願いは……!」



京太郎「次の日曜、デートしてくれ!」

和「……え?」

和「で、デート……?」

京太郎「だ、ダメか……?」

和「う……うーん……」

久「…………」

まこ「…………」

優希「…………」

咲「…………」




和「……ま、まぁ……そのくらいなら……」

京太郎「ほ、本当か!?」

咲「よかったね、京ちゃん」

優希「のどちゃん、やめた方がいいじぇ。きっと途中で襲われるじぇ」

京太郎「お前は俺を何だと思ってるんだ!」

和「い、言っておきますけど、代表を取れたらですからね! 取れなかったらダメですよ!」

京太郎「大丈夫だ! 和のおっぱいもエロ本も全部封印したんだ、俺に敵はない!」

久「その意気よ、頑張りなさい」

まこ「代表取れるといいのぅ、京太郎」


そして大会当日




京太郎(さて、いよいよか……)

京太郎(ここまで死ぬ気で、和のおっぱいを見るのを耐えてきたんだ……いや時々は見てたけど……)

京太郎(この蓄積したおっぱいパワーを、全部ぶつけてやる!)

「「「「よろしくお願いします」」」」



京太郎(よし、5巡目で門清テンパイだ……待ちは、346筒。さすがに警戒もされてないはず)

京太郎(……次のツモも筒子! 手変わりのチャンスだが……)

京太郎(いやいや、ここは和が教えてくれた作戦を思い出せ……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

和『ですから、別の作戦を試してみましょう。私が今まで言ったこと、いったん全部忘れてください』

京太郎『へ?』

和『いいですか、よく聞いてください。まずは……手変わりに関してです』

京太郎『手変わり?』

和『はい。須賀君のミスで最も目立つのは、手変わりの時です』

和『待ち牌を多くしようと思ったらフリテン受けになったり、逆に少ない待ちにしてしまったりしています』

京太郎『あぁ……門清の手変わりとかは言われた通り勉強してるんだが、やっぱりどうしても混乱して……』

和『それを完璧にするのは、もう大会には間に合わないでしょう。ですから、考えることは一つだけです』

和『三門張以上のテンパイなら、手変わりは考えない。和了り牌以外は、オールツモ切りでいきましょう』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




京太郎(俺に筒子を引き寄せる力があるなら、三門張ならば十分ツモれる)

京太郎(俺の力を知らない奴らなら、こんな早い巡目で張ってるとは誰も思わないからロンも期待できる)

京太郎(ここは、もう手牌チェンジは考えない。そうすれば……)
京太郎「ツモ! 門清ツモドラ1、4000・8000!」

モブ1(なっ……!)

モブ2(8巡目で門清だと!?)

モブ3(くそっ、運のいい奴め……!)




モブ1「取り返すぜ! リーチ!」

京太郎(きた……)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

和『それともう一つ、オリることは考えないで下さい』

京太郎『え、でもそれじゃ振り込みまくるんじゃ……』

和『でしょうね、でも構いません。須賀君の火力から、必ずそれ以上の点を取り返すことができます』

和『勝てる手でオリるのが最悪です。ならばもう多少の振り込みは覚悟の上、全ツッパしましょう』

和『もちろん本当は攻めるべきところで攻め、オリるべきところではオリるのが最善ですけどね』

京太郎『俺にはちょっと大会までには難しそう……ってわけか。なるほど、やってみるぜ!』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




モブ1「ロン、7700!」

京太郎(くっ、当たり牌掴まされちったか……でも、問題ない!)

京太郎「ロン、12000!」

モブ1(ま、また筒子の清一だと!?)

モブ2(馬鹿な、まだ6巡目だぞ……)




京太郎「ツモ、4000オール!」

モブ3(こ、今度は門混!?)

モブ1(何なんだ、こいつは……!)

和『三門張以上は手変わりを考えない。オリることはしない』

和『この二つさえ守れば、きっと……』




京太郎「……ツモ」

モブ2(ま、またこいつか!?)

モブ3(何だ!? また染め手か!?)

京太郎「……門清は、部活で何回も和了ってきたが……」

京太郎「さすがにこれは、初めてだぜ」

パタタタタ・・・・



和『今の須賀君に勝てる人は、そうそういません』



京太郎「九蓮宝燈。16000オールの一本場は、16100オール」


咲「あ、京ちゃん」

京太郎「お、みんなお昼か?」

優希「京太郎、調子はどうだー?」

京太郎「おう、絶好調だ! ありがとな、和! これも全部お前のおかげだぜ!」

和「そ、そんな……須賀君の努力あってこそですよ」

久「強さの根源は、和の胸だけどね」

和「は、恥ずかしいからそれを言わないでください!」

まこ「こりゃ和とのデートも見えてきた感じかのぅ」

和「……代表取ったらですからね」

京太郎「そろそろ行かないと。それじゃ、みんなも負けるなよ」

和「あ、須賀君!」

京太郎「ん?」

和「そ、その……頑張ってください!」

京太郎「……! あぁ、和もな!」

優希「咲ちゃん、和ちゃん! 代表おめでとうだじぇ!」

咲「ありがとう、優希ちゃん」

久「私はちょっと届かなかったわ。全国でも頑張ってね、二人とも」

和「……須賀君はどうですか?」

まこ「おや、自分のことより京太郎が気になるようじゃの?」

和「そ、そういうんじゃ……」

久「須賀君は上位4人に残ってるわ。次の最終戦で勝てば、代表決定よ」

和「そうですか……次、勝てば……」

京太郎(咲と和は代表を取った。二人とも、さすがだな)

京太郎(俺もこの決勝で勝てば代表……何としても、勝ちたい)

京太郎(だが……)




「狂気の沙汰ほど面白い……」

「傀……と、呼ばれています。よろしくお願いします」

「さて……打(ぶ)つか」




京太郎(今度の相手は……一筋縄じゃ、行かなさそうだ……)


傀「ロン、8000です」

京太郎「う……」

赤木「ククク……勝負の後は骨も残さない……」

哲也「染め手が得意なようだが、これなら小龍の方が恐ろしい相手だったな」

京太郎(くそっ、わかっちゃいたが遥か格上だ……)

京太郎(もう東場も終わりに近い。点差自体はまだ逆転圏内ではあるが、全然和了れる気がしない……)

京太郎(やっぱり、俺じゃ勝てないのか……?)




咲「あの三人……物凄く、強いです……」

久「まずいわね。今の須賀君には、流れが来てない」

まこ「このままだと、負けてしまうぞ」

和「須賀君……!」

京太郎(……張った、2筒切りでテンパイ)

京太郎(だが、この2筒……何か嫌な予感がする……)

京太郎(いや、でもここから他の切り方はない……今更他の打ち方なんて、したところで……)




(須賀君……!)




京太郎(……!)

京太郎(今、和の声が……!)

京太郎(……そうだよな。まともに打ったところで、俺じゃこの三人に勝てるはずもねぇ)

京太郎(だったら……ここは、こうだ!)ダンッ

哲也(……1筒だと!? 俺の2筒待ちを、回避しやがった)

京太郎(そして、次はこれだ)




優希「きょ、京太郎、何やってるじぇ! テンパイを崩して、1筒落としなんて!」

咲「確かに2筒を落としていたら、あの赤木って人に刺さってたけど……」

まこ「京太郎、何考えとるんじゃ……?」

久「さぁ……和はわかる?」

和「……! まさか、須賀君の狙いは……!」

京太郎「……あんたらは、天賦の才があるんだな」

赤木「何をいきなり、藪から棒に」

京太郎「きっと、麻雀の神に愛されたって奴らなんだろう。俺の仲間にも、そういう奴がいるからよくわかる」

傀「…………」

京太郎「気付いての通り、俺は筒子を多く引けるだけの初心者でしかない。神を味方には、つけられなかった」

京太郎「だがな、それでも俺は負けねぇよ」タンッ

哲也(今度は9筒切り……?)


『凄いじゃないですか! 素敵な手ですよ、須賀君!』


京太郎「この手は、素敵な手だって言ってくれたんだ」




『どうして、水着で対局しなければならないんですかっ!』


京太郎「俺なんかのために恥ずかしい思いもして、自分の麻雀時間も削ってくれた……」




『これなら本番でも、もしかするともしかするかもしれませんよ!』


京太郎「俺の……大好きな、子が……」

京太郎「あんたらには、神が味方についてるってんなら……」

ゴッ!!

哲也「おっ、お前……」

傀「……!」

赤木「ククク、見誤ったぜ……ただの三流かと思ったら、ずいぶんと熱い三流だったようだ……」




京太郎「俺には、女神がついてるんだ!」

京太郎「ツモ! 清一ツモタンヤオ平和二盃口、三倍満!」

咲「京ちゃん!」

優希「やったじぇ! これでトップに躍り出たじょ!」

まこ「これであと南場を凌げば、代表じゃな。しかし、何であんな打ち方をしたんじゃろか?」

久「須賀君はあんな当たり牌を止めるなんてこと、できないはずだし……ねぇ、和」

和「…………」

久「和?」

和「あっ、はい。ふ、不思議ですね……」



和(……私には、わかりますよ……あの手、覚えていたんですね……)

和(ありがとう……須賀君)

京太郎(勝てる……勝てるぞ!)

京太郎(今の俺なら、この化け物たちにだって負ける気はしねぇ!)

京太郎(あとは、この差を守り抜いて、和と一緒に全国へ……)

京太郎(……あれ?)

京太郎(何だかいつもより、配牌に筒子が少ないような……たまたまか?)

京太郎(……この局は結局、かろうじてのテンパイ流局だった……)

京太郎(くそっ。配牌だけでなく、ツモにも筒子は以前ほど集まらなかった)

京太郎(まぁ、こういうこともある。次の局に切り替えろ)

京太郎(……! また、いつもより筒子が少ない……!)

京太郎(どういうことだ……)

哲也「リーチだ」

京太郎(くっ……)

京太郎(どうしてだ……どうして、筒子が来なくなった……)

哲也「ロン」



京太郎(これに勝てないと、和と……)

赤木「お、ツモった……」



京太郎(和と……)

京太郎(…………あれ…………)

京太郎(あぁ……そうか、そういうことか……)

京太郎(そりゃあ、来なくなるわけだな……)

京太郎(ここまで、か……)

傀「御無礼、ロンです」

京太郎「……ふぅ……」

京太郎「終わっちまったか……」

京太郎「…………」

久「須賀君、お疲れ様」

京太郎「あ、部長」

久「……惜しかったわね」

京太郎「……ええ。部長こそ、ギリギリだったって聞きましたが」

久「そうね。ところで少し話、いいかしら?」

京太郎「……筒子が来なくなった、理由……?」

久「ええ。あの三倍満を和了った時は、間違いなく須賀君に風が吹いてたわ」

久「でも、あの辺から筒子を引き寄せる力が落ちた……」

京太郎「…………」

久「須賀君には、何か心当たりはあるかしら?」

京太郎「わかってますよ、原因は」

久「え?」

京太郎「元々、俺の筒子を引き寄せる力は、和のおっぱいに対する執着から来ていました」

京太郎「和のおっぱいを見たいという思いが、俺に筒子を集めてくれた」

京太郎「でも、あの時気付いてしまったんですよ。和のおっぱいには、興味がなくなったってことに」

久「え!? 須賀君が!?」

京太郎「全くってわけじゃないですよ。その証拠に、その後もそれなり程度には筒子が来てましたしね」

京太郎「でも以前に比べると、確実に興味は薄れた……いや、それも正確な言い方ではありませんね」

久「……どういうことなの?」

京太郎「以前の俺は、和のおっぱいが大好きでした。おっぱい狂でした」

京太郎「和といえばおっぱい、おっぱいといえば和でした」

久「恥ずかしげもなく、よく堂々と言えるわね……」

京太郎「でも、本当は違ったんです。和のおっぱいには、もうさほど執着してなかった」

久「……?」

京太郎「俺は、原村和という一人の女の子のことを、どうしようもなく好きになっていた」

京太郎「そのことに、気付いてしまったんです」

久「……いわば和の胸に対する執着が、和本人への愛へと変わっていたことに気付いたから……」

京太郎「ええ。筒子を引き寄せる力が、落ちたんでしょう」

京太郎「もはや、たとえ和のおっぱいが小さかったとしても、もう関係ない」

京太郎「俺は……和のことが、好きなんですから」

久「だから、負けたわりには晴れ晴れとしていたわけね……」

京太郎「ま、初心者同然の俺がここまで行けただけでも奇跡ですからね。悔いはありません」

京太郎「ただ……最後の最後、決勝でカッコ悪いところを見せちゃったのが残念ですが。デートもおじゃんですし」

久「……そっか、なるほどね。須賀君は一年よ、まだまだチャンスはあるわ」

久「それまで、みんなで鍛えてあげるわ。来年こそ、行けるようにね」

京太郎「ありがとうございます、部長」

久「じゃ、みんなのところに戻りましょうか」

京太郎「そうですね」




タタッ

京太郎(ん……?)

京太郎(誰か、いたのかな……ま、いっか)

優希「お疲れ様だじぇ、京太郎!」

まこ「惜しかったのぅ」

京太郎「いえ、満足してますよ。あ、二人とも代表おめでとう」

咲「ありがとう、京ちゃん」

和「…………」

京太郎「ん……どうした、和? 顔真っ赤だけど」

和「は、はい! あ、ありがとうございます!」

京太郎「お、おぅ……?」

久「それじゃ、帰りましょうか」

まこ「せっかくじゃ。みんなで何か食べてくか?」

優希「おー!」




咲「よし、私たちも行こっか」

和「…………」

京太郎「ん、どうした和?」

和「カッコ悪くなんか、なかったですよ……」ボソ

京太郎「え? 何か言ったか?」

和「……いえ」

京太郎「大会から一週間……」

京太郎「はぁ~あ、一気に暇になっちまったな……」

京太郎「しょうがねぇ、今日はゴロゴロして過ごすか……」

ピンポーン

京太郎「ん……誰だ、こんな朝っぱらから」

京太郎「はいはい、今出ますよっと」ガチャ




和「おはようございます、須賀君」

京太郎「の、和!?」

京太郎「どうしたんだ、今日は」

和「約束したじゃないですか。大会終わったら、デートするって」

京太郎「え? で、でもあれは代表取ったらって話で……」

和「確かに代表は取れませんでしたが、あそこまで行けば十分ですよ」

和「それとも、今日は都合が悪かったですか……?」

京太郎「い、いや全然、超暇だったぜ! 今すぐ出る!」

京太郎「お待たせ」

和「それと、部長からの伝言があります」

京太郎「部長から?」

和「『大会も終わったんだし、特訓は終了。和が不快にならない程度なら、胸を見てもいいわよ』だそうです……」

京太郎「ま、マジか! よっしゃ、ついにか!」

和「須賀君……」 

京太郎「あ、いや、これはその……」

和「……まぁ、須賀君も男の子ですからね。多少は大目に見てあげます」

京太郎「本当か!?」

和「勘違いしないで下さい! あくまでも、多少ですからね!」

京太郎「ぜ、善処します……」

和「まったく、あなたという人は……」

京太郎「面目ない……」

和「それじゃ須賀君、今日はどこに行きましょうか?」




END